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【発明の名称】 カートリッジ式のボールバルブ
【発明者】 【氏名】小海 昇

【氏名】高見沢 良和

【氏名】上田 靖三

【氏名】川島 唯司

【氏名】松井 典夫

【氏名】豊田 義弘

【氏名】山崎 純

【氏名】小泉 忠義

【氏名】大野 勝男

【要約】 【課題】バルブ本体の中に、有底のほぼ円筒状で流体通過孔を有するカートリッジを着脱可能に設け、カートリッジ内にバルブボールを収容してなるカートリッジ式のボールバルブにおいて、カートリッジをとり出したときにカートリッジとバルブ本体との間をシールするガスケットの脱落を防ぐとともに、交換を容易にする。

【解決手段】ガスケットの一方をカマボコ形で流体通過孔をもったシートガスケットとし、カートリッジに設けたアリミゾにより固定する。 ガスケットの他方はリング状のガイドガスケットとし、カートリッジに設けたリング状の溝に埋め込んで固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 箱形のバルブ本体の中に、有底のほぼ円筒状で流体通過孔を有するカートリッジを着脱可能に設け、カートリッジ内部に流体通過孔を有するバルブボールを回転可能に収容してあり、カートリッジ内でバルブボールを流通方向の両側に配置した一対のボールシートでシールするとともに、カートリッジとバルブ本体との間を流通方向の両側に配置した一対のガスケットでシールしてなるカートリッジ式のボールバルブにおいて、カートリッジの流通方向の一方の側をアリミゾつきの平面とし、そこへカートリッジの外形に合致するカマボコ型の断面をもったシートガスケットを挿入して上記アリミゾにより固定し、流通方向の他方の側をテーパをもった平面とし、このテーパ面にリング状の溝を設け、そこへリング状のガイドガスケットを挿入し、これらのガスケットによってカートリッジとバルブ本体とのシールを形成したことを特徴とするカートリッジ式のボールバルブ。
【請求項2】 シートガスケットとして、テフロン、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネートおよびPEEKからえらんだプラスチックの射出成形品または切削加工品を使用した請求項1のボールバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カートリッジ式のボールバルブの改良に関し、詳しくは、バルブボールの部分をバルブ本体に対して着脱可能にしたカートリッジ式のボールバルブにおいて、カートリッジのバルブ本体に対するガスケットをカートリッジと一体に着脱することができるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】バルブ類の点検や修理を、配管系統に組み込んだまま行なうことが容易なバルブとして、発明者らの一部は、共同研究者とともにカートリッジのバルブを開発して、以前に提案した(特開昭56−120862号)。 カートリッジ式のバルブは、バルブ本体、ボ−ルおよびボ−ルシート、ボンネットならびにステムを基本的な要素とするバルブであって、バルブ本体は箱形であり、ボ−ルおよびボ−ルシートは流体の通過孔をそなえた有底筒状のカートリッジ内に収容されており、このカートリッジを、箱形のバルブ本体内に着脱可能なように構成したことを特徴とするものである。
【0003】この構造のバルブは、ボンネットを固定しているボルトをゆるめてバルブ本体からそれを取り外すことにより、カートリッジの点検や交換が容易に行なえる。カートリッジが修理を要するときは、新しいものと交換して再びボンネットを固定し、古いカートリッジをその後に分解して必要なら部品の交換をするなどして、再調整することができる。 従って、カートリッジ式バルブは、配管を通る流体に接触することを極力避けたい、放射性物質や劇毒物を取扱うプラントに使用して大いにその意義を発揮して来た。
【0004】このカートリッジ式のバルブに対して、さらに、ボンネット下部とカートリッジ上部とをバヨネットマウント方式で着脱する構造を採用し、ボンネットの取り外しと同時にカートリッジも取り外せるようにする改良を施し、これもすでに提案した(特開昭57−22477号)。 具体的には、ボンネットの下部とカートリッジ上部のいずれか一方に少なくとも2個の横方向の突出片を設けるとともに、他方にはこの突出片と係合する溝を設け、溝の一部に突出片の通過を許す切欠きをそなえた構造である。
【0005】カートリッジ式のバルブは、ボールバルブ、ゲートバルブなど種々のタイプが可能であるが、とくにボールバルブへの適用が有利であり、ほとんどボールバルブとして実用されている。 ボールバルブにおいては、カートリッジ内でボールに対するボールシートとカートリッジおよびバルブ本体間のシールをするガスケットの材料としてPEEK樹脂のようなエンジニアリングプラスチックを使用し、高温かつ放射線下の使用条件に耐えられるようにし、かつボールシートおよびガスケットの断面形状を工夫することにより、ボール回転のトルクを小さく抑えることに成功したタイプも、すでに開示した(特開平7−27238号)。
【0006】カートリッジ式のボールバルブであって、上記バヨネット式の着脱を行なうものの代表例は、図1および図2に示すような構造である。 カートリッジ(2)とバルブ本体(1)との間のガスケットは、図3にみるように、流通方向の一方の側が、カートリッジの周面に当てられたリング状のシートガスケット(6A)であって、他方の側が、テーパをもった平面を向い合わせてバルブ本体側に設けたリング状の溝にリング状のものを挿入したガイドガスケット(7A)であって、これらの組み合わせによりシールをしている。 シートガスケット(6A)は、図4AおよびBにみるような形状であって、その裏面のリング状の突起をカートリッジの外周に設けた溝に挿入して固定する。
【0007】このバルブを使用しているうち、つぎの問題が生じた。 すなわち、カートリッジをバルブ本体からとり出すときに、■シートガスケットがカートリッジから脱落しやすいこと、および■バルブ本体側にあるガイドガスケットの交換に当って、取り外しと新品の装着が面倒なこと、である。 シートガスケットは、テフロンやナイロン、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネ−トあるいはPEEKのようなプラスチックで成形することが多いが、図3に示すようなカートリッジ外形に正しく合致させたものを成形するのは容易でないため、多くの場合、図4AおよびBに示すような平面形状のものを成形して使用している。 カートリッジ装着時にはシートガイドが押し込まれて屈曲するが、抜去時には弾性で形状が復元し、カートリッジから離れやすくなる結果、脱落するわけである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カートリッジ式のボールバルブにおいて経験した上記の問題を解消し、カートリッジの取り出しに当ってシートガスケットが脱落することなく、かつガイドガスケットの交換も容易にしたものを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する発明のカートリッジ式のボールバルブは、図5および図6に示すように、箱形のバルブ本体(1)の中に、有底のほぼ円筒状で流体通過孔を有するカートリッジ(2)を着脱可能に設け、カートリッジ内部に流体通過孔を有するバルブボール(3)を回転可能に収容してあり、カートリッジ内でバルブボールを流通方向の両側に配置した一対のボールシート(4A,4B)でシールするとともに、カートリッジとバルブ本体との間を流通方向の両側に配置した一対のガスケットでシールしてなるカートリッジ式のボールバルブにおいて、カートリッジ(2)の流通方向の一方の側を、図7に示すようにアリミゾ(21)つきの平面(22)とし、そこへ、図8に示すようにカートリッジの外形に合致するカマボコ型の断面をもったシートガスケット(6B)を挿入して上記アリミゾにより固定し、流通方向の他方の側をテーパをもった平面(23)とし、このテーパ面にリング状の溝(24)を設け、そこへリング状のガイドガスケット(7B)を挿入し、これらのガスケットによってカートリッジとバルブ本体とのシールを形成したことを特徴とする。 これらの図において、符号(5)はアジャスター、(8)はボンネット、(9)はステムを示す。
【0010】
【発明の実施の形態】シートガスケットの材料としては、上記のように、テフロン、ナイロン、PEEKのようなエンジニアリングプラスチックが好適であって、量産品においては射出成形品を用意して使用すればよく、そうでない場合はブロックから切削加工して得た製品を使用すればよい。
【0011】図示した例は、カートリッジ式のボールバルブにおいて、前記のバヨネット式マウント法を採用したものである。 カートリッジ(2)の詳細は図7A(平面図)およびB(縦断面図)に示すとおりであり、シートガスケットの詳細は図8A(平面図)およびB(断面図)に示すとおりである。 カートリッジ(2)の流通方向の一方の側にアリミゾ(21)つきの平面(22)をつくり、そこへシートガスケット(6B)を、アリミゾの方向に沿って、つまり有底筒状のカートリッジに対して横方向から辷らせてはめ込み、アリミゾで固定する。 他方のガイドガスケット(7B)は、リング状で、カートリッジの流通方向に関し他方の側にあるテーパつき平面(23)に設けたリング状溝(24)にはめ込む。 いうまでもなく、カートリッジとシートガスケットおよびガイドガスケットとのはめ合い状態を適切にえらんで、脱落も変形もないようにすべきである。 従来のバルブに対する本発明のバルブの特徴は、図1および図5の対比により明らかになる。 本発明では、図8に示したようなカマボコ型の断面をもったシ−トガスケット(6B)を使用することにより、図4に示したド−ナツ型のシ−トガスケット(6A)をわん曲させてはめ込んでいた従来のものより、カ−トリッジ(2)への装着が容易になるとともに、脱落しにくくなる。 また、ガイドガスケット(7B)をカ−トリッジ(2)側にとりつけたことにより、バルブ本体(1)内にとりつけていた従来のものより、その取り外しが容易になる。
【0012】バルブ全体の組み立ては、すでに開示した前記のカートリッジ式のバルブにおいてボールバルブであるものと、同様に行なうことができる。 すなわち、まずカートリッジ(2)内にボールシート(4A,4B)を介してボール(3)を回転可能に収容する。 このとき、図5および図6にみるように、アジャスター(5)によりボールとボールシートの関係を調節して、シールの確保とボール回転のスムーズさとを調和させる。 次にカートリッジの両側にシートガスケット(6B)およびガイドガスケット(7B)を前記のようにしてとりつけ、カートリッジをバルブ本体内に置く。 ステム(9)を組み込んだボンネット(8)をバルブ本体上にのせ、固定ボルトで両者を結合することにより、本発明のカートリッジ式のボールバルブが完成する。
【0013】
【発明の効果】本発明のカートリッジ式のボールバルブは、すでに開示したカートリッジ式のバルブにおいてボールバルブのタイプであるものが享受する、すべての利益が得られる。 すなわち、基本的な態様にあっては、バルブ本体からカートリッジを取り出すことによりバルブボールの周辺を配管系統から切り離して取り扱うことができ、検査や修理に好都合である。 バヨネットマウント方式を採用した好ましい態様においては、これに加えてボンネットとバルブ本体との着脱に当って、カートリッジを同時に着脱できるという効果を、あわせて奏する。 ボールシートに適切なエンジニアリングプラスチックを使用し、その断面形状を適切に選択することによって、高温での使用に耐え、かつボールの回転をスムーズにするという、その後の開発により奏した効果もまた、得ることができる。
【0014】その上で本発明は、カートリッジにシートガスケットがはめ込まれていて脱落せず、かつ、従来はバルブ本体側にあって取り出しにくかったガイドガスケットがカートリッジ側に一体になっていて、取り出しや交換が容易であるという利益が得られる。
【0015】このようにして本発明は、危険・有害物質を取扱う配管系統のバルブとして、検査や修理の所要時間をいっそう短縮するとともに、危険・有害物質との接触の機会をさらに減らすことを可能にする。
【出願人】 【識別番号】593132272
【氏名又は名称】岡バルブ製造株式会社
【識別番号】000224754
【氏名又は名称】核燃料サイクル開発機構
【識別番号】597156502
【氏名又は名称】株式会社ペスコ
【出願日】 平成9年(1997)11月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】須賀 総夫
【公開番号】 特開平11−141701
【公開日】 平成11年(1999)5月28日
【出願番号】 特願平9−306238