| 【発明の名称】 |
ゲートバルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】田村 譲
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| 【要約】 |
【課題】弁体がOリングに対し均等に押圧され、シーリング能力の向上したゲートバルブを提供する。
【解決手段】周囲にシール部材としてのOリング8が設けられた気密室の開口部6を密閉可能な弁体2と、弁体2を開口部6を開閉する方向に直動する駆動手段としてのエアシリンダ14と、弁体2が開口部6を閉じる所定の位置で、エアシリンダ14からの直動力を弁体2をOリング8に押し付ける押し付け力に変換し、かつ弁体2をOリング8に対して均等に接触させる押し付け機構20とを有するものとした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】周囲にシール部材が設けられた気密室の開口部を密閉可能な弁体と、前記弁体を前記開口部を開閉する方向に直動する駆動手段と、前記弁体が前記開口部を閉じる所定の位置で、前記駆動手段からの直動力を前記弁体を前記シール部材に押し付ける押し付け力に変換し、かつ前記弁体を前記シール部材に対して均等に接触させる押し付け機構とを有するゲートバルブ。 【請求項2】前記押し付け機構は、前記駆動手段からの直動力が伝達される保持板と、前記保持板に一端部が直動方向に回動自在に保持され、かつ他端部が直動方向に回動自在に前記弁体に保持された複数のリンクと、前記弁体が前記開口部を閉じる位置で前記弁体の直動を規制する規制手段とを有し、前記弁体が規制手段によって移動を規制された状態で当該弁体と前記保持板ととを相対移動させ、前記リンクの傾斜角度を変化させて直動力を押し付け力に変換する請求項1に記載のゲートバルブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体製造工程等において使用される真空処理室の開口部を開閉可能でかつ密封可能なゲートバルブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】半導体製造工程におけるドライエッチング工程やスパッタリング工程やエピタキシャルウェハ形成工程等の処理工程では真空処理装置が使用される。一般的に、半導体製造工程では真空処理装置は、複数の真空処理室が接続されたマルチチャンバ構成のものが使用される。このような構成の真空処理装置では、各真空処理室を大気中に開放しないで、ウェハやウェハカセットの取り入れ、取り出しを行なうことを目的とした真空室であるロードロックチャンバ、アンロードロックチャンバを備えたものが一般的である。 【0003】上記のロードロックチャンバまたはアンロードロックチャンバの開口部の開閉を行なうゲートバルブでは、ゲートバルブの有する弁体を開口部の周囲に設けられたOリングに押し付ける。Oリングに弁体が押し付けられた状態で、ロードロックチャンバまたはアンロードロックチャンバ内を真空引きすることにより、弁体がOリングに密着し、開口部が密閉されることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記したような構造のゲートバルブにおいては、装置の簡便化の観点から、カム機構やリンク機構を用いることで、弁体の直動および押し付けの駆動力を一つのアクチュエータ(たとえば、エアシリンダ)によって供給する方式が採られることが多い。このような、単一のアクチュエータを有するゲートバルブでは、弁体の取り付け位置、取り付け角度、加工精度等の問題から、押し付けの際に弁体がOリングに対し角度を持つことがあり、弁体によってOリングが一様に押圧されず、弁体がOリングの端面に対して傾斜し、Oリングの一部と弁体とが接触した状態となることがある。このため、ロードロックチャンバまたはアンロードロックチャンバ内を真空引きした際に、弁体がOリングに均等に密着せず、開口部のシーリングが十分でないことがあるという問題があった。 【0005】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、弁体がOリングに対し均等に押圧され、シーリング能力の向上したゲートバルブを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のゲートバルブは、周囲にシール部材が設けられた気密室の開口部を密閉可能な弁体と、前記弁体を前記開口部を開閉する方向に直動する駆動手段と、前記弁体が前記開口部を閉じる所定の位置で、前記駆動手段からの直動力を前記弁体を前記シール部材に押し付ける押し付け力に変換し、かつ前記弁体を前記シール部材に対して均等に接触させる押し付け機構とを有する。 【0007】本発明に係るゲートバルブでは、弁体をOリングに対し常に均等に押し付けることができ、真空引きされた際に弁体がOリングに確実に密着する。 【0008】前記押し付け機構は、前記駆動手段からの直動力が伝達される保持板と、前記保持板に一端部が直動方向に回動自在に保持され、かつ他端部が直動方向に回動自在に前記弁体に保持された複数のリンクと、前記弁体が前記開口部を閉じる位置で前記弁体の直動を規制する規制手段とを有し、前記弁体が規制手段によって移動を規制された状態で当該弁体と前記保持板とを相対移動させ、前記リンクの傾斜角度を変化させて直動力を押し付け力に変換する。 【0009】本発明に係るゲートバルブでは、保持板と弁体との間に回動自在に保持された複数のリンクの傾斜角度がそれぞれ独立に変化することになり、直動力を押し付け力に変換する際に弁体がOリングに対し均等に押し付けられることになる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明のゲートバルブの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係るゲートバルブの一実施形態を示す説明図であって、(a)は正面図であり、(b)は(a)に示すゲートバルブのX−X線方向の断面図である。図1において、ゲートバルブ1は、壁部4によって形成された真空処理室CHに連通する通路Sの開口部6を開閉および密閉するために設けられており、弁体2と、保持板12と、連結部材13と、エアシリンダ14と、ストッパ10と、押し付け機構20とを有している。 【0011】上記の壁部4の開口部6側の端部には溝部4aが形成され、この溝部4aにシーリング部材としてのOリング8が嵌め込まれており、壁部4の開口部6側の端面から突出した状態となっている。 【0012】弁体2は、平板状の部材から形成され、開口部6を開閉可能でかつ開口部6の周囲に設けられたOリング8に対して押し付けられることにより、Oリング8を介して開口部6を密閉可能となっている。 【0013】保持板12は、押し付け機構20を介して弁体2を背後から保持している。連結部材13は、保持板12とエアシリンダ14のピストンロッドとを連結する部材である。保持板12とエアシリンダ14と連結部材13との連結は、例えばボルトによって行われる。ストッパ10は、壁部4の開口部6側の端面から突出するように設けられており、弁体2の矢印Aの方向の移動を所定の位置で規制する。 【0014】押し付け機構20は、弁体2と保持板12との間に3箇所設けられ、エアシリンダ14の直動力を弁体2をOリング8に押し付ける押し付け力に変換し、かつ弁体2をOリング8に対して均等に接触させる機能を果たす。なお、押し付け機構20の構造については後述する。 【0015】エアシリンダ14は、連結部材13を介して連結された保持板12を直動させる。エアシリンダ14は、エアの供給によってピストンロッドの往復運動が行なわれる一般的な構造のものを使用することができる。また、エアシリンダ14には、図示しないが、リニアガイドが並設されており、エアシリンダ14のピストンロッドに弁体2を通じてモーメントがかかった場合に、このモーメントを支持することができる構造となっている。なお、上述したように、エアシリンダ14にリニアガイドを並設するのではなく、エアシリンダ14自体を弁体2を通じて印加されるモーメントを支持可能な構造とすることも可能である。 【0016】次に、上記した押し付け機構20について説明する。図3に押し付け機構20およびその周辺部の拡大図を示す。なお、図3は、弁体2によって開口部6を密閉した状態を示している。各押し付け機構20は、リンク24と、第1の保持部材26と、第2の保持部材25と、第1のコイルスプリング21と、第2のコイルスプリング22とを有している。なお、押し付け機構20は、弁体2に対して3箇所に設けられている。 【0017】リンク24は、両端部が第1の保持部材26と第2の保持部材25とにそれぞれ連結ピン26aおよび25aを介して回動自在に連結されている。また、各リンク24は互いに同形状(同じ長さ)となっている。図1に示す状態では、リンク24は保持板12および弁体2に対して傾斜した状態にある。 【0018】第1の保持部材26は、リンク24の一端部を連結ピン26aを介して回動自在に保持している。また、第1の保持部材26は、保持板12に直動方向に沿って形成された案内溝12aに移動可能に保持されている。 【0019】第1のコイルスプリング21は、第1の保持部材26と保持板12とを連結している。したがって、第1の保持部材26には、保持板12に対して第1の保持部材26が相対的に移動すると、それに応じた第1のコイルスプリング21のバネ力が働く。 【0020】第2のコイルスプリング22は、4箇所に設けられており、保持板12の四隅の固定部22aと弁体2の所定の位置に形成された4箇所の固定部27とを連結している。これによって、保持板12は弁体2を第2のコイルスプリング22を介して保持した状態にあり、保持板12と弁体2との距離および相対位置関係は、外力が作用しない場合は一定に保たれることになる。また、第1のコイルスプリング21および第2のコイルスプリング22のバネ定数は、第1のコイルスプリング21のほうが大きくなるように、すなわち、第1のコイルスプリング21のほうが硬いバネとなるように設定されている。なお、図1に示す保持板12と弁体2との相対位置が通常の位置関係にある状態では、リンク24は保持板12および弁体2に対して傾斜した状態にある。 【0021】第2の保持部材25は、リンク24の他端部を連結ピン25aを介して回動自在に保持している。また、第2の保持部材25は、図1および図3に示すように、弁体2に形成された凹部2aに嵌め込まれており、保持板12の直動方向(矢印A1 およびA2方向)の移動が規制されている。図4は、第2の保持部材25およびその周辺の拡大図であって、保持板12の直動方向に直交する方向の断面図である。図4に示すように、弁体2に形成された凹部2aは、第2の保持部材25との間に隙間を有するように形成されている。また、第2の保持部材25の弁体2の凹部2aと当接する先端面25bは、所定の曲率を持つように曲面に形成されている。したがって、第2の保持部材25に対して弁体2が矢印B1 およびB2 方向に回動(傾斜)する場合には、第2の保持部材25の先端面25bは、弁体2の凹部2a内を転動することになる。 【0022】次に、上記構成のゲートバルブ1の動作の一例について説明する。まず、図1に示す状態、すなわち、弁体2が開口部6を開放した状態では、リンク24は弁体2および保持板12に対して所定の角度で傾斜している。この状態から、エアシリンダ14を駆動して保持板12を矢印Aの方向に移動させると、弁体2は保持板12と第2のコイルスプリング22の作用によって一定の位置関係を保った状態で矢印Aの方向に移動する。そして、図2に示すように、弁体2の上端部がストッパ10に当接すると、弁体2の矢印A方向の移動は規制されることになる。 【0023】この状態で、弁体2の矢印A方向の移動は規制されるが、エアシリンダ14からの直動力は保持板12に対しては働く。このため、保持板12は弁体2に対して矢印A方向の相対位置が変化しようとする。図1に示す状態では、リンク24は保持板12および弁体2に対して傾斜した状態にあることから、保持板12が弁体2に対して矢印Aの方向に移動しようとすると、リンク24は第1のコイルスプリング21を通じて保持板12および弁体2に対して直立する方向(傾斜が緩くなる方向)に回動しようとする力を受ける。この状態では、第1の保持部材26は保持板の溝部12aを矢印Aとは反対方向に移動し、第1のコイルスプリング21には伸びる方向に抗する収縮力が発生する。このリンク24の回動によって、各リンク24からは弁体2をOリング8の方向へ押し付ける押し付け力が発生することになる。なお、弁体2に押し付け力を発生させるために、第2のコイルスプリング22よりも、第1のコイルスプリング21のほうが硬いバネとなるように設定されている。 【0024】このとき、弁体2がOリング8に対して傾斜していると、Oリング8の一部に弁体2が接触することになる。Oリング8を弁体2で押しつぶす際のOリング8の弾性係数は、第1および第2のコイルスプリング21、22の弾性係数よりも著しく大きい。このため、弁体2がOリング8に接触すると、接触部分の弁体2の移動はほぼ規制され、この弁体2とOリング8との接触位置に近接するリンク24の回動は停止し、当該リンク24の傾斜角度は固定される。 【0025】一方、Oリング8の一部と弁体2とが接触している場合に、非接触部分に近い位置に存在するリンク24は、Oリング8と弁体2とが均等に接触するまで回動する。すなわち、非接触部分に近い位置に存在するリンク24は、接触位置に近い位置に存在するリンク24の傾斜角度とは異なって、さらに弁体2に対して直立しようとする。なお、接触位置に近接するリンク24は第1のコイルスプリング21によって移動可能に保持されているため、保持板12のさらなる移動を許容する。したがって、Oリング8と弁体2とが接触していない領域についても均等に接触することになる。 【0026】本実施形態に係るゲートバルブ1の構造では、エアシリンダ14は、保持板12の所定の部分を片持ち状態で保持しているため、弁体2のOリング8に対する傾斜は、直動方向に関してピッチ方向の傾斜よりも、直動方向に関してロール方向(直動方向の軸回りの回転)の傾斜となることが多い。したがって、弁体2のOリング8に対する傾斜がロール方向に発生した場合であっても、3つのリンク24が弁体2に対して三角形状に配置されているため、弁体2のロール方向の傾斜を補正でき、弁体2とOリング8とは均等に接触することになる。また、押し付け機構20によってロール方向に弁体2が傾斜補正されていった場合に、図4に示したように、リンク24の一端を保持する第2の保持部材の先端面25bは曲面に形成されているため、各リンク24は弁体2に対してロール方向に傾斜可能である。 【0027】以上のように、本実施形態によれば、弁体2とOリング8との間に傾斜が存在し、初期の押し付け段階において弁体2とOリング8との接触が不均等であっても、押し付け機構20によって弁体2の傾斜が補正されるため、弁体2とOリング8との接触が均等化され、ゲートバルブ1のシーリング能力を向上させることができる。また、単一のエアシリンダ14で弁体2を片持ち状態で駆動し、直動動作および押し付け動作を行なうことができるため、ゲートバルブ1の構造を非常に簡略化することができる。 【0028】なお、本実施形態においては、3つのリンク24を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、2つあるいは4つ以上を設けることも可能である。 【0029】 【発明の効果】本発明に係るゲートバルブは、弁体をOリングに対し常に均等に押し付けることができるため、真空装置が真空引きされた際のゲートバルブのシーリング能力、信頼性を向上させることができる。また、本発明に係るゲートバルブは、保持板と弁体との間に回動自在に保持された複数のリンクの傾斜角度がそれぞれ独立に変化することが可能であることから、直動力を押し付け力に変換する際に弁体をOリングに対し均等に押し付けることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 隆久
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| 【公開番号】 |
特開平11−141695 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−310363 |
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