| 【発明の名称】 |
結露防止バタフライ弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 好治
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| 【要約】 |
【課題】結露を防止して結露による問題点を解消することはもとより、生産工程を極力少なくして生産効率を高め、しかもバタフライ弁のネック長さを適宜に変えられるようにして使用者の要求に対応できるようにすると共に、シール性も良好にする。
【解決手段】本体1をアルミ鋳物、弁軸筒2をオーステナイトステンレス鋼等熱伝導性の悪い金属パイプとし、該金属パイプの先端に駆動部取付フランジ3を有し、金属パイプ2と本体1、金属パイプ2と前記フランジ3とを圧入、接着、ろう付け、カシメ等の固着手段で固着し、本体1のステム支持部17に軸受14とシールを設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体をアルミ鋳物、弁軸筒をオーステナイトステンレス鋼等熱伝導性の悪い金属パイプとし、該金属パイプの先端に駆動部取付フランジを有し、金属パイプと本体、金属パイプと前記フランジとを圧入、接着、ろう付け、カシメ等の固着手段で固着し、本体のステム支持部に軸受とシールを設けたことを特徴とする結露防止バタフライ弁。 【請求項2】 本体のステム支持部に、ステムの抜け止め手段を設けた請求項1記載の結露防止バタフライ弁。 【請求項3】 下側軸をシール兼用軸受およびスラスト受で支持して、この軸受がシートのボス部を押すようにした請求項1又は2記載の結露防止バタフライ弁。 【請求項4】 ジスクの上下に設けたステムと下側軸の挿入部を貫通させた請求項1乃至3記載の結露防止バタフライ弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、結露防止バタフライ弁の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】バタフライ弁は、軽量でコンパクトであり、操作性が良好であるため、建築設備や空調設備或いはその他の分野に広く利用されている。しかし、このバタフライ弁は、適用流体が冷水や冷媒など周囲温度より低い場合、熱伝導により弁本体や弁本体に搭載したアクチュエータなどが結露しやすくなり、結露による錆びの発生や、結露により水滴の滴下などの問題があるため、従来より結露対策を施した各種のバタフライ弁が提案されている。 【0003】例えば、特開平5−126260号公報に示すように、弁軸の挿通用のネック部をオーステナイトステンレス鋼等の熱伝導性の悪い金属パイプ製とし、このネック部をアルミニウムその他の鋳物材による鋳造製本体の鋳造時にインサート成形により一体化するものである。この場合、本体とネック部は異種金属であり、本体とネック部の接合部は融合することなく、機械的にネック部の接合部分に抜け止めや回り止め構造にするため、パイプ状のネック部の接合部分を拡管して拡管部を形成し、この拡管部をインサートして鋳込みすることにより、両者を鋳造時に一体化するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平5−126260号公報の技術は、パイプ状のネック部と本体を鋳込みで製作しているため、次のような問題点を有していた。まず、鋳造時にネック部位であるパイプを本体にインサートする工程を必要とし、生産効率が悪い。 【0005】また、鋳込み後、加工不良や鋳物欠陥が発生することがあり、そのため歩留まりが悪く、無駄が多くなる。 【0006】更には、ネック部のパイプと鋳物本体は、融合接合ではなく、本体の収縮力でパイプを挟持するように一体化されるものであるから、鋳込み前にパイプの接合部分を拡管する工程を必要とし、そのため、工程が多くなるばかりでなく、コストアップの要因ともなっていた。 【0007】しかも、ネック部は金型成形であるから、ネック部のパイプの長さを適宜変化させることができず、そのため、使用者の各種の要求に対応した長さを持つネック部を製作するのが困難であるばかりでなく、鋳込み成形であるからネック部と本体の接合部位は、流体のシール性がなく、そのため、成形後に、接合部位に液状接着剤やシール剤を含浸したり、シール剤を充填するなどの工程を必要とし、この工程を経ないと外部リークが発生するなどの課題を有していた。 【0008】本発明は、従来の課題点を解決するために開発したもので、その目的とするところは、結露を防止して結露による問題点を解消することはもとより、生産工程を極力少なくして生産効率を高め、しかもバタフライ弁のネック長さを適宜に変えられるようにして使用者の要求に対応できるようにすると共に、シール性も良好にしたバタフライ弁を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、本体をアルミ鋳物、弁軸筒をオーステナイトステンレス鋼等熱伝導性の悪い金属パイプとし、この金属パイプの先端に駆動部取付フランジを有し、金属パイプと本体、金属パイプと前記フランジとを圧入、接着、ろう付け、カシメ等の固着手段で固着し、本体のステム支持部に軸受とシールを設けたものである。 【0010】この場合、本体、弁軸筒及びフランジはそれぞれ個別に成形されて、圧入、接着、ろう付け、カシメ等の固着手段により固着されているので、使用者の要求に応じて弁軸筒の長さを任意に設定することができ、かつ、ダイカスト部を個別に検査できるので歩留まりが良い。また、本体単独でステムのシールを行うことができる。 【0011】さらに、本体のステム支持部に、ステムの抜け止め手段を設けたので、本体単独でステムの抜けを防止することができ、かつ、流体圧による荷重が弁軸筒にかからない。 【0012】また、下側軸をシール兼用軸受およびスラスト受で支持して、この軸受がシートのボス部を押すようにしたので、本体に形成した軸受孔の縁でシートを損傷することがなく、軸受によるボス部の圧縮量を適宜調整することによってシール性能とジスクの操作性を調整することができる。 【0013】さらに、ジスクの上下に設けたステム及び下側軸の挿入部を貫通させたので、ステム又は下側軸の一方を圧入するだけでは内部圧力は上昇せず、他方を圧入する時でも、従来ほど内部圧力は上昇しないため組立が簡単かつ安全である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明における結露防止バタフライ弁の一実施形態を詳細に説明する。本発明の結露防止バタフライ弁は、短円筒状に形成した本体1の上部に、オーステナイトステンレス鋼など熱伝導性の悪い金属パイプで形成した弁軸筒2を圧入、接着、ろう付け、カシメ等の固着手段により固着し、この弁軸筒2の上端に弁駆動装置などを固定する駆動部取付フランジ3を同様の固着手段により固着している。この弁軸筒は図5,6に示すように断面が四角形状をしている。また、本体1の内面にゴムなどの弾性材料を素材として成形した環状シート5を装着してボデーを形成し、このボデーの上下対向位置に同軸上に配設したステム7と下側軸8のそれぞれをシート5内に嵌挿した略円板状のジスク6に嵌入固定し、ステム7を介してジスク6を回転させることによって流路の開閉や流量制御などを行っている。 【0015】このジスク6は、直径方向の対向位置に外周面から求心方向に向かってステム7と下側軸8を嵌入固定する挿入部61,62が穿孔され、かつ、両挿入部61,62を連通する連通孔63が同軸上に穿孔され、さらに、上方の挿入部61にはステム7の回転を規制する二面巾部61aが内周面の直径位置に突設されている。そして、この二面巾部61aが当たるステム7の下端部を断面略小判形状に形成して、挿入部61内に嵌着したステム7の回転に伴ってジスク6が回転するようにしている。 【0016】本体1は、図4等に示すように、アルミニウム製の鋳物で、ダイカストによる金型により成形したもので、その成形構造は、本体1の外周方向に沿った中央部分に、均厚化のため、肉厚の薄い肉抜き部11が形成され、この肉抜き部11の巾方向に向かって補強リブ12が複数突設され、さらに、この肉抜き部11を除いた本体1の両側外周部に、配管に用いる固定ボルトの位置決めを行う位置決め部13が複数突設され、本体1の外周中央部分の上下に配管芯出しリブ13aが設けられている。 【0017】また、図2及び図3に示すように、本体1の上下対向位置には、ステム7と下側軸8を支持するステム支持部17と軸支持部18がそれぞれ形成され、ステム支持部17と軸支持部18には、ステム7、下側軸8の軸受14を挿入する円形状の軸受孔17a,18aが直径方向に沿って穿孔されている。さらに、ステム支持部17は、ステム7を通し、かつ弁軸筒2を嵌合固着するため弁軸筒2の断面と略同形の筒状に形成され、弁軸筒2の下端を嵌着させる凹部17bが形成されている。このステム支持部17は、本例においては弁軸筒2を角パイプで成形しているので四角形筒形状に形成されている。 【0018】軸受孔17a,18aに挿入される軸受14は、外径を軸受孔17a,18aと略等しく、かつ内径をステム7、下側軸8と略等しく形成した円筒体で、本例においては、一方の端面内側に嵌合凹部14a、外側に環状の外周突部14bを形成し、他方の端面の外周側及び内周側に環状段部14cを形成してOリング15a,15bを装着してシール兼用軸受としている。 【0019】シート5には、ステム7、下側軸8を貫通させる貫通穴を有するボス部51,52が上下対向位置に形成されており、シート5を本体1内面に装着すると共に、軸受孔17a,18aに挿入される。そして、各ボス部51,52と軸受孔17a,18aに挿入した軸受14の嵌合凹部14aとを嵌合させ、かつ外周突部14bを軸受孔17a,18aの縁部に当接させ、これらの縁部を加工レスとしている。 【0020】さらに、本例では軸受14に続いて略中空円板状のスラスト受16を軸受孔17a,18aに挿入して、軸受14をシート5のボス部51,52に押しつけている。この場合、スラスト受16に換えてシムを装着するようにしても良い。軸受14やスラスト受16は樹脂又は金属が用いられる。 【0021】さらに、ステム支持部17、軸支持部18には、ステム7、下側軸8の抜け止め手段が設けられ、ステム7、下側軸8及びスラスト受16の抜けが防止されている。 【0022】ステム7の抜けを防止する抜け止め手段は、本例においては、ステム支持部17の上面にステム挿通孔24を有する中蓋板20をボルト21で固定し、この中蓋板20とスラスト受16との間に短管状のスペーサ22を介在させてスラスト受16の抜けを防止し、さらに、中蓋板20とスラスト受16との間で、ステム7に軸方向に対して直交する方向にピン23を嵌合若しくは軽圧入しステム7が上昇しようとしてもピン23が中蓋板20に当接してステム7が抜けないようにし、更に、図5等に示すように、中蓋板20の挿通孔24の直径対向位置に切り込み部25を設け、この切り込み部25位置でピン23が通過できるようにしたことにより分解・組立てを可能としている。なお、通常の開閉動作中では、ピン23と切り込み部25,25の位置が一致しないようにしてあるのでステム7が抜け出ることは無い。 【0023】また、下側軸8の抜けを防止する抜け止め手段は、本例においては、軸支持部18の底面に底板18bをボルト18cで固定して軸受孔18aを塞ぎ、スラスト受16及び下側軸8の抜けを防止している。 【0024】駆動部取付フランジ3は、底部に弁軸筒2内径と略同形の四角形状の嵌合部3aが形成され、この嵌合部3aが弁軸筒2の上端に嵌合し、更に、ステム7の上部を回動自在に軸受けする軸受3bをフランジ3の段部3cに嵌着している。フランジ3の載置面も方形状に形成され、四隅にボルト固定孔3dが形成されている。この駆動部取付フランジ3は本体1と同様に、アルミダイカストによる金型で成形し、本体1と弁軸筒2とは別個に成形している。 【0025】次に、上述した結露防止バタフライ弁の作用を説明する。弁軸筒2をオーステナイトステンレス鋼など熱伝導性の悪い金属パイプで形成しているので、外気よりも温度の低い流体の制御によって本体1の温度が低下しても弁軸筒2の温度は下がらず、弁軸筒2や弁軸筒2に固定したフランジ3、更にフランジ3に固定した駆動装置(図示せず)などの表面の結露を防止できる。また、弁軸筒2を角パイプにより形成すると共に、ステム支持部17の上部やフランジ3の底部3aを角形筒状に形成しているので、本体1に対する弁軸筒2の回転及び弁軸筒2に対するフランジ3の回転を防止でき回り止めを施す必要が無い。さらに、弁軸筒2と、本体1及びフランジ3を圧入、接着、ろう付け、カシメ等の固着手段により固着しているので、弁軸筒2の長さを任意に設定することができる。 【0026】また、両挿入部61,62を連通孔63で連通させているので、ステム7を嵌入するだけでは内部圧力は上昇せず、下側軸8を嵌入する時でも、従来ほど内部圧力は上昇しないため組立が簡単かつ安全である。 【0027】また、軸受14の一方の端面中央に嵌合凹部14aを形成し、この嵌合凹部14aと、軸受孔17a,18aに挿入したシート5のボス部51,52とを嵌合させ、シート5のずれを防ぐと共に、外周突部14bの先端面が弁本体1の内面に沿って並ぶので、シート5が軸受孔17a,18aの縁で損傷することがなく、シート5の縁部並びに弁本体1の後加工を省略できる。さらに、軸受14の他方の端面の外周側及び内周側に環状段部14cを形成し、これらの環状段部14cにOリング15a,15bを装着して軸受14と、本体1、ステム7及び下側軸8とをシールしている。これらのOリング15a,15bと外周突部14b及びジスク6とシート5の三重シールにより確実に密封性を確保している。 【0028】さらに、本例では軸受孔17a,18aに挿入した軸受14に続いて略中空円板状のスラスト受16を挿入して、軸受14をシート5のボス部51,52に押しつけているので、スラスト受16やスペーサ22の厚さを変えたり、座金などをスラスト受16と中蓋板20,底板18bの間に介在させることによってボス部51,52の圧縮量を適宜変えて、シート5のシール性能やジスク6のトルクを適宜調整することができる。また、本体1にステム7の抜けを防止する抜け止め手段を設けたので、弁軸筒2やフランジ3に流体圧による荷重がかかることがない。又、弁軸筒2として角パイプを用いたが丸パイプやその他の異形パイプでも良い。更に、弁軸筒2を熱伝導性の悪い金属パイプで成形する以外に、必要に応じて芯金を装入した樹脂パイプで成形することも可能である。 【0029】 【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明によると、次のような優れた効果を有する。即ち、本体をアルミ鋳物で製作し、弁軸筒をオーステナイトステンレス鋼など熱伝導性の悪い金属パイプとし、この金属パイプの先端に駆動部取付フランジを設けたから、適用冷水流体による熱伝導によっても弁軸筒やフランジが結露することなく、結露防止機能を有するバタフライ弁を提供することができる。 【0030】また、本体を弁軸筒やフランジとは別に単独で製作できるため、従来に比して生産効率が極めて良好になると共に、鋳物不良などの検査は、本体単独で行うことができるため、歩留まりが良くなる。 【0031】更に、弁軸筒は、市販品の丸パイプや異形パイプを切断するのみで、従来のように拡管等の必要がないため、製造工程を簡略化することが可能で、捩じり強度も向上させることができ、また、このパイプの長さを自由に設定でき、変更可能であるから、弁軸筒は、使用者の要求に即座に対応することができる。 【0032】また、本体に単独でシール機構と弁軸の抜け止め機構を設けているので、外部リークの心配もなく、しかも弁軸筒に流体圧による荷重がかかることもなく、安全であると共に、抜け止め機構によって分解・組立ても簡便で、自動組立ても良好であって量産に適する。 【0033】しかも、本体や駆動部取付フランジを金型成形することにより、全く切削加工をする必要がないため、生産効率が良く、安価に製作でき、従来に比してコストダウンを図ることができ、経済性にも優れている。 【0034】更には、下側軸をシール兼用軸受及びスラスト受で支持して、この軸受がシートのボス部を押すようにしたので、シール性の特別の加工を施すことなく、シートのボス部とジスクの当接面を適宜に調整できるため、当該部位の密封性とジスクの操作性が良好となり、また、ジスクの上下に設けたステムと下側軸の挿入部を貫通させたので、ステムと下側軸をジスクの挿入部に圧入すると共に挿入部内の増圧を防ぐことができ、従来のような圧入の困難性が解消できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390002381 【氏名又は名称】株式会社キッツ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月5日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小林 哲男
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| 【公開番号】 |
特開平11−141694 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−317780 |
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