| 【発明の名称】 |
電磁弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 昇市
【氏名】内藤 正博
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| 【要約】 |
【課題】緩衝部材を取り付けることなく、磁力ロスを生じさせることなく、ソレノイドの吸着面と金属弁体との接触磨耗を抑えて電磁弁の長寿命化を図ること。
【解決手段】電磁弁11は金属弁体26、弁座25aを含む弁本体部14と、弁体26を弁座25aに接離させるためのソレノイド15とを備える。ソレノイド15は、金属弁体26を吸着するための金属製の吸着面30aを有する。弁本体部14に対して接合されるソレノイド15は底部材43を有する。この底部材43は、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成する。吸着面30aを底部材43の底面43eと同一平面をなすように一体的に成形し、それら吸着面30a及び底面43eを金属弁体26との接触面としている。従って、金属弁体26が吸着面30aに衝突するときの両者26,30aの衝撃が緩和され、底部材43の底面43eが容易に変形することはない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属弁体及び弁座を有する弁本体部と、前記金属弁体を吸着するための金属製の吸着面を有するソレノイドとを備え、前記吸着面に対する前記金属弁体の吸着を制御することにより、前記金属弁体を前記弁座に対して当接又は離間させるようにした電磁弁であって、前記弁本体部に対して接合される前記ソレノイドの底部材を、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成し、前記吸着面を前記底部材の底面と同一平面をなすように一体的に成形し、それら吸着面及び底面を前記金属弁体との接触面としたことを特徴とする電磁弁。 【請求項2】 請求項1に記載された電磁弁において、前記樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする電磁弁。 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された電磁弁において前記底部材の底面であって前記金属弁体との接触面に、前記金属弁体を前記吸着面から引き離すために圧力流体を導入する導入溝を設けたことを特徴する電磁弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ソレノイドを作動させて弁体を弁座に当接又は離間させるようにした電磁弁に係る。詳しくは、圧力流体を制御するのに好適で、高速応答性及び高頻度に対する耐久性が要求される電磁弁に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、ソレノイドを作動させて弁体を弁座に当接又は離間させるようにした電磁弁がある。この種の電磁弁では、弁座に対する弁体の移動ストロークの大きさが、電磁弁から出力される流体の流量を決定することになる。 【0003】圧力流体の流れを短い時間間隔で頻繁に制御するために、高速応答性と高頻度に対する耐久性とを考慮して設計された電磁弁がある。この種の電磁弁は、平板状の弁体(金属弁体)そのものを可動鉄心としてソレノイドの固定鉄心の吸着面に吸着させたり、その吸着を停止させたりするすることにより、弁体を弁座に対して当接又は離間させる。しかしながら、金属製の吸着面に金属弁体が短い間隔で高頻度に衝突すると、これらの衝突面が互いに磨耗することになる。この結果、電磁弁を長期間にわたって作動させた場合には、弁体の動作が不良となったり、その応答性が低下したりするおそれがある。 【0004】そこで、上記のような不具合を解消するために、金属製の吸着面又は金属弁体の衝突面に緩衝部材を介在させることにより、それら衝突面での磨耗を抑えようとする電磁弁が提案された。 【0005】例えば、実公平5−26389号公報は、この種の提案に係る電磁弁の一つを開示する。図15に示すように、この電磁弁は、ソレノイド51のコイル52を通電により励磁させることにより、可動鉄心53を含む弁体54を固定鉄心55の吸着面55aに吸着させて弁座56を開放させるようにしている。弁体54は可動鉄心53と、その鉄心53のほぼ全表面を覆う緩衝部材57とから構成される。そして、可動鉄心53の被吸着面側が緩衝部材57を介して固定鉄心55の吸着面55aに接触するようになっている。 【0006】一方、上記の従来技術とは異なり、固定鉄心の側に緩衝部材を取り付けた電磁弁がある。この電磁弁では、固定鉄心の吸着面と緩衝部材とにより可動鉄心(弁体)を受けるために、緩衝部材が固定鉄心の吸着面と同一平面をなすように取り付けられる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記前者の電磁弁では、可動鉄心53の被吸着面側に緩衝部材57が設けられる分だけ、可動鉄心53に対する磁気ストローク、即ち、磁力の及ぶ範囲が犠牲になる。つまり、弁座56に対する弁体54の移動ストロークを所定値に設定したときに、その移動ストロークに相当する分よりも大きい磁力をコイル52で発生させなければならず、磁力ロスが大きくなる。このことは、コイル52の巻き数を増やし、或いは、吸着面55aと弁座56との間隔を拡大させることになり、電磁弁の大形化を招来することにもなる。 【0008】一方、上記後者の電磁弁では、固定鉄心に緩衝部材を別途に取り付ける際に、緩衝部材を吸着面と同一平面にするのに高い精度が要求され、取付作業が面倒なものとなる。 【0009】この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、緩衝部材を別途に取り付けることなく、磁力ロスを生じさせることなく、ソレノイドにおける吸着面と金属弁体との間の接触磨耗を抑えることを可能とし、もって電磁弁の長寿命化を図ることを可能にした電磁弁を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、金属弁体及び弁座を有する弁本体部と、金属弁体を吸着するための金属製の吸着面を有するソレノイドとを備え、吸着面に対する金属弁体の吸着を制御することにより、金属弁体を弁座に対して当接又は離間させるようにした電磁弁であって、弁本体部に対して接合されるソレノイドの底部材を、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成し、吸着面を底部材の底面と同一平面をなすように一体的に成形し、それら吸着面及び底面を金属弁体との接触面としたことを趣旨とする。 【0011】上記の構成によれば、吸着面を底部材の底面と同一平面とし、それら吸着面及び底面を金属弁体との接触面とした。このことから、ソレノイドが励磁されて金属弁体が吸着面に吸着されるときの金属弁体との接触面積が、吸着面だけの場合よりも広くなる。従って、金属弁体が吸着面に衝突するときの両者の衝撃が緩和される。又、底部材が機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成されることから、底部材の底面に頻繁に金属弁体が衝突しても、その底面が容易に変形することはない。更に、吸着面が底部材の底面と一体的に成形されることから、作業性が良く、仕上がり精度が高い。 【0012】上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1の発明の構成において、樹脂材料は、ポリフェニレンサルファイドあることを趣旨とする。 【0013】上記の構成によれば、底部材の樹脂材料をポリフェニレンサルファイドに特定したことにより、請求項1の発明と同等の作用が得られる。 【0014】上記の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明の構成において、底部材の底面であって金属弁体との接触面に、金属弁体を吸着面から引き離すために圧力流体を導入する導入溝を設けたことを趣旨とする。 【0015】上記の構成によれば、請求項1又は請求項2の発明の作用に加え、吸着面及び底面に吸着した金属弁体を弁座へ復帰させる際に、ソレノイドを消磁させて吸着面での吸引力を無くす。このとき、底面の導入溝に導入された圧力流体が、金属弁体を吸着面から引き離すように作用することから、金属弁体の弁座への復帰が円滑化する。又、この導入溝が、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料よりなる底部材に設けられることから、その導入溝を含む接触面に金属弁体が頻繁に衝突しても、その導入溝が容易に変形することはない。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の電磁弁を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。 【0017】図1は、本発明を具体化した電磁弁11と、それに付随したマニホールド12の設備状態を示す。この電磁弁11は、マニホールド12に対してボルト13で固定される。 【0018】ここで、本実施の形態の電磁弁11は、圧縮されたエアをノズル(図示しない)から吐出させたり、その吐出を遮断したりするために作動するものであり、高速応答に対応した電磁弁である。この電磁弁11として、例えば、穀物中に含まれる石や泥、不良穀物等の異物を選別して除去するための選別装置に適用されるものがある。この選別装置において、電磁弁11は、センサによって識別された異物のみを、ノズルから吐出されるエアで吹き飛ばすために、コントローラにより制御される。 【0019】電磁弁11は、弁体(後述する)を内蔵する弁本体部14と、その弁体を駆動するために励磁されるソレノイド15とを備える。弁本体14は保持ブロック41を有する。ソレノイド15はエポキシ樹脂よりなる絶縁封止部材16により覆われる。絶縁封止部材16は、給電部17を含む蓋部材18と、その蓋部材18と一体的に接合される本体部材19とを含む。 【0020】マニホールド12は、一対の集中給気ポート20と、各ポート20から電磁弁11に通じる給気通路21と、同電磁弁11に通じる出力通路22とを有する。各集中給気ポート20には、コンプレッサ等のエア源から圧縮エアが供給される。 【0021】図2は、電磁弁11の断面を示す。図3は図2の3−3線に沿った断面を示す。図4は、図2の4−4線における保持ブロック41の上面を示す。図5は図2の5−5線におけるソレノイド15の底面を示す。弁本体部14及びソレノイド15は、ボルト孔15a,41aに挿通されたボルト13により互いに組み付けられる。 【0022】図2,3に示すように、ソレノイド15は、蓋部材18及び本体部材19により覆われたコイル27と、そのコイル27へ給電するための一対のコイル端子28と、ソレノイド15の底面側に設けられた底部材43とを備える。両コイル端子28は、給電部17において、蓋部材18を上方へ貫通して外部へ突出される。コイル27はボビン29に巻かれ、ボビン29は磁気フレーム30に支持される。磁気フレーム30は底部材43に組み付けられる。ボビン29の中心には、磁性体である固定鉄心40が設けられる。磁気フレーム30は、その基部が底部材43を貫通し、その底部材43の底面43eに露出する。各コイル端子28は、ボビン29に設けられた一対の側板31の上端から上方へ突設される。各コイル端子28の基部には、コイル27から延びるコイル線27aの端が巻き付けられて半田により固定される。 【0023】図2,3に示すように、蓋部材18は、樹脂より成形される。蓋部材18は、底部18aと、裾部18bと、底部18aから下方へ突設された一対のピン18c及び一対の突部18dとを有する。これら突部18dは、蓋部材18の中央において、その幅方向に沿って配列される。これらの突部18dは、蓋部材18をコイル27に対して位置決めするためのものである。磁気フレーム30及びコイル27等、並びにコイル端子28の基部は、それぞれ本体部材19により覆われる。各コイル端子28の基部を覆った本体部材19の部位は、蓋部材18に内包される。蓋部材18から突設されたコイル端子28には、給電部17に装着されるコネクタ(図示しない)が電気的に接続される。 【0024】図2,3に示すように、弁本体部14は、その保持ブロック41の中央に設けられた雌ねじ孔23及び一対の給気孔24を有する。図4に示すように、両給気孔24は、雌ねじ孔23を挟んで配置され、弁室42を介して雌ねじ孔23に連通する。各給気孔24は、前述したマニホールド12の各給気通路21に接続される。雌ねじ孔23は、その内周の下側半分に雌ねじ23aを有する。 【0025】図2,3に示すように、雌ねじ孔23には、弁座筒25が装着されて固定される。この弁座筒25は、その上端に弁座25aを有し、その外周の中間部に雄ねじ25bを有する。弁室42には、弁座25aに対応する金属弁体26が、弁座25aに接離可能に、即ち垂直方向に移動可能に配置される。この金属弁体26は、鉄により平板状に形成される。この金属弁体26の移動方向と、前述したボビン29の中心軸線とは互いに直交する。 【0026】図6は底部材43の上面を、図7はその断面を、図8はその底面43eをそれぞれ示す。図2,3,5〜8に示すように、この底部材43は、保持ブロック41に対して接合されるものである。底部材43は、両給気孔24に対応する位置に、一対の凹部43aを有し、弁室42に対応する位置には、両凹部43aを互いに連通させる複数の導入溝43bを有する。底部材43は、導入溝43bを挟む位置に、一対の嵌め込み孔43cを有する。これら嵌め込み孔43cには、前述した磁気フレーム30の基部が嵌め込まれる。この磁気フレーム30の基端面は、ソレノイド15の磁力に基づく吸着力を金属弁体26に対して発揮させるための吸着面30aを構成する。これら磁気フレーム30は、その吸着面30aが底部材43の底面43eと同一平面をなすように、底部材43に対して一体的に成形されるものである。これら吸着面30a及び底部材43の底面43eが、金属弁体26との接触面をなす。各導入溝43bは、底部材43の底面43eであって金属弁体26との接触面に対応する位置に配置される。これら導入溝43bは、金属弁体26を吸着面30aから引き離すために、凹部43aにおける圧縮エアを導入するためのものである。底部材43は、更に、その両端にボルト13に対応したボルト孔43dを有する。 【0027】上記の形状を有する底部材43は、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成される。この実施の形態では、樹脂材料として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が適用される。このPPSは、強化用の炭素繊維と、充填用のフッ素樹脂とを含み、それらが所定の割合で混合されるものである。 【0028】ここで、上記の電磁弁11の製造方法につき、図9〜図14を参照して以下に説明する。 【0029】電磁弁11を製造するには、先ず、準備工程において、予め蓋部材18を成形しておく。同様に、コイル27、コイル端子28、ボビン29、固定鉄心40、磁気フレーム30及び底部材43等を互いに組み付け、それらのアッセンブリ32(図9,10参照)を予め準備しておく。 【0030】次に、図9,10に示す組付工程において、コイル27等の部材を含むアッセンブリ32に対して蓋部材18を嵌着し、両コイル端子28を蓋部材18に貫通させて、両者18,32を互いに組み付ける。これにより、コイル端子28の基部が蓋部材18の内側に配置される。このとき、蓋部材18の突部18dを磁気フレーム30の上端に当接させることにより、蓋部材18をコイル27に対して位置決する。 【0031】次に、図11に示す装着工程では、上型46及び下型47よりなる成形用の金型48を型開きさせた状態で、上記のように組み付けられた蓋部材18及びアッセンブリ32を下型47の凹部47aに装着する。このとき、蓋部材18の上に入れ子44を載せる。この入れ子44は、蓋部材18をコイル27へ向けて押圧するためのものである。 【0032】上記の入れ子44は、上型46の凹部46aの内壁に外接する外接面44aと、その外接面44aに隣接して凹部46aの内壁から離間するように傾斜したテーパ面44bとを有する。上型46は、凹部46aに連通する空気抜孔46bを有し、その孔46bにはロッド49と、スプリング50とが設けられる。 【0033】次に、図12に示す型締め工程では、蓋部材18及びアッセンブリ32が上型46の凹部46aに嵌め合わされるように、かつ、蓋部材18に載せられた入れ子44が蓋部材18をコイル27へ向けて押圧するように、上型46及び下型47を互いに型締めする。この型締めにより、蓋部材18、コイル27、ボビン29、磁気フレーム30、固定鉄心40、コイル端子28及び底部材43と、上型46及び下型47の凹部46a,42aとの間にキャビティ45を形成する。ここでは、入れ子44が、スプリング50の力を受けたロッド49により蓋部材18へ向けて押圧されることになり、上型46が蓋部材18を直接的に押圧することはない。更に、ロッド49による押圧力は、底部材43の底面43eの中央部と磁気フレーム30の吸着面30aとを凹部47aの底壁に圧接させる。これと共に、上型46の押圧力は、底部材43の底面43eの両端部を同じく凹部47aの底壁に圧接させる。このように、底部材43の底面43eと、磁気フレーム30の吸着面30aとが凹部47aの底壁に圧接されることにより、それらの面が同一平面をなすようになる。 【0034】この段階で、金型48は約180℃程度に加熱されている。このように金型48が加熱されるのは、後述する成形工程において充填されるエポキシ樹脂の表面を適度に焼くためである。 【0035】次に、図13に示す成形工程では、上記のように形成されたキャビティ45に対して、金型48に設けられた充填口43aより、流動化したエポキシ樹脂を充填することにより、本体部材19を成形する。これにより、底部材43の底面43eと、磁気フレーム30の吸着面30aとが、同一平面をなすように一体的に成形される。ここで、エポキシ樹脂は、約50kg/cm程度の圧力をもってキャビティ45に充填される。エポキシ樹脂を使用する利点として、他の部材に対する密着性の良さと、耐水性の良さが挙げられる。 【0036】そして、上記成形工程の完了後に、金型48を型開きすることにより、図14に示すようなソレノイド15が得られる。 【0037】以上がソレノイド15の製造方法の内容である。その後、製造されたソレノイド15を弁本体部14に組み付けることにより、図2,3に示すような電磁弁11が得られる。更に、その電磁弁11をマニホールド12に組み付けることにより、図1に示すように設備された電磁弁11が得られる。 【0038】上記のような電磁弁11の製造方法における底部材43の機能として、固定鉄心40の位置決めと、封止とを挙げることができる。更に、底部材43は、ソレノイド15が樹脂成形される前には、アッセンブリ32を崩れないように保ち、樹脂成形時には、アッセンブリ32を金型48に位置決めすると共に基準面を確保する。 【0039】この実施の形態では、蓋部材18の突部18dが磁気フレーム30に当接することにより、蓋部材18がコイル27に対して確実に位置決めされる。このことから、型締め工程において、入れ子44による蓋部材18の押圧力が蓋部材18に対して安定的に作用することになる。このため、成形工程において、蓋部材18に位置ずれが起きることがなく、蓋部材18及び本体部材19を互いに適正な位置で接合することができる。この意味で、ソレノイド15の不良成形の発生を抑えることができ、製造歩留まりを高めることができるようになる。 【0040】次に、上記のように構成された電磁弁11の動作を説明する。図2,3は、コイル端子28への給電が停止され、コイル27が消磁されて、金属弁体26が弁座25aに当接した状態、即ち電磁弁11が閉弁した状態を示す。この状態において、金属弁体26の上面と底部材43の底面43e(接触面)との間には、所定の隙間G1が形成される。この隙間G1は、金属弁体26が弁座25aから最大限移動することのできる距離に相当し、弁座25aに対する弁体26の移動ストロークを意味する。この状態において、給気孔24に供給されるエアは、底部材43の両凹部43aから弁室42の隙間G1を通じて弁体26の上面に作用する。これにより、弁体26が下方へ付勢されて弁座25aに当接し、電磁弁11が閉弁されてノズルからの圧縮エアの吐出が遮断される。 【0041】上記の閉弁状態から、両コイル端子28に電力を供給すると、コイル27が励磁される。この励磁により、コイル27、固定鉄心40、磁気フレーム30及び弁体26の間に磁界が形成され、金属弁体26がその上方の磁気フレーム30の吸着面30aに吸着される。この吸引力は、金属弁体26を弁座25aへ付勢するエアの圧力よりも大きいことから、金属弁体26は上方へ移動し、吸着面30a及び底部材43の底面43eを接触面として接触する。これにより、金属弁体26が弁座25aから離れて電磁弁11が開弁される。従って、集中給気ポート20に供給される圧縮エアが、給気通路21、弁座筒25及び出力通路22を通り、所定のノズルから吐出される。この結果、選別装置においては、穀物中の異物がエアで吹き飛ばされて除去される。 【0042】ここで、選別装置においては、大量の穀物の中から多数の異物を吹き飛ばすために、電磁弁11を高速で高頻度に開閉させる必要がある。その際、金属製の磁気フレーム30の吸着面30aに金属弁体26が高速で高頻度に衝突することになり、それら衝突面の磨耗が危惧されるところである。 【0043】しかしながら、この実施の形態では、磁気フレーム30の吸着面30aを底部材43の底面43eと同一平面とし、それら吸着面30a及び底面43eを金属弁体26との接触面としている。従って、金属弁体26が吸着面30aに吸着されるときには、その金属弁体26との接触面積が、吸着面30aのみの場合よりも底面43eの分だけ広くなる。従って、金属弁体26が吸着面30aに衝突するときの両者26,30aの間の衝撃が緩和される。更に、底部材43が機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料、即ちPPSにより形成されることから、その底面43eに頻繁に金属弁体26が衝突しても、その底面43eが容易に変形することはない。この結果、吸着面30aの磨耗を抑えることができ、金属弁体26の片当たり等による偏磨耗を抑えることができる。このことは、わずかな隙間G1を移動ストロークとして、高速で高頻度に上下動する金属弁体26の動きを、長期間にわたって高精度に維持できることを意味し、電磁弁11の長寿命化を図ることができるようになる。 【0044】しかも、この実施の形態では、吸着面30a及び金属弁体26の磨耗を抑えるために、従来例とは異なり、緩衝部材を別途に取り付ける必要がなく、これによって、製造作業の簡易化を図ることができる。又、緩衝部材を設けない分だけ金属弁体26の移動ストロークを増やす必要がなく、その移動ストロークに相当する分よりも大きい磁力をコイル27で発生させる必要がない。このことにより、コイル27の励磁に基づく磁力ロスの発生を抑えることができる。このことは、コイル27の巻き数の増加を抑え、吸着面30aと弁座25aとの隙間G1の拡大を抑えて、電磁弁11の大形化を抑えることができる。 【0045】この実施の形態によれば、吸着面30a及び底面43eに吸着した金属弁体26を弁座25aへ復帰させる際に、ソレノイド15を消磁させて吸着面30aでの吸引力を無くすようになっている。このとき、底面43eの導入溝43bに導入された圧縮エアが、金属弁体26を吸着面30aから引き離すように作用することから、金属弁体26の弁座25aへの復帰が円滑になる。又、これら導入溝43bが、機械的強度と耐金属磨耗性に優れたPPSよりなる底部材43に設けられる。このため、導入溝43bを含む接触面に金属弁体26が頻繁に衝突しても、それら導入溝43bが容易に変形することはない。この意味でも、金属弁体26の動きを、長期間にわたって高精度に維持することができ、電磁弁11の長寿命化を図ることができる。 【0046】この実施の形態の電磁弁11につき、200Hz程度の高速応答性をもって金属弁体26を上下動させて開閉させたところ、約30億の回数に及ぶ正常な動作を得ることができ、長寿命化の成果が明らかになった。 【0047】尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができる。 【0048】例えば、前記実施の形態では、本発明の電磁弁を選別装置に適用される電磁弁11に具体化したが、これに限られるものではなく、それ以外の用途の電磁弁に具体化することもできる。 【0049】 【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、金属製の吸着面に対する金属弁体の吸着を制御することにより、金属弁体を弁座に対して当接又は離間させるようにした電磁弁であって、ソレノイドの底部材を、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成し、吸着面を底部材の底面と同一平面をなすように一体的に成形し、それら吸着面及び底面を金属弁体との接触面としている。従って、金属弁体が吸着面に吸着されるときの金属弁体との接触面積が、吸着面だけの場合よりも広くなり、金属弁体が吸着面に衝突するときの両者の衝撃が緩和される。底部材の底面に頻繁に金属弁体が衝突しても、その底面が容易に変形することはなく、吸着面と底部材との一体的成形により、作業性が良くなり、仕上がり精度が高くなる。この結果、緩衝部材を別途に取り付けることなく、磁力ロスを生じさせることなく、ソレノイドにおける吸着面と金属弁体との間の接触磨耗を抑えることができ、もって電磁弁の長寿命化を図ることができるという効果を発揮する。 【0050】請求項2に記載の発明の構成によれば、請求項1の発明の構成において、樹脂材料をポリフェニレンサルファイドに特定したことにより、請求項1の発明と同等の作用及び効果を得ることができる。 【0051】請求項3に記載の発明の構成によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の構成において、底部材の底面で金属弁体との接触面に、金属弁体を吸着面から引き離すための圧力流体の導入溝を設けている。従って、請求項1又は請求項2の発明の作用及び効果に加え、吸着面及び底面に吸着した金属弁体を弁座へ復帰させる際に、導入溝に導入された圧力流体が、金属弁体を吸着面から引き離すように作用して、金属弁体の弁座への復帰が円滑化する。導入溝を含む接触面に金属弁体が頻繁に衝突しても、その導入溝が容易に変形することはない。この意味でも、金属弁体の動きを長期間に高精度に維持することができ、電磁弁の長寿命化を図ることができるという効果を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000106760 【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】富澤 孝 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132352 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−296645 |
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