| 【発明の名称】 |
電動弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】望月 健一
【氏名】梅澤 仁志
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| 【要約】 |
【課題】電動弁の弁体部分を通過する流体の調整において、その微少な調整が正確かつ微細にできると共に、流量の多い状態での調整も行うことのできる弁体と弁座部との構造を備えた電動弁を提供する。
【解決手段】弁本体、該弁本体内に形成された環状弁座部、弁体、該弁体を移動させる弁ステムとを備え、前記弁体は、前記環状弁座部に着座する円盤状の弁閉鎖部材と該弁閉鎖部材の外周に位置する環状鍔部を有する弁閉鎖部材保持カラーとを備え、前記弁閉鎖部材保持カラーの環状鍔部の下端部を前記環状弁座部の端部の外周に位置させて、前記環状鍔部の下端部と環状弁座部のシート端部との間の間隙で流量調整してなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機により駆動される弁体が弁座に対して接離する電動弁において、前記弁座は、環状弁座部からなると共に、前記弁体は弁部材と該弁部材の外周を保持する保持部材からなり、前記弁部材が前記環状弁座部のシート端部の先端に着座することで流量遮断し、前記保持部材の下端部と前記シート端部の外側部との間で流量調整することを特徴とする電動弁。 【請求項2】 弁本体、該弁本体内に形成された環状弁座部、弁体、該弁体を移動させる弁ステムとを備えた電動弁において、前記弁体は、前記環状弁座部に着座する円盤状の弁閉鎖部材と該弁閉鎖部材の外周に位置する環状鍔部を有する弁閉鎖部材保持カラーとを備え、前記弁閉鎖部材保持外カラーの環状鍔部の下端部を前記環状弁座部のシート端部の外周に位置させて、前記環状鍔部の下端部と前記環状弁座部のシート端部との間の間隙で流量調整することを特徴とする電動弁。 【請求項3】 前記環状弁座部のシート端部は、その断面形状が半円形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動弁。 【請求項4】 前記環状弁座部のシート端部は、その外周断面形状がテーパー状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動弁。 【請求項5】 前記弁閉鎖部材保持カラーの環状鍔部の下端部は、弁閉鎖部材の下面より下方に突出し、かつ、内側に面取角部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電動弁。 【請求項6】 弁本体と、上記弁本体に取付固定されたホルダと、上記ホルダに摺動可能に支持された弁ステムと、上記ステムが電動機により駆動されて弁体が上記弁本体内に形成された弁座に接離する電動弁において、上記ホルダは、上記電動機の駆動軸のガイド部が一体に形成されたホルダ部と、上記ホルダとは別体の上記ステムのガイド部となるホルダ部とで構成され、上記弁座は、環状弁座部からなると共に、前記弁体は弁部材と該弁部材の外周を保持する保持部材とからなり、前記弁部材が前記環状弁座部のシート端部の先端に着座することで流量遮断し、前記保持部材の下端部と前記シート端部の外側部との間で流量調整することを特徴とする電動弁。 【請求項7】 上記ステムはこれに係合する駆動軸保持部を有し、上記駆動軸保持部はこれと上記別体のホルダ部との間にコイルスプリングを有すると共に、上記駆動軸保持部は凹状部を有してこの凹状部内のその上端が上記電動機の回転軸に係合する上記駆動軸の下端が配設されていることを特徴とする請求項6記載の電動弁。 【請求項8】 弁本体内に形成された弁室と、上記弁室を介して連通している上記弁本体に形成された入力側通路及び出口側通路と、上記弁本体に取付固定されて上記弁室を密閉状態にするホルダと、上記ホルダに摺動可能に支持された弁ステムと、上記ステムによって移動する弁体と、上記弁体が接離する上記弁本体内に形成された環状弁座部を備え、上記ホルダは、上記電動弁の駆動軸のガイド部が一体に形成されたホルダ部と上記ホルダ部とは別体の上記ステムのガイド部となるホルダ部とで構成されると共に、上記弁体は、前記環状弁座部に着座する円盤状の弁閉鎖部材と該弁閉鎖部材の外周に位置する環状鍔部を有する弁閉鎖部材保持カラーとを備え、前記弁閉鎖部材保持外カラーの環状鍔部の下端部を前記環状弁座部のシート端部の外周に位置させて、前記環状鍔部の下端部と前記環状弁座部のシート端部との間の間隙で流量調整することを特徴とする電動弁。 【請求項9】 上記ステムは、これに係合する駆動軸保持部を有し、上記駆動軸保持部はこれと上記別体のホルダ部との間にコイルスプリングを有すると共に、上記駆動軸保持部は凹状部を有して、この凹状部内にその上端が上記電動機の回転軸に係合する上記駆動軸の下端が配設されていることを特徴とする請求項8記載の電動弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パルスモータ等の電動機によって弁体の開閉操作を行う電動弁に関し、特に、微少流量の調整が可能な電動弁の弁体部分の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から例えば暖房機器等の温水流体の配管系統の途中に介在されて、該温水流体の流路の開閉を行う機器として電動弁が使用されている。該電動弁は、弁本体に装着されたパルスモータ等の電動機と、前記弁本体内に装着されて前記パルスモータによって駆動される弁ステム、該弁ステムの一端に取付固定されている弁体、及び、弁本体内に形成された弁座部を含む弁開閉部とを備えている。 【0003】図6は、前記従来の電動弁50の弁開閉部を示したものであり、弁本体51は、その両側に配管接続部52,53を備えると共に、下部にプラグ59を螺着する開口部58を備えている。前記弁本体51のプラグ59の上部は弁室55として構成され、該弁室55内には、弁体57が配置されている。該弁体57は、上下摺動可能な弁ステム60に取付固定されている。前記配管接続部52内には、入口側通路52aが穿設されていると共に、前記配管接続部53には、出口側通路53aが穿設され、両通路52a,53aは、前記弁室55に連通接続している。 【0004】前記入口側通路52aと前記弁室55との接続部には、弁座部61が形成される一方、前記弁体57は、前記弁座部61に接触する弁部材57aを備えている。該弁部材57aは、前記弁座部61と接触する部分が前記弁室55方向に径を拡大した凸環状テーパー部として形成されており、該凸環状テーパー部が前記弁座部61に設けられた凹環状テーパー部と面接触するように構成されている。 【0005】前記弁本体51の上部には電動機(図示省略)が取付られ、該電動機が回転することによって、前記弁ステム60が上下に摺動移動し、前記弁座部61に対して弁体57(弁部材57a)を接離自在として弁体57を開閉動作する。該開閉動作によって、前記入口側通路52aからの流体を前記弁部57で遮断、もしくは、流通させている。 【0006】そして、前記電動弁50を暖房機器等の温水流体の配管系統の途中に介在させて使用する場合、通常、前記弁ステム60の上下摺動移動、即ち、前記弁座部61に対する弁体57の接離移動は、例えば、0〜3mm程度の範囲を移動する。該移動によって、前記弁座部61と前記弁体57との間の開口間隙を調整して流体の流量調節を行っているが、流量を更に少くする必要がある場合には、前記弁座部61と前記弁体57との間の間隙を、例えば、10μ〜50μ程度の微小間隙として行っている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図6の従来の電動弁50の弁座部61と弁体57との構造では、前記弁ステム60の上下摺動移動(前記弁座部61に対する弁体57の接離移動)と調整流量との関係は、弁体57の開口始めの時点から概ね直線状に変化するものであるために、流体の流量を微少調整を行う場合には、その微少調整を正確に実施し難いものであった。つまり、前記弁ステム60の上下摺動、即ち、電動機を付勢するための出力信号であるパルス数に対する弁座部61と弁体57との間の離間距離(流量調整間隙)が直線的に変化し、かつ、微少流量の調整であっても、大流量を調整するのと略同じ割合で開口間隙が変化することで、特に、微少流量の調整が正確に行い得ないとの問題点があった。 【0008】また、前記電動弁50の弁本体51(弁座部61)は真鍮で成形されている一方、前記弁体57の弁部材57aはテフロン等の合成樹脂で成形されている場合があり、その使用材料を異にすることで熱膨張率が異なることで、低温の流体に代えて温度差のある高温の温水を通過させると、前記弁座部61と弁体57の弁部材57aとの両部材の温度の上昇によって、両部材とも膨張してその径を拡大するが、真鍮よりもテフロン等の合成樹脂の熱膨張率が大きいので、前記弁部材57aの方が膨張量が大きくなりその外径を拡大する。該膨張量の差によって、前記図6の如き配置状態である前記弁座部61と弁体57の弁部材57aとは、前記常温水の状態で設定した開口間隙を狭める方向に作用して、前記微少流量の正確な調整を阻害する要因となっている。 【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電動弁の弁体部分を通過する流体の調整において、その微少な調整が正確かつ微細にできると共に、流量の多い状態での調整も行うことのできる弁体と弁座部との構造を備えた電動弁を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、本発明に係る電動弁は、電動機により駆動される弁体が弁座に対して接離し、前記弁座は、環状弁座部からなると共に、前記弁体は弁部材と該弁部材の外周を保持する保持部材からなり、前記弁部材が前記環状弁座部のシート端部の先端に着座することで流量遮断し、前記保持部材の下端部と前記シート端部の外側部との間で流量調整することを特徴としている。 【0011】また、本発明に係る電動弁の他の態様としては、該電動弁が弁本体、該弁本体内に形成された環状弁座部、弁体、該弁体を移動させる弁ステムとを備え、前記弁体は、前記環状弁座部に着座する円盤状の弾性体からなる弁閉鎖部材と該弁閉鎖部材の外周に位置する環状鍔部を有する弁閉鎖部材保持外カラーとを備え、前記弁閉鎖部材保持外カラーの環状鍔部の下端部を前記環状弁座部のシート端部の外周に位置させて、前記環状鍔部の下端部と前記環状弁座部のシート端部との間の間隙で流量調整することを特徴としている。 【0012】そして、本発明の電動弁の具体的態様としては、前記環状弁座部のシート端部が、その断面形状を半円形状もしくはその外周断面形状をテーパー状とし、前記弁閉鎖部材保持カラーの環状鍔部の下端部が弁閉鎖部材の下面より下方に突出し、かつ、内側に面取角部を備えたことを特徴としている。 【0013】さらに、本発明に係る電動弁の他の形態としては、弁本体と、上記弁本体に取付固定されたホルダと、上記ホルダに摺動可能に支持されたステムと、上記ステムが電動機により駆動されて弁体が上記弁本体内に形成された弁座に接離する電動弁において、上記ホルダは、上記電動機の駆動軸のガイド部が一体に形成されたホルダ部と、上記ホルダとは別体の上記ステムのガイド部となるホルダ部とで構成され、上記弁座は、環状弁座部からなると共に、前記弁体は弁部材と該弁部材の外周を保持する保持部材とからなり、前記弁部材が前記環状弁座部のシート端部の先端に着座することで流量遮断し、前記保持部材の下端部と前記シート端部の外側部との間で流量調整することを特徴としている。 【0014】そして、本発明に係る電動弁の具体的形態としては、上記ステムはこれに係合する駆動軸保持部を有し、上記駆動軸保持部はこれと上記別体のホルダ部との間にコイルスプリングを有すると共に、上記駆動軸保持部は凹状部を有してこの凹状部内のその上端が上記電動機の回転軸に係合する上記駆動軸の下端が配設されていることを特徴としている。 【0015】さらにまた、本発明に係る電動弁の他の形態としては、弁本体内に形成された弁室と、上記弁室を介して連通している上記弁本体に形成された入力側通路及び出口側通路と、上記弁本体に取付固定されて上記弁室を密閉状態にするホルダと、上記ホルダに摺動可能に支持された弁ステムと、上記ステムによって移動する弁体と、上記弁体が接離する上記弁本体内に形成された環状弁座部を備え、上記ホルダは、上記電動弁の駆動軸のガイド部が一体に形成されたホルダ部と上記ホルダ部とは別体の上記ステムのガイド部となるホルダ部とで構成されると共に、上記弁体は、前記環状弁座部に着座する円盤状の弁閉鎖部材と該弁閉鎖部材の外周に位置する環状鍔部を有する弁閉鎖部材保持カラーとを備え、前記弁閉鎖部材保持外カラーの環状鍔部の下端部を前記環状弁座部のシート端部の外周に位置させて、前記環状鍔部の下端部と前記環状弁座部のシート端部との間の間隙で流量調整することを特徴としている。 【0016】そして、本発明に係る電動弁の具体的形態としては、上記ステムは、これに係合する駆動軸保持部を有し、上記駆動軸保持部はこれと上記別体のホルダ部との間にコイルスプリングを有すると共に、上記駆動軸保持部は凹状部を有して、この凹状部内にその上端が上記電動機の回転軸に係合する上記駆動軸の下端が配設されていることを特徴としている。 【0017】このように構成された本発明の電動弁は、該電動弁の入口側通路を介して流入した流体が環状弁座部と弁体との間の開口間隙を通過し、弁室を介して出口側通路を通って送出される。この時、電動機をパルス信号等により回動させると、該回動によって弁ステムを上下摺動させ、前記パルス信号の数量に比例した量だけ前記弁体の上下位置を移動させ、前記環状弁座部と前記弁体との間の開口間隙を調整して該開口間隙を流れる流体の流通量を調整する。また、前記環状弁座部と前記弁体との間を流れる流体を完全に閉鎖遮断をする場合は、前記環状弁座部のシート端部の先端に前記弁体の弁閉鎖部材の下面を着座して接触させることによって行う。 【0018】前記環状弁座部と前記弁体との間を流れる流体の調整は、前記弁閉鎖部材保持外カラーの環状鍔部の下端部と前記環状弁座部のシート端部の外周部との間の開口間隙の幅を調整することで流量の調整を行う。 【0019】そして、本発明の電動弁は、環状弁座部のシート端部の断面形状が半円形状で、前記弁閉鎖部材保持外カラーの環状鍔部の下端部が弁閉鎖部材の下面より下方に突出し、かつ、内側に面取角部を備えていることによって、弁体の閉鎖位置からの移動初期においては、前記弁体の上下移動距離に対して前記面取角部と前記環状弁座部のシート端部との開口間隙は少ししかその間隙幅を広げないので、微小な開口間隙の調節を行い得て、流体流量の微少調整を可能にしている。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の電動弁10の縦断面図を示すものであり、図2は、前記電動弁10の弁体40と弁ステム21との分解斜視図である。例えば真鍮等の材料で形成される弁本体11は、上部にホルダ接続部19を立設し、該ホルダ接続部19に同一の材料で形成されたホルダ20を嵌合取付固定しており、該ホルダ20の上部には、例えば合成樹脂製の絶縁フランジ32を介してパルスモータ等の電動機31を載置固定している。 【0021】前記弁本体11の両側には、ネジ切りされた配管接続部12,13が上下にその位置を異にして備えられていると共に、該弁本体11の下部18は密閉状となっている。前記弁本体11内には、弁室15が構成され、該弁室15の上部は前記ホルダ接続部19に嵌合する前記ホルダ20によって閉鎖されている。該弁室15内には、弁体40が配置され、該弁体40は、前記ホルダ20に摺動可能に支持された弁ステム21に取付固定されている。 【0022】前記弁本体11の配管接続部12内には、入口側通路12aが穿設されていると共に、前記配管接続部13には、出口側通路13aが穿設され、両通路12a,13aは、前記弁室15に連通接続している。前記弁室15の上部のホルダ接続部19の内空部19aには、前記ホルダ20が外側Oリング22を介在して挿入嵌合され、ロックナット23を前記ホルダ接続部19の外周に刻設したネジにネジ込むことによって前記ホルダ20を弁本体11に取付固定している。 【0023】前記弁ステム21の中間部は、一対のOリング29,29を介在して前記ホルダ20に摺動可能に軸支され、該弁ステム21の上端は、拡大されて駆動軸保持部21aを形成している。該駆動軸保持部21aは、凹状部21bを備え、該凹状部21b内には剛球体24を介在して駆動軸25の下端部25aが挿入接触され、該駆動軸25の上端部25bは、前記電動機31の回転軸26に係合している。前記駆動軸25の中間部は雄ネジ部25cとされ、前記ホルダ20に取付固定された駆動軸ガイド27に刻設された雌ネジ27aに螺合されている。前記駆動軸保持部21aの下面と前記ホルダ20の筒内上面との間にはコイルスプリング30が介在され、弁ステム21を常時上方に付勢している。 【0024】図3は、前記弁体40の構造及び作動状態を示すものであって、図3の(a)は、前記弁体40の閉鎖遮断状態を示すものであり、(b)は開口状態を示すものである。該図3(a)(b)に示されているように、前記入口側通路12aと前記弁室15との接続部の弁室15側には、環状弁座部14が形成され、該環状弁座部14のシール端部14aはその断面形状が半径Rの半円状に形成されている。前記弁ステム21は、その下部に前記弁体40を取付固定する軸端部21bを備え、図2,図3に示すように、前記弁体40は、三部材、即ち、前記弁座部14に接触して閉鎖する弁閉鎖部材41、弁閉鎖部材保持外カラー42、及び、弁閉鎖部材保持内カラー43とを備えていると共に、前記三部材はその中心に前記弁ステム21の軸端部21bを嵌合して該軸端部21aの端をかしめることによって該弁ステム21に取付固定されている。 【0025】前記弁体40の弁閉鎖部材41は、ゴム材、テフロン等の合成樹脂からなる弾性体で形成されるとともに、円盤状をしており、前記弁閉鎖部材保持外カラー42と弁閉鎖部材保持内カラー43とはSUS等の材料で形成されると共に、該両カラー42,43で前記弁閉鎖部材41をサンドイッチ状に挾持している。前記弁閉鎖部材保持外カラー42は、その外周に環状鍔部42aを備え、該環状鍔部42aの下端部42bは、前記弁閉鎖部材41の下面よりも下方に伸びており、前記弁体40が閉鎖状態(図3(a))にあるときは、前記環状弁座部14の外周面に極めて微小な間隙を置いて配置されるべく形成されている。 【0026】前記弁体40と前記環状弁座部14との間の閉鎖及び流量調整は、閉鎖においては前記弁体40の弁閉鎖部材41が前記環状弁座部14のシート端部14aの先端に接触して着座することで行い、流量調整においては前記弁閉鎖部材保持外カラー42の下端部42bの内周部と前記環状弁座部14のシート端部14aの外側円弧状部との間の間隙aを調整することで行うものである。 【0027】図4は、前記環状弁座部14と前記弁閉鎖部材保持外カラー42の下端部42bとの流量調整時の位置関係を更に詳細に示したものであり、前記弁閉鎖部材保持外カラー42の下端部42bはその内周部が面取りされ、弁が閉鎖状態にある時は、前記面取角部42cは、前記環状弁座部14の半円状シート端部の外側面に極めて微小な間隙を於いて配置された状態にあるが、前記弁体40の電動弁を開口方向に移動すべく上昇させると、前記面取角部42cと前記環状弁座部14の半円状シート端部の外側面との間隙幅aを、順次広くする。 【0028】具体的には、前記弁体40が閉鎖状態の位置L0から距離b上昇して開口状態の位置L1に移動したとき、前記弁閉鎖部材保持外カラー42の面取角部42cと前記環状弁座部14のシート端部14aとの間隙幅はa1となる。そして、更に同じ距離b上昇して、開口状態の位置L2に移動したとき、前記の面取角部42cと前記環状弁座部14のシート端部14aとの間隙幅はa2となるが、該間隙a2は、前記弁体40の上昇距離が2bと二倍に移動したのに対して幅a1の例えば二倍以上に変化する。即ち、前記弁体40の移動距離に対して前記面取角部42cと前記環状弁座部14のシート端部14aとの間隙幅aは、直線的には変化せず、2次曲線的に変化する。言い換えるならば、前記弁体40の閉鎖位置からの移動初期においては、前記弁体40の移動距離Lに対して前記面取角部42cと前記環状弁座部14のシート端部14aとの間隙幅aは少ししかその間隙幅を広げず、該間隙の微小な調節が行い得て、流体流量の微少調節を可能にしている。この微少調整が行え得る理由は、前記環状弁座部14のシート端部14aでその断面形状が半径Rの半円形状に形成されていることに起因している。 【0029】前記弁体40の移動位置がL3以上になると、前記流量の調整は、前記半円形状の影響を受けることが少なくなり、前記弁体40の移動距離に対して略直線状に変化することとなる。 【0030】図5は、前記弁体40の移動距離、即ち、前記電動機31を回転させるための開弁パルス数と流量との関係を実験的に求めたグラフであり、開弁パルス数の少ない領域Iを微少流量調整に使用し、それ以上の開弁パルス数の多い領域IIを通常の流量調整に使用するものである。図5から開弁パルス数の少ない領域Iでは、パルス数の変化に対して流量の変化が少なく微少流量調整が行われており、パルス数の多い領域IIでは、パルス数の変化に対して流量の変化が前記領域Iより大きいことが理解されるであろう。 【0031】次に、本実施形態の電動弁の作動について説明する。暖房機器の供給源から供給される水もしくは温水等の流体は、入口側通路12aから供給され、環状弁座部14と弁本体40との間の間隙を通過した後、弁室15を介して出口側通路13aを通って暖房器等の機器に送出される。この時、パルスモータ等の電動機31をパルス信号等により適宜回動させると、前記電動機31の回転軸26が回転し、前記回転軸26と係合している駆動軸25を回転させる。該回転軸25の回転によって該回転軸25自体が上下に移動することで、前記弁ステム21を上下摺動させる。該弁ステム21は、前記パルス信号の量に比例した量だけ上下方向に移動し、前記弁座部14のシート端部14aと前記弁体40の前記面取角部42cとの間の間隙aを調整し、該幅aの間隙を流れる流体の流通量を調整する。また、前記環状弁座部14と前記弁体40との完全閉鎖遮断は、前記環状弁座部14のシート端部14aの先端に弁閉鎖部材41が接触して着座することによって行われる。 【0032】前記流体の流通量の通常の調整は、前記弁座部14と前記弁体40との間の間隙の幅aを、例えば、0〜3mmの範囲で調整することで行うものであるが、流量を絞って調整を行う場合には、前記間隔の幅aを狭くした状態の前記領域I、即ち、10〜15μ程度の微小間隔として温水の流通量を調整している。 【0033】本実施形態において、環状弁座部14と、弁体40の弁閉鎖部材保持外カラー42の流量調整する下端部42bとが、共に環状に形成され、かつ、前記環状弁座部14の内部から流体が外環状弁座部14の外周に位置する弁閉鎖部材保持外カラー42の下端部42b下方に向けて図3(b)の矢印の如く放射スカート状に流れることで、弁体40に求心力が働き、該弁体40自体がぶれの少ない安定した作動する。 【0034】また、本実施形態では、流量調整部を構成する前記面取角部42cと前記環状弁座部14の半円状シート端部14aとを比較的容易な機械加工精度で形成できる。更に、本実施形態の弁体40は、閉鎖弁部材41の外周が弁閉鎖部材保持外カラー42の環状部42aに完全に覆われているので、該閉鎖弁部材41の材質(テフロン等)に基づく熱膨張の影響を規制することができる。 【0035】更にまた、本実施形態では、電動弁の完全閉鎖遮断は、テフロン等の閉鎖良好材料で形成される前記弁閉鎖部材41で行い、流量の調整は、真鍮等の材料で形成される環状弁座部14とSUS等の材料で形成される弁閉鎖部材保持外カラー42の熱膨張率の近似する金属同士で行うべく形成したので、流れる流体に温度変化が生じても、流量調整における熱膨張の影響が少ない弁部を構成でき、流体の微少流量の調整に好適な電動弁を提供できる。 【0036】本実施形態においては、電動弁を暖房機器の温水供給装置に実施するものとして説明したが、本発明の電動弁は前記実施形態に限定されるものではなく、冷媒を供給する管路に配置される弁、及び、冷却液として使用される油供給管路の弁としても使用できるものである。 【0037】また、本実施形態においては、環状弁座部のシート端部は、その断面形状を半円形状として示したが、該形状に限定されるものではなく、前記シート端部の外周部の断面形状をテーパー状とする等、微少の流量の調整が可能なように傾斜形状とすることもできる。更に、本実施形態においては、弁閉鎖部材保持カラーの環状鍔部の下端部内側を面取りし、面取角部を備える形状として示したが、面取りせずに、該下端部の内側角部を流量調整部とすることもできる。 【0038】以上述べた本発明の実施形態においては、図1に示す如くホルダ20を同一の部材、例えば脱亜鉛対策材である黄銅(HC−10)を使用して一体に構成し、上記ホルダに例えばステンレス材(SUS303)を使用した駆動軸ガイド27を取付固定する場合を示したが、本発明はこれに限らずホルダと駆動軸受けガイドを一体に構成する場合にも適用できるのは勿論であり、また本発明は、上記ホルダを同一部材にて一体に構成する以外に上記ホルダを別部材にて構成する場合にも適用することができる。さらには、図1に示す実施形態としては、弁ステム21とその上端に設けられた駆動軸保持部21aとを一体に構成することを示したが、本発明はこれに限らず、弁ステム21と駆動軸保持部21aとを別体の部材を使用して構成する場合にも適用できるのは勿論である。 【0039】図7は、本発明の上述した場合の実施形態の電動弁10’の縦断面図を示すものであり、図1に示す実施形態とは、ホルダ及び弁ステムの構成が異なるのみであり、基本的構成及び作用は同一である。したがって、図7において図1と同一符号は、同一又は均等部分を示している。 【0040】図7において、ホルダ20aは、例えば、耐摩耗性の良い高力黄銅を使用して、駆動軸ガイド27bと一体に構成されており、ホルダ20bは、ステムガイドとして機能する例えば脱亜鉛対策材である黄銅(日本伸銅株式会社の商品名 HC−10)を使用した別部材のホルダであり、ホルダ20aとホルダ20bは端面同志が当接し、ホルダ20bは、弁室15の上部の弁本体11にあるホルダ接続部19の内空部19aに、Oリング22を介して挿入嵌合される。そして、ロックナット23がホルダ接続部19の外周に刻設したネジにネジ込まれることによって、ホルダ20bは弁本体11に取付固定されると共に、ホルダ20aの端面20a’とホルダ20bの端面20b’とが当接することになる。かかる実施形態においては、図1の実施形態に比較して、ホルダ20aと駆動軸ガイド27bとを一体の部材にて構成されているので、駆動軸ガイドの組付工程を低減することができ、また駆動軸ガイド自体の加工工程を廃止することができるのでコスト低減を実現できることとなる。しかも、図7の実施形態においては、ホルダを構成する材料として脱亜鉛対策材のみを使用することなく、ホルダ20aには高力黄銅を使用し、ステムガイドとして機能するホルダ20bにのみに脱亜鉛対策材を使用したので高価な脱亜鉛対策材の使用を低減することができ、コスト低減を実現できるのである。 【0041】さらに、図7に示す実施形態では、弁ステム21bとその上端に係合される駆動軸保持部21cとを別体に構成し、コイルスプリング30が駆動軸保持部21cの下面21c’とホルダ20bの筒内上面21b’との間に介在されて、弁ステム21bを常時上方に付勢している。これにより、ステムを同一の部材、例えばステンレス材にて一体加工する必要がなくなるので、加工に要するコストを低減できる。 【0042】 【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発明の電動弁は、弁体の弁閉鎖部材保持カラーの環状鍔部の下端部を環状弁座部のシート端部の外周に位置させて、前記環状鍔部の下端部と環状弁座部のシート端部との間の間隙で流量調整する構成としたので、通常の流量調整と必要に応じて行う微少の流量調整との両方の調整とを正確にかつ円滑に行うことができる。また、本発明に係る電動弁は、加工工程の少ない低コストで製作できるものでありながら微少の流量調節を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391002166 【氏名又は名称】株式会社不二工機
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】沼形 義彰 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132351 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−298281 |
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