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【発明の名称】 2段リリーフバルブ
【発明者】 【氏名】上野 勝美

【要約】 【課題】圧力調整が容易でしかも部品数が少なく構造の簡易な2段リリーフ弁を提供する。

【解決手段】標準的な1段リリーフバルブのバルブボデイを変更することなく利用し、バルブボデイの反パイロットバルブ側内孔の雌ねじにねじ込まれるスクリュー部材と、該スクリュー部材の中間外周の雄ねじに螺合するナット部材を備え、前記スクリュー部材の軸心孔には先端に前記設定用スプリングの受支面を有するロッドを嵌挿し、軸心孔と同軸のパイロット通路には底付き摺動用孔を連接してこれに前記ロッドに対する当接面を有するピストンを昇圧代調整用のシムを介して摺動可能に内挿して2段リリーフバルブとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】パイロットバルブとこれを付勢する設定用スプリングを内蔵したバルブボデイと、圧力通路と低圧通路を有し、内部に前記パイロットバルブの開放側に作用する通路を穿設した固定弁部材とこれを受支面とするバネで付勢され要時に低圧通路を圧力通路と連通させる開閉弁体を有するサブボデイと、前記バルブボデイの反パイロットバルブ側の雌ねじにねじ込まれるスクリュー部材と、該スクリュー部材の中間外周の雄ねじに螺合するナット部材を備え、前記スクリュー部材の軸心孔には先端に前記設定用スプリングの受支面を有するロッドを嵌挿し、軸心孔と同軸のパイロット通路には底付き摺動用孔を連接し、これに前記ロッドに対する当接面を有するピストンを昇圧代調整用のシムを介して内挿したことを特徴とする2段リリーフバルブ。
【請求項2】スクリュー部材が外周にバルブボデイの雌ねじに螺合される第1雄ねじとこれよりも径の小さいくびれ部とくびれ部よりも径の大きい無ねじ部と前記第1雄ねじよりも径の大きい第2雄ねじとを有しており、前記ナット部材のスクリュー部材に対向する端面側には、ナット部材と同等以上の外径を有するバックアップリングを有しており、これに前記くびれ部の外径と略同等の内径を有するOリング押え用ワッシャが組み付けられている請求項1に記載の2段リリーフバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2段リリーフバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】リリーフバルブは油圧回路の上流域に使用され、回路圧力が一定以上に上昇しないように制御する安全弁として汎用されている。通常かかるリリーフバルブは、図1のように、パイロットバルブ1aとこれを閉じ側に付勢する設定用スプリング8を内蔵したバルブボデイ1に、圧力通路Pと低圧通路Tを形成したサブボデイ2を結合し、該サブボデイ2に、前記パイロットバルブ1aの開放側に作用する通路を穿設した固定弁部材2aと、これを受支面とするバネ2cで付勢され前記要時に低圧通路Tを圧力通路Pと連通させる開閉弁体2bを有している。そして、バルブボデイ1の後端から設定用スプリング8の受圧面を有するスクリュー3’をねじ込み、このスクリュー3’のねじ込み具合で設定用スプリング8のバネ力を調整してリリーフ圧力を設定、変更するようになっている。
【0003】このようなリリーフ弁においては、圧力通路Pからの圧力が導入されると、その圧力は通路孔24,22を通してパイロットバルブ1aに作用し、圧力がバネに設定された力以上になると、パイロットバルブ1aは開弁し、これに作用していた油圧はサブボデイ2の外周に形成してある通路溝210を介してバルブ外に流出し、それによる差圧で開閉弁体2bがバネ力に抗して固定部材2a側に摺動し、それにより低圧通路Tが開いて圧力通路Pからの油圧がタンクに戻される。一方、建設機械類たとえばパワーショベルことにクローラをゴム製としたいわゆるミニショベルなどにおいては、ブーム、バケット、アームなどのフロント操作のときにはたとえば回路圧を20.6MPaとし、走行時には駆動力を増加すべく回路圧を24.54MPaに上昇させる必要が生ずる。この要求に答えるため、通常のリリーフバルブの圧力セット値に対し、外部からパイロット圧力を導き、設定圧力を変化(普通の場合、設定圧力を上昇)できるようにしたリリーフバルブがあり、これを2段リリーフバルブと称している。
【0004】かかる2段リリーフバルブとして、従来図2のような構造が採用されていた。すなわち、前記したサブボデイ2を組み付けたバルブボデイ1と別なバルブボデイ1’を準備し、このバルブボデイ1’に中空状第1スクリューDを螺合させ、第1ナットEで締付け固定し、この中空状第1スクリューDの内孔にピストンFを所要の昇圧代xを有せしめるように内挿するとともに、これよりも背後の中空状第1スクリューDにパイロット通路PIとパイロット通路孔piを有する第2スクリューGを螺合させ、第2ナットHで締付け固定するようになっいていた。
【0005】しかし、このような先行技術では、バルブボデイとして1段リリーフ弁と異なる別のものを製作することが必要となり、また、中空状第1スクリューDと第2スクリューGの2種の大きなスクリュー、第1ナットEと第2ナットHの2つのナットを必要とするため、大型(特に長さ寸法)になり、材料費と精密加工コストが高くなる。また、ピストンF、中空状第1スクリューD、第2スクリューGが独立した部品となっているため、組立てにも時間と手間がかかり、これらにより製品が高価になるという問題があった。
【0006】また、圧力調整作業も非常に複雑で面倒であり、時間を要した。すなわち、先行技術においては、図2のように全部の部品を組み付けた状態とし、この状態で第1ナットEと第2ナットHを共に緩め、まず、中空状第1スクリューDに対して第2スクリューGの螺合度合いを増すように締付けてゆき、目的設定圧たとえば24.5Mpaになるようにバネ長さを調整する。こうして昇圧代xがゼロになったらば圧力通路Pに油を流し、このときバルブボデイ1’に対する第1スクリューDのねじ込み度合いを調整し、セットしたい昇圧圧力P2になったならば、第1ナットEを締めて第1スクリューDを固定する。
【0007】次に、第2スクリューGを緩めて図2で右側方向に移動させ、これでピストンFを後退させてバネ長さを増して昇圧代xを創成し、セット圧が低設定圧P1になったならば、第2ナットHを締め付けて第2スクリューGを固定する。そしてパイロット通路PIに規定の圧力を加え、圧力通路Pの圧力が昇圧圧力P2になることを確認する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、圧力調整が容易でしかも部品数が少なく構造の簡易な2段リリーフ弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、パイロットバルブとこれを付勢する設定用スプリングを内蔵したバルブボデイと、圧力通路と低圧通路を有し、内部に前記パイロットバルブの開放側に作用する通路を穿設した固定弁部材とこれを受支面とするバネで付勢され要時に低圧通路を圧力通路と連通させる開閉弁体を有するサブボデイと、前記バルブボデイの反パイロットバルブ側の雌ねじにねじ込まれるスクリュー部材と、該スクリュー部材の中間外周の雄ねじに螺合するナット部材を備え、前記スクリュー部材の軸心孔には先端に前記設定用スプリングの受支面を有するロッドを嵌挿し、軸心孔と同軸のパイロット通路には底付き摺動用孔を連接し、これに前記ロッドに対する当接面を有するピストンを昇圧代調整用のシムを介して内挿した構成としている。
【0010】好適には、前記スクリュー部材が外周にバルブボデイの雌ねじに螺合される第1雄ねじとこれよりも径の小さいくびれ部とくびれ部よりも径の大きい無ねじ部と前記第1雄ねじよりも径の大きい第2雄ねじとを有しており、前記ナット部材とバルブボデイ間には、ナット部材と同等以上の外径を有するバックアップリングを有しており、これに前記くびれ部の外径と略同等の内径を有するOリング押え用ワッシャが組み付けられている。
【0011】前記バックアップリングはOリング押え用ワッシャの外径を保持する凹部を端面に有し、これにOリング押え用ワッシャが膨出する形態で保持され、その状態でスクリュー部材の第1雄ねじがOリング押え用ワッシャの内孔を通過したところで、加圧によりOリング押え用ワッシャを平坦に変形させて内孔を縮少することによりくびれ部に保持させるプレス用の治具を利用したものである。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明による2段リリーフバルブの実施例を添付図面を参照して説明する。図3ないし図5は本発明の第1態様を示しており、大略的にはバルブボデイ1と、サブバルブボデイ2と、ロッド5およびピストン6を内蔵したスクリュー部材3およびナット部材4とを有している。
【0013】前記バルブボデイ1の左端側には雌ねじ孔10が設けられ、該雌ねじ孔10の底から右方の軸線上には通孔11と雌ねじ孔12とこれよりも適度に拡大した座孔13とが順次形成されている。サブバルブボデイ2は、中間部外周に複数個の低圧通路孔Tが設けられると共に、先端領域の外周には雄ねじ21が設けられており、該雄ねじ21が前記雌ねじ孔10に螺合することによりバルブボデイ1に結合されている。前記サブバルブボデイ内には右端側が前記バルブボデイの孔底に当接される固定弁部材2aと、開閉弁体2bとスプリング2cが配置されている。
【0014】前記固定弁部材2aは外周がOリングによりサブバルブボデイ2の内面と油密になっており、軸線上には通路孔22が穿設されており、該通路孔22は途中から拡大し、バルブボデイ1の左端に面する開孔部位にシート面が形成されている。前記バルブボデイ1にはパイロットバルブ1aが配されており、該パイロットバルブ1aの先端の円錐状部14が前記通路孔22に挿入されている。
【0015】開閉弁体2bは前記固定弁部材2aに向かって凹部23を有するカップ状をなし、軸線方向の右端面にとサブボデイ2の内径面間には、ポンプ吐出圧などの高圧が作用する圧力通路Pが形成されており、これと反対側の凹底部に前記固定弁部材2aに一端が受支されたスプリング2cの他端側が受支され、それによって開閉弁体2bは常態において前記低圧通路Tを遮蔽するように位置している。そして開閉弁体2bの軸線上には前記凹部23内に通じる通路孔24が穿設されている。
【0016】前記した構造は従来の標準型の1段リリーフ弁と同様である。本発明の特徴は、かかる標準型の1段リリーフ弁のバルブボデイ1をそのまま使用して2段リリーフ弁としたことにある。このため、スクリュー部材3をロッド5およびピストン6を内蔵した1つのアッセンブリとしている。前記スクリュー部材3は、図5のように、左端側から第1雄ねじ部31とこれよりも径の小さいくびれ部32と、該くびれ部32よりも相対的に径が大きい無ねじ部33と、該無ねじ部33よりも相対的に径の大きな第2雄ねじ部34とを順次連成しており、この第2雄ねじ部34よりも右方には外面が多角形面となった拡径部35が形成されている。無ねじ部33は一般に第1雄ねじ部31の山径と略同等ないしそれ以上の外径とすることが好ましい。
【0017】前記拡径部35にはパイロット圧を導くためのカップ状のパイロット通路PIに続いて所要の長さの底付き摺動用孔37が形成されており、スクリュー部材3の左端側からは、軸線上に、左端から所定の深さの座付き孔38を介して軸孔39が穿設されており、軸孔39の右端は前記底付き摺動用孔37に通じている。前記ロッド5は右端が底付き摺動用孔37内に若干突出するごとく前記軸孔39に内挿されており、左端には前記座付き孔38にはまって右方への移動が阻止されるフランジ状の頭部50を有している。
【0018】そして、この頭部50の端面と前記パイロットバルブ1aの中間つばとの間に油圧設定用のスプリング8が介装され、それによってパイロットバルブ1aは付勢され、常態において円錐状部14が前記通路孔22の右端側シート面に密接するようになっている。パイロットバルブ1aの円錐状部14の周りには油室16が形成されており、該油室16は固定弁部材2aの右端面領域に設けた半径方向切欠きとサブバルブボデイ2の雄ねじ21に形成した軸方向溝210を介して外部に通じており、パイロットバルブ1aが開弁したときに油を低圧な外部に逃がすようになっている。
【0019】前記底付き摺動用孔37にはピストン6が摺動可能に内挿されており、そして昇圧代xを調整するため、前記底付き摺動用孔37の底にはピストン6の前端(左端)との間に所要枚数のリング状のシム7が介装されている。
【0020】ナット部材4は前記スクリュー部材3のバルブボデイ1に対する挿入長さを固定するためのもので、前記スクリュー部材3の第2雄ねじ部34に締緩可能に螺合されている。そして、前記ナット部材4の左端側には、スクリュー部材3の第2雄ねじ部34に隣接する無ねじ部33に外嵌するバックアップリング4’が位置している。
【0021】該バックアツプリング4’は外径がバルブボデイ1のそれよりも大きく、バルブボデイ1の左端面に対向する端面には、バルブボデイ1の左端面の縁部にほぼ対応する位置に浅い凹部40が形成されている。そしてこの凹部40にスクリュー部材3のくびれ部32の外径とほぼ一致する内径の押え用ワッシャ9がはまっており、該押え用ワッシャ9によりバルブボデイ1の右端開口部とくびれ部32との間にはめたOリング15が加圧され、それによりスプリング8の位置するゾーンから第1雄ねじ部31を通って外周に漏れる油圧を遮断し、油密シールさせている。このように本発明では押え用ワッシャ9を有するバックアップリング8がスクリュー部材3にアッセンブリされている。
【0022】前記バックアップリング4’はプレス加工用の治具を利用している。すなわち、図6(a)のように加工の完了したスクリュー部材3に押え用ワッシャ9を装備させる場合、Oリング15を確実に変形させるためには押え用ワッシャ9は第1雄ねじ部31の山径よりも小さいくびれ部32にはめられていなければならない。そこで、本発明は、治具としてのバックアップリング4’に形成した浅い凹部40に、内径dが第1雄ねじ部31の山径よりもわずかに大きい押え用ワッシャ9を、図6(b)のように台形状に膨出するように取付け、押え用ワッシャ9の外径を凹部40の囲壁で保持しておく。そして、この状態でバックアップリング4’をプレス型Wの型面に配し、右方の型孔wからナット部材4を取付け済みのスクリュー部材3を挿入し、先端部分をバックアップリング4’に貫通させる。このとき押え用ワッシャ9は図6(b)のような膨出状態のため、スクリュー部材3の第1雄ねじ部31は押え用ワッシャ9の孔90を通過することができる。
【0023】無ねじ部33がバックアップリング4’の孔40に嵌まった状態で、筒状のパンチYをバックアップリング4’に向けて突当て作動させれば、押え用ワッシャ9は筒状のパンチYによって強力に加圧されて平坦にさせられる。押え用ワッシャ9は外径が凹部40の囲壁に拘束されているため加圧によりもっぱら内径dが縮小し、それにより該プレス加工で、図6(d)のように押え用ワッシャ9の内径dがくびれ部32にほぼ接するような状態でバックアップリング4’に一体化され、そのバックアップリング4’はスクリュー部材3に組み付けられる。なお、この実施例では、バックアップリング4’とナット部材4は別部材であるが、もちろん図6(e)のようにバックアップリング4’とナット部材4を一つの部材に一体形成してもよく、これも本発明に含まれる。
【0024】
【実施例の作用】本発明は前記のような構成からなるので、バルブボデイ1とサブバルブボデイ2としては標準型の1段リリーフ弁をそのまま使用することができ、ワッシャ、ナット部材およびスクリュー部材を取外して、ロッド5およびピストン6を内蔵したスクリュー部材3を使用するだけでよく、しかもそのスクリュー部材3はバックアップリング4’とナット部材4も組み付けられているから、実質的には1部品をバルブボデイ1に組込むだけでよくなる。したがって、組立て作業が非常に簡単になる。
【0025】また、寸法的にも、スクリュー部材3は単一であり、ピストン6がスクリュー部材3の後端領域のパイロット通路PIに抜き差し自在に嵌められるようになっているから、図2に示している従来の2段リリーフ弁の長さよりも短くなり、コンパクト化を図ることが出来る。
【0026】そして、本発明において圧力を調整するには、図3のように組み付けた状態でナット部材4を回動して緩め、スクリュー部材3を外周の多角面を用いて回動し、バルブボデイ1に対する挿入長さを変化させる。スクリュー部材3が挿入長を増せば、ロッド5の端面とパイロットバルブ1aの中間つばに介装してある設定用のスプリング8が圧縮されるため設定圧が高くなり、スクリュー部材3の挿入長を減ずれば、ロッド5の端面とパイロットバルブ1aの中間つばに介装してある設定用のスプリング8の圧縮が弱められるため設定圧が低くなる。いずれにしてもこれで1段のセット圧力P1が決められる。そこで、ナット部材4を回動してスクリュー部材3を締付け固定する。
【0027】次にスクリュー部材3の右端のパイロット通路PIをパイロット油圧供給系と接続し、これを介して規定の圧力を加える。こうすれば、ピストン6が押圧されることによりこれと接しているロッド5が左方に押圧移動され、設定用のスプリング6の圧縮が強められる。これで昇圧圧力が生ずるが、サブバルブボデイ2側の圧力ポートの昇圧圧力が規定の昇圧圧力P2になっていない場合には、底付き摺動用孔37からピストン8を抜き出し、底付き摺動用孔37の底に配されているシム7の枚数を増加あるいは減少させればよい。これで昇圧代Xが変化するので、ピストン6を再び装填して右端のパイロット通路PIからパイロット圧を加え、前記圧力通路Pを規定の昇圧圧力P2になるようにすればよい。したがって、2段階の圧力調整を非常に容易にしかも正確に行なうことが出来る。
【0028】このようにして圧力調整した本発明のリリーフ弁を油圧回路に組み込めば、フロント操作を行なう場合のように、圧力通路Pからの圧力が設定圧力P1よりも低いときには、前記圧力が通路孔24,22からパイロットバルブ1aに作用しても、設定用のスプリング8の力で閉弁状態が維持されるため、開閉弁体2bは動かない。しかし、圧力通路Pからの圧力が設定圧力P1に達すると、設定用のスプリング8がその圧力に負けて開弁される。これにより通路孔24,22からバルブボデイ1内に圧油が流入し、その圧油は軸方向溝210を介して外部に逃がされるため、差圧により開閉弁体2bが右方に移動し、それにより低圧通路Tが圧力通路Pと連通し、タンクに戻される。
【0029】また、走行などのように相対的に高い設定圧が必要な場合には、パイロット油圧供給系からパイロット通路PIにパイロット圧を作用させるものであり、こうすれば、パイロット通路PIに続く底付き摺動用孔37のピストン6が押圧されて、シム7で調整された昇圧代Xだけロッド5が左方に移動する。このため、ロッド5の先端頭部50を受支面とする設定用のスプリング8の圧縮度合いが増し、パイロットバルブ1aの設定開弁圧が昇圧圧力P2へと変化される。そのため、圧力通路Pからの圧力が昇圧圧力P2に達したときにパイロットバルブ1aが開弁し、低圧通路Tが圧力通路Pと連通し、タンクに戻される。
【0030】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によるときには、パイロットバルブ1aとこれを付勢する設定用スプリング8を内蔵したバルブボデイ1と、圧力通路Pと低圧通路Tを有し、内部に前記パイロットバルブ1aの開放側に作用する通路を穿設した固定弁部材2aとこれを受支面とするバネ2cで付勢され要時に低圧通路Tを圧力通路Pと連通させる開閉弁体2bを有するサブボデイ2と、前記バルブボデイ1の反パイロットバルブ側の雌ねじ12にねじ込まれるスクリュー部材3と、該スクリュー部材3の中間外周の雄ねじ31に螺合するナット部材4を備え、前記スクリュー部材3の軸心孔には先端に前記設定用スプリング8の受支面を有するロッド5を嵌挿し、軸心孔と同軸のパイロット通路PIには底付き摺動用孔37を連接し、これに前記ロッド5に対する当接面を有するピストン6を昇圧代調整用のシム7を介して内挿したので、ナット部材4を緩め、スクリュー部材3を進出または後退することで低圧の設定を行なえ、ピストン6をパイロット通路PIから抜き出してシム7の枚数を調整することで高圧の設定を行なえ、したがって、2段の圧力調整を非常に簡易に行なうことが出来る。しかも標準の1段リリーフバルブを利用してこれに単一のスクリュー部材とナット部材を追加するだけであるため、部品数が少なくコンパクトで安価な2段リリーフ弁を提供することができるというすぐれた効果が得られる。
【0031】請求項2によれば、スクリュー部材3が外周にバルブボデイ1の雌ねじ12に螺合される第1雄ねじ31とこれよりも径の小さいくびれ部32とくびれ部32よりも径の大きい無ねじ部33と前記第1雄ねじ31よりも径の大きい第2雄ねじ34とを有し、前記ナット部材4のスクリュー部材に対向する端面側には、ナット部材4と同等以上の外径を有するバックアップリング4’を有し、これに前記くびれ部32の外径と略同等の内径を有するOリング押え用ワッシャ9が組み付けられているので、Oリング15を確実に変形させてスクリュー部材3の外径とバルブボデイ1の内径間を油密に保つことが出来ると共に、バックアップリング4’とナット部材4とがスクリュー部材3にアッセンブリされるため、ロッド5とピストン6とがスクリュー部材3に内蔵されていることとあいまって、実質的な部品数を非常に少なくすることが出来、組立てを容易化することが出来るというすぐれた効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000003333
【氏名又は名称】株式会社ゼクセル
【出願日】 平成9年(1997)10月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰弘
【公開番号】 特開平11−132347
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−314639