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【発明の名称】 逆止弁
【発明者】 【氏名】野村 和央

【氏名】根本 公夫

【氏名】加藤 裕之

【要約】 【課題】ポンプ装置の振動や弁体の開閉作動によって、可動弁を弁座に押圧するコイルスプリングが周方向に回転移動しようとしても、コイルスプリング巻端部がリテーナの裏側に入り込まないような構造の逆止弁を提供することを課題とする。

【解決手段】リテーナ脚部10のコイルスプリング6着座位置の裏側の、コイルスプリング巻端部面6bに対向する側に折曲部12を設けることにより、振動や弁体の開閉作動によって周方向に回転移動しようとするコイルスプリング巻端部面6bが折曲部12に当接するため、コイルスプリング巻端部6aがリテーナ脚部10の裏側に入り込むのを阻止することができるので、コイルスプリング6のリテーナ5からの外れが防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体の流体通路に形成された弁室内に収容された可動弁と、該可動弁と共働して流体通路を開閉するための弁座と、前記可動弁を押圧して前記弁座に着座させるコイルスプリングと、該コイルスプリングを支持するリテーナとを備えた逆止弁において、前記リテーナの脚部の前記コイルスプリングの着座位置の裏側の、前記コイルスプリングの巻端部面に対向する側に、折曲部を設けたことを特徴とする逆止弁。
【請求項2】 前記リテーナの前記折曲部の外端面を、前記弁室の壁面に当接させたことを特徴とする請求項1記載の逆止弁。
【請求項3】 前記リテーナの前記折曲部の縦および横の各寸法を、少なくとも前記コイルスプリングの線径と同等以上としたことを特徴とする請求項1または2記載の逆止弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ装置の圧力制御弁に用いられて作動する逆止弁に係る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用バキュームポンプの圧力を制御するための逆止弁に使用される、コイルスプリングを支持するためのリテーナは、特開平8−326673号公報に示されるように、弁室内を通過する流体の流路面積を確保するため、また、逆止弁の部品点数を削減するため、弁室内壁に設けられた環状溝にスナップ作用によって係合するよう、複数の脚部を有する山状突出部を形成するものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような場合、図3(a)および(b)に示すように、コイルスプリング6は取り付けられたポンプ装置の振動や弁体の開閉作動によって、伸縮をしながら自身のねじり力を受けて周方向に回転移動を起こし、リテーナ50に着座するコイルスプリング6の巻端部6aは、リテーナ50の材料板厚がコイルスプリングの取付ピッチおよび線径に比べて薄いため、振動や弁体の開閉作動によりリテーナ脚部100のコイルスプリング6の着座位置の裏側に入り込んでゆき、図3(c)および(d)に示すように、最後には、リテーナ50から外れて押圧機能を失うという問題を生ずることがあった。そこで本発明は、上述のように、ポンプ装置の振動や弁体の開閉作動によってコイルスプリングが周方向に回転移動しようとしても、コイルスプリング巻端部面がリテーナの裏側に入り込まないような構造の逆止弁を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決を目的としてなされた請求項1の発明は、本体の流体通路に形成された弁室内に収容された可動弁と、該可動弁と共働して流体通路を開閉するための弁座と、前記可動弁を押圧して前記弁座に着座させるコイルスプリングと、該コイルスプリングを支持するリテーナとを備えた逆止弁において、前記リテーナの脚部の前記コイルスプリング着座位置の裏側の、前記コイルスプリングの巻端部面に対向する側に、折曲部を設けたことを特徴とする。また、請求項2の発明は、前記リテーナの前記折曲部の外端面を、前記弁室の壁面に当接させたことを特徴とする。また、請求項3の発明は、前記リテーナの前記折曲部の縦および横の各寸法を、少なくとも前記コイルスプリングの線径と同等以上としたことを特徴とする。
【0005】
【作用・効果】上述のように、請求項1に記載の発明によれば、リテーナのコイルスプリング着座位置の裏側に、コイルスプリング巻端部が入り込むのを阻止するための折曲部を設けたことにより、ポンプ装置の振動や弁体の開閉作動を受けてコイルスプリングが周方向へ回転移動しようとしても、コイルスプリング巻端部が折曲部に当接するのでそれ以上は回転移動できず、その結果、リテーナの裏側に入り込むことはなく、したがって、コイルスプリングがリテーナから外れてしまうことがない。請求項2に記載の発明によれば、リテーナの折曲部外端面を弁室壁面に当接させたので、コイルスプリングが着座位置からずれても確実にコイルスプリングの回転移動を防止できるとともに、リテーナ自身の芯出しと位置決めが容易に行え、コイルスプリングの外れ防止が効果的に行える。また、請求項3に記載の発明によれば、リテーナの折曲部の縦および横の各寸法は、少なくとも、コイルスプリングの線径と同等以上としたので、コイルスプリングの外れ防止がより確実なものとなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)は本発明に係る逆止弁の縦断面図で、図1(b)はその下面図である。図1(c)は図1(a)の要部拡大図(A部)である。なお、従来技術と共通する部分には同一の符号を付して説明する。逆止弁1本体中央の流体通路1aに設けられた略円筒状の弁室2には弁座3が設けられ、可動弁4が、弾性部材からなるリテーナ5に支持されたコイルスプリング6によって弁座3に押圧されている。可動弁4はコイルスプリング6の付勢力に抗する方向には流体を通すが、逆方向へは通さないよう構成される。リテーナ5は流体の流路面積を確保するに十分な複数の流路7を有し、かつ、弁室壁面8に設けられた環状溝9にスナップ作用によって組み付けられるために複数の脚部10を有する山状突出部11を形成している。リテーナ5の脚部10のコイルスプリング着座位置にはその裏側に向かって折曲部12が、コイルスプリング巻端部面6bが当接するように形成されている。この折曲部12は、リテーナ5の全ての脚部10(本実施例では4箇所)の、コイルスプリング巻端部面6bに対向する側に配置して設けられる。また、折曲部外端面12aは弁室壁面8に当接するよう構成され、流路面積を小さくしないように配慮しているとともに、脚部先端面10aと環状溝底面9aとは一定の隙間を有するよう構成されている。折曲部12の寸法としては、コイルスプリング巻端部6aの、リテーナ5の脚部10のコイルスプリング着座位置の裏側への入り込みを阻止するのに十分な面積を確保するため、少なくとも縦横各寸法としてコイルスプリング6の線径と同等以上の寸法が確保されている。なお、コイルスプリングの形状は、可動弁や弁室の構成によって円錐コイルスプリングの他、適宜選択可能である。折曲部の設置箇所については、リテーナ脚部のコイルスプリング巻端部面に対向する側の全てに設けるのが効果的であるが、コイルスプリングおよびリテーナの組付位置を限定できる場合はこの限りではない。
【0007】次に、本発明の実施形態の作用を説明する。逆止弁1は外部圧力、すなわち、流体通路1aからの流体圧力が可動弁4に加わり、コイルスプリング6の設定バネ力以上になると、流体は可動弁4を介してコイルスプリング6を圧縮し、可動弁4と弁座3との間に隙間が生じて開弁し、流体はリテーナ側に流通する。そして、流体の圧力が減少しコイルスプリング6の設定バネ力未満になるとコイルスプリング6が伸長して、可動弁4は弁座3に当接して閉弁し、流体の流通が阻止される。これらについては、従来技術と同様の作用である。この時、可動弁4の開閉作動やポンプ装置の振動によって、前述のようにコイルスプリング6が伸縮を繰り返しながら周方向に回転移動しようとするが、コイルスプリング6の巻端部面6bがリテーナ5に配設された折曲部12の一つに当接するので、コイルスプリング6の回転移動が阻止され、これによって、コイルスプリング6の巻端部6aがリテーナ5の着座位置の裏側に入り込むことが無くなる。また、リテーナ5の折曲部外端面12aは弁室壁面8に当接しているので、コイルスプリング6がリテーナ5の着座位置からずれても確実に折曲部12に当接するとともに、コイルスプリング6の形状が円錐の場合は流通抵抗が少なくて済む。さらに、リテーナ5の折曲部12の縦横各寸法がコイルスプリング6の線径と同等以上に設定されているので、コイルスプリング6の巻端部6aが折曲部12を乗り越えることがない。
【出願人】 【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月30日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−132341
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−314262