| 【発明の名称】 |
太陽電池を利用した遮断弁開閉システム |
| 【発明者】 |
【氏名】椛山 十郎
【氏名】天神林 邦夫
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| 【要約】 |
【課題】地震や火災等の災害が発生した場合でも、電力や人力に依存することなく、緊急遮断弁を迅速かつ確実に作動し、人的損失や経済的損失を最小限に抑えることができる太陽電池を利用した遮断弁開閉システムを提供する。
【解決手段】太陽電池22によって得られた電力によって小型のエアコンプレッサ15を作動してエアタンク14内に所定圧力の圧縮空気を蓄圧しておき、緊急事態が発生したときに、緊急信号に基づいて、圧縮空気を配管10の中途に取付けられた遮断弁12に駆動エネルギー源として供給し、遮断弁12を閉じるようにしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 商用電源が供給されない地域において配管に取付けられた遮断弁を太陽電池を用いて開閉する太陽電池を利用した遮断弁開閉システムであって、前記太陽電池によって得られた電力によって小型のエアコンプレッサを作動してエアタンク内に所定圧力の圧縮空気を蓄圧しておき、緊急事態が発生したときに、緊急信号に基づいて、前記圧縮空気を前記配管の中途に取付けられた前記遮断弁に駆動エネルギー源として供給し該遮断弁を開閉するようにしたことを特徴とする太陽電池を利用した遮断弁開閉システム。 【請求項2】 流体を導通する配管の中途に取付けられエアシリンダによって開閉作動する大型の遮断弁と、前記エアシリンダに空気供給管を通して大量の圧縮空気を駆動エネルギー源として瞬間的に供給するエアタンクと、前記圧縮空気を前記エアタンク内に所定圧力になるまで時間をかけて供給する小型のエアコンプレッサと、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して前記エアコンプレッサを駆動する太陽電池システムと、前記空気供給管の中途に取付けられ、前記電気エネルギーを駆動源とすると共に、緊急信号に基づいて開閉作動する電磁開閉弁とを具備し、前記太陽電池システムは、太陽電池と、該太陽電池で発生した電気エネルギーを蓄える蓄電池と、該蓄電池から前記エアコンプレッサへの前記電気エネルギーの供給を制御する制御装置とからなることを特徴とする太陽電池を利用した遮断弁開閉システム。 【請求項3】 前記制御装置は、前記蓄電池への過充電を防止する過充電防止手段と、前記エアコンプレッサへの過放電を防止する過放電防止手段とを具備することを特徴とする請求項2記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システム。 【請求項4】 前記緊急信号は、遠隔操作信号であることを特徴とする請求項2又は3記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システム。 【請求項5】 前記緊急信号は、災害等検出手段によって検出された出力信号であることを特徴とする請求項2又は3記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して遮断弁を開閉する太陽電池を利用した遮断弁開閉システムに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、水、石油、都市ガス等を供給する配管系統が、地震や火事等によって破壊されると大災害をもたらすことになる。そこで、配管系統に破壊等の事故が生じた場合でも、災害の規模を最小限に食い止め、人的損失や経済的損失を可及的に少なくするため、これらの配管系統には、通常、緊急遮断弁が取付けられている。そして、緊急遮断弁の開閉作動は、人力、或いは、電気的エネルギー等の動力を用いて行なわれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来の緊急遮断弁は、未だ、以下の解決すべき課題を有していた。即ち、人力、或いは、動力のいずれを用いるにしても、緊急遮断弁を開閉するためには、人又は動力源が、緊急遮断弁の近傍にあることが前提となる。そのため、例えば、山間部のように商用電源が供給されない場所においては、いきおい手動操作による緊急遮断弁を設置することになるが、事故発生後に人が実際に閉弁動作をしようとしても地理的条件から多大な時間を要し、事故や災害に有効に対処しえない場合が多い。また、山間部のみならず、都市近傍の工場やパイプライン等においても、地震や火災が生じた場合には、停電する場合が多く、この場合も、従来の電動駆動の緊急遮断弁では閉弁作動が不可能となり、石油やガスの流出事故等の二次災害に有効に対処しえないことになる。 【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、地震や火災等の災害が発生した場合であっても、電力や人力に依存することなく、緊急遮断弁を迅速かつ確実に作動し、人的損失や経済的損失を最小限に抑えることができる太陽電池を利用した遮断弁開閉システムを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムは、商用電源が供給されない地域において配管に取付けられた遮断弁を太陽電池を用いて開閉する太陽電池を利用した遮断弁開閉システムであって、前記太陽電池によって得られた電力によって小型のエアコンプレッサを作動してエアタンク内に所定圧力の圧縮空気を蓄圧しておき、緊急事態が発生したときに、緊急信号に基づいて、前記圧縮空気を前記配管の中途に取付けられた前記遮断弁に駆動エネルギー源として供給し該遮断弁を開閉するようにしている。 【0006】請求項2記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムは、流体を導通する配管の中途に取付けられエアシリンダによって開閉作動する大型の遮断弁と、前記エアシリンダに空気供給管を通して大量の圧縮空気を駆動エネルギー源として瞬間的に供給するエアタンクと、前記圧縮空気を前記エアタンク内に所定圧力になるまで時間をかけて供給する小型のエアコンプレッサと、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して前記エアコンプレッサを駆動する太陽電池システムと、前記空気供給管の中途に取付けられ、前記電気エネルギーを駆動源とすると共に、緊急信号に基づいて開閉作動する電磁開閉弁とを具備し、前記太陽電池システムは、太陽電池と、該太陽電池で発生した電気エネルギーを蓄える蓄電池と、該蓄電池から前記エアコンプレッサへの前記電気エネルギーの供給を制御する制御装置とからなる。 【0007】請求項3記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムは、請求項2記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいて、前記制御装置は、前記蓄電池への過充電を防止する過充電防止手段と、前記エアコンプレッサへの過放電を防止する過放電防止手段とを具備する。請求項4記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムは、請求項2又は3記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいて、前記緊急信号は、遠隔操作信号である。 【0008】請求項5記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムは、請求項2又は3記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいて、前記緊急信号は、災害等検出手段によって検出された出力信号である。 【0009】 【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した一実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。 【0010】まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る太陽電池を利用した遮断弁開閉システムAの構成を具体的に説明する。図1に、流体を導通する配管の一例として、商用電源が供給されない山間にある水源地から都市部に水を供給する導水管10が示されており、その中途には、エアシリンダ11によって開閉作動される大型の遮断弁12が取付けられている。遮断弁12としては各種形態のものを使用することができるが、例えば、本出願人が先に実公平4−42623号公報で開示したパイロット式バタフライ弁からなる緊急遮断弁を用いることができる。この緊急遮断弁を用いることによって、流体の閉鎖による衝撃が少なく、迅速、容易、かつ安全に緊急閉鎖することができると共に、開放する場合でも開口部がまず開くため抵抗が少なく、開閉に動力を要せず、遮断弁12を簡略かつ軽量化することができる。 【0011】遮断弁12の近傍には矩形枠からなる取付フレーム13が設置されており、この取付フレーム13には、以下に順に説明する、エアタンク14と、小型のエアコンプレッサ15と、太陽電池システム16が取付けられている。エアタンク14はエアシリンダ11に大量の圧縮空気を駆動エネルギー源として瞬間的に供給するものであり、横長の筒体から形成されると共に、取付フレーム13の底板17上に載置されている。そして、そのエア吐出口は空気供給管18を通してエアシリンダ11に連通連結されている。 【0012】エアコンプレッサ15はエアタンク14内に所定圧力になるまで圧縮空気を時間をかけて供給するものであり、取付フレーム13の上板19上に載置されており、そのエア吐出口は空気供給管20を介してエアタンク14のエア流入口に連通連結されている。 【0013】太陽電池システム16は太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換してエアエアコンプレッサ15を駆動するものであり、取付フレーム13の上板19上に載置されている。そして、太陽電池システム16は、図1及び図2に示すように、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池22と、この電気エネルギーを蓄えると共にエアコンプレッサ15に供給する蓄電池21と、太陽電池22と蓄電池21の駆動制御を行なう制御装置25から構成されている。また、制御装置25は、蓄電池21の過充電防止制御や過放電防止制御を行なうことができ、蓄電池21への過充電を防止する過充電防止手段と、エアコンプレッサ15への過放電を防止する過放電防止手段とを具備する。さらに、後述するように、制御装置25は緊急信号に基づいて電磁開閉弁23の駆動制御も行なうことができる。 【0014】エアタンク14からエアシリンダ11に圧縮空気を供給する空気供給管18の中途には、緊急信号に基づいて開閉作動する電磁開閉弁23が取付けられており、電磁開閉弁23には、蓄電池21から低電圧の制御電力、すなわち電気エネルギーが駆動源として供給されている。 【0015】ここで、緊急信号とは、例えば、図2に示すように、都市部における防災管理センター27のコンピュータからの遠隔操作信号が考えられる。この場合、防災管理センター27に設置されている送信器28から送信された遠隔操作信号は、太陽電池を利用した遮断弁開閉システムAの近傍に設けた受信器29によって受信され、受信された緊急信号は制御装置25によって処理することによって遮断弁12を速やかに閉弁することができる。また、緊急信号は、遮断弁12の近傍又は設置地域に配置された災害等検出手段からの出力信号を用いることができる。即ち、この出力信号に基づいて制御装置25内に設けた判断手段が災害の程度を判断し、その判断結果に基づいて、遮断弁12を速やかに閉弁することができる。また、制御装置25内に設けた判断手段に代えて、人間がこの出力信号に基づいて災害の程度を判断し、その判断結果に基づいて、遮断弁12を速やかに閉弁するようにしてもよい。災害等検出手段の一例を挙げると、導水管10のみならず、他の流体(ガスや石油等)を移送する場合も考慮した場合、配管の破断を検出する配管歪みゲージ、配管の内圧上昇又は急速な圧力変動を検出する圧力センサ、火災を検出する火災センサ、爆発又は振動、地震を検出する振動センサ、配管の水没や浸水を検出する浸水センサ、降雨量を検出する水位センサ、強風時の風力を測定する風力計、異常気圧を検出する気圧計等がある。 【0016】また、エアタンク14のエア流入口には圧力センサ24が取付けられており、エアタンク14内の圧縮空気が所定圧力に達した場合には、そのことを圧力センサ24が検出し、その検出出力に基づいて自動的にエアコンプレッサ15の作動を停止するようにしている。なお、定期的な点検のため、空気供給管18には圧力計24aが取付けられている。また、符号26は安全弁を示す。 【0017】次に、上記した構成を有する太陽電池を利用した遮断弁開閉システムAの作動について説明する。非常時でない場合は、太陽電池システム16によって得られた電力によってエアコンプレッサ15を作動してエアタンク14内に所定圧力の圧縮空気を蓄圧しておく。そして、地震等の緊急事態が発生したときには、防災管理センター27のコンピュータからの遠隔操作信号によって電磁開閉弁23の駆動部を作動して速やかに開弁し、圧縮空気をエアシリンダ11に供給して作動させ、遮断弁12を速やかに閉弁することができる。 【0018】従って、導水管10の一部は地震によって破裂している場合でも、例えば、破裂個所の両側に位置する遮断弁12を閉弁することによって、大量の水が外部に溢出するのを確実に防止することができる。また、本実施の形態では、エアタンク14内の圧縮空気が所定圧力に達した場合には、そのことを圧力センサ24が検出し、その検出出力に基づいて自動的にエアコンプレッサ15の作動を停止するようにしているので、蓄電池21の節電も図ることができる。さらに、制御装置25は、蓄電池21への過充電を防止する過充電防止手段と、エアコンプレッサ15への過放電を防止する過放電防止手段とを具備するので、この面からも省エネルギー化を図ることができる。 【0019】以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、事故及び災害を検出する災害等検出センサは振動検出センサに限定されるものではなく、例えば、温度センサや、風速センサなど、その他の気象現象の物理的変化を検出することができるセンサも用いることができる。 【0020】 【発明の効果】請求項1〜5記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいては、太陽電池によって得られた電力によってエアコンプレッサを作動してエアタンク内に所定圧力の圧縮空気を蓄圧しておき、緊急事態が発生したときに、緊急信号に基づいて、商用電源が供給されない地域においても、圧縮空気を配管の中途に取付けられた遮断弁に駆動エネルギー源として供給し遮断弁を閉じ、水道水、石油、ガス等の流出事故を含む各種二次災害を効果的に防止することができる。また、太陽電池の発生電力は小さくても、この電力を用いて小型のエアコンプレッサで時間をかけて大きなエアタンクに所定圧力の圧縮空気を蓄えることができるので、通常の電力を用いる場合においても大電力を必要とする大型の遮断弁を大量の圧縮空気の開放によって瞬時に開閉することができる。 【0021】特に、請求項2記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいては、エアコンプレッサのみならず、エアタンクとエアシリンダとの間に設けた電磁開閉弁も太陽光エネルギーを変換して得られた電気エネルギーによって緊急信号に基づいて開閉作動するようにしているので、電磁開閉弁を作動するための動力も不要となり、節電を図ることができる。 【0022】請求項3記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいては、制御装置は、蓄電池への過充電を防止する過充電防止手段と、エアコンプレッサへの過放電を防止する過放電防止手段とを具備するので、省エネルギー化を図ることができる。請求項4記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいては、緊急信号は、遠隔操作信号であるので、遠く離隔した位置からでも、確実に遮断弁を操作して二次災害を防止できる。請求項5記載の太陽電池を利用した遮断弁開閉システムにおいては、緊急信号は、災害等検出手段によって検出された出力信号であるので、災害等が発生した場合に速やかに遮断弁を作動させ、二次災害を防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597155468 【氏名又は名称】株式会社極東製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】中前 富士男
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| 【公開番号】 |
特開平11−118064 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−303433 |
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