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【発明の名称】 電磁弁ソレノイド
【発明者】 【氏名】加藤 猛美

【要約】 【課題】電磁弁を構成するソレノイド部の組立作業性を向上する。

【解決手段】電磁弁ソレノイドを構成するソレノイド組立体26は、外側にコイル29が巻き付けられ、かつ内側に可動コア33が軸方向に摺動自在に装着されるボビン28と、このボビン28が組み込まれる磁気フレーム31を有している。磁気フレーム31にはホルダー40が取り付けられ、コイル29のリード端子29aと給電ケーブル42が接続され、給電ケーブル42とリード端子29aとの間には給電制御器43が設けられる。給電ケーブル42の接続端子にはグロメット51が設けられ、ソレノイド組立体26を基板41とグロメット51の一部は、樹脂成形部27により封止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁体が組み込まれた弁ブロックに取り付けられ、前記弁体を作動する電磁弁ソレノイドであって、外側にコイルが巻き付けられ、かつ内側に可動コアが軸方向に摺動自在に装着されるボビン、このボビンが組み込まれる磁気フレームを有するソレノイド組立体と、前記磁気フレームにホルダーを介して取り付けられ、前記コイルのリード端子と給電ケーブルが接続され、前記給電ケーブルと前記リード端子との間に設けられた給電制御器が設けられた基板と、前記給電ケーブルの接続端子に設けられたグロメットと、前記ソレノイド組立体を前記基板と前記グロメットの一部とともに封止する樹脂成形部とを有し、前記基板を前記樹脂成形部内に埋め込むようにしたことを特徴とする電磁弁ソレノイド。
【請求項2】 請求項1記載の電磁弁ソレノイドにおいて、前記樹脂成形部を樹脂成形する前に前記基板の表面および前記給電制御器を耐熱樹脂により覆うようにしたことを特徴とする電磁弁ソレノイド。
【請求項3】 請求項1または2記載の電磁弁ソレノイドにおいて、前記磁気フレームにホルダーを係合し、そのホルダーに基板を係合させることにより、前記ホルダーを介して前記基板を前記磁気フレームに取り付けるようにしたことを特徴とする電磁弁ソレノイド。
【請求項4】 請求項1,2または3のいずれか1に記載の電磁弁ソレノイドにおいて、前記給電ケーブルの先端部を前記基板と前記ソレノイド組立体との間の隙間に這い回すようにしたことを特徴とする電磁弁ソレノイド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体流路の開閉や流れの方向などを変える方向制御弁を電磁石により作動するようにした電磁弁における電磁弁ソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】空気圧配管に空気を流したり、流れを停止したり、流れの方向を変えるために切換弁、逆止弁などの方向制御弁が使用されており、これらの方向制御弁のうち電磁石により弁体を作動するようにしたタイプのものは電磁弁と言われる。
【0003】電磁弁には、電磁石により操作される弁体により直接流れの開閉や方向を変えるタイプの直動式と、電磁石により内部のパイロット弁を駆動してその出力により主弁の弁体を作動することによって流路の方向制御などを行うタイプの間接作動式とがある。
【0004】切換弁には、空気の入力ポートと出力ポートの2つのポートを有する2ポート弁、供給ポートと出力ポートと排気ポートの3つのポートを有する3ポート弁、供給ポートと2つの出力ポートと排気ポートの4つのポートを有する4ポート弁、さらに、供給ポートに加えて2つずつ出力ポートと排気ポートを有する5ポート弁などがある。
【0005】このような電磁弁ににあっては、通常、流路を制御する弁ブロック部とこの中に組み込まれた弁体を作動するためのソレノイド部とを有しており、ソレノイド部内における電磁石つまりソレノイドに接続される電気結線の方式には、リード線式とターミナル式と差し込みプラグ式とがある。
【0006】リード線式はソレノイド部と引き出し部とを同時にモールドしたタイプの結線方式であり、給電ケーブルの先端部にはグロメットが取り付けられ、このグロメットは樹脂成形部に一部が埋め込まれることになる。ターミナル式は丸形板端子などの圧着端子が取り付けられるターミナル端子台によるものと、通常DIN端子と言われピンプラグとDINソケットを有するものとがある。差し込みプラグ式はソレノイド部にコネクタピンを内蔵し、これにリード線付きのコネクタを差し込むタイプのものである。
【0007】このような電磁弁における電磁石つまりソレノイドの構造については、たとえば、株式会社オーム社 1989年2月25日発行の「新版油空圧便覧」第473頁〜第478頁に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電磁弁のソレノイド部の基本的構造は、間接作動式および直接作動式のいずれのタイプについても同様であり、いずれのポート数の電磁弁についても同様であるが、電磁弁を構成する弁ブロック部に比してソレノイド部の構造は複雑であり、その製造に際しては、ソレノイドの組立や成形に多くの工程が必要となっている。
【0009】そのため、ソレノイド部を構成する部品の点数を低減し、その組立作業性を向上させることが必要となっている。
【0010】本発明の目的は、電磁弁を構成するソレノイド部の組立作業性を向上することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】すなわち、本発明の電磁弁ソレノイドは、弁体が組み込まれた弁ブロックに取り付けられ、前記弁体を作動する電磁弁ソレノイドであって、外側にコイルが巻き付けられ、かつ内側に可動コアが軸方向に摺動自在に装着されるボビン、このボビンが組み込まれる磁気フレームを有するソレノイド組立体と、前記磁気フレームにホルダーを介して取り付けられ、前記コイルのリード端子と給電ケーブルが接続され、前記給電ケーブルと前記リード端子との間に設けられた給電制御器が設けられた基板と、前記給電ケーブルの接続端子に設けられたグロメットと、前記ソレノイド組立体を前記基板と前記グロメットの一部とともに封止する樹脂成形部とを有し、前記基板を前記樹脂成形部内に埋め込むようにしたことを特徴とするものである。
【0014】本発明にあっては、基板を樹脂成形部により封止するようにしたので、基板の取付を樹脂成形部の成形と同時に行うことができ、ソレノイドの組立性が向上することになる。
【0015】前記樹脂成形部を樹脂成形する前に前記基板の表面および前記給電制御器を耐熱樹脂により覆うようにすると、樹脂成形部を射出成形金型により成形する際に、溶融樹脂の熱により給電制御器が損傷することが防止される。また、前記磁気フレームにホルダーを係合し、そのホルダーに基板を係合させることにより、前記ホルダーを介して前記基板を前記磁気フレームに取り付けることにより、基板とコイルのリード端子との半田付けを行う際にその作業性を向上することができる。さらに、前記給電ケーブルの先端部を前記基板と前記ソレノイド組立体との間の隙間に這い回すようにすることにより、給電ケーブルを強固にソレノイド部に取り付けることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施の形態であるソレノイドが組み込まれた電磁弁を示す断面図であり、図2(A)は図1の外観形状を示す正面図であり、図2(B)は同図(A)の平面図である。
【0018】図示するように、この電磁弁10は弁ブロック部11とソレノイド部12とを有している。弁ブロック部11はアルミニウム合金あるいは樹脂により形成されたほぼ直方体形状となっており、この中には貫通孔14が形成されている。弁ブロック部11の一端部には、貫通孔14内に嵌合される筒部15aを有するカバー15が取り付けられ、貫通孔14の一端部は閉塞されるようになっている。
【0019】弁ブロック部11には貫通孔14と筒部15aとにより弁体収容孔16が形成されている。図示する電磁弁は3ポート電磁弁であり、外部から圧縮空気が供給される供給ポート17と、ここに供給された空気を空気圧機器に流出させるための出力ポート18と、空気圧機器から排出される空気を外部に案内するための排気ポート19とがそれぞれ弁体収容孔16に連通させて形成されている。排気ポート19は筒部15aに形成された複数の孔15bを介して弁体収容孔16内に連通されている。
【0020】弁体収容孔16内には主弁軸20が軸方向に摺動自在に装着されており、この主弁軸20の中央部分には、供給ポート17と出力ポート18とを連通させるとともに出力ポート18と排気ポート19との連通を遮断する位置と、図1に示すように供給ポート17と出力ポート18との連通を遮断するとともに出力ポート18と排気ポート19とを連通させる位置とに切換制御する弁体21が設けられている。この弁体21はポペットタイプとなっているが、スプールタイプの主弁を設けるようにしても良く、3ポートに限られることなく、5ポートにしても良い。
【0021】主弁軸20の両端部には弁体収容孔16の内周面に摺動接触するシール部22,23が設けられており、弁体収容孔16と外部とがシールされている。カバー15と主弁軸20との間には、圧縮コイルばね24が組み込まれており、主弁軸20には常に供給ポート17を閉じる方向のばね力が付勢されている。このカバー15は金属製でも樹脂製でも良い。
【0022】ソレノイド部12はソレノイド組立体26とこれを樹脂封止する樹脂成形部27とを有している。ソレノイド組立体26は円筒部28aの両端にフランジ部28b,28cが設けられたボビン28を有しており、円筒部28aの外側にはコイル29が巻き付けられている。ボビン28は図1に示されるように四辺形の枠状となった磁性体製の磁気フレーム31の中に組み込まれるようになっている。
【0023】図3は磁気フレーム31を示す斜視図であり、所定の形状に裁断された帯状の鉄板を折り曲げることにより形成されている。
【0024】ボビン28の中には弁ブロック側に固定コア32が組み込まれ、この固定コア32の反対側には可動コア33が軸方向に摺動自在に装着されている。可動コア33はコア本体34とこの先端から突出するとともに固定コア32に形成された貫通孔を貫通して主弁軸20の端面に当接する作動ロッド35とを有し、作動ロッド35にはコア本体34内に組み込まれた圧縮コイルばね36により主弁軸20に向かうばね力が付勢されている。このばね36を収容する収容孔は端板37により閉塞されている。
【0025】コイル29に対して外部から電力を供給するために、ソレノイド組立体26の磁気フレーム31にはホルダー40を介してプリント配線基板41が取り付けられ、この基板41に接続された給電ケーブル42とコイル29のリード端子29aとが基板41に設けられたダイオードなどの給電制御器43を介して電気的に接続されるようになっている。
【0026】図4はホルダー40を示す図であり、図5は基板41の概略構造を示す図であり、このホルダー40は全体的に平面ほぼT字形状となっており、磁気フレーム31に形成された係合孔45に係合する係合爪45aと、磁気フレーム31に形成された2つの係合溝46に係合する2つの係合爪46aとを有し、これらの係合爪45a,46aによりホルダー40は磁気フレーム31に取り付けられることになる。
【0027】このホルダー40により基板41を保持するために、ホルダー40には基板41に形成された係合孔47に係合する係合爪47aが形成され、基板41に形成された係合溝48に係合して基板41を両側から挟むための係合爪48aが形成されている。
【0028】図6は給電ケーブル42が接続された基板41を示す側面図であり、給電ケーブル42の取付端部にはゴムや樹脂などからなるグロメット51が取り付けられており、給電ケーブル42のうちグロメット51から突出した給電ケーブル42の先端部は、基板41の背面側つまり基板41とソレノイド組立体26との間にホルダー40により形成される隙間を這い回されており、その先端部から突出されたリード線の部分が基板41の上面に形成されたプリント配線に半田付けにより電気的に接続されている。このように、給電ケーブル42の先端部を基板41の背面側に這い回すことにより、給電ケーブル42と基板41との接続を強固とすることができる。
【0029】なお、図5に示すように、基板41には給電ケーブル42が貫通する孔52aと、コイル29の先端のリード端子29aが貫通する孔52bとがそれぞれ2つずつ形成されている。
【0030】基板41の表面に形成されたプリント配線の部分と基板41の上に配置された給電制御器43を覆うようにシリコンゴムなどからなる耐熱性樹脂53が塗布されるようになっている。
【0031】ソレノイド組立体26の端面には、図1に示すように、カバー54が取り付けられるようになっており、このカバー54には弾性変形自在の可撓性の樹脂などにより形成された手動操作用のキャップ55が組み込まれるようになっている。このキャップ55は可動コア33の端面に対向しており、キャップ55を押し付けることにより、コイル29に通電することなく、手動操作により主弁軸20を作動させることができる。
【0032】ボビン28の一端部内にはフランジ部と円筒部とを有する金属製の磁気リング56が嵌合されるようになっている。ボビン28の内面にこの中に組み込まれる磁気リング56に接触する突起を設けるようにすれば、磁気リング56をボビン28内に組み付けた際に磁気リング56の外れを防止することができる。
【0033】上述したソレノイド部12を製造するには、まず、磁気フレーム31内にコイル29が巻き付けられたボビン28を組み付け、ボビン28の端部に金属製の磁気リング56を挿入することによりソレノイド組立体26を組み立てる。
【0034】次いで、図6に示すようにグロメット51および給電ケーブル42が組み付けられた基板41を、ホルダー40を用いてソレノイド組立体26の磁気フレーム31に組み付ける。これにより、基板41が磁気フレーム31に仮り止めされた状態となる。このこの状態のもとで、まず、リード端子29aの先端をプリント配線基板の所定の位置に半田付けした後に、樹脂成形金型内にソレノイド組立体26を配置する。金型を締め付けた状態のもとで、金型内に樹脂を注入することにより、この樹脂により樹脂成形部27が図示する形状に成形される。
【0035】この溶融樹脂を用いた射出成形時つまりモールド時には、コイル29と磁気フレーム31との隙間に樹脂が入り込むとともに、基板41およびグロメット51の一部は樹脂成形部27を形成するための樹脂により埋め込まれる。基板41はそれに設けられたダイオードなどの給電制御器を含めて樹脂成形部27により覆われることになる。
【0036】このようにして樹脂成形部27が形成された後に、固定コア32および可動コア33がボビン28内に組み込むことにより、ソレノイド部12の組立が完了する。ソレノイド部12と弁ブロック部11とをねじ部材を用いて連結し、カバー54をねじ結合することにより、図1に示す電磁弁10の組立が完了する。電磁弁10が使用される際には、取付金具57により所定の位置に据え付けられることになる。
【0037】以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0038】たとえば、電磁弁の構造としては、図示する場合には直動式の電磁弁を示すが、間接作動式の電磁弁に本発明のソレノイドを適用するようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0040】(1).電磁弁ソレノイドのソレノイド組立体を樹脂成形部により樹脂封止するとともに基板をも樹脂封止することにより電磁弁ソレノイドの製造効率を向上することができる。
【0041】(2).樹脂成形部を成形する際に溶融状態の樹脂がプリント配線や半田付け部に直接接触しないように、耐熱樹脂により基板の表面を覆うことにより、樹脂成形に際して給電制御器や半田付け部の損傷が防止される。
【0042】(3).給電ケーブルを基板の背面に這い回すことにより、給電ケーブルをソレノイド部に強固に接続することできる。
【0043】(4).基板をホルダーを介してソレノイド部に取り付けることにより、リード線を基板の所定の個所に半田付けする際における半田付け作業性が良好となる。
【出願人】 【識別番号】000145611
【氏名又は名称】株式会社コガネイ
【出願日】 平成9年(1997)10月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和 (外2名)
【公開番号】 特開平11−118058
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−283774