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【発明の名称】 洩れ検出付きダイアフラムバルブ
【発明者】 【氏名】ケンジ エー.キングスフォード

【氏名】ヒ バ ヌギュエン

【要約】 【課題】ダイヤフラム・バルブの洩れを防ぐこと。

【解決手段】バルブ本体の内部にバルブ・シートを設けその周囲に同心的な溝を設ける。また、ポペット・アセンブリと、一端にバルブ・プラグを有する無孔のバルブ・ステムを設ける。また、三方向の流れ用に二つのバルブ・シートを設け、上端に内部に無孔の可撓性の第1のダイヤフラムを設けたキャップを設けるバルブ・ステムの各端にはバルブ・プラグを設ける。ポペット・アセンブリと第1ダイヤフラムとの間に無孔の可撓性の第2のダイヤフラムを設け反対側端に付設されるベースとポペット・アセンブリの間に無孔の可撓性の第3のダイヤフラムを設け、夫々バルブ本体と漏洩防止シールを形成する。ベースと第3ダイヤフラムの間のスプリング手段は受け入れ体に封入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体を貫通して延在する中央チャンバを有し、壁部分を貫通して設けられた流体導入口と流体排出口を有し、そして開放上端と開放下端を有するバルブ本体と、前記中央チャンバの縁に設けられ、その周囲にはこれと同心に溝が設けられているバルブ・シートと、前記バルブ本体の内部に設けられたポペット・アセンブリであって、前記中央チャンバ内に設けられた孔の空いていないバルブ・ステムと、前記バルブ・ステムの一端に取付けられた孔の空いていないバルブ・プラグとを具え、該バルブ・プラグは前記バルブ・シートに隣接して前記中央チャンバの外側に位置しているポペット・アセンブリと、前記バルブ本体の上端に取付けられたキャップと、該キャップの内部に設けられた孔の空いていない可撓性の第1ダイヤフラムと、前記バルブ本体の内部のポペット・アセンブリと第1ダイヤフラムとの間に設けられ、ポペット・アセンブリの一端に接続され、バルブ本体と共に漏洩防止シールを形成する孔の空いていない可撓性の第2ダイヤフラムと、バルブ本体の下端に取付けられたベースと、バルブ本体の内部のポペット・アセンブリとベースとの間に設けられ、第2ダイヤフラムと反対側のポペット・アセンブリの一端に接続され、バルブ本体と共に漏洩防止シールを形成する孔の空いていない可撓性の第3ダイヤフラムと、ベースと第3ダイヤフラムの間に設けられ、ポペット・アセンブリに付勢力を付与するためのスプリング手段とを具え、バルブ・プラグをバルブ・シートに対して押し付けることによって、流体導入口からバルブを通って流体排出口までの流体の移動を阻止する、バルブ・アセンブリ。
【請求項2】 更に、バルブ本体の内部の第1及び第2ダイヤフラムの間に設けられ、第1及び第2ダイヤフラムの間に漏れた流体の通路を形成する内周面から外周面まで貫通するチャンネルを有する第1環状バックアップ・リングと、バルブ本体の内部の第3ダイヤフラムとベースの間に設けられ、第3ダイヤフラムとベースの間に漏れた流体の通路を形成する内周面から外周面まで貫通するチャンネルを有する第2環状バックアップ・リングとを具えた請求項1に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項3】 前記スプリング手段が一対のスプリングを具え、第1スプリングは第2スプリングの内部に同心的に設置され、バルブ・アセンブリが、前記第2リングの内周面の内側に設けられたスプリング受け入れ体を具え、該スプリング受け入れ体が、スプリングを包み込んでこれを第2リングから隔離する中空チャンバを具え、前記スプリング受け入れ体が軸方向に変位してスプリングの圧縮と伸長を許容するように構成され、前記スプリング受け入れ体が、第2リングと共に漏洩防止シールを形成する外周縁を有する請求項2に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項4】 更に、第1及び第2ダイヤフラムの間の第1リングの外周面を取り囲む領域からバルブ本体を通ってバルブ本体の外周面まで延在し、第2ダイヤフラムを通って漏洩した流体の通路を形成する漏洩検出通路を具えた請求項2に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項5】 バルブ・ステムが第2ダイヤフラムと一体化されている請求項1に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項6】 バルブ・フラグが第3ダイヤフラムと一体化されている請求項5に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項7】 更に、バルブ本体を通る第2流体排出口と、第2ダイヤフラムと一体化されているバルブ・ステムの一端に一体化された第2バルブ・ステムと、バルブ本体の中央チャンバの各端の縁に設けられたバルブ・シートとを具え、各バルブ・プラグを各バルブ・シートに押し付けることによって、流体の流れをバルブ本体を通って流体導入口から流体排出口の一方へ指向させる請求項5に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項8】 (a)天面と底面とを有し、第1位置において側面を貫通している流体導入通路と、第2位置において側面を貫通している流体排出通路とを具えたバルブ本体と、(b)バルブ本体の底面の方を向き、前記導入通路と排出通路の間に位置するバルブ本体のバルブ・シートと、(c)バルブ本体の天面に取り外し可能に装着されたキャップと、(d)キャップの内側に装着された孔の空いていない可撓性の第1ダイヤフラムと、(e)バルブ・シートの上方にバルブ本体の上部を横断して装着された孔の空いていない可撓性の第2ダイヤフラムであって、第1ダイヤフラムの下方に間隔をあけて設けられ、バルブを通って流れる流体の上部遮断層を形成し、第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとの間の空間が上部流体受け入れチャンバを形成している第2ダイヤフラムと、(f)バルブ本体の底面に取り外し可能に装着されたベースと、(g)バルブ・シートの下方にバルブ本体の下部を横断して装着された孔の空いていない可撓性の第3ダイヤフラムであって、第2ダイヤフラムの下方に間隔をあけて設けられ、バルブを通って流れる流体の下部遮断層を形成している第3ダイヤフラムと、(h)第2ダイヤフラムと第3ダイヤフラムとの間に接続され、これらのダイヤフラムと共に動くポペット・アセンブリであって、該ポペット・アセンブリは(1)バルブ・シートに係合してバルブを通る流体の流れを遮断するように構成され、第3ダイヤフラムの上向き面に接続されたバルブ・プラグであって、バルブ本体はバルブ・シートの周囲にこれと同心に位置する溝を具え、この溝がバルブ・プラグに係合した場合にバルブ・シートが外向きに変形して、バルブ・プラグとバルブ・シートとが係合した場合に両者間に良好なシールが形成されるように構成されたバルブ・プラグと、(2)第2ダイヤフラムの下向き面に上端で接続され、バルブ本体の中央部分を貫通して下方に延在するバルブ・ステムであって、該バルブ・ステムの下端はバルブ・プラグに取り外し可能に接続されているバルブ・ステムとを具え、(i)第3ダイヤフラムとベースとの間の空間に装着され、前記ポペット・アセンブリ及び接続された第2、第3ダイヤフラムを上方に付勢し、バルブ・プラグをバルブ・シートに係合させてバルブを閉じるスプリング手段と、(j)前記上部流体受け入れチャンバに装着された環状バックアップ・リングであって、その内周面からそれを貫通して外周面まで達するチャンネルによって第2ダイヤフラムを通って該チャンネル内に漏洩した流体の通路を形成しているバックアップ・リングと、(k)バックアップ・リングの外周面を取り囲む上部受け入れチャンネルの領域からバルブ本体を貫通して前記バルブ本体の外周面まで延在し、第2ダイヤフラムを通って上部受け入れチャンバに入った漏洩流体の通路を形成する漏洩検出通路とを具えているバルブ・アセンブリ。
【請求項9】 前記バルブ・ステムが、バルブプラグの補完的な開口内に解放可能なアタッチメントを形成するように構成された外面を有する閉鎖された先端を有する請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項10】 更に、第3ダイヤフラムとベースとの間に設けられ、前記スプリング手段を包み込んでこれを第3ダイヤフラムを通過した漏洩流体から隔離するスプリング受け入れ体を具え、該スプリング受け入れ体は、スプリング手段の軸方向の圧縮・伸長を許容する薄壁スリーブを有する請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項11】 前記キャップが、その中心を貫通するバルブを作動させる流体を導入するためのポートを有している請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項12】 前記第1、第2及び第3ダイヤフラムが円形構造を有し、相互に一致して上下に配列されている請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項13】 第3ダイヤフラムとベースとの間に形成された空間が、下部流体受け入れチャンバを形成している請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項14】 前記バルブが、更に、下部受け入れチャンバからバルブ本体を貫通してその外周面まで延在する、第3ダイヤフラムを通って下部受け入れチャンバ内に入る漏洩流体の通路を形成する漏洩検出通路を具えている請求項13に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項15】 上部受け入れチャンバのバックアップ・リングが、第1及び第2ダイヤフラムの間に延在する外周部分を具え、前記リングの底面は第2ダイヤフラムの上向き面の環状セグメントに接触し、該環状セグメントは第2ダイヤフラムの外周縁から内側に所定の距離だけ延在している請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項16】 バルブが閉じている時に第2ダイヤフラムの環状セグメントに接触する前記リングの底面部分が、水平面にある請求項15に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項17】 前記スプリング手段は一対のコイル・スプリングを具え、一方のスプリングは他方よりも大きな直径を有し、小さい方の直径を有するスプリングが大きい方の直径を有するスプリングの中に入れ子状に入っている請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項18】 バルブ本体の上部と下部の内面が外側に傾斜しており、上向きの環状溝がバルブ本体の上部における傾斜のベースの周囲に形成され、下向きの環状溝がバルブ本体の下部における傾斜のベースの周囲に形成され、第2及び第3ダイヤフラムがその周縁から軸方向に延在するフランジを有し、第2ダイヤフラムのフランジは上向きの環状溝に装着され、第3ダイヤフラムのフランジは下向きの環状溝に装着され、第1及び第2ダイヤフラムの直径は環状溝の直径よりも所定の量だけ大きく、ダイヤフラムのフランジが環状溝に装着された場合に、ダイヤフラムの表面が弛むようになっている請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項19】 バルブを流れる流体の圧力を受ける第2ダイヤフラムの表面積が、この流体の圧力を受ける第3ダイヤフラムの表面積と実質的に同じであり、この流体によって第2ダイヤフラムに付与される上向きの力が、この流体によって第3ダイヤフラムに付与される下向きの力とバランスしている請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項20】 前記バルブ・プラグが第3ダイヤフラムと一体的に形成され、環状のV字型溝が前記プラグとダイヤフラムとの間にバルブ・プラグのベースの周囲に設けられている請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項21】 更に、第3ダイヤフラムとベースとの間に規定された空間に装着された環状バックアップ・リングを具え、前記空間は下部流体受け入れチャンバであり、バックアップ・リングには第3ダイヤフラムの表面の弛みを無くす引き締め手段が設けられている請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項22】 更に、第3ダイヤフラムとベースとの間に規定された空間に装着された環状バックアップ・リングを具え、前記空間は下部流体受け入れチャンバであり、前記リングはその内周面からこれを貫通して外周面まで延在するチャンネルを有し、第3ダイヤフラムを通って前記チャンバ内に入る流体の通路を形成し、前記リングの天面は第3ダイヤフラムの下向きの面の環状セグメントに接触し、該環状セグメントは第3ダイヤフラムの外周縁から半径方向に内側に所定の距離だけ延び、バルブが閉じた際に前記環状セグメントに接触する前記リングの天面の一部分は、リングの周縁から中心の方に向かって上方に傾斜している請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項23】 (a)天面と底面とを有し、第1位置において側面を貫通している流体導入通路と、第2位置において側面を貫通している流体排出通路とを具え、前記第1位置は前記第2位置から半径方向に離れているバルブ本体と、(b)バルブ本体の底面の方を向き、前記導入通路と排出通路の間に位置するバルブ本体のバルブ・シートと、(c)バルブ本体の天面に取り外し可能に装着され、バルブを作動させる流体を導入するために中心を貫通して設けられたポートを有するキャップと、(d)キャップの内側に装着された孔の空いていない可撓性の第1ダイヤフラムであって、該ダイヤフラムの上部表面とキャップの内面との間には空間が形成され、前記作動流体ポートが該空間に開口している第1ダイヤフラムと、(e)バルブ・シートの上方にバルブ本体の上部を横断して装着された孔の空いていない可撓性の第2ダイヤフラムであって、バルブを通って流れる流体の上部遮断層を形成し、第1ダイヤフラムと一致して配置され、第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとの間の空間が上部流体受け入れチャンバを形成している第2ダイヤフラムと、(f)バルブ本体の底面に取り外し可能に装着されたベースと、(g)バルブ・シートの下方にバルブ本体の下部を横断して装着された孔の空いていない可撓性の第3ダイヤフラムであって、バルブを通って流れる流体の下部遮断層を形成し、第1及び第2ダイヤフラムと一致して配置され、第3ダイヤフラムとベースとの間の空間が下部流体受け入れチャンバを形成している第3ダイヤフラムと、(h)第2ダイヤフラムと第3ダイヤフラムとの間に接続され、これらのダイヤフラムと共に動くポペット・アセンブリであって、該ポペット・アセンブリは(1)バルブ・シートに係合してバルブを通る流体の流れを遮断するように構成され、第3ダイヤフラムの上向き面に接続された孔の空いていないバルブ・プラグと、(2)第2ダイヤフラムの下向き面に上端で接続され、バルブ本体の中央部分を貫通して下方に延在するバルブ・ステムであって、該バルブ・ステムの下端はバルブ・プラグに取り外し可能に接続されている孔の空いていないバルブ・ステムとを具え、(i)前記下部受け入れチャンバに装着され、前記ポペット・アセンブリ及び接続された第2、第3ダイヤフラムを上方に付勢し、バルブ・プラグをバルブ・シートに係合させてバルブを閉じるスプリング手段と、(j)前記上部流体受け入れチャンバに装着された第1環状バックアップ・リングであって、該第1リングの外側部分は第1及び第2ダイヤフラムの間に延び、該第1リングの底面は第2ダイヤフラムの上向きの面の環状セグメントに接触し、該環状セグメントは第2ダイヤフラムの外周縁から半径方向に内側に所定の距離だけ延び、前記第1リングは内周面から外周面までこれを貫通して、第2ダイヤフラムを通って前記チャンバ内に漏洩する流体の通路を形成するチャンネルを有する第1環状パックアップ・リングと、(k)第1リングの外周面を取り囲む上部受け入れチャンネルの領域からバルブ本体を貫通してその外周面まで延在し、第2ダイヤフラムを通って上部受け入れチャンバに入った漏洩流体の通路を形成する漏洩検出通路と、(l)下部受け入れチャンバに装着された第2環状バックアップ・リングであって、該第2リングは、その内周面からこれを貫通して外周面まで延びて第3ダイヤフラムを通って前記チャンバに漏洩した流体の通路を形成するチャンネルを有し、前記第2リングの天面は第3ダイヤフラムの下向きの面の環状セグメントに接触し、該環状セグメントは第3ダイヤフラムの外周縁から半径方向に内側に所定の距離だけ延び、バルブの閉鎖時に前記環状セグメントと接触する第2リングの天面部分は、周縁リングからその中心の方へ上方に傾斜している第2環状バックアップ・リングとを具えているバルブ・アセンブリ。
【請求項24】 前記バルブ本体が、前記バルブ・シートの周囲にそれと同心的に設けられた溝を具え、バルブ・プラグと係合した場合にバルブ・シートが外側に変形し、両者の間に良好なシールが形成されるように構成された請求項23に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項25】 前記スプリング手段が第2リングの内周面の内側に設けられた受け入れ体の内部に封入され、該受け入れ体はスプリング手段の軸方向の変位を可能にするように構成され、その周縁に第2リングとの間に漏洩防止シールを形成して、第3ダイヤフラムを通って漏洩した液体からスプリング手段を隔離する請求項23に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項26】 バルブ・ステムの先端が、バルブ・プラグの内部の補完的な開口に解放可能にスナップ嵌合するように構成された外面を有する請求項23に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項27】 バルブ・プラグが、バルブ・シテムとの固着を解除する手段を具えている請求項26に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項28】 (a)天面及び底面と、一つの位置において側面を貫通する流体導入通路及び他の位置において側面を貫通する少なくとも一つの流体排出通路と、貫通する中央チャンバとを有するバルブ本体と、(b)前記バルブ本体に前記中央チャンバの縁に設けられた少なくとも一つのバルブ・シートと、(c)バルブ本体の天面に取り外し可能に装着されたキャップと、(d)前記キャップの内側に装着された孔の空いていない可撓性の第1ダイヤフラムと、(e)前記中央チャンバの上方にバルブ本体の上部を横断して装着された孔の空いていない可撓性の第2ダイヤフラムであって、該第2ダイヤフラムは第1ダイヤフラムの下方に間隔を空けて設けられ、バルブを通って流れる流体の上部遮断層を形成し、第1及び第2ダイヤフラムの間の前記空間は上部流体受け入れチャンバを形成している第2ダイヤフラムと、(f)前記バルブ本体の底部に取り外し可能に装着されたベースと、(g)前記中央チャンバの下方にバルブ本体の下部を横断して装着された孔の空いていない可撓性の第3ダイヤフラムであって、該第3ダイヤフラムは第2ダイヤフラムの下方に間隔を空けて設けられ、バルブを通って流れる流体の下部遮断層を形成している第3ダイヤフラムと、(h)バルブ本体の内部に設けられ、第2及び第3ダイヤフラムの間に接続されてダイヤフラムと共に移動するポペット・アセンブリであって、(1)第1ダイヤフラムの下向きの面から軸方向に離れる方向に突出し、前記中央チャンバの内部に設けられた孔の空いていないバルブ・ステムと、(2)バルブ・ステムの一端に設けられ、バルブ・シートと係合してバルブを流れる液体を遮断する少なくとも一つのバルブ・プラグとを具えたポペット・アセンブリと、(i)第3ダイヤフラムとベースとの間の空間に設けられ、ポペット・アセンブリ及び接続された第2及び第3ダイヤフラムを上方に付勢するスプリング手段と、(j)前記スプリング手段を封入するために第3ダイヤフラムとベースとの間に設置された受け入れ体であって、スプリング手段の軸方向の変位を許容する薄壁構造を有し、ベースに対して漏洩防止シールを形成してスプリング手段を第3ダイヤフラムを通って漏洩した液体から隔離する受け入れ体と、(k)上部流体受け入れチャンバに装着された環状バックアップ・リングであって、該リングは内周面からこれを貫通して外周面まで延在するチャンネルを有し、第2ダイヤフラムを通って前記チャンバに入る流体の通路を形成する環状バックアップ・リングと、(l)バックアップ・リングの外周面を取り囲む上部受け入れチャンバの領域からバルブ本体を貫通してバルブ本体の外表面まで延在し、第2ダイヤフラムを通って上部受け入れチャンバに入る流体の通路を形成する漏洩検出通路とを具えたバルブ・アセンブリ。
【請求項29】 前記バルブ本体がバルブ・シートの周囲にこれと同心的に設けられた溝を具え、各バルブ・シートとの係合時にバルブ・シートを外向きに変形させ、両者が係合した時にバルブ・プラグとシートの間に良好なシールを形成する請求項28に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項30】 少なくとも一つの前記バルブ・プラグが第2又は第3ダイヤフラムの一方と一体化されている請求項28に記載のバルブ・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブの構成部品が劣化することなく腐食性液体に使用できると共に、化学的に純粋な液体にその純度を損なうことなく使用できるバルブに関する。更に詳しくは、本発明は、液体に接触するダイヤフラムと、該ダイヤフラムを通って漏洩するすべての液体を検出する構成部品とを組み込み、前記ダイヤフラムを通って漏洩するすべての液体から金属部品を隔離する改善されたダイヤフラム・バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】バルブが腐食性の酸性液やアルカリ性液に接触する用途又はバルブを通じて流れる液体の純度を維持する必要がある用途に、種々のタイプの流体制御バルブが使用されている。このようなバルブは、フッ素ポリマーその他のポリマー材料等の比較的不活性な材料で構成されるか、又は流れる液体に接触したり、接触する可能性のあるバルブの表面が不活性材料でコーティングされている。こうした流れ制御バルブは、通常、スプリングの力によって付勢されて閉じられ、ソレノイド式のアクチュエータか空気圧又は油圧によって開かれる。バルブ閉鎖用のスプリングが使用される場合、バルブを閉じるのにスプリングによって印加される必要のある力が小さいことが肝要である。必要なスプリングの力を小さくすることによって、スプリングがバルブ構造に与えるストレスが少なくなり、したがってバルブの寿命が長くなる。
【0003】流体制御バルブに流体に接触するダイヤフラムが設けられ、流体がバルブ作動機構内に漏れたり、大気中に漏れたりすることを防ぐ遮断層を提供することもある。或る構成によれば、この遮断用ダイヤフラムと組み合わされてバックアップ・ダイヤフラムが設けられ、遮断用ダイヤフラムを通じて漏洩した流体を受け入れるチャンバを提供している。このチャンバは漏洩ポートを具え、遮断用ダイヤフラムが破損した場合、該ダイヤフラムを通過してチャンバ内に入った流体をこれによって検出して適宜な対策を講じることができるように構成されている。
【0004】例えば、米国特許4,010,769 には、バルブを流れる流体に接触する遮断用ダイヤフラムを組み込んだバルブが開示されている。バルブ内には、この第1のダイヤフラムの上方に第2のダイヤフラムが設けられ、漏洩ポートが両方のダイヤフラムの間に設けられている遮断用ダイヤフラムを通って漏洩した流体は、この漏洩ポートによって検出され、適宜な対策が講じられる。
【0005】'769特許に開示されているように、システム中の流体に接するダイヤフラムがバルブに組み込まれ、このダイヤフラムがバルブ作動機構に連結されている場合、流体がダイヤフラムに及ぼすすべての力はバルブ作動機構に伝達され、バルブの操作に影響を与える。例えば、'769特許のバルブにおいては、スプリングの付勢力によってバルブが閉じられ、ソレノイドによってバルブが開かれる。システム中の流体によって遮断用ダイヤフラムに働くすべての力がバルブを開こうとする。したがって、バルブを開くようにダイヤフラムに作用する力が反対方向のもう一方の力によってバランスがとれるようにこのバルブを構成するには、バルブを閉鎖状態に維持するのに要するスプリングよりも大きなスプリングを必要とする。大きなスプリングを使用するために、必要以上に大きいストレスがバルブ構造に印加されてバルブの寿命を短くしてしまう。
【0006】バルブを作動させる機構に取付けられてバルブが開閉する度に該機構と共に運動するダイヤフラムをバルブが具えている場合には、ダイヤフラムが疲労亀裂のために破損することがある。通常、ダイヤフラムが動く距離が大きいほど、各サイクルにおいてダイヤフラムに印加される伸長とストレスが大きくなり、少ないサイクルでダイヤフラムが破損する。したがって、バルブの寿命を長くするには、ダイヤフラムの運動距離とダイヤフラムに印加される歪みを小さくすることが重要である。
【0007】米国特許5,261,422 には、バルブを開閉するのに要する力を小さくして、バルブの構成部品に印加されるストレスを減少させ、バルブの寿命を長くするように構成されたダイヤフラム・バルブが開示されている。図1を参照すると、'422特許に開示された三方向バルブの実施例10は、頂部と底部16を有するバルブ本体12を具え、該バルブ本体12の側面の第1位置にはこれを貫通する流体導入通路18、バルブ本体の側面の第2位置にはこれを貫通する第1の流体排出通路20、バルブ本体の側面の第3位置にはこれを貫通する第2の流体排出通路22が設けられている。これらの第1、第2及び第3位置は、バルブ本体の周囲に互いに放射状に間隔を空けて設けられている。
【0008】前記導入通路18と第1排出通路20との間のバルブ本体に、バルブ本体の天面14に対面して上部バルブ・シート24が設けられている。前記導入通路18と第2排出通路22との間のバルブ本体に、バルブ本体の底部16に対面して下部バルブ・シート26が設けられている。バルブ本体の頂部14にはキャップ28が取り外し可能に装着され、このキャップの内側には孔の空いていない第1の可撓性ダイヤフラム30が装着されている。前記上向きバルブ・シート24の上方には、バルブ本体の上部を横断して孔の空いていない第2のダイヤフラム32が装着されている。この第2ダイヤフラム32は、第1ダイヤフラム30の下方に間隔を空けて設けられ、バルブを流れる流体の上部遮断層を形成する。第1及び第2ダイヤフラムの間の空間は、上部流体封鎖チャンバ34を形成する。バルブ本体の底部16の上に、取り外し可能にベース36が装着されている。孔の空いていない第3のダイヤフラム38が、下部バルブ・シート26の下方のバルブ本体12の下部を横断して装着されている。この第3ダイヤフラム38は、バルブを流れる流体の下部遮断層を形成する。
【0009】ポペット・アセンブリ40が第2及び第3ダイヤフラムの間に接続されている。このポペット・アセンブリ40は、第3ダイヤフラム38の上向き面に接続された下部バルブ・プラグ42と、第2ダイヤフラム32の下向き面に接続された上部バルブ・プラグ44とを具えている。下部バルブ・プラグ42は下向きバルブ・シート26と係合して、導入口18から第2排出通路を通って流れる流体を遮断するように構成されている。上部バルブ・プラグ44は上向きバルブ・シート24と係合して、導入口18から第1排出経路20を通って流れる流体を遮断するように構成されている。
【0010】一端が上部又は下部バルブ・プラグの一方に一体化されているバルブ・ステム46がバルブ本体12の中心部分を貫通して延在し、前記バルブ・ステムの他端は他方のバルブ・プラグに取り外し可能に接続されている。このバルブ・ステムとバルブ・プラグとの間の接続は、バルブ・ステムとバルブ・プラグとの間に流体漏洩防止シールを形成する。バルブ・ステム46を貫通してボルト48が設けられ、下部バルブ・プラグ42を前者に取り付けるのに用いられ、第3ダイヤフラムを貫通して延在している。
【0011】第3ダイヤフラム38とベース36との間の空間にはスプリング50が設けられ、ポペット・アセンブリ40と接続された第2、第3ダイヤフラムとを上方に付勢して下部バルブ・プラグ42を下向き下部バルブ・シート26に接触させ、導入口18から第2排出通路22を通って流れる流体を遮断し、同時に、上部バルブ・プラグ44を上向き上部バルブ・シート24から離し、導入口18から第1排出通路20を通って流体が流れることを可能にする。このスプリングの力に逆らってポペット・アセンブリ40と接続された第2、第3ダイヤフラムとを下方に移動させ、上部バルブ・プラグ44を上向きバルブ・シート26に接触させて、導入口18から第1排出通路20を通って流れる流体を遮断するための手段が設けられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】'422特許に開示されたバルブは、バルブの作動寿命が長くなるように、バルブを付勢するための力が少なくてすむと同時に、ダイヤフラムが動く距離とダイヤフラムにかかる歪みが小さくなるように構成されているが、それでもなお、次のようなこのバルブを改良する余地が残されている。(1)漏洩した流体が金属製のバルブのエレメントに接触して化学的に純粋な液体を汚染する可能性を更に小さくする。(2)各バルブ・プラグとバルブ・シートとの間に改善された漏洩防止シールを設ける。(3)バルブを通る潜在的な漏洩通路の数を更に少なくする。即ち、化学的に純粋な液体又は腐食性の液体のいずれかと共に使用される、このような改善された構成を有するダイヤフラム・バルブを業界に提供することが望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】腐食性液体によって損傷を受けることなく、又は純粋な液体を汚染することなく、腐食性液体又は化学的に純粋な液体の流れを制御するバルブ・アセンブリが提供される。このバルブの構成の特長によれば、漏洩した液体が金属製のバルブ・エレメントに接触することによって化学的に純粋な液体が汚染される可能性が更に少なくなり、バルブ・プラグとバルブ・シートとの間に改善された漏洩防止シールが設けられ、バルブを通る漏洩通路の数が更に少なくなる。更に、このバルブ・アセンブリの構成の特長によれば、バルブを閉じるのに要するスプリング力が小さくなり、バルブ構成部品に加わるストレスが減少し、バルブの寿命が長くなる。その上、このバルブの独特な構成によれば、その製造・組立にエラストマータイプのOリングによるシールなどを使用しなくても、バルブの一つの領域から他の領域への漏洩を防ぐことができる。
【0014】本発明の原理によって構成されたバルブ・アセンブリはバルブ本体を具え、これを貫通して中央流体輸送チャンバが延びている。このバルブ本体は一つの流体入口と少なくとも一つの流体出口を具え、これらはそれぞれバルブ本体の壁部分を貫通して設けられている。バルブ本体は、開放された上端と開放された下端を有する。バルブ本体の内部には、前記中央チャンバの縁に少なくとも一つのバルブ・シートが設けられている。バルブ本体は、バルブ・シートの周囲にこれと同心に設けられた溝を具えている。
【0015】バルブ本体の内部にはポペット・アセンブリが設けられ、前記中央流体輸送チャンバ内に設けられた孔の空いていないバルブ・ステムを具えている。前記バルブ・ステムの一端にはバルブ・プラグが設けられ、バルブ・シートに隣接して前記中央チャンバの外側に位置している。三方向バルブが望ましい場合には、前記バルブ本体は、前記中央チャンバの各縁にそれぞれ一つずつ、二つのバルブ・シートを具え、各バルブ・ステムの両端にはそれぞれバルブ・プラグが設けられている。バルブ・シートの周囲の溝は、各バルブ・プラグに接触した場合にバルブ・シートを半径方向に拡大させ、両者間の漏洩を防止する改善されたシールを提供すると共に、バルブの運動サイクルが繰り返された後のバルブ・シートの疲労と破損を少なくする。バルブ・プラグを各バルブ・シートに対して押し付けることによって、バルブを通って液体出口まで達する液体の移動が制御される。バルブ・ステムは孔の空いていない、即ち完全には穿孔されていない構成となっているので、バルブを通ってバルブの濡れていない領域や環境へ達する液体の潜在的な通路が無くなる。
【0016】バルブ本体の上端にはキャップが取付けられ、該キャップ内に孔の空いていない第1の可撓性ダイヤフラムが設けられている。バルブ本体の内部には、ポペット・アセンブリと第1ダイヤフラムとの間に孔の空いていない第2の可撓性ダイヤフラムが設けられ、ポペット・アセンブリの一端と接続されている。この第2ダイヤフラムは、バルブ本体の漏洩防止シールを形成している。バルブ本体の下端にはベースが取付けられ、バルブ本体にはポペット・アセンブリとベースとの間に、孔の空いていない第3の可撓性ダイヤフラムが設けられている。この第3ダイヤフラムは、前記第2ダイヤフラムと反対側の前記ポペット・アセンブリの一端に接続され、バルブ本体の漏洩防止シールを形成している。
【0017】ポぺット・アセンブリに付勢力を印加するために、ベースと第3ダイヤフラムとの間にスプリング手段が設けられ、このスプリング手段を入れるのに受け入れ体が使用され、第3ダイヤフラムを通過して漏洩する液体からこれを隔離している。この受け入れ体は、漏洩防止シールを形成し、バルブ本体内の前記スプリング手段の軸方向移動を許容する薄壁スリーブを有する。この受け入れ体を使用することによって、第3ダイヤフラムを通って漏洩した液体との接触が少なくなり、それによって、化学プロセス用の高純度の液体の汚染の可能性が更に小さくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のこれら及びその他の特長、態様及び利点は、次に述べる詳細な説明、請求の範囲並びに添付図面を参照して、更に明らかになるであろう。本発明のダイヤフラム・バルブは、番号を引用することによって本明細書に組み入れられている米国特許5,261,422 に開示され且つ図示されたダイヤフラム・バルブの改良である。
【0019】図2と3には、本発明を実施することによって得られたバルブ・アセンブリ52の好適実施例の模式的な側断面図が示されている。(このバルブ・アセンブリ52の構成部品相互の位置と向きは、図に示されているように、以下に述べられている。)このバルブ・アセンブリは、ほぼ円筒形をなして上端部分56と下端部分58とを有するバルブ本体54を具えている。図3に最も明らかに示されているように(そして図2に点線で示されているように)、流体導入通路60がバルブ本体54の側面の第1位置を貫通して設けられている。図2を参照すると、第1の流体排出通路62がバルブ本体54の側面の第2位置を貫通して設けられ、第2の流体排出通路64がバルブ本体の側面の第3位置を貫通して設けられている。この導入口60と第1及び第2排出口62、64は、バルブ本体の周縁に沿って相互に間隔を空けて放射状に設けられ、バルブ本体の高さの中央付近で該バルブ本体内に入っている。図示の実施例においては、前記第1及び第2の排出口はバルブ本体の両側に設けられ、前記導入口はこれら二つの排出口の間に両者から等しい距離の位置に設けられている。必要に応じて、導入口と排出口の間隔と位置はこれと異なっていてもよい。液体をこのバルブに導入し又はこれから排出するパイプやチューブを接続するための継手66が、前記導入口と第1及び第2排出口に設けられている。
【0020】導入通路60は、バルブ本体の中央領域に位置する垂直な円筒形チャンバ68内に続いている。上向きのほぼカップ形状をなした上部チャンバ70がこの円筒形チャンバ68の上方に設けられ、下方に延びたほぼカップ形状をなした下部チャンバ72が前記円筒形チャンバの下方に設けられている。これらの上向き及び下向きのチャンバ70と72は実質的に同一である。
【0021】バルブ本体54には、前記円筒形チャンバ68の上部に、導入通路60と第1排出通路62との間に、上向きのバルブ・シート74が設けられている。バルブ本体54には、前記円筒形チャンバ68の下部に、導入通路60と第2排出通路64との間に、下向きのバルブ・シート76が設けられている。
【0022】バルブ本体54の上部には、バルブ本体の外側面に設けられたねじ山82に螺合する内側ねじ山80によって、キャップ78が取り外し可能に装着されている。バルブ本体54、キャップ78及びベース84は、Wilmington, DelawareのDuPont Companyから提供されているテフロン(登録商標)PFA又はテフロン(登録商標)FEP等の不活性材料で成形されることが好ましい。これらの材料は腐食性の酸性又はアルカリ性液によって損傷を受けることなく、そして化学的に純粋な液を汚染物質で汚すこともない。所望に応じて、バルブ本体、キャップ及びベースを、金属や種々のポリマー等の他の材料で作ることもでき、また、バルブを流れる液体と接触するその表面をフッ素ポリマー等の不活性材料でコーティングしてもよい。
【0023】バルブ・アセンブリ52に組み込まれた作動機構は、キャップの内部に装着された孔の空いていない円形の第1の可撓性ダイヤフラム90を具えている。この第1ダイヤフラムは、その外周縁の周囲に上方に延びたフランジ92と、その中心から下方に延びた円筒形のプラグ94とを具えている。前記キャップ78の内側底面98を取り囲んで環状溝96が設けられ、前記ダイヤフラム90は、そのフランジ92をこのキャップの溝96に圧入することによって、前記キャップに装着されている。ダイヤフラム90の上面90aとキャップの内面98との間に、ダイヤフラムに作用する作動流体即ち気圧流体や油圧流体を受け入れるための空間100が形成されている。キャップ78の中心を通って前記空間100に至るポート102が設けられ、作動流体の導入・排出を可能にしている。
【0024】上向きのバルブ・シート74の上方には、バルブ本体の上部を横断して、孔の空いていない円形の第2の可撓性ダイヤフラム104が装着されている。この第2ダイヤフラム104は、その外周縁の周囲に下方に延びたフランジ106を具えている。バルブ本体の前記上向きのチャンバ70の先端領域70aの内面は外向きの傾斜を有する。即ちバルブ本体の先端領域70aの内径はバルブの天面に近くなるほど大きくなっている。バルブ本体には、この傾斜の基部の周囲に上向きの環状溝110が設けられている。前記第2ダイヤフラム104は、その下方に延びたフランジ106をこの上向きの環状溝110に圧入することによって、前記バルブ本体に装着されている。この第2ダイヤフラムは前記第1ダイヤフラムの下方に間隔を置いて位置し、バルブを通って流れる流体の上部遮断層を形成している。第1及び第2ダイヤフラムの間の空間112は、前記第2ダイヤフラムを通ってシステムから漏洩してきた流体を受け入れるための上部チャンバを形成している。
【0025】前記下向きのバルブ・シート76の下方には、バルブ本体の下部を横断して、孔の空いていない円形の第3の可撓性ダイヤフラム114が装着されている。この第3ダイヤフラムは、その外周縁の周囲に上方に延びたフランジ116を具えている。下向きのバルブ本体のチャンバ72の先端領域72aの内面は外向きの傾斜を有している。即ち、バルブ本体の先端領域72aの内径は、バルブの底面に近づくほど大きくなっている。下向きの環状溝120が、この傾斜の基部の周囲を取り囲んでいる。
【0026】この第3ダイヤフラムは、上方に延びた第3ダイヤフラムのフランジ116を下向きの環状溝120に圧入することによって、バルブ本体に装着される。この第3ダイヤフラム114はバルブを通って流れる流体のための下部遮断層を形成し、第3ダイヤフラムとベースの内面との間の空間122は、第3ダイヤフラムを通ってシステムから漏洩する流体を受け入れるための下部チャンバを形成している。
【0027】ポペット・アセンブリ124は前記第2ダイヤフラム104に接し、前記第3ダイヤフラム114に接続され、これらのダイヤフラムと共に移動する。このポペット・アセンブリ124は、下部バルブ・プラグ126と、上部バルブ・プラグ128と、これらのプラグ同士を連結するステム130とを具えている。下部バルブ・プラグ126は第3ダイヤフラムの上向きの面114aと一体化され、下向きのバルブ・シート76と係合して導入口60から第2排出通路64を通って流れる流体を遮断するように構成されている。下部バルブ・プラグは、第3ダイヤフラム114の下向きの面と一体化されてそこから所定の距離だけ軸方向に突出したガイド132を具えている。上部バルブ・プラグ128は第2ダイヤフラム104の下向きの面104aと一体化され、上向きのバルブ・シート74に係合して導入口60から第1排出通路62を通って流れる流体を遮断するように構成されている。好適実施例においては、プラグとそれに関連するダイヤフラムとの間に、バルブ・プラグ128と126のベースを取り囲んで、それぞれ環状溝134と136が設けられている。一端が上部又は下部バルブ・プラグの一方と一体的に形成されたバルブ・ステム130が、バルブ本体の中心部を貫通して、即ち円筒形チャンバ68を通って延在している。このバルブ・ステムの他端は他方のバルブ・プラグに取り外し可能に接続され、バルブ・ステムとプラグとの間に流体漏洩防止シールが形成されている。図示の実施例においては、バルブ・ステム130はその上端が上部バルブ・プラグ128と一体化され、下端が下部バルブ・プラグ126に取り外し可能に接続されている。
【0028】前記第1、第2及び第3ダイヤフラムは、テフロン(登録商標)PFA、テフロン(登録商標)PTFE、テフロン(登録商標)FEP等の不活性材料で作られることが望ましい。これらのダイヤフラムとこれに連携する構成部品、例えば上部ダイヤフラムとこれに連携するバルブ・プラグとステム、下部ダイヤフラムとこれに連携するバルブ・プラグは、必要に応じて機械加工によって製造することができる。成形などの他の工程を使用してもよい。
【0029】上部プラグ・プラグ128の中心を通り、バルブ・ステム130の長さ方向の中心に沿って、相互に一線上に配置された垂直に延在する孔138と140が設けられている。このバルブ・ステムには孔が空いておらず、該バルブ・ステムを下部バルブ・プラグ126に接続している先端142で閉鎖されている。したがって、この孔140はバルブ・ステム130の一部分のみに延在しているので、前記バルブを通って液体が漏洩する可能性が減少する。この孔140は、挿入シャフト143を受け入れるように構成されている。この挿入シャフト143は、それ以外のポリマーで作られたバルブ・ステム130に対して所望の軸方向の剛性を与えるのに使用されている。この挿入シャフトは、高純度の化学プロセス用液体を汚染する恐れが無く且つ所望の構造的剛性を有する、セラミック等の不活性材料で形成されている。好適実施例においては、この挿入シャフトは水晶で形成されている。以上のように説明され図示されてはいるが、中実のバルブ・ステムによって充分な剛性が得られる場合には、本発明のバルブ・ステムはこのような孔140や挿入シャフト142を設けないで形成することもできる。
【0030】バルブ・ステムの先端142の外側面には、これを取り囲んで円周方向に延在し半径方向に突出した隆起部144が設けられている。下部バルブ・プラグ126は、バルブ・ステムの先端142を受け入れるサイズを有する上向き面の内側に設けられたステム開口146を具えている。このステム開口146は、下部バルブ・プラグの長さに沿って途中まで軸方向に延びているがこれを完全には貫通しておらず、したがって下部バルブ・プラグには孔が空いていない。ステム開口146は、壁面に半径方向に設置されて円周方向に延在する溝148を具えている。この溝148はバルブ・ステムの隆起部144を受け入れ得るサイズを有し、バルブ・ステム130と下部バルブ・プラグ126とは取り外し可能にスナップ係合され、両者は相互に確実に保持される。好適実施例においては、前記ステムの先端142を下部バルブのプラグ・ステムの開口146に装着することによって、両者の間に液体が保持されることのない漏洩防止シールが形成される。
【0031】下部バルブ・プラグのガイド132は、ねじやボルト等のねじ山付き部材(図示しない)を受け入れるようにねじ山を有する、下向き面から軸方向に所定の深さまで設けられた開口150を具えている。この開口150は、これと下部バルブ・プラグ126の反対側の端部に設けられたステムの開口146との間に薄壁152が存在するように設計されている。バルブが組み立てられた後に薄壁152がバルブ・ステムの先端の方に上方に充分に変形して、バルブ・ステムの端142を開口146から離すことができるように、前記ねじ付き部材がこの開口内に入れられる。この特長によって、比較的容易にバルブ・ステムを下部バルブ・プラグから離して、現場での保守や補修を行うことが可能になる。
【0032】上下の流体受け入れチャンバに環状のバックアップ・リング154と156が取付けられる。上部チャンバのバックアップ・リング154はその中心を通る垂直な孔158を有し、内周面とほぼ垂直に延びる円筒形の外表面162とを規定している。図3に明らかに示されているように、水平の通路即ち孔164が上部バックアップ・リング154の内周面158から円筒形の外表面162まで貫通し、第2ダイヤフラム104を通って上部チャンバ内に漏洩する流体の通路を形成している。バックアップ・リング154の外周部分は第1及び第2ダイヤフラムのフランジ92と106との間に延在し、第1ダイヤフラムのフランジ92をキャップの溝96に、そして第2ダイヤフラムのフランジ106を本体の溝110にそれぞれ確実に保持している。
【0033】図3に示されているように、ほぼ垂直な漏洩検出通路又は孔166が、バックアップ・リングの円筒形外表面162を取り囲む上部受け入れチャンバ112の領域からバルブ本体を経てバルブ本体の外表面まで延び、第2ダイヤフラムを通って漏洩し上部受け入れチャンバに入る流体の通路を形成している。
【0034】図2を見ると、下部受け入れチャンバのバックアップ・リング156は、その中心を通る垂直な孔168を有し、内周面とほぼ垂直に延びる円筒形の外表面172とを規定している。前記内周面168は、下方にベースの方に近づくにしたがって、下部受け入れチャンバのバックアップ・リングの前面から軸方向に所定距離だけ延在する第1直径セクション174と、下部受け入れチャンバのバックアップ・リングの後面の方に軸方向に延在する大きくなった第2直径セクション176とを具えている。前記第1直径セクション174は、下部バルブ・プラグのガイド132を受け入れると共に、これを軸方向に動かすことができるようなサイズを有する。次に詳細に述べるように、第2拡大直径セクション176は、スプリング受け入れ体178を収容することができるようなサイズを有する。
【0035】図3に示されているように、水平通路即ち孔180が下部バックアップ・リングの孔168から円筒形外表面172まで下部バックアップ・リングを貫通し、第3ダイヤフラムを通して下部受け入れチャンバへ漏洩する流体の通路を形成している。ほぼ垂直な漏洩検出通路即ち孔182が、バックアップ・リング156の円筒形外表面172を取り囲む下部受け入れチャンバの領域から、バルブ本体を垂直に貫通してバルブ本体の外表面まで延在し、第3ダイヤフラムを通って下部受け入れチャンバに漏洩する流体の通路を形成している。図示の実施例においては、上部受け入れチャンバの領域から延在するこの漏洩検出通路166と下部受け入れチャンバから延在する漏洩検出通路182とはいっしょに流れ、漏洩検出ポート184を経てバルブ本体から外に出る。
【0036】漏洩が検出された場合には適宜な修正対策をとることができるように、アラーム等が鳴るシステムを設けてもよい。このような修正対策としては、例えばそのバルブが使用されているシステムの他の構成部品を遮断したり、バルブの姿勢を変更したり、又はその他の適宜な操作を行うことができる。これらの修正対策は手動又は自動で行うことができる。漏洩の検出は目で見て行うこともできるし、センサーを使用してもよい。例えば、必要に応じて、光学手段、電気抵抗、超音波又はコンデンサ型の漏洩検出センサーを漏洩検出ポート184に直接に装着してもよい。
【0037】上部及び下部バックアップ・リングは、テフロン(登録商標)PFA、テフロン(登録商標)PTFE、テフロン(登録商標)FEP等の不活性材料で成形又は機械加工によって形成することができる。ポリプロピレン等の他の比較的不活性なポリマー材料も同様に使用することができる。
【0038】図2を見ると、第3ダイヤフラム114とベース84との間の空間にスプリング手段186が取付けられ、ポペット・アセンブリ124及び連結された第2、第3ダイヤフラムを上方に付勢し、下部バルブ・プラグ126を下向きのバルブ・シート76に係合させ、導入口60から第2排出通路64を通って流れる流体を遮断し、同時に上部バルブ・プラグ128を上向きのバルブ・シート74から離して導入口60から第1排出通路62への流体の流れを可能にする。
【0039】好適実施例においては、スプリング手段186は、第2大径セクション176の中の垂直に延在する下部バックアップ・リングの孔168に装着された一対のコイル・スプリングの形をなしている。第1のスプリング188は他方のスプリング190より大きい直径を有し、この小径のスプリングは大径のスプリングの中に入れ子状に入っている。これらのスプリングの下端は、ベース84の凹部セクション192内に所定の長さだけ入っている。一実施例においては、小径スプリング190は一方の方向の巻きを有し、大径スプリング188は反対方向の巻きを有し、干渉の問題を解決している。これらの大小直径のスプリングは、テフロン(登録商標)その他のフッ素ポリマーでコーティングされた金属であることが望ましい。
【0040】これらのスプリングは、スプリング受け入れ体178のチャンバ194内に設けられ、この受け入れ体は下部バックアップ・リングの孔180の第2大径セクション176内に設けられている。スプリング受け入れ体のチャンバ194は、ほぼ円筒形をなし、スプリングを完全に包み込むサイズを有し、これらのスプリングを第2ダイヤフラム114を通って漏洩する液体から隔離する。最外側の縁部から半径方向に内側に近づくにつれて、この受け入れ体178は上方に突出した舌状体196を具え、該舌状体は円形に延在して前記受け入れ体の外周縁を規定している。この舌状体196は、下部バックアップ・リング156の後面200に設けられた溝198に嵌まり込むようなサイズを有している。
【0041】このスプリング受け入れ体178は、前記舌状体196から軸方向に離れるように延在する円筒形のスリーブ202を具え、該スリーブはスプリング・チャンバ194の壁面を規定している。このスリーブ202は、スプリングの軸方向の圧縮・伸長によって軸方向に圧縮・伸長が可能なように薄壁構造を有する。好適実施例においては、スリーブ202は、バルブ内に設置された場合にスプリングとスプリング受け入れ体の圧縮運動に呼応するベローズを形成するように構成された薄壁構造を有している。一実施例においては、前記舌状体を横切って測定した直径がほぼ30mmの場合には、スリーブは約0.12〜1.5mmの範囲の厚さを有することが望ましく、更に好ましくは約0.25mmである。
【0042】スリーブ202は、スリーブの長さに沿って一つ以上の円周方向の一体的な隆起部を設けることによって、前記圧縮運動の際に一つ以上のベローズを形成するように構成されている。好ましい実施例においては、このスリーブは、舌状体196の近くの受け入れ体のベースに沿って設けられた第1隆起部204と、スリーブの長さの途中に設けられた第2隆起部206を具え、軸方向の圧縮の際にこのスリーブが二つのベローズを形成するように構成されている。第2隆起部206は、下部バックアップ・リングの孔168の第2大径セクション176の直径よりも僅かに小さい外径を有し、その軸方向の変位の際に第2大径セクション176に沿ってスリーブ202をガイドするように構成されている。上に述べたような実施例においては、第2隆起部206は約1.8mmの軸方向長さと約2.8mmの半径方法幅とを有することが望ましい。
【0043】スリーブ202から半径方向に内側に向かって、スプリング受け入れ体178はスプリングの上端の上方に設けられた閉鎖端208を有する。この閉鎖端208は、下部バルブ・プラグのガイド132の下向き面212に隣接して位置し且つこれに接触する平坦な前面210を有している。閉鎖端208は、小径スプリング190の直径の中に適合するサイズを有する軸方向突出部分214を具えた後面を有し、スプリング受け入れ体チャンバ178内に小径スプリングと大径スプリングとを軸方向に一致させて収容することができるように構成されている。これらのスプリングは、連結された第2、第3ダイヤフラムとポペット・アセンブリとを上方に付勢し、下部バルブ・プラグ126を下向きのバルブ・シート76に係合させる。
【0044】スプリング受け入れ体178は、テフロン(登録商標)PFA、テフロン(登録商標)FEP等の不活性材料で形成されることが好ましい。このスプリング受け入れ体は、必要に応じて機械加工によって作ることもできる。成形などのその他の手段を使用することもできる。
【0045】導入口60から第1排出通路62を通って流れる流体を遮断するには、バルブ・キャップ78のポート102を通じて、第1ダイヤフラム90とキャップの内面98との間の空間100に空気圧又は油圧を導入する。図4を参照すると、空間100に作動流体が導入されると、流体圧がダイヤフラム90に作用して該ダイヤフラムとプラグ94を押し下げ、スプリング188と190の力に抗してポペット・アセンブリ124及び連結された第2、第3ダイヤフラム104と114をそれぞれ下方に押し下げる。この結果、上部バルブ・プラグ128は上向きのバルブ・シート74に係合して、導入口60から第1排出通路62を通って流れる流体を遮断し、同時に、下部バルブ・プラグ126は下向きのバルブ・シート76から離れて、導入口60から第2排出通路64を通って流体が流れることを許容する。
【0046】本発明のこのバルブ・アセンブリ52の重要な特長は、バルブ・シート74、76の独特な構成にあり、これによって、両者が係合すると該シートとバルブ・プラグとの間に緊密なシールが形成される。シート74と76は同じに構成されているので、その一方のみを次に説明する。例えば図2に示すように、バルブ・シート74は、垂直に延在する円筒形のチャンバ68の円形縁216と、この円形縁216の周囲にこれと同心に設けられた溝218とを具えている。バルブ・シートの円形縁の周囲のこのような溝を使用することによって、各バルブ・プラグが接触した場合にに所望の程度のバルブ・シートの弾性が生じ(即ちバルブ・シートが外側に変形可能となり)、両者間に良好な漏洩防止シールが形成されると共に、バルブが繰返作動した後もバルブ・シートの損傷や疲労を生じることなく、この所望の漏洩防止機能を維持することができる。前記円筒形チャンバ68がほぼ19mmの直径を有し、バルブ本体とバルブ・シート74とがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を機械加工して作製されている一実施例においては、溝218は円形縁から半径方向に約1mm離れた位置に設けられ、約0.4mmの半径方向の幅を有し、約1.3mmの軸方向の深さを有している。
【0047】本発明のバルブ・アセンブリ52のもう一つの重要な特長は、バルブ・ステム130の構成と、それに対する下部バルブ・プラグ126の取付けにある。第2、第3ダイヤフラムを通って漏洩した液体がバルブの濡れていない他の領域に入ったり、環境中に排出されたりする恐れのある、バルブからの漏洩の潜在的可能性を少なくするために、バルブ・ステム130は、それの途中まで延在している孔140を具えた(即ち孔の空いていない)構成を有し、その先端142は下部バルブ・プラグ126に取り外し可能に取付けられるスナップ型の係止手段を形成し、貫通ボルトを使用しなくてもよいように構成されている。バルブ・ステムと下部バルブ・プラグの孔同士を貫通して延在するボルトによる接続を廃止したので、バルブ・ステムを通る漏洩の潜在的可能性が無くなると共に、漏洩した液体がバルブに残ったりバルブの濡れていない領域に入ったりするリスクが少なくなり、高純度の化学プロセス用液体の金属による汚染が少なくなる。
【0048】本発明のバルブ・アセンブリの更に他の重要な特長は、ダイヤフラムが破損した場合に第3ダイヤフラムを通して漏洩する液体からスプリング188と190を完全に隔離するスプリング受け入れ体の構成にある。スプリングを漏洩液体から隔離するこの構成によって、こうした漏洩による高純度の化学プロセス用の液体の金属汚染の潜在的可能性を少なくし、又は皆無にすることさえできる。
【0049】本発明のバルブ・アセンブリ52の構成の別の特長は、バルブ・プラグ126をシート76に対して押し付けてバルブを閉じるのに要するスプリングの力が小さくてすむことにある。スプリングの力を小さくするための一手段は、下部バックアップ・リング156を設けて、ダイヤフラム114の下向きの面114aの環状外周セグメントの選ばれた部分に係合させることである。バルブが図4に示された状態にある場合のように、下部バルブ・プラグ126がシート76から離れると、導入口60から排出口64を通って流れる流体の圧力がダイヤフラム114に働く。しかし、この流体によって生じる下向きの力は、流体の圧力にバックアップ・リングに接していないダイヤフラムの面積を乗じたものに等しいのみである。これによって、スプリングの力に対抗する下向きの力が小さくなり、空間100内の作動流体の圧力が解放された際にバルブを閉じるのに要する力を減少させることができる。
【0050】バックアップ・リング156を設けることも、排出口64からの背圧に対抗してバルブ・プラグ126をバルブ・シート76に載ったままに維持するのに要するスプリング力を小さくする。例えば、バルブ・アセンブリ52が図2に示されたような状態にある場合、排出口64からの背圧がダイヤフラム114に働き、バルブ・プラグ126をバルブ・シート76から離そうとするので、漏洩が生じる。しかし、バルブ・プラグをバルブ・シート76に対して押し付けて閉じるのに要するスプリング力を小さくすることに関して前述した通り、流体によって生じる下向きの力は、排出ラインの背圧にバックアップ・リング156に接していないダイヤフラムの面積を乗じたものに等しいだけである。これによって、スプリング力に対抗して働く下向きの力が小さくてすみ、その結果、バルブ・プラグ126を背圧に抗して着座状態に維持するのに必要なスプリングのサイズを小さくすることができる。
【0051】本発明のバルブ・アセンブリの更に他の特長は、スプリングによって持ち上げられるバルブの高さが小さくてすみ、同時にスプリングの力がうまく均一化されている点にある。これは、一つのスプリングの代わりに、入れ子状にした二つのスプリングを設けることによって達成される。入れ子状に組み合わせられたスプリングの力と同じ力を有し、且つ同じ高さを有する単一のスプリングを使用した場合には、作動範囲において、この単一スプリングは入れ子状のスプリングが提供するような一定のスプリング力を提供しないであろう。単一のスプリングによって入れ子状スプリングによって提供されるのと同じ一定性を有するスプリング力を得るには、この単一スプリングの高さを入れ子状スプリングの高さよも高くしなければならない。これはバルブを大きくし、不利益となる。
【0052】本発明のバルブ・アセンブリ52の更に別の特長は、バルブに水平に装着する場合にぴんと張る代わりに、予定された量の弛みを表面に与えるダイヤフラムを設けることである。一実施例においては、第2及び第3ダイヤフラムの直径は、ぴんと張った場合に1.965インチである。上下のバルブ・チャンバ70と72の外壁の傾斜108と118は、それぞれ、約4度である。この実施例では、上下チャンバ70と72の直径は、それぞれ、その天面と底面の高さ位置即ち開口部において、2.030インチであり、一方、ダイヤフラムのフランジ106と116が嵌合する上下のチャンバの溝110と120の直径は、1.955インチである。
【0053】ダイヤフラムの直径よりも大きい直径を有するバルブ・チャンバの開口を設けることにより、チャンバの溝にダイヤフラムを装着することが容易となり、そうすることによって、ダイヤフラムは半径方向に内向き圧縮され、その表面が弛緩する。ダイヤフラムを装着するには、ダイヤフラムを半径方向に圧縮しながら、ダイヤフラムのフランジがそれに連携する溝に確実に装着されるまで各ダイヤフラムをそのテーパー付きのチャンバ壁に沿って滑らせればよい。ダイヤフラムの表面がぴんと張っていないので、少なくとも一部にはダイヤフラムの表面の弛みによって、上下いずれにもダイヤフラムを動かすことができる。これによって、ポペット・アセンブリと共に運動を繰り返す際にダイヤフラムに働くストレスを減らすことができ、ダイヤフラムの寿命が増大する。
【0054】バルブの運動が繰り返されるにつれてダイヤフラムに加えられるストレスを更に減らすための本発明の特長は、プラグとダイヤフラムの間の各バルブ・プラグのベースの周囲にV字型の溝134と136を設けることである。一実施例においては、約0.33mmの厚さと50mmの設置前直径とを有するダイヤフラムが設けられている。高さの中央におけるバルブ・プラグの直径は約20mmであり、ダイヤフラムとの接続点におけるプラグの直径は約15mmである。これらの溝はほぼV字型をなし(ダイヤフラムが水平面におかれた場合)、Vの角度は約27度であり、Vの頂点は0.5mmの半径の円によって形成されている。図3と5から明らかなように、ポペットが動かされる場合にダイヤフラムを引っ張る代わりに、Vのベースを形成しているダイヤフラムの材料は、バルブ・プラグのベースの方へ潰れるか、又はそれから離れて開く。この作用によって繰返運動の際にダイヤフラムに加わる引っ張り即ちストレスが減少し、ダイヤフラムが破損することなくバルブが作動可能なサイクルの回数が増加する。
【0055】本発明のバルブの構造は簡単なので、バルブを動かすのに要する作動流体の圧力を容易に変えることができると共に、不都合なバルブの開きや漏れを生じることなく耐えることのできるように、容易に背圧を変えることができる。例えば、ダイヤフラムに接触しているバックアップ・リングの表面積を簡単に変えることができ、これによってシステム流体によってスプリング力に対抗して下向きに働く力、又はスプリング力と共に上向きに働く力を増減することができる。例えば図3を参照すると、ダイヤフラム114に作用する力を変える一つの簡単な構成変更は、バックアップ・リング156のリップ220の曲率半径を変えることで可能であり、このリップ220は、ダイヤフラムに接していないバックアップ・リングの部分であって、垂直孔168の内周面へ推移している領域である。例えば、バルブ・アセンブリ52が図2に示された状態にある場合、他のすべての部品を変えずに、バックアップ・リングのリップ220の曲率半径を大きくすると、リップの半径が小さい場合に発生する力よりも大きい下向きの力が、排出口64からの背圧によって発生する。なぜならば、半径が大きくなると、小さい半径のリップと接触するダイヤフラムの表面積に比べて、バックアップ・リングが接触するダイヤフラムの表面積が小さくなるからである。図3において、バックアップ・リングのリップ220の半径を小さくすると、スプリングは、バルブ・プラグ126をバルブ・シート76上に維持しながら、より高い背圧に耐えることができる。逆に、曲率半径を大きくすると、小さい背圧にしか耐えられない。本発明のバルブ・アセンブリ52の一実施例においては、下部バックアップ・リング156の曲率半径は0.093インチであり、ダイヤフラムの表面に接触するバックアップ・リングの角度は水平面から12度である。
【0056】本発明によって提供されるバルブ・アセンブリ52の更に別の特長は、バルブを完全に分解することができ、しかも流体がシステムから下部受け入れチャンバ122に漏洩するのを防ぐのにOリングによるシール等が不要なことである。余分なシールを要せずにバルブを分解できる能力は、前述のように、バルブ・ステム130と下部バルブ・プラグ126との間の連結を取り外し可能にしたことによって得られる。その代わりに、この連結は、バルブの組立・分解の都度、繰り返して行われ、次いで外すことができる。
【0057】図5と6を見ると、本発明の実施によって得られたバルブ・アセンブリの第2の好適実施例の模式的な断面図が示されている。図2〜4に示された構成部品と同様の図5と6のバルブ・アセンブリの構成部品は、同じ符号にダッシュ(′)を付して示されている。この実施例のバルブ・アセンブリ52′には、図2〜4に示された実施例の構成部品と基本的に同じ構成部品が組み込まれているが、図5と6の実施例は一つの導入口と排出口を具えた二方向バルブであり、一つのバルブ・プラグしか具えていない点が異なっている。
【0058】このバルブ・アセンブリ52′は上端部分56′と下端部分58′とを有するバルブ本体54′を具えている。流体導入通路60′が第1位置においてバルブ本体54′の側面を貫通している。流体排出通路62′が、前記第1位置から放射状に間隔を空けて設けられた第2位置においてバルブ本体の側面を貫通している。図示の実施例においては、導入口と排出口とはバルブ本体の互いに反対側に設けられている。導入口と排出口には、液体をこのバルブに導入し又はこれから排出するパイプやチューブを接続するための継手66′が設けられている。
【0059】導入通路60′は、バルブ本体の中央領域に設けられた垂直に延在する円筒形のチャンバ68′内に入っている。上向きのほぼカップ状をした上部チャンバ70′がこの円筒形チャンバ68′の上方に設けられ、下方に延在するほぼカップ状をした下部チャンバ72′が前記円筒形チャンバの下方に設けられている。円筒形チャンバ68′の下部の前記導入口60′と排出口62′との間に、下向きのバルブ・シート76′が設けられている。
【0060】バルブ本体54′の上部にはキャップ78′が取り外し可能に装着され、同様にバルブ本体の下部にはベース84′が取り外し可能に装着されている。バルブ・アセンブリ52′の作動機構は、図2〜4に示されたダイヤフラムをキャップに装着したのと同じようにキャップ78′の内側に装着される孔の空いていない円形の第1の可撓性ダイヤフラム90′を具えている。キャップ78′の中心を貫通してポート102′が設けられ、該キャップとダイヤフラムとの間の空間100′への作動流体の出入りを可能にしている。
【0061】孔の空いていない円形の第2の可撓性ダイヤフラム104′がバルブ本体の上部を横断して装着されている。この第2ダイヤフラムは、図2〜4に示された第2ダイヤフラムの装着と同様に、バルブ本体に装着されている。下向きのバルブ・シート76′の下方には、バルブ本体の下部を横断して孔の空いていない円形の第3のダイヤフラム114′が装着されている。この第3ダイヤフラムは、図2〜4に示されたバルブ本体に第3ダイヤフラムが装着されたのと同じように、バルブ本体に装着されている。
【0062】ポペット・アセンブリ124′は図2〜4のポペット・アセンブリと似ているが、上部バルブ・プラグは設けられていない代わりに、ステム130′が第2ダイヤフラムの下向き面に直接的に接続されている。下部バルブ・プラグ126′は第3ダイヤフラムの上向きの面114a′と一体化され、下向きのバルブ・シート76′に係合して、導入口60′から排出通路62′を通って流れる流体を遮断する。
【0063】環状のバックアップ・リング154′と156′が、上下の流体受け入れチャンバにそれぞれ装着されている。図6に示されているように、孔64′が上部バックアップ・リング154′を経て水平に延在し、ほぼ垂直な漏洩検出通路即ち孔166′がバックアップ・リングを取り囲む上部受け入れチャンバ112′の領域からバルブ本体を通ってバルブ本体の外面まで延在し、第2ダイヤフラムを通って漏洩して上部受け入れチャンバに入る流体の通路を形成している。
【0064】下部受け入れチャンバの環状バックアップ・リング156′は、第3ダイヤフラム114′を通って下部受け入れチャンバに漏洩する流体の通路を形成する水平通路即ち孔180′を組み込んでいる。ほぼ垂直な漏洩検出通路即ち孔182′が、バックアップ・リング156′の円筒形外表面172′を取り囲む下部受け入れチャンバの領域から垂直にバルブ本体を通ってバルブ本体の外表面まで延在し、第3ダイヤフラムを通って下部受け入れチャンバ内に漏洩する流体の通路を形成している。図示の実施例においては、上部受け入れチャンバの領域から延在する漏洩検出通路166′と下部受け入れチャンバから延在する漏洩検出通路182′とは一緒になって洩検出ポート184′を通り、バルブ本体から出て行く。
【0065】図5と6におけるこのバルブは、スプリング188′と190′がバルブ・プラグ126′をシート76′に対して押し付け、導入口60′から排出口62′に至る流体の流れを遮断している状態を示している。
【0066】図7から判るように、作動流体が空間100′に入ると、流体圧がダイヤフラム90′に作用し、ダイヤフラム90′とこれに連携するプラグ94′を下方に付勢し、連結された第2、第3ダイヤフラムとポペット・アセンブリ124′とをスプリング188′と190′の力に抗して押し下げる。その結果、バルブ・プラグ126′が下向きのバルブ・シート76′から離れ、導入口60′から排出通路62′を通って流体を流すことができる。
【0067】図8には、本発明のバルブ・アセンブリのもう一つの好ましい実施例が示されている。図2〜7に示されたのと同じ図8の装置の部品には、同じ符号に二重のダッシュ(″)を付して示している。図8の実施例は図5〜7の実施例と同じであるが、ポペット・アセンブリ124″が逆になっている。即ちバルブ・アセンブリ52″は常時開の状態にあり、バルブ・プラグ128″はスプリング188″と190″とによってバルブ・シート74″から離れるように付勢されている。
【0068】上に述べた本発明のダイヤフラム・バルブの好適実施例の説明はあくまでも例示である。例えば、図2〜4を参照して述べた「三方向バルブ」は、ポート60を排出口として使用し、ポート62と64を二つの別の流体の導入口として使用することもできる。当業者であれば種々の改変を行うことが可能なので、本発明は上述の実施例に限定されるべきでない。本発明の範囲は次に述べる請求の範囲によって規定されるものである。
【出願人】 【識別番号】591189317
【氏名又は名称】フロン・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FURON COMPANY
【出願日】 平成10年(1998)7月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開平11−118048
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平10−198914