| 【発明の名称】 |
軸封装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鉾井 雄一
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| 【要約】 |
【課題】節水化が図れ、保守点検が容易で、既設ポンプなどでもケーシングを改造することなく従来方式と無給水方式の両方に対応できる軸封装置を提供する。
【解決手段】シャフト3がケーシング2を貫通する箇所で、シャフトとケーシングの間に、シャフトの軸方向に多段に複数のパッキン60を積層配置して軸封装置1を形成する。各パッキンは、シャフトの軸方向に延びる円筒部61と、円筒部の前後両端部に同一方向に湾曲あるいは屈曲するフランジ部62、63とを備える。円筒部の外側のフランジ部は、端部においてケーシングの内壁面には到達せず、ケーシングの内壁面に接する外側のフランジ部には、端部を除いて連通孔62、64が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】回転シャフトとケーシング間に、このシャフトの軸方向に多段に積層配置される複数のパッキンを有する軸封装置において、前記各パッキンは、シャフトの軸方向に延びる円筒部と、この円筒部の前後両端部に位置し、シャフトの軸方向と同一方向に湾曲あるいは屈曲するフランジ部を備え、前記円筒部からみて外側のフランジ部は、この円筒部の前後いずれかの端部に位置するものがケーシングの内壁面に届かない長さであって、ケーシングの内壁面に接する外側のフランジ部には、先頭及び末尾の一方に位置するものを除いて連通孔を有し、各フランジ部のうち円筒部からみて内側のものは、円筒部の前後いずれかの端部に位置するものが折り返し部を有しており、先頭及び末尾の他方に位置するものを除いて連通孔を有しており、各パッキンの円筒部とケーシングの間の空間に冷却液が供給され、各パッキンの円筒部とシャフトの間の空間に潤滑油が供給されていることを特徴とする軸封装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプなどの軸封装置または軸封部に係り、特に冷却液と潤滑液を同時に供給する軸封装置または軸封部に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のポンプ用軸封装置では、グランドパッキンと呼ばれるものを用いていた。これは、軸の周囲に形成される隙間に詰め物(パッキン)を入れ、パッキン押えで締め付けて直径方向の力(接面圧力)をかけて、ポンプ内からの漏れを制限するものである。図3は、従来のグランドパッキン方式の軸封部1を示しており、2はシャフト3が貫通するケーシング、4は軸封部におけるシャフト3の摺動面に装着されるグランドスリーブ、6はケーシング2とシャフト3の周囲に形成される隙間にシャフト軸方向に多段に積層配置されたパッキン、7はパッキン6の間に挿入される封水リング、9はパッキン押え、10は外部より冷却や潤滑のための水を供給するための給水穴である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の軸封装置を有する既設ポンプについて、無給水化を図るために異種(異型)の軸封装置を組み込むと、ケーシングそのものを交換しなければならないことがあり、大掛かりな改造によるコストの増大という不具合を生じる。 【0004】本発明の目的は、従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、節水化が図れ、保守点検が容易で、既設ポンプなどでもケーシングを改造することなく従来方式と無給水方式の両方に対応できる軸封装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の特徴は、回転シャフトとケーシング間に、このシャフトの軸方向に多段に積層配置される複数のパッキンを有する軸封装置において、各パッキンは、シャフトの軸方向に延びる円筒部と、この円筒部の前後両端部に位置し、シャフトの軸方向と同一方向に湾曲あるいは屈曲するフランジ部を備え、前記円筒部からみて外側のフランジ部は、この円筒部の前後いずれかの端部に位置するものがケーシングの内壁面に届かない長さであって、ケーシングの内壁面に接する外側のフランジ部には、先頭及び末尾の一方に位置するものを除いて連通孔を有し、各フランジ部のうち円筒部からみて内側のものは、円筒部の前後いずれかの端部に位置するものが折り返し部を有しており、先頭及び末尾の他方に位置するものを除いて連通孔を有しており、各パッキンの円筒部とケーシングの間の空間に冷却液が供給され、各パッキンの円筒部とシャフトの間の空間に潤滑油が供給されているものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸封装置の一実施例を図1及び図2を用いて説明する。◆なお、両図において図3に示したものと同一物あるいは相当物には同一符号を付している。軸封部1は、ポンプの吐出口より冷却水を給水する無給水方式のものである。ケーシング2はねずみ鋳鉄FCで、シャフト3はステンレス鋼SUSまたは炭素鋳鋼SCである。また、グランドスリーブ4はステンレス鋳鋼SCSまたはステンレス鋼SUSである。60は、本発明になるパッキンで、綿・カーボン繊維などを編み上げたものに合成樹脂を含新硬化させて成形したものである。 【0007】パッキン60は図2に拡大して示すように、シャフト2の軸方向に延びる円筒部61とこの円筒部の前後両端部にこのシャフトの軸方向について同一方向に湾曲あるいは屈曲するフランジ部62、63を備え、円筒部61からみて外側のフランジ部62a,63aは円筒部61の前後(図の右側を前、左側を後ろとする)いずれかの端部に位置するもの(図では後ろのもの)63aがケーシング2の内壁面2Aに届かない長さであって、ケーシング2の内壁面2Aに接する外側のフランジ62a,63aには前方先頭及び後方末尾の一方に位置するもの(図1では末尾のもの)を除いて連通孔64を有し、フランジ部62、63のうち円筒部61からみて内側のもの62b,63bは円筒部61の前後いずれかの端部に位置するもの(図では後ろのもの)が折り返し部65を有しており、先頭及び末尾の他方に位置するもの(図1では先頭のもの)を除いて連通孔66を有している。 【0008】図1に示すように、ケーシング2にはポンプの吐出口より冷却水を給水する給水穴10があり、パッキン押え9には潤滑油を供給するための給水孔9aがある。したがって、連通孔64、66は冷却水や潤滑油通路となって、図1、図2に点線で示すように冷却水、潤滑油が流れ、ケーシング2、グランドスリーブ4、パッキン押え9及びパッキン60の円筒部61で区画された空間に冷却水と潤滑油がそれぞれ行き渡り、冷却と潤滑の機能が十分達成される。このため、図3に示す封水リングが必要なく、先頭のものと末尾に配置するものには連通孔を設けていないので気密性も確保でき、潤滑油がポンプ内に漏れて水質汚染を起こしたり、冷却水が外部に漏れることがない。 【0009】保守点検時には、パッキン押え9をケーシング2から外し、治工具類を外側後方のフランジ部63aに係合させることができるため、1個ずつの引き出し作業を容易に行うことができる。組み立て時には先頭のものと末尾に配置するものを取り違えないようにして、交換する新品のパッキン60を1個ずつ挿入し、、パッキン押え9をケーシング2に固定する。この場合、挿入方向にフランジ部62、63が屈曲しているため挿入も容易である。挿入の際に折り返し部65がグランドスリーブ4との摩擦でめくれて封水性が向上する。パッキン60の取り出しや挿入が容易であるから保守点検に時間がかからず、煩わしさが無い。 【0010】図1と図3を対比して分かるように、パッキン60は給水式でも無給水式のものにでも適用できるから、既設装置の改造は不要であり、コストが大幅に低減される。図1、図2ではフランジ部が屈曲したものであるが、湾曲したものでもよい。また、保守点検時におけるパッキン60の引き出しや封水性向上を考慮する場合には、フランジ部の屈曲あるいは湾曲方向を図1、図2とは逆の方向として各パッキン60を配置してもよい。 【0011】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、節水化が図れ、保守点検が容易で、既設ポンプなどでもケーシングを改造することなく従来方式と無給水方式の両方に対応できる軸封装置を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000233077 【氏名又は名称】日立テクノエンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男
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| 【公開番号】 |
特開平11−304004 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−113033 |
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