| 【発明の名称】 |
シールリングの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 正克
【氏名】星野 修司
【氏名】藤沢 勝秀
【氏名】多田 義隆
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| 【要約】 |
【課題】継手部への組み付け性が良好で、しかもシール性、耐久性の優れたシールリングを安価に提供する。
【解決手段】充填材10は、フック付鉄板13の両面に軟質材層を形成している。金属薄板11により、この充填材の周囲を巻回している。上記充填材10は、シート材を切断する事により造られた帯状の素材を円環状に丸めて成る。そして、直径方向に亙って2層以上重ね合わせている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製芯材の少なくとも片面に軟質材層を形成したシート材により造られた充填材と、この充填材の周囲を巻回した金属薄板とにより構成された、全体が円環状のシールリングに於いて、上記充填材は、上記シート材を切断する事により造られた帯状の素材を円環状に丸めて成るものである事を特徴とするシールリング。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明に係るシールリングは、例えば自動車用エンジンから排出される排気を流す為の排気管の継手部分に組み込み、この継手部分の気密保持を図る為に利用する。 【0002】 【従来の技術】自動車用エンジンから排出される排気は、排気管を通じて大気中に放出されるが、車体前部に設けられるエンジンから車体後部に迄排気を導く排気系の途中には、複数の継手を設けて、排気系の上流端をエンジンのエキゾーストマニホールドに接続したり、排気系を構成する排気管同士を接続したり、更には排気系の途中に消音器や排気浄化器を接続したりしている。 【0003】この様に各排気管の端部同士を接続する為の継手には環状のシール材を組み込んで、上記継手を構成する1対のフランジ同士の間の気密保持を図る様にしている。この様に、継手に組み込むシール材として従来から、例えば実開昭53−101962号公報には、図9〜10に示す様な渦巻ガスケットやシールリングが記載されている。 【0004】この内、図9に示した渦巻ガスケット1は、SUS304等のステンレス鋼製の帯状金属薄板2と軟質のコンパウンド層3とが直径方向に亙って交互に存在する様に、互いに重ね合わされた帯状金属薄板2とコンパウンド層3を構成する帯状のシート材とを、螺旋状に巻回する事により構成している。上記帯状金属薄板2の断面は波形に形成して、この帯状金属薄板2が圧縮方向の力に基づいて弾性変形し易くし、上記渦巻ガスケット1を1対のフランジ同士の間で挟持した場合に、十分なシール性を得られる様にしている。 【0005】又、図10に示したシールリング4は、複数枚(図10の例では3枚)の充填材5、5の周囲を、やはりSUS304等の金属薄板6により巻回する事により構成されている。上記各充填材5、5は、それぞれがフック付鉄板等の金属製芯材の両面に、軟質材製のコンパウンド7、7の層を形成したもので、それぞれがシート材を円輪状に打ち抜く事により構成されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され、継手を構成する1対のフランジ同士の間で挟持した状態で使用される従来の渦巻ガスケットやシールリング等のシール材は、製作費が嵩む為、より安価なシール材の実現が望まれている。 【0007】先ず、図9に示した渦巻ガスケットの場合、幅の狭い帯状金属薄板2を断面波形に形成し、更にこの帯状金属薄板2を螺旋状に巻く作業が面倒で、製作費を高くする原因となる。 【0008】又、図10に示したシールリングの場合、充填材5、5を造る為のシート材の歩留まりが悪く、やはり製作費を高くする原因となっている。即ち、円輪状の充填材5、5を造る場合、図10に示す様に、金属製芯材の両面にコンパウンド7、7の層を形成する事により平板状に造られたシート材を、プレス機により打ち抜く事で造るが、充填材5として打ち抜かれた部分の内側と外側とに、他に利用出来ない廃材が生じる。上記シート材に対する、この廃材の割合は相当に大きく、この結果、充填材5、5を構成する材料の歩留まりが相当に悪くなり、製作費が嵩む事が避けられない。 【0009】更に、上記従来構造によれば、何れの構造の場合でも、十分なシール性能を得る為には、渦巻ガスケット1やシールリング4を押圧する力を大きくしなければならず、継手に設けるボルトとナットとを緊締する為の力が大きくなり、それに伴なってフランジに歪みが生じ、ボルトから離れた部分の押圧力がかえって低下する場合がある。更に、温度上昇等によって上記ボルトが伸び、押圧力が低下した場合には、シール不良が生じる等、耐久性が必ずしも良くない。 【0010】本発明のシールリングは、上述の様な事情に鑑みて発明されたものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明のシールリングは、前述した従来のシールリング4(図10)と同様に、金属製芯材の少なくとも片面に軟質材層を形成したシート材により造られた充填材と、この充填材の周囲を巻回した金属薄板とにより構成され、全体が円環状に形成される。 【0012】特に、本発明のシールリングに於いては、上記充填材は、上記シート材を切断する事により造られた帯状の素材を円環状に丸めて成るものである事を特徴としている。 【0013】 【作用】上述の様に構成される本発明のシールリングは、特に面倒な加工作業を必要とせず、しかも充填材を造る為の材料の歩留まりを極めて高く出来る為、製作費の低廉化を図れる。又、使用時にシールリングに加わる力の作用方向と、上記充填材の面方向とが一致している為、比較的小さな力で上記シールリングが圧縮される。この為、十分なシール性能を得る為に、上記シールリングに加えなければならない荷重が小さくて済む。更に、フランジ剛性を低く出来て、ボルトを含めた締結部のコストダウンを図れる。 【0014】 【実施例】図1〜6は本発明の実施例を示している。本発明のシールリング9は、充填材10の周囲を金属薄板11により巻回する事により、断面が円形で全体を円環状としている。この内の充填材10は、図2に示す様な帯状の素材12を、図3或は図4に示す様に円環状に丸め、直径方向に亙って2層以上重ね合わせて成る。 【0015】又、上記素材12を造る場合、先ず、金属製芯材であるフック付鉄板13の両面に、軟質材である膨張黒鉛粒子をプレス成形する事により板状としたものを貼着して、上記素材12よりも幅広のシートとし、このシートを任意の幅寸法に切断する事により、上記素材12とする。尚、この素材12の厚さ寸法Tと幅寸法Wとは、この素材12を組み込んで造られるシールリング9の断面直径Dに応じて設計的に定めるが、例えば上記直径Dを3.5〜5mmとする場合、上記厚さ寸法Tを1.0〜1.6mm程度、上記幅寸法Wを2.5〜4.2mm程度とする。 【0016】上述の様にして造られた素材12は、図3に示す様に、造るべきシールリング9の2周分の長さを有するものを1枚、螺旋状に巻回するか、或は図4に示す様に、造るべきシールリング9の1周分の長さを有するものを2枚、それぞれ円形に丸め、内周側と外周側とに配置する事により、上述の様に、直径方向に亙って2層に重ね合わせる。そして、この様に直径方向に亙って2層以上重ね合わされた充填材9の周囲を、SUS304、SUS310S、或はインコネル製で、厚さが0.2〜0.3mm程度の金属薄板11により巻回する事により、図1に示す様なシールリング9として完成する。 【0017】上述の様に構成される本発明のシールリング9は、例えば図5〜6に示す様に、継手を構成する1対のフランジ14、15同士の間で挟持する。先ず、図5に示した構造の場合、一方のフランジ14の側面に形成した凹溝16に上記シールリング9を、一部がこの凹溝16から突出する状態で嵌着し、この突出部分に他方のフランジ15の側面を押し付けている。又、図6に示した構造の場合、接続すべき管17の端部を、上記一方のフランジ14の側面から突出させ、この突出部に上記シールリング9を外嵌すると共に、他方のフランジ15に形成した傾斜面18により上記シールリング9を、上記一方のフランジ14の側面並びに上記管17の端部外周面に押圧している。 【0018】前述の様に構成され、上述の様に継手部分に組み込んで使用される、本発明のシールリング9の場合、特に面倒な加工作業を必要とせず、しかも充填材10を造る為の材料の歩留まりを極めて高く出来る為、製作費の低廉化を図れる。 【0019】即ち、本発明のシールリング9を構成する充填材10は、図2に示す様な帯状の素材12を丸める事で造られるが、金属製芯材の両面にコンパウンドの層を形成する事により平板状に造られたシートからこの素材12を造る場合に生じる廃材は極く少量となる。従って、高価な膨張黒鉛粒子を軟質材として使用した場合でも、上記シールリング9の製作費が徒に嵩む事はない。 【0020】又、使用時にシールリング9に加わる力の作用方向(図1、5、6の上下方向)と、上記充填材10の面方向とが一致している為、この充填材10が変形し易く、比較的小さな力で上記シールリング9が圧縮される。この為、十分なシール性能を得る為に、上記シールリング9に加えなければならない荷重が小さくて済む。 【0021】例えば、本発明者が行なった実験によると、前記図9に示す様な従来の渦巻ガスケット1の場合、上記荷重とシール性(継手部からの気体の漏れ量)及びシールリングの歪み量(圧縮変形量)との関係が、図7に破線aで示す様に、前記図10に示す様な従来のシールリング4の場合、上記荷重とシール性及びシールリングの歪み量との関係が、同図に鎖線bで示す様に、それぞれ変化したのに対して、本発明のシールリング9の場合、上記荷重とシール性及びシールリングの歪み量との関係が、同図に実線cで示す様に変化した。 【0022】この図7の記載から明らかな通り、本発明のシールリング9によれば、継手部に設けるボルトとナットとの緊締力を特に大きくしなくても、十分なシール性を得られる。そして、十分な荷重を与えておけば、多少荷重が低下した場合でも、シール性を確保出来る。 【0023】尚、図3に示す様な充填材10を造る場合、予め図2に示す様に帯状に切断された素材12を図3、4に示す様に丸める他、図8(A)に示す様な矩形の素材19を同図(B)に示す様に丸めた後、同図(C)に示す様に、所定の幅寸法に切断して、充填材10とする事も出来る。この場合に於いて、上記素材19を同図(B)に示す様に丸めた状態で、この素材19の端縁をこの端縁が当接している外周面部分に接着すれば、後に続く切断作業等を容易に行なえる。尚、素材12の厚さTが十分に大きい場合には、金属薄板11内に収める充填材10を1層のみとする事も出来る。 【0024】 【発明の効果】本発明のシールリングは、以上に述べた通り構成され作用する為、適当な対圧縮性を有し、優れたシール性を有するシールリングを安価に提供出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000230386 【氏名又は名称】日本ラインツ株式会社
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| 【出願日】 |
平成4年(1992)7月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132337 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−249467 |
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