| 【発明の名称】 |
高密封ガスケット |
| 【発明者】 |
【氏名】ジョン エス フォリー
【氏名】ブライアン シー レアー
【氏名】デニス エム デンブシィ
【氏名】クリストファー エル モリス
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| 【要約】 |
【課題】低いフランジ圧力でさえ良好な密封特性を有するガスケットを提供することである。
【解決手段】二つの対向フェースとそれらの間に配置された側縁を有するガスケットが側縁に幅広いコーティングを与えられている。コーティングは、それがコーナからコーナへ進んでガスケットのフェース平面に直角な方向にガスケットの少なくとも片側においてコーナを過ぎて突出している。コーティングは、突出することなくコーナからコーナへ単に伸びている同じガスケットの密封能力よりすぐれた密封能力をガスケットに与えるに有効な量で突出している。開口部の周りにあるガスケット側縁を被覆する方法が空洞を開口部によって形成するようにガスケットシートを何枚か重ねる工程を含み、空洞の側面が被覆されるべき開口部縁である。コーティング材料は空洞内に注がれ、被覆されるべき縁に接触して被覆された縁を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】二つの対向フェースを備え、各フェースがフェース平面を有するシートからなるガスケットで、前記ガスケットがさらに開口部と前記開口部の周りに側縁を有し、前記側縁はフェース平面にほぼ直角であり、側縁はさらに、前記側縁より側縁に平行な方向に幅広いコーティングを表面に備え、コーティングが少なくとも一方のフェースのフェース平面を越えて少なくとも約0.025mm突出してフェース平面に直角な方向にフェース平面を過ぎて伸び、さらに前記シートが圧縮可能で多孔性であることを特徴とするガスケット。 【請求項2】少なくとも一方のフェース平面が前記側縁とフェースの間にあるコーナを通過する請求項1に記載のガスケット。 【請求項3】どのフェース平面も前記側縁とフェースの間にあるコーナを通過しない請求項1に記載のガスケット。 【請求項4】前記コーティングが前記側縁の一部分にだけある請求項1に記載のガスケット。 【請求項5】前記コーティングが前記側縁全体にある請求項1に記載のガスケット。 【請求項6】前記コーティングがガスケットの両フェースのフェース平面を過ぎて少なくとも約0.25mm伸びて、ガスケットに約1.76 kgf/cm 2 のフランジ圧力を持ったフランジにおいて完全シールを有する能力を与える請求項1に記載のガスケット。 【請求項7】前記コーティングがポリマーである請求項1に記載のガスケット。 【請求項8】油に対して密封をしなければならない油受けガスケット、又は歯車潤滑剤に対して密封を行わなければならないカバーガスケットのいずれかである請求項1に記載のガスケット。 【請求項9】吸気ガスケットのためのガスケットである請求項1に記載のガスケット。 【請求項10】圧縮機ガスケットである請求項1に記載のガスケット。 【請求項11】冷媒に対して密封しなければならない請求項1に記載のガスケット。 【請求項12】ガスに対して密封するガスメータガスケットである請求項1に記載のガスケット。 【請求項13】蒸気及び/又は薬品に対して密封する工業用フランジのためのものである請求項1に記載のガスケット。 【請求項14】前記側縁についている前記コーティングが油又は歯車潤滑剤に対して密封するアクリル樹脂又はアクリロニトリルである請求項1に記載のガスケット。 【請求項15】前記側縁についている前記コーティングがクロロプレーンポリマーである請求項1に記載のガスケット。 【請求項16】前記コーティングが、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、フルオロシリコーン、ポリウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、フルオロポリマー、水素添加ブタジエンアクリロニトリルゴム、シリコーンゴムコーティング、ブタジエンスチレンポリマー、フルオロエラストマーポリマー、フルオロシリコーンポリマー、アクリリックアクリロニトリルポリマー、カルボキシル化アクリロニトリルポリマー、カルボキシル化ブタジエンスチレンポリマー、クロロプレンゴムポリマー、エチレンプロピレンゴムポリマー、エチレン酢酸ビニールポリマー、エポキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択されたコーティング材料である請求項1に記載のガスケット。 【請求項17】二つのフェースを備え、各フェースがフェース平面を有するシートからなるガスケットで、前記フェース平面が互いにほぼ平行であり、前記ガスケットがさらに開口部と前記開口部の周りの側縁を有し、前記側縁はさらにフェース平面にほぼ直角であり、前記側縁は、前記側縁より側縁に平行な方向に幅広いコーティングを備え、コーティングが前記側縁のコーナを過ぎて突出して流体に対する障壁を形成するようにし、前記コーティングはコーティングが前記側縁より幅広くなかった場合にガスケットが持つであろうより優れた密封能力をガスケットに与えるのに有効である量でコーナを過ぎて行き、コーティングによって形成された障壁がさらにガスケットのフェース平面にほぼ直角な方向にコーナを過ぎて伸び、前記シートは圧縮可能で多孔性であることを特徴とするガスケット。 【請求項18】少なくとも一方のフェース平面が前記側縁とフェースの間にあるコーナを通過する請求項17に記載のガスケット。 【請求項19】どのフェース平面が前記側縁とフェースの間にあるコーナを通過しない請求項17に記載のガスケット。 【請求項20】前記コーティングが前記側縁の一部分にだけある請求項17に記載のガスケット。 【請求項21】前記コーティングが前記シートの前記側縁全体にある請求項17に記載のガスケット。 【請求項22】平行なフェース平面の両方が前記側縁と前記フェースの間を通過し、前記コーティングが両方のフェース平面を過ぎて突出する請求項17に記載のガスケット。 【請求項23】前記コーティングが少なくとも約0.13mmの距離各フェース平面を過ぎて突出する請求項17に記載のガスケット。 【請求項24】前記コーティングがポリマーである請求項17に記載のガスケット。 【請求項25】油に対して密封をしなければならない油受けガスケット、又は歯車潤滑剤に対して密封を行わなければならないカバーガスケットのいずれかである請求項17に記載のガスケット。 【請求項26】前記コーティングがアクリリックポリマー又はアクリロニトリルポリマーである請求項25に記載のガスケット。 【請求項27】圧縮機ガスケットである請求項17に記載のガスケット。 【請求項28】冷媒に対して密封しなければならない請求項17に記載のガスケット。 【請求項29】ガスに対して密封するガスメータガスケットである請求項17に記載のガスケット。 【請求項30】蒸気及び/又は薬品に対して密封する工業用フランジのためのものである請求項17に記載のガスケット。 【請求項31】前記ガスケットがディーゼルエンジンのための油受けガスケットである請求項25に記載のガスケット【請求項32】前記側縁についている前記コーティングがクロロプレーンポリマーである請求項28に記載のガスケット。 【請求項33】前記コーティングが、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、フルオロシリコーン、ポリウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、フルオロポリマー、水素添加ブタジエンアクリロニトリルゴム、シリコーンゴムコーティング、ブタジエンスチレンポリマー、フルオロエラストマーポリマー、フルオロシリコーンポリマー、アクリリックアクリロニトリルポリマー、カルボキシル化アクリロニトリルポリマー、カルボキシル化ブタジエンスチレンポリマー、クロロプレンゴムポリマー、エチレンプロピレンゴムポリマー、エチレン酢酸ビニールポリマー、エポキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択されたコーティング材料である請求項24に記載のガスケット。 【請求項34】前記コーティングが約0.13ないし2.0mmの範囲内の距離突出する請求項17に記載のガスケット。 【請求項35】前記コーティングが約0.25ないし2.0mmの範囲内の距離突出する請求項17に記載のガスケット。 【請求項36】二つのフェースを備えるガスケットシートにおいて、各フェースがフェース平面を有し、前記フェース平面は互いにほぼ平行で、前記ガスケットはさらにガスケットシートの周りに周辺を形成する外側縁を有し、前記側縁はフェース平面にほぼ直角であって、二つのコーナを備え、各コーナは前記側縁と一つのフェースの間にあり、側縁はさらに表面に少なくとも一方のガスケットフェースを過ぎて流体が流れるのを遅らせる障壁を形成するコーティングを有し、前記障壁はさらに前記コーナを過ぎてガスケットのフェース平面にほぼ直角に伸び、ガスケットシートがさらに圧縮可能で多孔性であることを特徴とするガスケットシート。 【請求項37】前記コーティングが各フェースのコーナを過ぎて伸びている請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項38】前記コーティングが前記シートの前記側縁全体にある請求項37に記載のガスケットシート。 【請求項39】少なくとも一方のフェース平面が前記側縁とフェースの間にあるコーナを通過する請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項40】どのフェース平面が前記側縁とフェースの間にあるコーナを通過しない請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項41】前記コーティングがポリマーである請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項42】油に対して密封をしなければならない油受けガスケット、又は歯車潤滑剤に対して密封を行わなければならないカバーガスケットのいずれかである請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項43】前記コーティングがアクリリックポリマー又はアクリロニトリルポリマーである請求項42に記載のガスケットシート。 【請求項44】圧縮機ガスケットである請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項45】冷媒に対して密封しなければならない請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項46】ガスに対して密封するガスメータガスケットである請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項47】蒸気及び/又は薬品に対して密封する工業用フランジのためのものである請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項48】前記側縁についている前記コーティングがクロロプレーンポリマーである請求項45に記載のガスケットシート。 【請求項49】前記コーティングが、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、フルオロシリコーン、ポリウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、フルオロポリマー、水素添加ブタジエンアクリロニトリルゴム、シリコーンゴムコーティング、ブタジエンスチレンポリマー、フルオロエラストマーポリマー、フルオロシリコーンポリマー、アクリリックアクリロニトリルポリマー、カルボキシル化アクリロニトリルポリマー、カルボキシル化ブタジエンスチレンポリマー、クロロプレンゴムポリマー、エチレンプロピレンゴムポリマー、エチレン酢酸ビニールポリマー、エポキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択されたコーティング材料である請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項50】前記コーティングが約0.13ないし2.0mmの範囲内の距離伸びる請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項51】前記コーティングが約0.25ないし2.0mmの範囲内の距離伸びる請求項36に記載のガスケットシート。 【請求項52】二つの対向フェースと開口部を備えるガスケットシートであり、前記シートは圧縮可能で多孔性であり、前記開口部の周りに側縁を有し、前記縁は前記対向フェースにほぼ直角であり、前記側縁は、流体が前記開口部から側縁を過ぎてガスケットフェースのどちらか一方を横切って出て行くのを遅らせる障壁を形成するコーティングを表面に備え、前記側縁が各フェースに当接するコーナを備え、前記コーティング障壁がさらにガスケットのフェースス平面のほぼ直角な方向に前記側縁の各コーナを過ぎて少なくとも約0.13mm伸びており、さらにコーティングはガスケットの各コーナに当接する表面を有することにしており、前記コーティング表面は、前記側縁の上へのコーティングの結果が前記側縁にほぼ直角な方向に段々に幅広くなるにつれて前記シートと前記開口部の間でガスケットシートニ当接する各側に傾斜平面を形成することを特徴とするガスケットシート。 【請求項53】前記コーティングがガスケットの両方のフェース上のフェース平面を過ぎて少なくとも約0.25mm伸びて、ガスケットにフランジ内の完全シールをもつ能力を与える請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項54】油に対して密封をしなければならない油受けガスケット、又は歯車潤滑剤に対して密封を行わなければならないカバーガスケットのいずれかである請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項55】吸気ガスケットのためのガスケットである請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項56】圧縮機ガスケットである請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項57】冷媒に対して密封しなければならない請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項58】ガスに対して密封するガスメータガスケットである請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項59】蒸気及び/又は薬品に対して密封する工業用フランジのためのものである請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項60】前記側縁についている前記コーティングが油又は歯車潤滑剤に対して密封するアクリル樹脂又はアクリロニトリルである請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項61】前記側縁についている前記コーティングがクロロプレーンポリマーである請求項57に記載のガスケット。 【請求項62】前記コーティングが、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、フルオロシリコーン、ポリウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、フルオロポリマー、水素添加ブタジエンアクリロニトリルゴム、シリコーンゴムコーティング、ブタジエンスチレンポリマー、フルオロエラストマーポリマー、フルオロシリコーンポリマー、アクリリックアクリロニトリルポリマー、カルボキシル化アクリロニトリルポリマー、カルボキシル化ブタジエンスチレンポリマー、クロロプレンゴムポリマー、エチレンプロピレンゴムポリマー、エチレン酢酸ビニールポリマー、エポキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択されたコーティング材料である請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項63】前記コーティングが約0.13ないし2.0mmの範囲内の距離突出する請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項64】前記コーティングが約0.25ないし2.0mmの範囲内の距離突出する請求項52に記載のガスケットシート。 【請求項65】二つの事実上対向するフェース面と前記フェース面に垂直な側縁を備えた開口部を有する柔軟なガスケットシートの開口部側縁にコーティングをつける方法であり、各ガスケットシートの開口部の寸法と形がほぼ同一である複数のガスケットシートを重ねて、前記複数のガスケットシートの各開口部によって空洞を形成するようにする工程と、各ガスケットシート上の開口部の側縁をコーティング材料と接触させて側縁が被覆される開口部の側縁に沿ってガスケットの十分な密封を達成するのに有効な量で前記側縁が被覆された状態になるようにする工程を含むガスケットシートの開口部側縁にコーティングをつける方法。 【請求項66】各シートがまたロッド受け開口部を有し、さらにガスケットシートを重ねてロッドを各シートのロッド受け開口部を通して挿入することによって位置を揃えられることにしている請求項65に記載の方法。 【請求項67】コーティング材料を保持するウェルが前記複数のガスケットシートの開口部によって形成された空洞の一端に置かれ、さらに、開口部の縁がウェルをひっくり返すことによってコーティング材料と接触させられ、コーティング材料がウェルから流れ出てシート側縁に沿って空洞の中に入りガスケット側縁がコーティング材料によって接触されて被覆されるようにする請求項65に記載の方法。 【請求項68】複数のシートが少なくとも一つのスぺーサを有し、そのスぺーサは開口部を有し、少なくとも二つのガスケットシートの間に置かれている請求項65に記載の方法。 【請求項69】各ガスケットの開口部は、大きさと形が同一で、各スぺーサが前記スぺーサの各側ににあるガスケットシートの開口部と較べてA)同じ寸法、B)幅が広い又はC)小さいかのいずれかである請求項68に記載の方法。 【請求項70】各スぺーサの開口部が各スぺーサの各側にあるガスケットの開口部よりB)幅広い請求項69に記載の方法。 【請求項71】各スぺーサの開口部が各スぺーサの各側にあるガスケットシートの開口部より約0.13mmないし約3.2mm大きい請求項69に記載の方法。 【請求項72】各スぺーサの開口部が各スぺーサの各側にあるガスケットシートの開口部より約0.08mmないし約0.3mm大きい請求項69に記載の方法。 【請求項73】各スぺーサの厚さが少なくとも0.13mmである請求項68に記載の方法。 【請求項74】各スぺーサの厚さが約0.13ないし3.8mmの範囲内にある請求項68に記載の方法。 【請求項75】少なくとも一つのスぺーサが少なくとも約35%の最小ボイド体積を有する請求項68に記載の方法。 【請求項76】少なくとも一つのスぺーサが少なくとも約35ないし約75%の範囲にあるボイド体積を有する請求項68に記載の方法。 【請求項77】少なくとも一つのスぺーサが少なくとも約15%の最大ボイド体積を有する請求項68に記載の方法。 【請求項78】少なくとも一つのスぺーサが少なくとも約15ないし約0.01%の範囲にあるボイド体積を有する請求項68に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は低いフランジ圧力の下でも良好な密封特性を有するガスケットに関するものである。さらに詳しくは、本発明は流体を密封するために用いられるガスケットを提供するものである。フランジに装着され流体に対する密封機能を有する本発明のガスケットは、ガスケットシートの内部を通るのとガスケットフェースを伝わる両方の流体の漏れに対して双方共密封できる。 【0002】 【従来の技術】ガスケットシートはエンジン内の流体を密封するために用いられている。多くの解決策がガスケットの良好な密封性(密封能力)を得るために採用されてきている。 【0003】ガスケットのフェースにビーディングすることが知られている。そのようなビーディングはフェース上につけられた隆起領域であるが、このビーディングは縁を越えて伸びることはなく、さらに側縁に迄及ぶことがない。このようなビーディングは密封能力を高めるために用いられている。 【0004】高温の下で良好な密封能力を与えるために用いられ得る一つのガスケット材料が米国特許第5,240,766号に記述されている。この参考文献には繊維、増量剤及び結合剤から成るガスケットシート材料の記載がある。本文献によれば、増量剤の成分が望ましい密封性をもたらすという。 【0005】ガスケットシート材料に関する記載がある別の参考文献は米国特許第5,536,565号である。この文献は繊維と増量剤からなるガスケットシート材料について記載している。この増量剤の成分はゲル形成鉱物質を含有することが必要である。この増量剤は特に極性液体に対する優れた密封特性をガスケットに与えるという。 【0006】エンジン内の流体に対するシールを得るためにガスケットが広く用いられているけれども、良好な密封能力を得ることがよ然としてガスケットシート材料における問題である。多くのガスケットは、低いフランジ圧力の下ではよく密封しない。他のガスケットでは密封能力の良いガスケットシートを得るために特殊なコーティングを施している。残念ながら、その場合には、そのような被覆はガスケットの圧縮破損抵抗を悪くする要因となっている。 【0007】本明細書記載のガスケットは低いフランジ圧力の下であってさえ良好な密封能力を提供するものである。いくつかの実施形態においては、ガスケットは、優れた密封能力を得るために、無被覆であるか又は僅かに限られた量だけの被覆をつけられ、したがって、ガスケットを圧縮破損に耐えられるようにできる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低いフランジ圧力でさえ良好な密封特性を有するガスケットを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】ガスケットシートは相対する2表面及び,この相対する2表面に対してほぼ直角であるガスケットシート側縁(開口部側縁又は開口部のガスケットシート側縁とも称する)を伴う開口部から成っている。シートの側縁はさらに流体が開口部から側縁を越えてガスケットのフェースを横断する流体を阻止するための障壁又はせきを形成する少なくとも一つの物体を持っている。この障壁は側縁又はガスケットフェースから突出できる。障壁が側縁から突出する場合には、それはガスケットのフェースに対して直角方向に幅が広くなり、開口部とシート側縁の間のある点においてコーナー平面を越えて突出する。障壁は開口部からガスケットのフェースを横断する流体の流れを抑止するに十分に幅広く、したがって障壁が側縁コーナー通過する平面内のある点で止まる(フェースと側縁の間のコーナーで止まる)場合に、ガスケットが持つであろうよりもさらに優れた密封能力をガスケットに与えるに有効であるのに十分な距離だけガスケットシート側縁のコーナーを越えて突出する。 【0010】本発明のほとんどの実施形態においては、障壁は開口部のガスケットシート側縁の厚さよりも幅広いコーティングによって形成され、シートの側縁に対して平行な方向にフェースと縁の間の一つのコーナーから他方のフェースと側縁の間の他方のコーナーに進むコーティングの幅だけある。したがって、コーティングは側縁のところでシート側縁の表面に対して平行な方向に前記コーナーの少なくとも一つにおいてそれを越えて突出するに十分な程幅広い。このガスケットシートの開口部側縁上のコーティングは、ガスケットシート側縁の厚さと同等な幅しかなく、両コーナーの所で終わっているようなコーティングを有する場合にガスケットが持つであろうより、さらに優れた密封能力をこのガスケットに与えるのに十分な量だけ一方の前記コーナーを越える。しかし、コーティングは、必ずしもコーナーの周りでガスケットのフェースの上に折り重ならない、選択的には可能ではあるが。 【0011】シート側縁上のコーティングで、開口部のガスケットシートの側縁とフェースとの間にある少なくとも一方のコーナ(そこで側縁とガスケットフェースが出会う)を越えるものを、本明細書では「幅広側縁コーティング」又は「張出コーティング」という。コーナは側縁の両側に位置し、フェースと側縁との間の点でフェースと境を接している。この点は、多孔性なことが多い裁断された側縁が終って、気孔が少なく裁断されていない側縁が始まる点として容易に識別できる。 【0012】幾つかの実施形態においては、ガスケットの外側を取り巻くシートの側縁に張出コーティング(C型コーティング)をつけられたガスケットがある。これは2次的な密封場所であって、ガスケットを通過してフランジの外側に漏れて来る流体を封じるもので、そしてそれはガスケットが最初に主として流体に対してさらされるところでガスケットを封じる開口部の側縁につけたコーティング(第1次密封)に比べて好ましくない。ガスケットの周辺を取り巻く側縁コーティング(C型コーティング)は、ガスケットシートの側縁の少なくとも片方のコーナを越えて張出していなければならない、そしてフェース平面がガスケット側縁のコーナを通過しない実施形態においては、コーティングはフェース平面を越えて突出していることが好ましい。 【0013】ガスケットに付与された張出コーティングはどちらか片側又は両側のフェースの上に伸びてもよいし、被覆が障壁となるように突出する必要があり、ガスケット覆う水平被覆であってはならない場合以外は、ガスケットの一方又は両方のフェースを完全に覆う程に伸びてもよい。側縁コーティングが側縁においてコーナ平面又はフェース平面を越えて突出すれば、コーティングは、流体が開口部から側縁を越えてフェースとフランジ間をガスケットフェース上に出るのを阻止する障壁を形成し、側縁が周辺側縁である場合、コーティングの突出は流体がガスケットを過ぎてフランジから出るのを止めるであろう。 【0014】なお、完全に被覆されたガスケットは本発明によって与えられた密封能力をりようできるが、実施形態によっては、圧縮破損抵抗を保つために被覆の量はガスケットのある部分のみを覆うように限定し、残りの部分は被覆しないままで残しておくことが望ましい。そのような実施形態においては、幅広コーティングを用いてガスケット自体を貫通する流体に対してガスケットの開口部側縁を密封することが望ましい。圧縮破損抵抗を保つためにはガスケットの最大約50%迄の被覆が好ましく、さらに好ましくは、それは最大でもガスケットの約30%を覆うように制限されることである。他の好ましい実施形態においては、ガスケットが最適化された圧縮破損抵抗を持つようにガスケットのどちらのフェースにも被覆がない。 【0015】圧縮破損抵抗とはその破損点に至る迄変形なしにガスケット構造物が圧力に耐える能力である。つぶれ試験は産業界に受入れられた圧縮破損抵抗の測定法である。ガスケットが有すべき圧縮破損抵抗の程度は通常ある特定の用途又は特定のフランジにおいて遭遇するであろう負荷によって設定される。 【0016】都合がよいのは、側縁上のコーティングはガスケットに優れた密封能力を与えるために被覆されるべき側縁の各部分のすべてを覆うことである。例えばボルト領域又は側縁の非多孔性部分において側縁のコーティングをつける必要がないことがある。側縁はガスケットがより良い密封能力を備えるように被覆される。許容できる実施形態は側縁の大部分をコーティングが覆っているものを含む。したがって、ガスケットシート側縁を開口部の側縁に沿ってガスケットの十分な密封を達成するのに有効な量で被覆できる。例えば、側縁を開口部のガスケット側縁の約75%まで被覆できる。このような実施形態は、ガスケットの側縁全体を被覆することから得られた最良の密封能力を使用する必要のない場合に、良好な密封能力を得るために用いることができる。しかし、側縁全体を被覆することができれば望ましい。 【0017】 【発明の実施の形態】図1は、被覆側縁を有する開口部のガスケットの断面部分の拡大写真である。開口部のガスケットシートの被覆された側縁の一部分が断面で示され、このシート側縁は、対向する平行したフェースに対してほぼ直角であり、一方の平面はガスケットの互いのフェースに沿っている(フェース平面)。この写真ではガスケットがほぼ平行な二つのフェースを有することが見て取れる。また写真では被覆されたシートの側縁とフェースとの間のコーナがガスケットシートの上側と下側に見られる。コーティング部分は、被覆されたガスケットの側縁に対して平行方向に、側縁よりも幅が広いので、被覆された側縁のコーナを通り過ぎるので側縁にあるコーナを過ぎて突出する。さらに、実際、コーティングは、ガスケットの少なくとも片側においてフェース平面を通り過ぎてコーティング自体が突出するように十分に幅が広い。コーティングはシリコンゴムコーティングである。 【0018】図2は、被覆側縁を有する開口部のあるガスケットの一部分の断面の拡大写真である。被覆されたガスケットの縁側の一部分が示されている。ガスケットシートの被覆された側縁がみられ、各フェースたいして及びガスケットのほぼ平行なフェースの各々沿っている対向する平行なしたフェース平面に対してほぼ直角である。この写真ではガスケットの各フェースとガスケットシートの被覆された側縁との間のコーナがガスケットの上側と下側に見られる。図2において、ガスケットの側縁に対して平行な方向にコーナからコーナに向かって進む方向にコーティング部分を通過するので、コーティング部分は被覆されたガスケットシートの側縁よりも幅が広く、実際に、側縁の両方のコーナを通り越してコーティング自体が突出する程に十分に幅が広く、この実施形態においては、ガスケットの両側のフェース平面を通り越してコーティング自体が突出している。これによってこのガスケットにはコーティングがガスケットの各フェースと同一レベルにある場合よりも優れた密封能力が与えられる。従ってそれが本ガスケットに対して、ガスケットシートの側縁において開口部からガスケットシートのフェースを横切る流体の流れを妨げる障壁を与える。この実施形態においてはコーティングもガスケットの両側のガスケットフェースの上に伸び出ている。コーティングはアクリルラテックスである。 【0019】図3は、被覆側縁を有する開口部のガスケットの断面部分の拡大写真である。被覆された側縁はガスケットの各フェースに対して及び各ガスケットのフェースを含む相対した平行な二つのフェース平面の各々に対してほぼ直角である。この写真はガスケットシートの被覆された側縁の一部分を示している。また写真では各フェースと被覆されたガスケエトシートの側縁との間のコーナがガスケットの上側と下側に見られる。ガスケットの側縁に対して平行にコーナからコーナへと向かう方向に、コーティング部分は側縁よりも幅が広く、実際にコーティングはガスケットの両側のフェースを通り越してコーティング自体が突出するように十分に幅が広い。この実施形態においては、コーティングはガスケットフェースのどちらのフェースの上にも伸び出していない。ガスケットの両側においてコーティングはある点に到達するまで側縁よりも次第に幅広くなる。この写真に示した実施形態は良好なシールから完全なシールに至る範囲の密封能力を持ったガスケットを与え、同時にガスケットフェースのどちらもガスケットを密封するどんなコーティングもないので最良の(最も最適化された)圧縮破損抵抗を与える。コーティングはアクリルラテックスである。 【0020】図4は、ガスケットシートの側縁(71)の上に被覆を有するガスケットの一部分の拡大断面図であり、前記側縁はガスケットの表裏フェース(15,30)を含む相対する2平面(34,35)に対してほぼ直角である。そしてコーティングは、側縁に対して平行方向に、ガスケットがガスケットの両側にある平面(34,35)を通り越すように十分に幅広い。ここに、平面34と35はフェース平面及びコーナ平面(フェースと被覆されたガスケット側縁の間のコーナを通過する)の両方を兼ねている。コーティングはガスケットの側縁(71)から離れる方向に向けて段々に大きくなっているので、その最大幅の点に至る迄傾斜面を形成するようにコーティングにテーパー効果を与える。これはガスケットのフェースに沿う流体の通路に対する障壁を形成する。これが本発明の好ましい実施形態である(図3にも示されている)。 【0021】図5は、開口部のガスケットシートの側縁(72)にコーティングを有するガスケットの一部分の拡大断面図であり、前記側縁は相対する両フェース(17,31)に対してほぼ直角である。このコーティング(18)は、ガスケットの側縁(72)の上方にあるガスケットのコーナ及びフェース平面(54)を通り越して行くのに、側縁に対して平行な方向に、十分に幅広い。ここでは、フェース平面(54)は側縁のコーナを通過するコーナ平面(図示されていない)と同じでない。 【0022】図6は、開口部のガスケットシートの側縁(75)にコーティングを有するガスケットの一部分の拡大断面図である。この側縁(又は側縁面)は相対する両フェース(24,32)に対してほぼ直角である。コーティング(26)はガスケットの両側において「フェース平面」又は「コーナ平面」(37,38)を通り越して突出している。ここにでは、フェース平面とコーナ平面は同一面である。 【0023】図7は、被覆された側縁(12)を有するガスケット(10)の図で、ガスケットのフェースの一部分(11)も被覆されている。 【0024】図8は、図7に示されたガスケットの拡大断面図である。このコーティング(12)は開口部のガスケットシート側縁(76)に示されており、またフェース(25)にかぶさるコーティングの延長部分(11)も示されている。フェース・コーナ平面(39,65)が示されている。コーティングは両平面を通り越して突出して側縁(76)に対して平行な方向に進む。さらに好ましい実施形態において、コーティングは、図2及び図8に例示されているように、ガスケットフェース上ににある被覆の部分を越えて少なくとも約0.025mm突出する。図2において、コーティングはガスケットのフェース上に伸び出ているが、側縁に平行な方向に端から端までのコーティングは、ガスケットシートを通過するコーティングの表面から他方の側にあるコーティングの表面までの距離より幅広い。図8において流体に対する障壁が両フェース(25,33)を覆って伸びている。図2においてガスケットの両フェース上に、流体に対する障壁がガスケットフェースにのせられて僅かにガスケットフェースを覆って傾いている。 【0025】図9は、ガスケットシートの側縁(77)の上に被覆(41)を有するガスケットの一部分の拡大断面図である。コーティングはフェース(40)と側縁(77)との間にある側縁のコーナを通り越して突出している、(したがってコーナ平面(80)を通り越している)が、コーティングはフェース平面(36)を越えて伸びてはいない。このようなコーティングはガスケットの一方の側において、さもなければ開口部からガスケットのフェース(40)を経て漏れるかも知れない流体に対する障壁となるが、この障壁(せき)は図6のコーティングがフェース(24)を遥かに越えている程には高くない。 【0026】図10は、開口部のガスケットシート側縁(78)にコーティング(48)を施されたガスケットの外側縁すなわち周辺(47)示しているガスケットの拡大断面図である。このガスケットはビーディング(46)とフェース平面よりも低いフェース領域(49)を有し、これらの領域を型押しによって作られる。コーティング(48)はフェース平面兼コーナ平面である平面(60)を通り越している。フェース(44)と(45)は両方とも型押しとビーディングによって形成された領域を示し、フェース平面(60)の延長部はガスケットフェース通って、ガスケットの一方の端からガスケットを通り抜けて他方の端までに及んでいるいるのがわかる。フェース平面(60)はガスケットのフェース(45)の平らな部分と被覆された側縁(78)とフェース(45)の間のコーナを含むことを特記できる。 【0027】張出コーティングは流体を密封する必要のあるすべてのガスケットのフェースを横切る流体の流れを抑制ないし密封するために有効である。コーティングはガスケットの側縁のところに障壁を形成することによってこれを果たす。この「障壁」は側縁コーティングの突き出た部分であり又流体に対する好ましい障壁である。 【0028】柔軟なガスケット材料は流体にさらされた開口部に側縁シールを与えられて、流体に対するシールを得ることができる。意外ににも、密封能力の著しく上げるためには、シート材料の組成を変える必要がない。側縁コーティングはシールを助ける。意外にも、多くの場合にベースシートには著しい密封能力を必要としない。その上、側縁シールを有するベースシートは多くの異なる形式のフランジに対してもベースシートに何等の変更を加えることなく適合できるのである。 【0029】流体をシールするどんなガスケット材料でも本発明を利用できる。これには以下のものがある、被覆又は無被覆ガスケット、柔軟なガスケット材料、そして2層間に圧縮性或いは非圧縮性の芯(コア)を有するガスケット又はガスケットの片側に非圧縮性の下地シートを有するガスケットなどの積層ガスケット類。二層以上の層から成るガスケットへの実施形態では、開口部側縁上の張出コーティングは一つの層の上にのみついているであろう。しかし、張出コーティングは、フェースと側縁の間のコーナの一つから他方のフェースと側縁の間の他方のコーナへ向かう方向に完全に各層を横切って伸び、そして少なくとも一つのコーナの先まで行くことになるのが好ましい。コーティングは複数の層の間にあるどんな亀裂にも浸透し塞ぐことが好ましいであろう。 【0030】いくつかの実施形態では、障壁は少なくとも一つのフェース平面に対して直角な方向に、ガスケットシートの側縁とフェースの間のコーナを越えて伸びている。実施形態によっては、コーティングが側縁を覆って伸びている場合に側縁コーティング上に障壁を備えているものがある。ガスケットは開口部の両方のコーナを越えて突出した図6と図8におけるような障壁を有するのが好ましい。 【0031】しかし、本発明のいくつかの実施形態は、圧縮性で多孔質なしかもガスケットを通過しようとする流体を密封しなければならないガスケットに対して理想的に適し、非常に好ましいものである。そのような場合には、コーナからコーナへと側縁を覆てコーナを過ぎ、フェース平面に対して直角方向にコーナ平面を越えて突出する、ガスケットシートの側縁につけた広幅側縁コーティングが、より優れた密封能力をガスケットに与えるであろう、それは、特に、そのコーティングがガスケットのフェースを横切って通過する2種類の流体の流れ、すなわち、ガスケットを通過するのとガスケットフェースを横切るのとの両方を密封するからである。これは開口部がガスケットの中に切断されている場合に特に当てはまる。切断された側縁は、多孔質で圧縮性があるガスケットにおいてさえ切断されていない別のフェースよりも細孔が多いあろう。コーティングが細孔に浸み込むか又はそれらを封鎖するように側縁を被覆すればガスケットを通して染み出す可能性のある流体に対してを細孔を封じるのに有効であろう。 【0032】柔軟なガスケット材料は本発明の広幅側縁コーティングと共に使用することが好ましい。多くの種類の柔軟なガスケット材料は繊維と結合材とから成っている、別のタイプの柔軟なガスケット材料は結合材と増量材、例えばゴムとコルク、とから成っている。多くの柔軟なガスケット材料は繊維と結合材及び増量材とから成っている。そのような柔軟なガスケット材料は切断された開口部の場合シート側縁に沿って細孔を有する。このような細孔はガスケットの密封能力に対して有害なものである。従って、細孔に浸透するか又は少なくとも細孔を閉止する側縁コーティングをガスケットシートの開口部側縁に備えることが好ましい。いくつかの実施形態ではその開口部はボルト穴である。 【0033】ガスケットシート材料が繊維と結合材とから成っているときに、殆どの場合、増量材も併用されている。ガスケットシートは、重量で少なくとも1%の結合材と重量で少なくとも5%の繊維を含む必要がある。また、最少レベルで約1%の増量材も添加し得る。適正含有率の範囲は、結合材では約3ないし40重量%、繊維では約5ないし70重量%、増量材では約1ないし92重量%である。 【0034】ここに提示した側縁シールを用い得るガスケットの例は:吸気マニホールド、油受けガスケット(油に対する密封)、弁覆いなどのカバーガスケット(油に対する密封)又は車軸カバー(歯車潤滑剤に対する密封)、圧縮機ガスケット(此は屡々フレオン等の冷却媒体にさらされる)、ガスメーター・ガスケット(これはガスを密封する)、ウォーターポンプ・ガスケット(これは水と凍結防止剤を密封する)、そして工業用フランジのガスケットは蒸気及び/又は化学薬品類に対して密封を行う。個々の用途に対するコーティング種類は好ましい実施形態を達成するために重要である、即ちある特定の種類のコーティングは他のものよりも良く特定の流体を保持するからである。この広幅側縁シーリング設計は、実際に、ディーゼルエンジンの油受けの密封に対して、また吸気マニフォールドの真空を空気と燃料の混合物に対して密封するために意外にも適していることが発見された。冷凍剤にさらされる実施形態に対してはクロロプレン・ポリマーとアクリロニトリルが好ましいコーティングである、アクリル樹脂又はアクリロニトリルが油又は歯車潤滑剤にさらされるような実施形態に対して好ましいコーティングであるガスケットシートの開口部側縁の各終端にはガスケットフェースに境を接するコーナがある。各々のコーナは2本の別々の平行な無限平面(例えば、図8の平面39と平面65のような)の上に横たわると考えられる。この平面は、ガスケットフェースのほぼ平らなフェース領域に沿って伸びているとき「フェース平面」と称する。従って、フェース平面はガスケットフェースの平坦な表面領域を含む。一般に、開口部を取り囲むガスケットシートの側縁はフェース平面に対してほぼ直角である。無限平面がフェースと側縁との間のコーナを含むときのへいめんは「コーナ平面」である。フェース平面はコーナを通過しないで、一つの無限フェース平面と一つの無限コーナ平面の両方が存在するような場合がある(フェース平面(54)を示す図5及びコーナ平面(80)とフェース平面(36)を示す図9のように)。フェース平面がフェースとガスケットシートの開口部側縁との間のコーナを通過していれば、その平面はコーナ平面であると共にフェース平面でもある(コーナ・フェース平面)。コーティングが側縁とフェースとの間に存在するコーナを越えて伸びており、コーナ平面を通過して突出しているような図9に示すコーティング(41)では、コーティングはさもなければガスケットフェースの表面とフランジの間のガスケットフェースの上にしみ出てくる流体に対するシールとなるために、コーナ平面を越えて突出する必要がある。 【0035】いくつかの好ましい実施形態では、コーティングはコーナ平面とフェース平面の両方を越えて突出している(フェース平面がガスケットシート開口部の側縁のコーナを通過しない形式の実施形態)。このような実施形態はガスケットフェースとフランジの間をガスケットのフェースを横断してくる流体に対するずっと優れた障壁を提供する。 【0036】「側縁の厚さ」とは、側縁と一方のフェースの間に横たわる一方のコーナから側縁と他方のフェースの間に横たわる他方のコーナまでの側縁に沿った距離である。本発明においては、ガスケットのフェースを横断しガスケットを通過する密封能力を得るために、側縁コーティングがガスケットの少なくとも一方の側でコーナ平面を越えるように、側縁コーティングは側縁の厚さよりも幅広い。 【0037】殆どの場合、フェース平面とコーナ平面は同じ平面であろう。しかし、場合によっては、圧力を用いて、あるフェース領域をそのフェースの残部とは異なる平面に押し入れることができる。開口部に隣接してこのことが起これば、フェースと側縁の間のコーナが丸くなることがあってコーナ平面の位置を決めることが一層困難になる可能性がある。そのような場合には、コーナ平面は側縁の切断部分が終わる点に注目すれば容易に位置決めされ、この点はコーナ平面内にある。側縁の切断部分は普通ガスケット面のどちらのガスケットフェースよりも多くの細孔を含んでいるので、ガスケットの内部の材料の断面を示すことにより外観で区別することもできる。 【0038】図9,10,4,6,及び3にあるような、ガスケットの側縁に与えられたコーティング部分を、本明細書ではコーティングAと称する。図2と8はコーティングAがガスケット材料の側縁に与えられた実施形態を示し、このコーティングはガスケットのフェースの上にも一部分重なっているので、これはコーティングBをも有している。コーティングがガスケットのフェースを覆うように伸びている場合、フェース上に伸びたコーティングの部分をコーティングBと称し、たとえば図8と図2に見られ、コーティングAはガスケット側縁にある。コーティングAと似たコーティングでガスケットシートの外側周囲の側縁を覆うものを、本明細書ではコーティングCと称する。コーティングCがガスケットのフェースの上に伸びている場合、それはコーティングBである。好ましいのは、コーティングAがコーティングBを越えて伸び、少なくともガスケットの一方の側においてコーティングBのフェースから少なくとも約0.025mm突出することである。さらに好ましいのは、コーティングAが少なくとも約0.13mmコーティングBを越えて突出することである。最も好ましいのは、コーティングAが少なくともガスケットの一方の側において少なくとも約0.25mmコーティングBを越えて突出することである。好ましい実施形態はガスケットの両側においてコーティングBを越えて突出したコーティングAを有する。コーティングAが側縁のコーナでガスケットフェースを越えて伸びている(従ってフェース・コーナ平面を越えて突出している)、又はコーティングAがコーティングBを越えて伸びている形状構成を「リップ構成」又は「リップ」と称する。このリップはコーティングの開口部側で流体に対する障壁又はせきを形成する。 【0039】開口部の周囲を取り巻いており、ほぼ相対している両フェースに対してほぼ直角である少なくとも一つの側縁に、側縁のコーナの少なくとも一つを越えて伸びている(前記コーナのコーナ平面を通過して突出している)広幅側縁被覆をつけることができる。フェースと側縁の間のコーナの一方から他方のフェースと側縁の間の他方のコーナへ向かう方向に、張出コーティングは、このガスケットに対して、一方のコーナ平面から他方のコーナ平面にまで丁度の幅に伸びている(単に両コーナ平面に接しているに過ぎない)コーティングを有するガスケットよりも、優れた密封能力を与えるに十分に幅広以必要がある。 【0040】この意図に沿って、ガスケットシートの開口部側縁は前記コーナ平面を越えて少なくとも約0.025mm突出している障壁(コーティングのような)を備えているのが適当である。従って、コーナからコーナへのコーティングは側縁の厚さよりも少なくとも約0.025mm幅が広い。さらに、よりずっと幅広い障壁コーティングはずっと優れた密封能力を与えることが見出された。従って、障壁は一方のコーナ平面から少なくとも約0.13mm突出しているのが、より好ましい。障壁はコーナ平面を約0.025mmから約2.0mmの範囲わたるのが適当である。従って、広幅側縁コーティングはどちらか片方又は両方のコーナ平面を越えて約0.025ないし2.0mm突出できる。さらに好ましい範囲は約0.13ないし2.0mmであり、なおさらに好ましいのは、コーティングがコーナ平面を越えて約0.25ないし20mm突出することである。広幅側縁コーティングは、少なくとも一方のコーナ平面を越えて少なくとも約0.25mm突出することが好ましく、さらに広幅側縁コーティングは両方のコーナ平面を越えて少なくとも約0.25mm突出することがより一層好ましい。事実このような被覆を伴うガスケットは優秀から完全密封に至る範囲の密封特性を与えることが見出されている。事実、フランジ面圧約21kgf/cm2 以上又は1.78kgf/cm2 以上においてさえ当てはまる。ガスケットフェースを横断するとともにガスケットシートそのものを貫通して、開口部を過ぎて漏れてくる流体をコーティングが完全に阻止する完全シールが見出されている。そのようなシールを達成ためには、広幅側縁コーティングは各コーナ平面を越えて少なくとも約0.38mm突出することが好ましい。 【0041】完全密封を与えるようなガスケットに対しては、側縁表面から、開口部の内側に向かってフェース平面に平行で側縁から離れる方向に、側縁上のコーティングは段々に幅広くなり(図2、3、4に見られるように)、側縁からある距離にあるコーティングの最大幅の点に至るまで傾斜平面を形成する。コーティングが伸びてその最大幅の点に至る側縁からの距離は臨界的ではない。しかし、このような実施形態においては、コーティングはガスケット側縁の厚さよりも少なくとも0.25mm幅広いことが適当である。 コーティングはガスケット側縁の厚さよりも少なくとも0.13mm幅広いことが好ましい。図6におけるように又は図2,3,4に見られるように「リップ」を形成することが好ましい(ここにリップは、傾斜した平面に似ており、ガスケットシート開口部の側縁から離れるに伴い段々に幅広くなるコーティングによって形成される)。 【0042】一つのフェースがそのフェースと縁との間のコーナを通過しないフェース平面を持つような実施形態においては、このフェース平面を越えて突出する障壁を備えることが選択的に好ましい。障壁は、障壁が単にフェース平面に到達するのみでそれを越えて行かない場合にガスケットが持つであろうものより優れた密封能力を与えるのに有効な量でそのようなフェース平面を越えて突出するのが適当である。このコーティングはそのようなフェース平面を少なくとも約0.025mm越えて突出でき、さらに好ましいのはコーティングがそのようなフェース平面を少なくとも約0.13mm越えて伸びることであり、もっと好ましいのはフェース平面を少なくとも約0.25mm越えてコーティングが伸びることである。好ましいのは障壁が少なくとも一方のフェース平面を少なくとも約0.025mm越えることであり、さらに好ましいのは障壁が少なくとも一方のフェース平面を少なくとも約0.13mm越えることであり、もっと好ましいのはコーティングが少なくとも一方のフェース平面を少なくとも約0.25mm越えることである。特にコーティングが少なくともやく0.38mmフェース平面を越えて突出した場合に完全密封が達成された。好ましい範囲内では、障壁は少なくとも一方のフェース平面を越えて約0.13から約2.0mm伸びるであろう(図5及び図9に示すように、フェース平面がガスケットフェース上にあるコーナ平面から上に離れてすなわち外側に横たわっているような実施形態を含めて)。さらに好ましい実施形態は、ガスケットの両フェースのフェース平面を越えて伸びているコーティングの形をとる障壁を備えている。 【0043】コーティングを任意の皮膜形成法、例えば、浸漬、溶融又は塗装など、でガスケットの被覆されるべきでないすべての部分を保護しながら、露出された側縁につけることができる。一つの実施形態においては、複数のガスケットシートを互いに重ねて一つの空洞が複数のガスケットシートの開口部で形成されるようにし、ついでこの空洞に沿った各ガスケットシートの側縁をコーティング材料と接触させて側縁が被覆される開口部においてガスケットシートの側縁に沿ってガスケットの十分な密封を達成するに有効な量でコートされるようにすることによってコーティングを開口部の側縁(ガスケットシート側縁)の上に付けことができる。この空洞の側面は被覆されるべき開口部の側縁である。コーティング材料がこの空洞内に挿入され、被覆されるべき側縁に接触して被覆側縁部を形成し、いくらかでもコーティングが残っていればそれは除去され、ついでガスケット側縁は乾燥される。 【0044】しかし、複数のガスケットシートが複数の開口部から空洞を形成するように重ねられてコーティングが空洞の表面に接触しているときでさえ、コーティングが粘性又は弾性のある間に(コーティングが硬化するか又は固くなる前に)各ガスケットを分離するとコーティングが引き伸ばされてコーティングがをガスケットシートの開口部側縁よりも幅広くなるようになる。コーティングが部分的に硬化されたとき又はそれが塑性があって成形可能なとき、各シートを分離することにより側縁コーティングを開口部側縁よりもさらに尖らせて幅広くさせて(これは図2と3により示されている)、傾斜した面を形成させることができる。この技法はアクリリック・ラテックスを用いて行うのが容易で好ましい。 【0045】複数のガスケットをそれらが互いに隣接するように整然と重ねることができるし、又はこれらの実施形態のあるものにおいては、2枚以上ガスケットシートの間に別のシート(スペーサー)を挟むことが望まれることがある。このガスケットの積層物又はガスケットとスぺーサの積層物を整然と積み上げるために用いられる一つの方法は、各シートを切断して被覆が施されるべき側縁を備える各開口部とともに少なくとも一個できれば2個の「ロッド受け穴」を全く同じに開けておくことである。一本のロッドをこれ等の「ロッド受け穴」を通していれ、ガスケット又はガスケットとスペーサーが整然と積み上げて、被覆される開口部側縁にコーティング配合物が接触している間それらを揃えた状態に保つ。このガスケットの積層物を固定し、それらが互いにしっかりと保持されるのを確実にするために、ロッドの両端にボルトを使用できる。 【0046】ガスケット又はガスケットとスペーサの積層物は、被覆されるべき側縁と接触させるためにコーティングを挿入しなければならない空洞を形成するように、整然と並べられることが好ましい。もう一つの好ましい実施形態においては、各シートが一つに固定されたとき(スペーサ有無に関わりなく)、シートによって形成された空洞の一端に、コーティング配合物の保持容器(「ウェル」)を、取付け又は少なくとも置くことが好ましい。積層シートは、コーティング配合物を満たしたウェルとともにコーティング配合物がウェルから流れ出てシートの側縁に沿って空洞内に入るようにつけられシートの側縁に接触してそれらを被覆することができる。この方法にコーティング配合物を満たしたウェルを用いることは、1)コーティング配合物内に気泡のを取込み又は生成の問題を極減し、2)最少量のコーティング配合物で最大の表面を覆うことをできるようにし、3)多数のガスケットへの側縁被覆を容易にする、という利点がある。 【0047】複数のガスケットの間に挿まれたシートは、ガスケットを互いに分離する「スペーサー」といわれる。スペーサーを用いることの利点は、スペーサーが側縁に塗るコーティング配合物の量を多くできるようにし、またスペーサーによってコーティング配合物が露出した場所においてだけに側縁にできるようになり、その結果としてできるガスケット被覆が特定の形状になる、というものであるる。スペーサーは、例えば図4,6又は8の形状を持った被覆を得るために使用できる。 【0048】スペーサーシートは開口部を備えているが、、開口部は、前記ガスケットの開口部に対して、1)同じ寸法、2)より大きい寸法、又は3)より小さいすんぽにすることができる。特定のスペーサーシートから、そのスぺーサによって特長のある形に作られるコーティングの形状ができる。例えば、スペーサーの開口部がガスケットの開口部よりも大きいとき、ガスケットフェースの一部分が露出され、そしてコーティングが側縁の周囲のガスケットフェースに接触して開口部周囲の露出したフェースを被覆する。この形式のスペサーは、ガスケット側縁よりも幅が広く、従ってフェース平面を越えて突出しているが、図7と図8に示されたように、開口部に近いところを被覆されたガスケットフェースも備えているコーティングを作る特徴がある。 【0049】スペーサーの開口部がガスケットの開口部よりも小さいと、ガスケットシートは互いに離され、コーティングは側縁のコーナがガスケットシートのフェース上に重ならないようにされる。しかし、コーティングは、なお、側縁に対して平行方向にガスケット側縁よりも幅広く、コーティングがフェースを越えて突出するようになることが、被膜が伸びたり流れてリップ構成になるのに十分に流動的で塑性があるときスぺーサとガスケットを離した場合に起こることがある。しかし、この形式のスペーサーは、ガスケットの側縁だけにコーティングを有するようなガスケットの製作にも使用できるであろう。ガスケットコーティング材料を容易に剥せるようにスペーサーを被覆できる。スペーサーは又側縁上に張出コーティングを形成するためにも使用できる。その他の実施形態では、特にコーティングがコーナ平面を越えて突出する場合に、最後の広幅側縁コーティングに異った形を付与するためにスペーサーを構成することができる。 【0050】スペーサーにガスケットの開口部よりも大きい開口部を与える場合には、ガスケットの開口部よりも約0.13〜3.1 8mm 大きい開口部とするのが適当である。これはコーティングの一部が露出しているガスケットフェース上に付着できるようにする。スペーサーがガスケットの開口部よりも小さい開口部を備える必要があるとき、スぺーサ開口部は約0.08〜0.30mmの範囲内でガスケットの開口部よりも小さいのが好ましい。 スペーサーの開口部が、ある場所ではガスケットの開口部よりも大きく、別の場所では同寸法であり、又別の場所ではガスケットの開口部よりも小さい、という具合に変化しているスペーサーを使用することさえできる。従って、スペーサーの開口部は、ある場所ではガスケットの開口部よりも約0.13〜0.32mm大きく、別の場所ではガスケットの開口部よりも約0.08〜0.30mm小さくすることができる。スぺーサがガスケット開口部より約0.13mm幅広いものから約0.08mm小さいものまでにわたる開口部を持つことさえできる。 【0051】スペーサーシートそのものの厚さは、各ガスケットシートの分離を可能にするに十分な厚さ、すなわち、各ガスケットの開口部側縁を被覆するとき、各ガスケットを互いに0.13mm引き離す少なくとも約0.13mmでなければならない。スペーサーの厚さは約0.13〜3.8mmの範囲にすることができる。しかし、厚さ約0.25〜1.0mmの範囲のスペーサーを用いることが好ましい。 【0052】非常に多孔性なスペーサーを使用できることも見出された。非常に多孔性なスペーサーはコーティング液をスペーサーの中に吸収できるという利点がある。コーティング液の吸収によってコーティングの乾燥速度が速くなり、ガスケットの側縁上に固い被覆を形成させ速度を速くすることができる。非常に多孔性なスペーサーは少なくとも約35%の最小ボイド体積率を有する。多孔性スペーサーは約35ないし75%のボイド体積率を持つことが好ましい。「非多孔性」スペーサーは最大で約15%のボイド体積率を持っており、約15%ないし0.01%のボイド体積率を持つことが適当である。 【0053】さらに他の実施形態においては、ガスケットシートの開口部側縁の一部をコーティング材料から防護して、開口部におけるガスケットシートの各側縁の一部分のみをコーティング材料と接触させるようにできる。これは側縁がボルト領域に近い場合に有用である可能性がある。側縁が、例えばボルトから3.5 cm 以内にある場合には、側縁にさえコーティングを付け加えないことによって、より高い圧縮抵抗を保つことが望まれることがある。ボルトを締めることによって加えられる余分な圧力は、ガスケットに幾分かの追加的な密封能力を与えるのに有効なので、ガスケットの開口部側縁を完全に被覆することは必要でないことがある。そのような実施形態を実現するために、スペーサーシートは被覆をすべきでない側縁部分を覆い隠すように形作られる。しかし、ガスケットがガスケットのシートを通過するであろう流体を密封しなければならない場合には、コーティング材料は、側縁を一方のコーナから他方のコーナに至るまでまで完全に覆うように、被覆されるべき側縁部分に接触させる必要がある。ボルト領域とは、ボルトの下又は近傍にある領域であって、ボルトからずっと離れた領域におけるよりも高い圧力がガスケットに加えられる領域をいう。 【0054】ガスケットシート材の相対するフェースに挟まれたどの垂直な側縁(ガスケットの外周縁を形成する側縁を含む)にもコーティングを付けることができる。コーティングは有機物又は無機物であってよい。しかし、この垂直な側縁が使用中に流体に遭遇する場合には、ポリマー・コーティングが特に有用で好まれる。 【0055】随意選択的には、コーティングストリップ(コーティングB)を開口部の全周辺にわたって一方のフェース上又は両方のフェース上につけて、両フェースに対して直角な側縁に隣接するとともにガスケットシートの側縁上のコーティング(コーティングA)に隣接又は結合させることさえできる。コーティングストリップは、フランジがはめ込みシールを形成するように互いにしっかりはまり合わない場合に、有利に使用できる。例えば、フランジが僅かでも反らされて平坦なフェースから離れるように曲がる場合、コーティングストリップは流体の漏洩に対する良好なシールとなる点で有用なことがある。このような用途に対しては、コーティングストリップは、使用中に流体に接触する開口部の周囲につけることが好ましい。 【0056】ガスケットシートの開口部側縁上へのコーティング(コーティングA)はどちらか又は両方のフェース上に重なってコーティングBを形成できる。この重なりは、0.025mm未満のほんの痕跡程度からガスケットフェース全体にわたって拡がるまでの範囲の距離のビルことができる。垂直側縁上の側縁コーティングはガスケットのどちらか片方又は両方のフェースに重なることができる(例えば図8に示すように)。密閉コーティングはガスケットのフェース上に最大で約1.5cmまで伸びることができるのが好ましい。もっと好ましいのは、ガスケットのフェースを横切って最大約5mmまで伸びることであり、最も好ましいのは、最大約1mmまで伸びることであり、そのような実施形態は良好な圧縮抵抗(ガスケットフェース上のコーティングを最小にする)を得るためのものである。 【0057】随意選択的には、各ガスケットフェース又はその一部分にリリーズコーティングだけをつけて、如何なる種類の密封用コーティングもつけないことができる。これはガスケットの圧縮抵抗を大きくする。リリーズコーティングは、一般に圧縮抵抗にほとんど影響を与えない。リリーズコーティングは通常その厚さが0.025mm未満である。しかし、ガスケットを密封するためのコーティングは、リリーズコーティングに比べて粘性が高く、より濃厚であって、一般にガスケット材料とガスケットの細孔への浸透性が強い、それ故密封能力を得るためのコーティングは圧縮抵抗に関しては有害であるから、圧縮抵抗を維持することが重要であるような実施形態に対しては制限される。 【0058】ガスケットフェース上のコーティングの厚さも圧縮抵抗に関して有害であることが見出されている。それ故、側縁コーティングのガスケットフェースへの重なりの厚さは、圧縮抵抗を維持するためには最大で約0.28mmとするのが好ましい。 【0059】リリーズコーティングを用いるべきとき、最善の性能を得るためには、リリーズコーティングがガスケット構造に浸透しないことである。これによって、ガスケットにリリーズコーティングが浸透した場合よりも優れた圧縮破損抵抗を与えることになる。適当なリリーズコーティングはフルオロポリマーを含有するポリマーコーティングである。 【0060】垂直側縁へのコーティングの厚さ、すなわち垂直側縁に対して平行及び直角の両方向への厚さ、を制限する因子は実用性である。極めて小さい厚さ(側縁に対して直角方向に向かって)が有効であることがわかった。比較的薄い被覆が有効なので、ガスケットの開口部の垂直側縁上のコーティングの厚さと幅を制限することは費用効果的である。 【0061】従って、垂直側縁に対して直角でフェース平面に対して平行な方向へのコーティングの厚さは決定的ではない。コーティングの厚さは最小で約0.1mmまでなのが好ましく、約2mm以下であることが好ましいことがある。垂直側縁上のコーティングは、流体と少なくとも一方のガスケットフェースを横切る流体の両方がガスケットシート側縁を通過しないようするシールをガスケットにつけるように意図されている。コーティングは流体が開口部側縁を通過しないようにするシールをガスケットにつけるに必要な最小厚さを備える必要がある。柔軟なガスケットシートの側縁につけた密封コーティングの厚さは、少なくとも約0.025mmの厚さ(垂直側縁に対して直角方向に伸びる)にするのが適当である。好ましい実施形態は、流体が少なくとも片方のガスケットフェース、好ましくは両フェースを横切らないようにする密封能力をガスケットに与えるために十分な距離だけコ−ナー平面より先に突出した障壁を形成する張出コーティングを備える。 【0062】コーティングとして用いられ得る無機材料としては、化学的に薄片化された蛭石及びマイカ(雲母)コーティングがある。好ましいコーティングは、ポリマー類である。各種のポリマーコーティングは、コーティングA、コーティングB及び/又はコーティングCの何れの形成するにも用いられる。ポリマー系コーティングには、増量材入りポリマーのほかに有機、無機、無機/有機混成ポリマーが含まれる。ポリマーコーティング材料は、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、フルオロシリコーン、ポリウレタン、ブタヂエンアクリロニトリルゴム(NBR)、フルオロポリマー類、水素添加NBR、シリコーンゴムコーティング類(紫外線硬化及び室温硬化)、ブタジェンスチレンポリマー、フルオロエラストマーポリマー、フルオロシリコンポリマー、アクリリック−アクリロニトリルポリマー、カルボキシル化アクリロニトリルポリマー、カルボキシル化ブタヂエンスチレンポリマー、クロロプレンゴムポリマー、エチレンプロピレンゴムポリマー、エチレン酢酸ビニール、エポキシからなる群から選択されたコーティングであるのが適当であり、これらの混合物を使用できる。どんなラテックスも使用できる。又コーティングとして適しているものに、ガスケットの表面に溶かし付けるように加熱されるポリマー粉末がある。実際上、溶融できるすべての粉末がガスケットをシールして被覆するために使用できる。コーティングA、B、Cは何れも異種のコーティング材料によって作ることができるし、又はそれらの材料は同じ材料であってもよい。 【0063】例2個の同一環状ガスケットがセルローズ・ベースの紙製ガスケットシート材料から切り出された。各ガスケットは円形であって、以下の測定値を持っていた。内径13mm(開口部の中心からリングの内側縁までの距離)、外径24mm、及びリング幅5.5mmである。夫々のガスケットは、二つのほぼ平らな相対するフェースを備え、各リング開口部は、両フェースに対してほぼ直角でほぼ垂直な側縁を備えていた。側縁の厚さは(ガスケットの厚さもまた)0.8mmと測定された。 【0064】試料A用のガスケットリングは「対照標準」として全く無被覆状態のままとされた。試料B用には、ガスケットリング試料をリング開口部の内側垂直側縁で被覆するためにアクリル・ラテックを用いた。コーティングは、ガスケットシートの開口部側縁に付けられて、コーティングが開口部側縁の厚さよりも幅広く(ガスケットの厚さより幅広く)、コーティングの最も幅広い点で測定して各側で約0.7mmだけ内側垂直側縁の各コーナを越えていた。ガスケットの厚さの中央でガスケットの内側の垂直側縁からコーティングのフェースまで測定した距離は約0.9mmであった。ガスケットシートの開口部側縁上のコーティングは図4と図3の断面図に示されたコーティングに似ていた。 【0065】ガスケットは窒素で加圧できるシリンダーにおいて試験された。シリンダー内の窒素の圧力は約0.98kgf/cm2 にまで高められ、そして何分で0.91kgf/cm2 まで圧力が低下するかが測定された。各ガスケットは、シリンダーのフランジ内に置かれ、フランジは締められた。試験は実測粗さ18RaMSの滑らかなフランジで実施された(Raとはマイクロ・インチで表示した平均粗さの値で、MSはマイクロ・インチを示す)。フランジは締め付けられ、フランジ面の圧力レベルはkgf/cm2 で測定された。 【0066】この試験のための試料Aは、1.5分間しか圧力を保持しないで、148kgf/cm2 のフランジ面圧力を必要とした。試料B、広幅側縁被覆ガスケット、は完全密封を実現し(シリンダー内の圧力は全く低下しなかった)、試料Bのガスケットにおけるシリンダーのフランジ面圧力は21kgf/cm2 に過ぎなかった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591001020 【氏名又は名称】ア−ムストロング・ワ−ルド・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テッド 【氏名又は名称原語表記】ARMSTRONG WORLD INDUSTRIES INCORPORATED
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)8月28日 |
| 【代理人】 |
【弁護士】 【氏名又は名称】ウオーレン・ジー・シミオール
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| 【公開番号】 |
特開平11−132334 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−242420 |
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