| 【発明の名称】 |
圧力容器及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 泰幸
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| 【要約】 |
【課題】低コストで内部空間の容積を増大する。
【解決手段】先ずチャンバ容器18を形成する樹脂材料よりも低融点の樹脂材料で中子型42を射出成形等により形成する。次に、この中子型42を成形金型40内に配置した状態で、成形金型40内に樹脂材料を射出してチャンバ容器18を成形する。そして、チャンバ容器18の成形後に、オイルジェット或いは恒温槽等により中子型42のみ溶ける温度で加熱して中子型42をチャンバ容器18内より溶かし出して、チャンバ容器18を完成させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部が開口部より大きいアンダーカット形状に形成されると共に奥側の壁面が凹凸形状に形成される圧力容器の製造に用いられる圧力容器の製造方法であって、圧力容器を形成する樹脂材料よりも低融点の樹脂材料により中子型を形成し、次に、中子型を金型内に配置すると共に樹脂材料を金型内に射出して圧力容器を成形し、圧力容器の成形後に、加熱して中子型を圧力容器内より溶かし出す、ことを特徴とする圧力容器の製造方法。 【請求項2】 内部が開口部より大きいアンダーカット形状に形成されると共に奥側の壁面が凹凸形状に形成される圧力容器であって、樹脂材料で一体的に形成されることを特徴とする圧力容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アンダーカット形状を有する圧力容器及びこのような圧力容器を製造する圧力容器の製造方法に関し、例えば、乗用車のエアサスペンションのチャンバや産業用空気ばねの空気室を形成する容器、インテークマンホールド、オイルリザーバタンク、エアダクト、レゾネータ等の圧力容器及びこれらの圧力容器の製造に適用可能なものである。 【0002】 【従来の技術】乗用車に用いられている従来のエアサスペンション110のチャンバ容器112を図5に示し、この図に基づき従来技術を説明する。 【0003】このチャンバ容器112は、プレス加工により上側部材112Aと下側部材112Bとを各々作った後に、これらスチール製の上側部材112Aと下側部材112Bとの間すなわちチャンバ容器112の中央部を、気密溶接で接合して、完成される。さらに、このチャンバ容器112の上部がショックアブソーバ114のロッド114Bの上部にナット116及びブッシュからなる取付ブラケット118等を用いて固定されることで、ナット116の下部及び周囲にチャンバ容器112が配置される形で、エアサスペンション110が完成されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】すなわち、乗用車のエアサスペンション110などでは、車輛内の限られたスペース内でチャンバ容器112が形成する空気室120の容積を極力大きくしたいので、図5に示すように凸部122をチャンバ容器112の上方に形成して、取付ブラケット118さらにはナット116の周囲部分もチャンバ容器112の空気室120とするような構造が考えられる。 【0005】ところが、図5に示す構造のチャンバ容器112では、ナット116の周囲部分も空気室となって空気室120の容積を大きくできるものの、このチャンバ容器112は、それぞれスチール製の上側部材112A及び下側部材112Bをそれぞれ製造しこれら2部品を相互に溶接して作るしか他に製造方法がなく、多数の工程が必要となって非常にコスト高になる欠点があった。 【0006】一方、樹脂製で一体形状のチャンバ容器112を射出成形により作ろうとする場合、開口部が狭いアンダーカット形状となるが、成形後に当然に中子型をチャンバ容器112内より取り出す必要がある。この為、中子型を分割しチャンバ容器112の中央に寄せて脱型する中子型分割方式が用いられるものの、せいぜい図6に示す形状のものが限度であった。 【0007】つまり、図5の構造のチャンバ容器112を製造する場合には、中子型分割方式を用いることができない。これはチャンバ容器112の上方に空気室120の容積を増やす為の凸部122及び上側部材112Aがあった場合、分割した中子型をチャンバ容器112の中央に寄せることができず、中子型をチャンバ容器112から脱型できないからである。 【0008】従って、空気室120の容積を大きくする為に、取付ブラケット118やナット116の周囲部分もチャンバ容器112の空気室120とする構造のチャンバ容器112を従来の射出成形技術で成形するのは、実質的に困難であった。 【0009】さらに、例えば図6に示す形状のチャンバ容器112であっても、射出成形に際して、中子型を分割して脱型する中子型分割方式を採用しなければならない。この為、図5の2部品の溶接によるチャンバ容器112に比べて、一体形状なのでエア洩れ等の心配はなく品質が向上するものの、金型が複雑で取り扱いが煩雑となって低コスト化を図ることができなかった。 【0010】本発明は上記事実を考慮し、低コストで内部空間の容積を増大できる圧力容器及びその製造方法を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1による圧力容器の製造方法は、内部が開口部より大きいアンダーカット形状に形成されると共に奥側の壁面が凹凸形状に形成される圧力容器の製造に用いられる圧力容器の製造方法であって、圧力容器を形成する樹脂材料よりも低融点の樹脂材料により中子型を形成し、次に、中子型を金型内に配置すると共に樹脂材料を金型内に射出して圧力容器を成形し、圧力容器の成形後に、加熱して中子型を圧力容器内より溶かし出す、ことを特徴とする。 【0012】請求項2による圧力容器は、内部が開口部より大きいアンダーカット形状に形成されると共に奥側の壁面が凹凸形状に形成される圧力容器であって、樹脂材料で一体的に形成されることを特徴とする。 【0013】請求項1に係る圧力容器の製造方法の作用を以下に説明する。圧力容器を形成する樹脂材料よりも低融点の樹脂材料により中子型を形成し、中子型を金型内に配置すると共に樹脂材料を金型内に射出して圧力容器を成形する。そして、この圧力容器の成形後に、加熱して中子型を圧力容器内より溶かし出して、圧力容器を完成させる。 【0014】従って、内部が開口部より大きいアンダーカット形状に形成されると共に奥側の壁面が凹凸形状に形成される圧力容器を製造する際に、中子型分割方式を採用せずに中子型を圧力容器内から容易に取り出せることになる。この為、金型が複雑で取り扱いが煩雑とならずに低コストで内部空間の容積を増大した圧力容器の製造が可能となる。 【0015】請求項2に係る圧力容器の作用を以下に説明する。内部が開口部より大きいアンダーカット形状を有すると共に奥側の壁面が凹凸形状とされる圧力容器が、樹脂材料で一体的に形成されるので、低コストで圧力容器の内部空間の容積を増大することが可能となる。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明に係る第1の実施の形態が適用されたエアサスペンション10を図1から図3に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。 【0017】図1に示すように、エアサスペンション10の緩衝器を構成するショックアブソーバ12の筒型本体12Aからロッド12Bが突出しており、このロッド12Bの先端には、円筒状の嵌合部14Aを周囲に有したブラケット14が、ロッド12Bにねじ止められたナット16により固定されている。そして、このブラケット14が乗用車の車体の受け部とされ、筒型本体12Aの下部が車輪側に固定される。 【0018】また、下面が開放されるように大きな開口部18Aを下部に有した円筒状で樹脂製の圧力容器であるチャンバ容器18が、ロッド12Bの外周側に配置されており、このチャンバ容器18の上部及び中央部は、チャンバ容器18の下部とほぼ均一な肉厚で形成されるものの、チャンバ容器18の下部より外形が大きく形成されている。 【0019】この為、チャンバ容器18により形成される内部の空間の方が開口部18Aより大きいアンダーカット形状となっている。 【0020】そして、このチャンバ容器18の上部寄りの中央部には、開口部18Aより小径の貫通穴18Bが形成されている。さらに、この貫通穴18Bにはブラケット14の嵌合部14Aがエアー圧で嵌合されており、チャンバ容器18とブラケット14との間に配置されたOリング22でこれらの間が封止されている。 【0021】この貫通穴18Bの周囲のチャンバ容器18の上部は、ナット16の位置より高くなるように一旦上方に突出した凸部18Cとされていて、チャンバ容器18内の上部にナット16をリング状に囲む空間Aが形成される形となっている。つまり、チャンバ容器18の奥側の壁面が貫通穴18Bを有する部分と凸部18Cとで凹凸形状に形成されることになる。 【0022】一方、ショックアブソーバ12の外周には、封止金具24Aが溶接されて固定されており、この封止金具24Aに嵌合されて取付けられた樹脂製のピストン24の上端部には、円筒状に形成されたゴム製の弾性膜26の一端側が金属製の止めバンド28により固定されている。さらに、この弾性膜26の他端側は、チャンバ容器18の下部に金属製の止めバンド30で固定されている。 【0023】この為、弾性膜26により、チャンバ容器18の開口部18Aとピストン24の上端部との間が封鎖されて、チャンバ容器18内の空間が封止された空気室20とされる。 【0024】つまり、チャンバ容器18の開口部18Aとピストン24の上端部との間が封鎖されつつ、ロッド12Bが筒型本体12Aに対して上下動するのに伴って、ブラケット14及びチャンバ容器18が弾性膜26の弾性変形により、支障なく上下動することになる。 【0025】次に、本実施の形態に係るチャンバ容器18の製造及びこの製造方法による作用を以下に説明する。 【0026】先ず、チャンバ容器18を形成する樹脂材料よりも低融点の樹脂材料で中子型42を射出成形等により、図3(A)に示すように形成する。尚、ここで中子型42の樹脂材料を例えばポリアセタールとすれば、図示しない成形金型内に樹脂材料を流し込む際の温度を163℃程度とすることができる。 【0027】次に、この中子型42を成形金型40内に配置した状態で、成形金型40内に樹脂材料を射出して、図3(B)に示すようにチャンバ容器18を成形する。尚、ここでチャンバ容器18の樹脂材料を例えばナイロン66とすれば、成形金型40内に樹脂材料を流し込む際の温度を260℃程度とすることができる。 【0028】そして、チャンバ容器18の成形後に、オイルジェット或いは恒温槽等により中子型42のみ溶ける温度で加熱することで、図3(C)に示すように中子型42をチャンバ容器18内より溶かし出して、図2に示すようにチャンバ容器18を完成させる。 【0029】さらに、この後にこのチャンバ容器18を用いてエアサスペンション10を完成させて乗用車に搭載する。 【0030】以上より、内部が開口部18Aより大きいアンダーカット形状に形成されると共に奥側の壁面が凹凸形状に形成されるチャンバ容器18を製造する際に、中子型分割方式を採用せずに中子型42をチャンバ容器18内から容易に取り出せることになる。この為、成形金型40が複雑で取り扱いが煩雑とならずに、低コストで内部空間である空気室20の容積が空間Aにより増大されたチャンバ容器18の製造が可能となる。 【0031】尚、ここで、採用される樹脂材料としては、チャンバ容器18に用いられる樹脂が、ナイロン系樹脂(ナイロン6、ナイロン6共重合体、ナイロン66、ナイロン12等)とされる。また、中子型42に用いられる樹脂が、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアセタール、ポリビニルアルコール等とされる。 【0032】次に、本発明に係る第2の実施の形態に適用される中子型52を図4に示し、この図に基づき本実施の形態を説明する。 【0033】図4に示すように、本実施の形態に係る中子型52は、その中央部にスチール製の金属材52Aを配置し、外周側の樹脂部52Bのみを上述の樹脂材料で形成したものである。 【0034】このような構造とすれば、成形されたチャンバ容器18を加熱する際に、中子型52の樹脂部52Bのみしか溶融しないものの、チャンバ容器18内から金属材52Aを容易に取り出せるようになるので、支障はない。 【0035】つまり、中子型の少なくともアンダーカット形状の部分に樹脂材料を用いることにすれば、チャンバ容器18内よりの中子型の取り出しが可能となる。 【0036】尚、上記実施の形態においては、上記のような樹脂材料を例として挙げたが、圧力容器を形成する樹脂材料よりも低融点の樹脂材料で中子型を形成するように樹脂材料を選択すれば、他の樹脂材料の組み合わせであっても良い。 【0037】 【発明の効果】本発明によれば、以上のように説明した構成とした結果、低コストで内部空間の容積を増大できる圧力容器及びその製造方法を得ることが可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132330 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−295438 |
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