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【発明の名称】 変速機操作装置
【発明者】 【氏名】川村 篤

【氏名】新垣 直一

【要約】 【課題】電磁弁間に配置した切換弁の引っ掛かりをなくし、使用し易く、加工及び組立てを容易にし、省スペース化する。

【解決手段】シリンダ穴内にピストンで画成したアクチュエータの圧力室に対する流体圧の給排を行うための対の電磁弁MV1,MV2と、該対の電磁弁を互いに連通させる連通路60に配置した切換弁61とを設け、該切換弁には前記圧力室に通ずる出力通路27aが連通し連通路60内に形成された切換弁室62と、該切換弁室に収容した盤状の切換弁体63とを設け、切換弁室62には対向配置した対の弁座62a,62bを形成し、切換弁体63には該対の弁座にそれぞれ対向し互いに背向配置した両シート面63a,63bを形成し、供給される流体圧で切換弁体63が前記対の弁座のいずれにも選択的に着座可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダハウジングのシリンダ穴に摺動自在に嵌合し圧力室を画成するピストンを有するアクチュエータを備え、前記圧力室に対する流体圧の給排を行うための予備を含む複数の電磁弁と、該複数の電磁弁を互いに連通させる連通路に配置した切換弁とを設け、前記ピストンの摺動に伴う操作力でレバーを回動させて変速機の操作を行う変速機操作装置において、前記切換弁には前記圧力室に通ずる出力通路が連通し前記連通路内に形成された切換弁室と、該切換弁室に収容した盤状の切換弁体とを設け、前記切換弁室には対向配置した対の弁座を形成し、前記切換弁体には前記対の弁座にそれぞれ対向し互いに背向配置した両シート面を形成し、供給される流体圧で前記切換弁体が前記対の弁座のいずれにも選択的に着座可能なことを特徴とする変速機操作装置。
【請求項2】 前記切換弁体の両シート面が互いに面対称にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機操作装置。
【請求項3】 前記切換弁体の周囲には複数の突起を設け、隣合う突起の間に流体通路を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータのピストンで画成された圧力室に対する流体圧の給排を行うための複数の電磁弁と、該複数の電磁弁を互いに連通させる連通路に配置した切換弁とを備え、ピストンの摺動に伴う操作力でレバーを回動させて変速機の操作を行う変速機操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大型の変速機を有するバスやトラックなどでは、変速機操作装置にアクチュエータが組み込まれ、軽い力で円滑な変速機操作をすることができるようになっている。
【0003】図9は大型車両に採用されている従来の変速機操作装置を示す概念図である。この変速機操作装置は、シフト操作用アクチュエータ1とセレクト操作用アクチュエータ2とを備えている。両アクチュエータ1,2は、ピストンロッド1a,2aと一体に形成されたピストン1b,2bと、フリーピストン1c,2cとを有し、これらによってそれぞれ3つの圧力室1d,1e,1f,2d,2e,2fが流体密に画成されており、これらの圧力室に対して圧縮空気を選択的に供給・排出して、変速機の操作を行う。
【0004】圧縮空気の供給・排出は、各圧力室に接続された電磁弁MVA.MVB,MVC,MVa,MVb,MVcによって行われる。例えば、ニュートラル位置N2にある各アクチュエータ1,2を第1速度位置F1 に作動させるには、電磁弁MVAを励磁して圧縮空気をアクチュエータ2の圧力室2dに供給し、さらに電磁弁MVaを励磁して圧縮空気をアクチュエータ1の圧力室1eに供給する。また、ニュートラル位置N2 にある各アクチュエータ1,2をリバース位置R1 に作動させるには、電磁弁MVAを励磁して圧縮空気をアクチュエータ2の圧力室2dに供給し、さらに電磁弁MVbを励磁して圧縮空気をアクチュエータ1の圧力室1dに供給する。
【0005】そして、電磁弁に故障が発生して作動不良に陥った場合にも、車両を移動させることができるようにするために、各電磁弁は一対ずつからなるデュアルタイプとし、一対のうちの一方が故障したときに、他方の電磁弁を作動させることにより、両アクチュエータ1,2を作動させ、車両を移動させることができるようになっている。
【0006】図10は従来のデュアルタイプの一対の電磁弁を備えた変速機操作装置を示す断面図である。この装置では、各電磁弁がいずれも同様の一対からなっており、電磁弁MVAについて説明すると、左側のリテーナ7を挿着しているハウジングの孔H1と右側のリテーナ7を挿着している孔H2とを連通路Hgで互いに連通させるとともに、該連通路Hgと圧力室Hcとが通路Hhを介して連通可能である。そして、通路Hgと通路Hhとの会合部には、切換弁11が設けられている。この切換弁11は、シャトル形の切換弁体11aを有し、該切換弁体11aが通路Hhの下方で左右に摺動可能に配置され、図に示すように通路Hhに対し左側にあるときには右側の孔H2を圧力室Hcに連通させ、通路Hhに対し右側にあるときには左側の孔H1を圧力室Hcに連通させる。
【0007】また、この電磁弁MVAでは、左側の電磁弁MV1が非励磁状態で右側の電磁弁MV2のソレノイドSOが励磁されると、電磁弁体14が下方に移動し、シート14aがリテーナ7から離反するとともに、シート14bがコア15に当接する。したがって、エアタンク25の圧縮空気は、インレットポート16、通路12、右側のパイロット通路7bを介して圧力室Heに至り、通路7aを介して孔H2に供給されるので、切換弁11のシャトル形弁体11aを図10に示すように左方向へ移動させ、孔H1と圧力室Hcとの間を閉塞するとともに、孔H2と圧力室Hcとを連通させる。したがって、圧縮空気は、圧力室Hcに供給され、バルブリフタ4を押し上げ、リテーナ6との間に配置したスプリングSP1の付勢力に抗して弁体3が弁座9から離れて開成する。この開成でエアタンク25の圧縮空気は、入力室Haから出力室Hbに供給され、さらに出力ポート17を介してアクチュエータ2の圧力室2dへ供給される。
【0008】右側の電磁弁MV2のソレノイドSOが消磁されると、スプリングSP3によって電磁弁体14が図10に示す位置に復帰し、排気通路15aが開成される。したがって、孔H2の圧縮空気は大気に排出され、この排出に伴ってバルブリフタ4がスプリングSP2の付勢力によって復帰する。これにより、アクチュエータ2の圧力室2d内の圧縮空気は、アウトレットポート17、出力室Hb、排気通路4a、排気通路10を介して大気に放出される。左側の電磁弁MV1のソレノイドSOのみが励磁されると、電磁弁MV2と同様の構造である左側の電磁弁MV1を通じて圧縮空気が孔H1へ送られ、切換弁11のシャトル形弁体11aを図10に示すのとは逆に右方向へ移動させ、電磁弁MV1を通じて圧縮空気がアクチュエータ2の圧力室2dへ供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の変速機操作装置は、切換弁1が通路Hgの方向に摺動するシャトル形の切換弁体11aを有するダブルチェックバルブであり、切換弁体11aが通路内に引掛かり易く、使用し難く、加工も複雑で、大きなスペースを必要とするという問題点があった。
【0010】本発明は、かかる従来の欠点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、電磁弁間に配置した切換弁の引っ掛かりがなく、使用し易く、加工も容易であり、大きなスペースを必要とせず、組立てが容易な変速機操作装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、シリンダハウジングのシリンダ穴に摺動自在に嵌合し圧力室を画成するピストンを有するアクチュエータを備え、前記圧力室に対する流体圧の給排を行うための予備を含む複数の電磁弁と、該複数の電磁弁を互いに連通させる連通路に配置した切換弁とを設け、前記ピストンの摺動に伴う操作力でレバーを回動させて変速機の操作を行う変速機操作装置において、前記切換弁には前記圧力室に通ずる出力通路が連通し前記連通路内に形成された切換弁室と、該切換弁室に収容した盤状の切換弁体とを設け、前記切換弁室には対向配置した対の弁座を形成し、前記切換弁体には前記対の弁座にそれぞれ対向し互いに背向配置した両シート面を形成し、供給される流体圧で前記切換弁体が前記対の弁座のいずれにも選択的に着座可能なことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る変速機操作装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る変速機操作装置の要部を示した模式図であり、図2は図1のセレクト操作用アクチュエータとシフト操作用アクチュエータを示す一部破断平面図、図3は図2のセレクト操作用アクチュエータを拡大し破断位置を変えて示した破断平面図である。
【0013】この変速機操作装置は、シフト操作用アクチュエータ1と、セレクト操作用アクチュエータ23とを備えている。シフト操作用アクチュエータ1は図9に示した従来のものと実質的に同じなので対応部分に同一符号を付けてある。シフト操作用アクチュエータ1及びセレクト操作用アクチュエータ23は、共通のエアタンク25から供給される圧縮空気によって作動する。
【0014】共通のエアタンク25からの圧縮空気は、シフト操作用アクチュエータ1にあっては共通路19及びそれぞれの出力通路19a,19b,19cを経由して各圧力室1e,1d,1fへそれぞれの電磁弁MVa,MVb,MVcを介して供給され、セレクト操作用アクチュエータ23にあっては共通路26及びそれぞれの出力通路27a,27b,28a,28bを経由し各圧力室21a,21b,22a,22bへそれぞれの電磁弁MVA,MVB,MVCを介して供給される。各電磁弁は、いずれもソレノイドの非励磁状態(オフ)で対応する圧力室を大気に開放し、励磁状態(オン)で対応する圧力室をエアタンク25に連通させる。各電磁弁の制御はコントローラ34によって行われる。
【0015】また、図1に示すように、シフト操作用アクチュエータ1とセレクト操作用アクチュエータ23とはシフトパターンCに対応するように配置されている。従って、シフト操作用アクチュエータ1のメインピストン1bがシリンダ穴の中間位置にあるときにのみ、セレクト操作用アクチュエータ23は作動可能である。セレクト操作用アクチュエータ23から操作力を受けるレバー35がシフトパターンCのニュートラル位置N1 ,N2 ,N3 ,N4 のいずれかに対応する位置にあるときにのみ、シフト操作用アクチュエータ1は作動が可能である。
【0016】セレクト操作用アクチュエータ23は、図3及び図4に示すように、第1のシリンダ穴31a,31b及び第2のシリンダ穴32a,32bを並列的に形成したシリンダハウジング40と、該第1のシリンダ穴31a,31bに摺動自在に嵌合して両端に圧力室21a,21bを画成する第1のピストン51と、第2のシリンダ穴32a,32bに摺動自在に嵌合して両端に圧力室22a,22bを画成する一対の第2のピストン52,52と、該両ピストン51,52から操作力を受けて該操作力を図示しない操作レバーへ伝達するレバー35とを備え、該レバー35の回動中心であるレバー軸24から第1のピストン51までの距離よりも第2のピストン52までの距離を大きくしてある。
【0017】シリンダハウジング40は、両端の第1のブロック41及び第2のブロック42と中間にある第3のブロック43とを備え、第3のブロック43の両隔壁44a,44bの外面に第1のブロック41及び第2のブロック42を固着して互いに組み合わされて構成され、図3に示すように第1のブロック41及び第2のブロック42にはエアタンク25に接続されるインレットポート16、16があり、これらのインレットポート16、16を各電磁弁MVA,MVB,MVCに連通させる供給通路12が第1のブロック41、第2のブロック42及び第3のブロック43を通じて開けられている。第1のシリンダ穴31a,31bの両端延長上の第1のブロック41及び第2のブロック42部分にはそれぞれ止まり穴46a,46bが一対ずつ開けられ、該各止まり穴46a,46bと対応する圧力室21a,21bとを連通させる出力通路27a,27bが第1のブロック41及び第2のブロック42に開けられている。そして、止まり穴46a,46bに挿入して取付けられたそれぞれの電磁弁MVA,MVBを介してエアタンク25内の圧縮空気がそれぞれの圧力室21a,21bへ供給される。
【0018】また、シリンダハウジング40は、シリンダ穴31a,32aの一端側から外れた位置における第1のブロック41の部分にも同様の一対の止まり穴47が開けられ、この止まり穴47と第2のシリンダ穴32aの圧力室22aとを連通させる出力通路28aが第1のブロック41部分に開けられ、止まり穴47と他端側の圧力室22bとを連通させる出力通路28bが第1のブロック41、第2のブロック42及び第3のブロック43を通じて開けられている。止まり穴47に挿入して取付けられた共通の電磁弁MVCをオンとすることにより、エアタンク25内の圧縮空気がそれぞれの出力通路28a,28bを経て両端の圧力室22a,22bへ同時に供給されるようになっている。
【0019】さらに、シリンダハウジング40は、図5に示すように、第1のブロック41と第3のブロック43との相互当接面側に第1のシリンダ穴31aの内周に沿った座ぐり穴40aが開けられ、第2のブロック42のシリンダ穴31bにも同様の座ぐり穴があり、各座ぐり穴40aに断面がY字形の環状パッキン56及びリテーナ57を嵌入させ、環状パッキン56によって第1のピストン51の外周をシールし、環状パッキン56を第3のブロック43の壁面及びリテーナ57で押さえている。
【0020】第1のシリンダ穴31a,31b及び第2のシリンダ穴32a,32bは、それぞれ第1のブロック41及び第2のブロック42に対称的にほぼ平行に形成されている。第1のピストン51及び第2のピストン52,52は、いずれもほぼ対称的に機械構造用炭素鋼又は合成樹脂材料にて造られ、それぞれのシリンダ穴31a,31b,32a,32bに摺動自在に嵌合するとともに、第3のブロック43の対応する隔壁44a,44bを貫通して両隔壁44a,44b間に一部が出ており、該両隔壁間に出ている部分にレバー35を押圧するための押圧面を備えている。
【0021】レバー35は、基部がレバー軸24に固着され、該レバー軸24を中心にして回動自在であり、第1のピストン51に係合しその両押圧面51c,51c(図5参照)間にある第1の受け部35aと、第2のピストン52に係合しその両押圧面52c,52c間にある第2の受け部35bとを有し、両受け部に接触する第1のピストン51及び第2のピストン52から直接的に押圧力を受ける。第1の受け部35a及び第2の受け部35bは、円板形をしており、外周の受け面で各ピストン51,52から押圧力を受ける。また、第1の受け部35aと第2の受け部35bとの間には位置センサ54が固着されている。
【0022】第1のピストン51は、長手方向の中央位置の括れ部51aを一体に有し、該括れ部51aに図示しない切欠きがあり、該切欠き内にレバー35の第1の受け部35aが入っており、該切欠きの端面が第1の受け部35aに当接してレバー35を回動させる。
【0023】第2のピストン52は、ピストン本体52aと隔壁44a,44bのうちの対応するものを貫通する内向きの突起52bとを一体に有し、ピストン本体52aが対応する隔壁44a,44b又は第2のシリンダ穴32a,32bの端面に当たった位置で選択的に止まり、レバー35の位置決めをするためのストッパの役割を兼ねている。そして、第2のピストン52は、突起52bの内端が押圧面52cとされ、受圧面積が第1のピストン51よりも大きく、全長が第1のピストン51よりも短く寸法設定されている。
【0024】また、第2のピストン52は、中心を通り中間位置で半径方向へ折れ曲がった折曲孔52dが開けられ、この折曲孔52dは突起52bの先端面及び外周において開口している。この折曲孔52dは、圧力室22a,22bに圧縮空気が供給されて第2のピストン52が摺動する時に、第2のシリンダ穴32a,32bの内周面と第2のピストン52の外周面との間の隙間にある空気を逃がして、第2のピストン52を円滑に摺動させるためのものである。
【0025】さらに、この変速機操作装置では、圧力室21aに対する流体圧の給排を行うための電磁弁MVAとして、図6に示すように、対をなす電磁弁MV1,MV2を用い、他の電磁弁MVB,MVCについても同様であり、電磁弁MVAについて説明すると、電磁弁MVAは、対の電磁弁MV1,MV2を互いに連通させる連通路60に配置した切換弁61を設け、切換弁61には対応する圧力室21aに通ずる出力通路27aが連通し連通路60内に形成された切換弁室62と、該切換弁室62に収容した盤状の切換弁体63とを設けてある。
【0026】また、電磁弁MVAは、切換弁室62には対向配置した対の弁座62a,62bを形成し、切換弁体63には対の弁座62a,62bにそれぞれ対向し互いに背向配置した両シート面63a,63bを形成し、供給される流体圧で切換弁体63が対の弁座62a,62bのいずれにも選択的に着座可能になっている。そして、電磁弁MVAは、図5及び図6に示すように、個別の板状取付部材58で支持し、複数のボルト59をねじ込んで個別の板状取付部材58をハウジング40に固着して装着され、図10に示した従来ものと比較して内部には特に差異がないので、その詳細な説明は省略する。一対の電磁弁MVA1,MVA2の出力孔27,27の間には連通路60があり、この連通路60の途中に切換弁61が配置されている。
【0027】図7は本発明の実施の形態に係る変速機操作装置に使用する切換弁体を示す平面図、図8は図7のX−X線断面図である。切換弁体63は、円形の鉄板64を芯材とし、該鉄板64の両面をゴム材65で覆って構成されており、外周に半径方向に半円形状輪郭にて突出した複数の鉄突起64aとゴム突起65aとを有し、切換弁室62内にあって上下動し、等角度間隔の隣合う各突起の間に流体通路を形成する。
【0028】また、切換弁体63は、ゴム材65からなる両シート面63a,63bが互いに面対称にて形成されている。鉄板64は、外周の3箇所に等角度間隔にて半径方向に突出した鉄突起64aを一体に有し、中央の貫通孔64bが開けられており、この貫通孔64bがゴム材65で満たされている。鉄突起64aは、ゴム突起65aよりも小型であって、切換弁体63の半径方向の突出寸法がゴム突起65aよりも小さくなるように寸法設定されている。
【0029】そして、切換弁61は、図6において、切換弁体63が切換弁室62の下側の弁座62bに当接している時には、出力通路27aから遠い側の電磁弁MV2が該出力通路27aに連通し、切換弁体63が切換弁室62の上側の弁座62aに当接している時には、出力通路27aに近い側の電磁弁MV1が出力通路27aに連通し、いずれにしても圧力室21aへの圧縮空気の供給を可能にする。
【0030】本発明の上記実施の形態に係る変速機操作装置の動作について説明する。各電磁弁MVA,MVB,MVCが消磁されて各圧力室21a,21b,22a,22bが大気に開放された状態で、クラッチペダルを踏み込み、シフトレバー39をシフトパターンCの位置N1 に置くと、図2〜図4において、共通の電磁弁MVCは消磁状態のままで第2のピストン52,52の両端の圧力室22a,22bが大気に開放されていて、第2のピストン52,52が第2の圧力室22a,22bの端面に当たって止まっている。左側の電磁弁MVAが励磁状態とされ、エアタンク25から圧縮空気が左側の第1の圧力室21aへ供給されて、第1のピストン51が第1の受け部35aを右方向へ押圧し、第1の受け部35aが第1のピストン51の押圧面51cに当たっている状態で第2の受け部35bが右側の第2のピストン52の押圧面52cに当たった位置でレバー35が止まる。この止まった位置は、シフトパターンCの位置N1 に対応する位置S1 である。この位置S1 は位置センサ54によって検出され、この位置S1 で位置F1 又は位置R1 へのシフト操作が可能になる。位置センサ54により検出された検出信号がコントローラ34に入り、電磁弁MVAが消磁状態にされ、第1の圧力室21aが大気に開放される。
【0031】クラッチペダルを踏み込み、シフトレバー39をシフトパターンCの位置N1から位置N2 を経て位置F2 に移動させた場合には、共通の電磁弁MVCが励磁状態になり、エアタンク25から第2のピストン52の両端の圧力室22a,22bに同時に圧縮空気が供給され、所定の短時間経過後に、電磁弁MVAがオンとなり、左側の第2の圧力室22aへ圧縮空気が供給される。これにより、圧縮空気の作用によって、先ず、左右の第2のピストン52,52が相互に接近する方向に摺動し、右側の第2のピストン52が第2の受け部35bを押圧してレバー35を時計方向に回動させ、隔壁44bに当たったところで止まる。この間、第1の圧力室21aの圧縮空気に基づく第1のピストン51の押圧力によるトルクよりも第2のピストン52の左方向への押圧力によるトルクの方が大きいので、レバー35は時計方向へ回動するのである。このようにして回動したレバー35が止まった位置S2 がシフトパターンCの位置N2 に対応する。
【0032】位置S2 が位置センサ54によって検出され、その検出信号がコントローラ34に入り、コントローラ34からの出力信号でシフト操作用アクチュエータ24によるシフトパターンCの位置F2 へのシフト操作がなされる。その後、各電磁弁MVA,MVB,MVCが消磁状態にされ、各圧力室が大気に開放される。共通の電磁弁MVCを励磁状態にしてから所定の短時間経過後に、左側の電磁弁MVAをオンとするのは、レバー35のオーバーランを防止するためである。
【0033】次に、クラッチペダルを踏み込み、シフトレバー39をシフトパターンCの位置F2 から位置N2 及び位置N3 を経て位置F3 に移動させた場合、先ず、シフト操作用アクチュエータ24によるシフトパターンCの位置F2 から位置N2 へのシフト操作がなされる。次いで、共通の電磁弁MVCが励磁状態になり、エアタンク25から第2のピストン52の両端の圧力室22a,22bに同時に圧縮空気が供給され、所定の短時間経過後に、右側の電磁弁MVBがオンとなり、右側の第1の圧力室21bへ圧縮空気が供給される。これにより、圧縮空気の作用によって左右の第2のピストン52が相互に接近する方向に摺動し隔壁44a,44bに当たったところで止まり、第1のピストン51が第1の受け部35aを押圧してレバー35を時計方向に回動させ、第2の受け部35bが左側の第2のピストン52に当たったところで止まる。
【0034】この場合、第1の圧力室21bの圧縮空気に基づく第1のピストン51の押圧力によるトルクよりも第2のピストン52の右方向への押圧力によるトルクの方が大きいので、レバー35は第2の受け部35aが左側の第2のピストン52に当たって止まるのである。このようにして回動したレバー35が止まった位置S3 がシフトパターンCの位置N3 に対応する。位置S3 が位置センサ54によって検出され、その検出信号がコントローラ34に入り、コントローラ34からの出力信号で、シフト操作用アクチュエータ24によるシフトパターンCの位置F3 へのシフト操作がなされる。その後、各電磁弁MVA,MVB,MVCが消磁状態にされ、各圧力室が大気に開放される。
【0035】また、クラッチペダルを踏み込み、シフトレバー39をシフトパターンCの位置F3 から位置N3 及び位置N4 を経てF4 に移動させると、先ず、シフト操作用アクチュエータ24によるシフトパターンCの位置F3 から位置N3 へのシフト操作がなされる。次いで、図9において、共通の電磁弁MVCが消磁状態のままで、電磁弁MVBがオンとなり、右側の第1の圧力室21bへ圧縮空気が供給される。これにより、右側の第1のピストン51が第1の受け部35aを押圧してレバー35を時計方向に回動させ、第1の受け部35aが第1のピストン51に、第2の受け部35bが左側の第2のピストン52に当たったところで止まる。このようにして回動したレバー35が止まった位置S4 がシフトパターンCの位置N4 に対応する。位置S4 が位置センサ54によって検出され、その検出信号がコントローラ34に入り、コントローラ34からの出力信号でシフト操作用アクチュエータ24によるシフトパターンCの位置F4 へのシフト操作がなされる。各電磁弁MVA,MVB,MVCが消磁状態にされ、各圧力室が大気に開放される。
【0036】上記実施の形態に係る変速機操作装置によれば、各電磁弁MVA,MVB,MVCは、対の電磁弁MV1,MV2からなっているので、これらのうちのいずれの一方が機能不良になっても、他方を作動させると、圧縮空気の圧力で切換弁61で通路が自動的に切換えられ、何ら支障なく変速機の操作を行うことができ、第1のシリンダ穴31a,31bの内周に沿った座ぐり穴40aが開けられ、各座ぐり穴40aに断面がY字形の環状パッキン56を嵌入させ、該環状パッキン56によって第1のピストン51の外周をシールしているので第1のピストン51を第1のシリンダ穴31a,31bに挿入する際に、環状パッキン56のリップが挿入方向に向かって開いた状態になるのを防ぐことができ、組立てが容易であるという利点がある。
【0037】また、第1のピストン51及び第2のピストン52の両端に圧力室21a,21b,22a,22bを画成しているので、四つの位置間のセレクト操作に対応することができ、電磁弁MVA,MVB,MVCをシリンダハウジング40に直接的に取付け、各圧力室21a,21b,22a,22bへの出力通路27a,27b,28a,28bをシリンダハウジング40に開けてあるので、これらに相当する配管部品を省くことができる。第1のピストン51及び第2のピストン52を合成樹脂製にすると、軽量化が容易である。
【0038】さらに、切換弁体63の芯材として3つの鉄突起64aを有する鉄板64を用いているので、該鉄突起64aがゴム材65の成形時の支えになり、切換弁室62内の弁座62a,62bが平面状であるから、加工が容易であり、鉄突起64aの突出寸法がゴム突起65aの突出寸法よりも小さいので、切換弁室62内の壁面損傷を回避することができる。
【0039】なお、本発明は、上記実施の形態によって限定されるものではなく、新規事項を追加しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、セレクト操作用アクチュエータ23のみならず、シフト操作用アクチュエータ1にも適用することができ、対をなす第2のピストン52,52の一方を省くか、又は一端側の圧力室を省くこともできる。更に、第1のピストン51及び第2のピストン52に加えて第3のピストンを並列的に設けることにより、五つ又は六つの位置間のセレクト操作に対応することも可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明は次のような効果を奏する。切換弁には圧力室に通ずる出力通路が連通し連通路内に形成された切換弁室と、該切換弁室に収容した盤状の切換弁体とを設け、切換弁室には対向配置した対の弁座を形成し、切換弁体には対の弁座にそれぞれ対向し互いに背向配置した両シート面を形成し、供給される流体圧で切換弁体が対の弁座のいずれにも選択的に着座可能なことにより、電磁弁間に配置した切換弁の引掛かりがなく、使用し易く、加工も容易であり、大きなスペースを必要とせず、組立てが容易になる。また、切換弁体の両シート面が互いに面対称にて形成されていることにより、切換弁体の組み込みの際に間違いがなく、切換弁体の周囲には複数の突起を設け、隣合う突起の間に流体通路を形成したことにより、流体通路が確実に形成される。
【出願人】 【識別番号】000181239
【氏名又は名称】自動車機器株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚男 (外4名)
【公開番号】 特開平11−230335
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−26802