| 【発明の名称】 |
自動変速機の油圧制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】妻藤 靖
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| 【要約】 |
【課題】インタロック防止弁を随時動作させて作動チェックを行なうとともに、作動不良が発生した時は速やかに運転者に警告できる自動変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】複数の摩擦要素C1〜C3,B1,B2を持ち、ある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素とが誤って同時に係合する多重噛み合いを防止するため、何れかの摩擦要素への油圧をドレーンさせるインタロック防止弁16を設ける。後退レンジにおいて係合する第1の摩擦要素B2の油圧を調圧制御する油圧制御弁21のドレーンポート21dを、インタロック防止弁16を介してドレーン油路16kまたは後退レンジにおいて係合する第2の摩擦要素C1の油路16fと接続し、ニュートラルレンジから後退レンジへの切換過渡時のみインタロック防止弁16をドレーン側へ切り換える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の摩擦要素を持ち、ある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素とが誤って同時に係合する多重噛み合いを防止するため、何れかの摩擦要素への油圧をドレーンさせるインタロック防止弁を設けた自動変速機において、後退レンジにおいて係合する第1の摩擦要素の油圧を調圧制御する油圧制御弁のドレーンポートを、上記インタロック防止弁を介してドレーン油路または後退レンジにおいて係合する第2の摩擦要素の油路と接続し、ニュートラルレンジから後退レンジへの切換過渡時のみインタロック防止弁をドレーン側へ切り換えるようにしたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機の油圧制御装置、特に複数の摩擦要素が多重噛み合い状態(インタロック)になるのを防止するインタロック防止弁の作動不良を検出できる装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素とが誤って同時に係合するインタロックを防止するため、何れかの摩擦要素を強制的に解放するインタロック防止弁が知られている。インタロック防止弁としては、例えば、その一方側にある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素の油圧をそれぞれ導く複数の信号ポートを設け、誤って全ての摩擦要素に油圧が供給された時に、インタロック防止弁が切り替わり、何れかの摩擦要素への油圧をドレーンさせることでインタロックを防止している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、インタロック防止弁は上記のような異常事態が発生した時のみ作動する弁であるため、正常時は静止している。そのため、バルブスティックなどの作動不良を起こしていても、それを検出することができず、万一インタロックが発生した場合、インタロック防止弁が切り替わらないという問題がある。したがって、正常時であっても随時インタロック防止弁を動作させて作動チェックを行なうとともに、万一作動不良が発生した時は、速やかに運転者に警告する必要がある。 【0004】そこで、本発明の目的は、随時インタロック防止弁を動作させて作動チェックを行なうとともに、作動不良が発生した時は速やかに運転者に警告できる自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、複数の摩擦要素を持ち、ある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素とが誤って同時に係合する多重噛み合いを防止するため、何れかの摩擦要素への油圧をドレーンさせるインタロック防止弁を設けた自動変速機において、後退レンジにおいて係合する第1の摩擦要素の油圧を調圧制御する油圧制御弁のドレーンポートを、上記インタロック防止弁を介してドレーン油路または後退レンジにおいて係合する第2の摩擦要素の油路と接続し、ニュートラルレンジから後退レンジへの切換過渡時のみインタロック防止弁をドレーン側へ切り換えるようにしたものである。 【0006】シフトレバーをニュートラルレンジ(PまたはNレンジ)から後退レンジ(Rレンジ)へ切り換えると、その変速過渡時にインタロック防止弁がドレーン側へ切り換わる。そのため、後退レンジにおいて係合する第2の摩擦要素には速やかに油圧が供給されるが、第1の摩擦要素には油圧制御弁を介して油圧を調圧しているため、緩やかに油圧が供給される。その結果、同時に複数の摩擦要素が締結されず、ショックが少ない。一方、インタロック防止弁がバルブスティックなどの作動不良を起こしている場合には、インタロック防止弁がドレーン側へ切り換わらず、後退レンジへの切換に伴って第1,第2の摩擦要素が同時に締結し、ショックが大きくなる。そのため、運転者はインタロック防止弁の作動不良に気づくことになる。なお、第1の摩擦要素の係合時間をコンピュータなどによって検出することで、作動不良を検出してもよい。この場合には、作動不良を警報ランプやブザーなどによって運転者に警告することができる。 【0007】インタロック防止弁は、ある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素とが誤って同時に係合する多重噛み合いを防止する機能を有する。すなわち、インタロック防止弁の一方側に、ある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素とそれ以外の摩擦要素の油圧をそれぞれ導く複数の信号ポートを設け、正常時にはある変速段を達成するのに係合が必要な摩擦要素の油圧のみが信号ポートに導かれるので、インタロック防止弁は切り替わらず、静止している。一方、誤って全ての摩擦要素に油圧が供給された時には、信号ポートに導かれる油圧が高くなるので、インタロック防止弁が切り替わり、何れかの摩擦要素への油圧をドレーンさせてフェールセーフを行なうことができる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は本発明にかかる自動変速機の一例を示す。この自動変速機は、トルクコンバータ1、トルクコンバータ1を介してエンジン動力が伝達される入力軸2、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2、ワンウエイクラッチF、ラビニヨウ型遊星歯車機構4、出力ギヤ5、出力軸7、差動装置8などを備えている。 【0009】遊星歯車機構4のフォワードサンギヤ4aと入力軸2とはC1クラッチを介して連結されており、リヤサンギヤ4bと入力軸2とはC2クラッチを介して連結されている。キャリヤ4cは中間軸3と連結され、中間軸3はC3クラッチを介して入力軸2と連結されている。また、キャリヤ4cはB2ブレーキとキャリヤ4cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するワンウェイクラッチFとを介して変速機ケース6に連結されている。キャリヤ4cは2種類のピニオンギヤ4d,4eを支持しており、フォワードサンギヤ4aは軸長の長いロングピニオン4dと噛み合い、リヤサンギヤ4bは軸長の短いショートピニオン4eを介してロングピニオン4dと噛み合っている。ロングピニオン4dのみと噛み合うリングギヤ4fは出力ギヤ5に結合されている。出力ギヤ5は出力軸7を介して差動装置8と接続されている。 【0010】上記自動変速機は、クラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの作動によって図2のように前進4段、後退1段の変速段を実現している。図2において、●は油圧の作用状態を示している。なお、B2ブレーキは後退時と第1速時に係合するが、第1速時に係合するのはLレンジ時のみである。図2には、後述する第1〜第4ソレノイドバルブ(SOL1〜SOL4)22〜25の作動状態も示されている。○は通電状態、×は非通電状態、△は一時的な通電状態を示す。なお、この作動表は定常状態の作動を示している。 【0011】図3は上記自動変速機に用いられる油圧制御装置の一例を示す。上記油圧制御装置は、オイルポンプ10、レギュレータバルブ11、マニュアルバルブ12、ソレノイドモジュレータバルブ13、シーケンスバルブ15、フェールセーフバルブ(インタロック防止弁)16、B1圧制御バルブ17、C2圧制御バルブ18、C3圧制御バルブ20、B2圧制御バルブ21、第1〜第4ソレノイドバルブ22〜25などで構成されている。 【0012】第1ソレノイドバルブ22はB1ブレーキ制御用であり、第2ソレノイドバルブ23はC2クラッチ制御用であり、第3ソレノイドバルブ24はC3クラッチ制御用とB2ブレーキ制御用とを兼ねている。その理由は、B2ブレーキはD,2レンジでは作動せず、Lレンジのエンジンブレーキ制御とRレンジの過渡制御でのみ使用されるので、Dレンジで作動されるC3クラッチと干渉しないからである。また、第4ソレノイドバルブ25はLレンジ(1速)時とRレンジの切換過渡時にシーケンスバルブ15を切り換えるためのバルブである。上記のように、第1〜第3ソレノイドバルブ22〜24は微妙な油圧制御を行なうため、デューティ制御弁またはリニアソレノイド弁を用い、第4ソレノイドバルブ25はON/OFF切換弁を用いればよい。 【0013】レギュレータバルブ11はオイルポンプ10の吐出圧を所定のライン圧PL に調圧するバルブであり、マニュアルバルブ12,ソレノイドモジュレータバルブ13,B2圧制御バルブ21にライン圧PL を供給している。レギュレータバルブ11は、図4に示すようにスプリング11aによって右方へ付勢されたスプール11bを備えており、左端部にはスプール11bとは別体のプラグ11cが設けられている。ポート11dにはオイルポンプ10の吐出圧が入力され、ポート11eはオイルポンプ10の吸込み側に接続されている。右端のポート11fにはライン圧PL がフィードバックされている。左端ポート11hには後退時(R)のみC1クラッチ圧PC1が入力され、後退時のライン圧を前進時より高く調圧している。 【0014】マニュアルバルブ12はシフトレバーの手動操作に応じて、スプール12aがL,2,D,N,R,Pの各レンジに切り換えられる。そして、入力ポート12bから入力されたライン圧PL を前進用の出力ポート12cまたは後退用の出力12dから選択的に出力する。 【0015】ソレノイドモジュレータバルブ13は各ソレノイドバルブ22〜25に一定の元圧を供給するバルブであり、図4に示すように、スプリング13aによって左方へ付勢されたスプール13bを備えている。入力ポート13cにはレギュレータバルブ11からライン圧PL が入力されており、出力ポート13dからソレノイドモジュレータ圧Psmが各ソレノイドバルブ22〜25に出力される。なお、ポート13eはドレーンポートである。出力圧Psmは左端ポート13fにフィードバックされており、これによりソレノイドモジュレータ圧Psmはスプリング13aの荷重に対応した油圧に調圧される。 【0016】B1圧制御バルブ17は、B1ブレーキ圧PB1を制御する調圧バルブであり、図5に示すように、スプリング17aによって左方へ付勢されたスプール17bを備えており、左端ポート17cには第1ソレノイドバルブ22から信号圧Ps1が入力されている。ポート17dはドレーンポートである。出力ポート17eはB1ブレーキと接続されている。また、入力ポート17fには前進時のライン圧PD が入力されている。さらに、右端ポート17hには出力圧PB1がフィードバックされている。そのため、次のような関係式が成り立つ。 Ps1・A1 =PB1・A2 +Sp上式において、A1 は左端ポート17cの受圧面積、A2 は右端ポート17hの受圧面積、Spはスプリング17aの荷重である。 【0017】C3圧制御バルブ20は、C3クラッチ圧PC3を制御するためのバルブであり、図5のようにスプリング20aによって左方へ付勢されたスプール20bを備えている。左端ポート20cは第3ソレノイドバルブ24と接続されており、その信号圧Ps3が入力される。そのため、1,2速時にはスプール20bは図5の下側位置、3,4速時にはスプール20bは図5の上側位置となる。ポート20dはドレーンポート、ポート20eはC3クラッチと接続された出力ポートであり、ポート20fには前進時のライン圧PD が入力される。スプリング20aを配置した右端ポート20gには出力圧PC3がフィードバックされている。 【0018】シーケンスバルブ15は、第2ソレノイドバルブ23またはC2圧制御バルブ18の作動不良時に第1速を保障する機能を有する。また、第3ソレノイドバルブ24をC3クラッチとB2ブレーキの制御に兼用するため、B2圧制御バルブ21とC3圧制御バルブ20の元圧を切り換える機能、後退レンジへの切換過渡時にフェールセーフバルブ16の右端ポートへRレンジ圧を導く機能、B2ブレーキ圧を作用させる時にB1ブレーキ圧とC3クラッチ圧の元圧をドレーンさせる機能などを有する。このバルブ15は、図6に示すように、スプリング15aによって左方へ付勢されたスプール15bを備えており、左端の信号ポート15cに入力される第4ソレノイドバルブ25の信号圧PS4によって右方へ切り替わる。つまり、スプール15bは、図面下側に示すようにLレンジの1速時およびRレンジへの切換過渡時のみ右方へ切り替わるものである。ポート15dにはC2圧制御バルブ18からC2クラッチ圧PC2が入力され、ポート15eはC2クラッチと接続されている。ポート15fにはマニュアルバルブ12から前進時のライン圧PD が入力されている。ポート15gはフェールセーフバルブ16のポート16hとに接続され、前進時のライン圧PD を出力している。ポート15hはドレーンポートである。ポート15iにはB2圧制御バルブ21からB2ブレーキ圧PB2が入力され、ポート15jはB2ブレーキと接続されている。ポート15kには後退時のライン圧PR が入力され、そのままC1クラッチとも接続されている。ポート15lは後述するフェールセーフバルブ16の右端ポート16cと接続され、ポート15mはC3クラッチと接続されている。 【0019】フェールセーフバルブ(インタロック防止弁)16は、Dレンジで走行中、C2,C3クラッチおよびB1ブレーキが同時に係合する多重噛み合い(インタロック)を防止するためのバルブである。具体的には、3つの摩擦要素C2,C3,B1に同時に油圧が供給されたとき、B1ブレーキの油圧を抜くことで、強制的に3速状態としている。フェールセーフバルブ16は、図6のようにスプリング16aによって右方へ付勢されたスプール16bを備えており、通常時はスプール16bは図面上側に示す位置にあり、Rレンジへの切換過渡時およびインタロック時のみ図面下側に示すように、左側へ切り替わる。右端ポート16cにはC3クラッチ圧または後退圧(R圧)PR が選択的に入力され、ポート16dにはC2クラッチ圧PC2が入力され、ポート16eにはB1ブレーキ圧PB1が入力されている。これら3つの油圧が同時に作用すると、その押圧力がスプリング16aの荷重より大きくなり、スプール16bは左方へ切り替わる。ポート16fには後退油圧、つまりC1クラッチ圧PC1が入力され、ポート16gはB2圧制御バルブ21のドレーンポート21dと接続されている。ポート16hにはDレンジ圧が入力され、ポート16iはB1圧制御バルブ17のポート17fに油圧を出力している。スプリング16aを収容した左端のポート16jにはマニュアルバルブ12から前進時のライン圧PD が入力されている。なお、ポート16k,16lはドレーンポートである。 【0020】B2圧制御バルブ21は、B2ブレーキ圧PB2を制御する調圧バルブであり、スプリング21aによって左方へ付勢されたスプール21bを備えている。左端ポート21cには第3ソレノイドバルブ24からRレンジ時に信号圧PS3が入力されており、ポート21dはフェールセーフバルブ16のポート16gと接続されている。また、ポート21eはシーケンスバルブ15を介してB2ブレーキと接続され、Lレンジの1速時およびRレンジへの切換過渡時にB2ブレーキへ油圧PB2を供給する役割を持つ。ポート21fにはライン圧PL が入力されており、スプリング21aを収容した右端ポート21gには出力圧PB2がフィードバックされている。 【0021】上記ポート21dは、前進走行時にはフェールセーフバルブ16を介してC1クラッチと接続されているので、ドレーンされている。また、左端ポート21cに入力される第3ソレノイドバルブ24の信号圧PS3もドレーンされているので、スプール21bは図6の下側に示すように左端位置にある。そのため、B2ブレーキへの油圧PB2もドレーンされる。 【0022】一方、P,NレンジからRレンジへの切換過渡時には、第4ソレノイドバルブ25が一時的にONされるので、シーケンスバルブ15が一時的に右側へ切り替わり、フェールセーフバルブ16の右端ポート16cに大きな後退油圧PR が入力されることで、フェールセーフバルブ16も一時的に左側へ切り替わり、B2圧制御バルブ21のポート21dはドレーンされる。また、左端ポート21cに第3ソレノイドバルブ24から信号圧PS3が入力されるので、スプール21bは図6の上側に示す位置に保持され、その出力圧PB2は次式のようにライン圧PLより低めの油圧に調圧される。 PS3・A4 =PB2・A5 +Sp上式において、A4 は左端ポート21cの受圧面積、A5 は右端ポート21gの受圧面積、Spはスプリング21aの荷重である。このようにB2圧制御バルブ21は、Rレンジへの切換過渡時にB2ブレーキへの油圧PB2を緩やかに立ち上げる、換言すればC1クラッチより締結を遅らせることにより、切換ショックを軽減する機能を有している。 【0023】C2圧制御バルブ18はC2クラッチ圧PC2を制御するためのバルブであり、図7に示すようにスプリング18aによって左方へ付勢されたスプール18bを備えている。入力ポート18cには前進時のライン圧PD が入力され、出力ポート18dからC2クラッチ圧PC2が出力される。左端ポート18eには第2ソレノイドバルブ23の信号圧Ps2が入力される。なお、18fはドレーンポートである。出力圧PC2はスプリング18aが収容された右端ポート18gにフィードバックされており、出力圧PC2は信号圧Ps2およびスプリング荷重との相関関係により、調圧される。 【0024】ここで、本発明におけるフェールセーフバルブ16の作動不良の検出方法を、図8にしたがって説明する。まず、シフトレバーをPまたはNレンジからRレンジへ切り換えたか否かを判別する(ステップS1)。もし、Rへ切り換えた場合には、第4ソレノイドバルブ25をONさせる(ステップS2)。これにより、第4ソレノイドバルブ25の信号圧PS4がシーケンスバルブ15の左端ポート15cに入力され、スプール15bが右側へ切り替わる。その結果、フェールセーフバルブ16の右端ポート16cに後退油圧PR が作用する(ステップS3)。この油圧PR は前進時のライン圧PD より高いので、フェールセーフバルブ16が正常であれば、左側へ切り替わり(ステップS4)、B2圧制御バルブ21のポート21dと接続されたポート16gをドレーンさせる。そのため、B2ブレーキには第3ソレノイドバルブ24の信号圧PS3と比例する油圧PB2が供給され、緩やかに締結される(ステップS5)。つまり、C1クラッチは速やかに締結されるのに対し、B2ブレーキが緩やかに締結されるため、Rレンジへ切り換えた時のショックが少ない。一定時間後、第4ソレノイドバルブ25がOFFし(ステップS6)、シーケンスバルブ15が左側位置へ、フェールセーフバルブ16が右側位置へ戻り、B2圧制御バルブ21のポート21dにC1クラッチ圧PC1が入力され、B2ブレーキにはシーケンスバルブ15のポート15k,15iを介して高い油圧が供給される(ステップS7)。この高い油圧は、B2ブレーキに大きなトルクが作用してもすべりを発生させないためである。 【0025】一方、フェールセーフバルブ16の右端ポート16cに後退油圧PR が作用した時、フェールセーフバルブ16が作動不良を起こしている場合には、フェールセーフバルブ16が左側へ切り替わらずロック状態となる。そのため、B2圧制御バルブ21のポート21dにはC1クラッチ圧PC1がそのまま入力され、B2ブレーキはC1クラッチと同時に締結される(ステップS8)。そのため、Rレンジへ切り換えた時のショックが大きく、運転者は異常が発生したことを知ることができる。その後、第4ソレノイドバルブ25がOFFされる(ステップS9)。なお、フェールセーフバルブ16が作動不良を起こしても、B2ブレーキは正常に締結できるので、後退走行には全く支障がない。 【0026】図9はRレンジへの切り換え時のC1クラッチ圧とB2ブレーキ圧の変化を示す。図9の実線は正常時の油圧変化を示しており、時刻t1 でシフトレバーをRレンジへ切り換えると、C1クラッチ圧が即座に立ち上がるのに対し、B2ブレーキ圧は第3ソレノイドバルブ24の作用によって緩やかに立ち上がり、締結するので、ショックが少ない。そして、時刻t2 でB2ブレーキ圧は最大油圧まで上昇する。時刻t2 はシーケンスバルブ15およびフェールセーフバルブ16の切替点である。なお、第3ソレノイドバルブ24で制御範囲が広ければ、B2ブレーキ圧を最大油圧まで第3ソレノイドバルブ24で制御してもよい。一方、フェールセーフバルブ16がバルブスティックなどの作動不良により右端位置で固定された場合には、ポート21dがドレーンされず、C1クラッチ圧がB2ブレーキに供給される。つまり、図9に破線で示すように、C1クラッチとB2ブレーキが同時に締結することになり、ショックが大きくなる。 【0027】なお、図8では、P,N→Rへの切り換え時に、運転者がショックによって作動不良を知る場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば電子制御装置(コンピュータ)によって作動不良を検出し、警告することも可能である。すなわち、第4ソレノイドバルブ25をONした後、入力軸2と出力軸7との回転数の比が所定の減速比となるまでの時間を測定し、その時間が基準時間より短い場合には、B2ブレーキの締結が早すぎる、つまりフェールセーフバルブ16の作動不良であると判定し、警報ランプまたは警報ブザーによって警告を行なえばよい。 【0028】本発明は上記実施例に限定されるものではない。上記実施例では、3個のクラッチC1〜C3と2個のブレーキB1,B2を有する自動変速機について説明したが、これに限るものではない。また、フェールセーフバルブ16はB1ブレーキ圧,C2クラッチ圧,C3クラッチ圧が同時に掛かったとき、B1ブレーキ圧を抜くようにしたが、これに限るものではなく、C2クラッチ圧またはC3クラッチ圧を抜くようにしてもよい。 【0029】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、後退レンジにおいて係合する第1の摩擦要素の油圧を調圧制御する油圧制御弁のドレーンポートを、インタロック防止弁を介してドレーン油路または後退レンジにおいて係合する第2の摩擦要素の油路と接続し、ニュートラルレンジから後退レンジへの切換過渡時のみインタロック防止弁をドレーン側へ切り換えるようにしたので、正常時には第2の摩擦要素には速やかに油圧が供給されるが、第1の摩擦要素には遅れて油圧が供給されるため、同時に複数の摩擦要素が締結されず、ショックが少ない。これに対し、インタロック防止弁が作動不良を起こしている場合には、インタロック防止弁がドレーン側へ切り換わらず、油圧制御弁が制御不能となり、後退レンジへの切換時に同時に複数の摩擦要素が締結される。そのため、係合ショックあるいは係合時間が短いことにより、インタロック防止弁の作動不良を警告できる。このように、後退レンジへの切換の際にインタロック防止弁の作動チェックを行なうので、インタロック防止弁の作動状態を容易に確認できる。なお、フェールセーフバルブが作動不良を起こしても、通常走行には支障がないので、安全に走行できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002967 【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】筒井 秀隆
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| 【公開番号】 |
特開平11−230320 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−41366 |
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