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【発明の名称】 車両用自動変速機の液圧制御システム
【発明者】 【氏名】張 在 悳

【要約】 【課題】摩擦要素から発生する耐久性低下を防止し、スキップ変速時に変速応答性を速くし、シフトが行われる際の変速衝撃を最少にする車両用自動変速機の液圧制御システムを提供する。

【解決手段】液圧コントロール手段からのコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する3−4シフトバルブと、前記コントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する2−3/4−3シフトバルブと、前記コントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する4−2シフトバルブと、前記コントロール圧を選択的に前記2−3/4−3シフトバルブ及び4−2シフトバルブに供給し、レンジコントロール手段からの液圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する1−2シフトバルブと、各摩擦要素の作動タイミングを精密に制御するコントロールスイッチバルブと、制御信号に応じて前記コントロールスイッチバルブを制御するソレノイドバルブを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液圧ポンプを用いて液圧を生成させる液圧供給手段と、前記液圧供給手段から供給された液圧をライン圧に調節するライン圧調節手段と、前記ライン圧調節手段から供給された液圧を減圧させるリデューシング圧制御手段と、変速レンジを設定して前記ライン圧調節手段から供給される液圧を選択的に供給するレンジコントロール手段と、前記レンジコントロール手段から供給される液圧をトランスミッション制御ユニット(TCU)の制御によって各変速レンジに対応する管路に供給することにより変速モードを形成するシフトコントロール手段と、変速時の円滑な変速モードの形成のために前記レンジコントロール手段から供給される液圧を摩擦要素を作動させるコントロール圧に変換させる液圧コントロール手段と、各変速段で入力及び反力要素として作用する各摩擦要素に各変速モードに応じて適切に液圧を供給分配する液圧分配手段とを含んでなる車両用自動変速機の液圧制御システムにおいて、前記液圧分配手段は、3−4変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する3−4シフトバルブと、2−3又は4−3変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する2−3/4−3シフトバルブと、4−2スキップ変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する4−2シフトバルブと、1−2変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に前記2−3/4−3シフトバルブ及び4−2シフトバルブに供給し、また、前記レンジコントロール手段から供給される液圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する1−2シフトバルブと、前記シフトコントロール手段から供給される液圧と、前記液圧コントロール手段から前記1−2シフトバルブを経由して供給されるコントロール圧を各変速段に対応する摩擦要素に付加的に供給することにより、各摩擦要素が作動しはじめる作動タイミングを精密に制御するコントロールスイッチバルブと、トランスミッション制御ユニット(TCU)の制御信号に応じて前記コントロールスイッチバルブを制御するソレノイドバルブを含んでなる車両用自動変速機の液圧制御システム。
【請求項2】 前記3−4シフトバルブは、前記レンジコントロール手段と連結されているポートと、前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、前記2−3/4−3シフトバルブと連結されているポートと、走行(D)レンジ1,2,3速で入力要素として作動する第1摩擦要素と連結されているポートを含んでなる請求項1記載の車両用自動変速機の液圧制御システム。
【請求項3】 前記2−3/4−3シフトバルブは、該2−3/4−3シフトバルブの両側に形成されて前記シフトコントロール手段から該バルブのバルブスプールを作動させる制御圧を供給されるポートと、前記3−4シフトバルブと連結されているポートと、前記1−2シフトバルブを経由して前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、走行(D)レンジ3速と後進(R)レンジで入力要素として作動する第4摩擦要素と連結されており、同時に、走行2,4速で反力要素として作動する第2摩擦要素の解除チャンバと連結されているポートを含んでなる請求項1記載の車両用自動変速機の液圧制御システム。
【請求項4】 前記4−2シフトバルブは、前記コントロールスイッチバルブと連結されているポートと、前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、前記1−2シフトバルブを経由して前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、前記3−4シフトバルブと連結されているポートと、走行(D)レンジ3,4速で入力要素として作動する第3摩擦要素と連結されているポートを含んでなる請求項1記載の車両用自動変速機の液圧制御システム。
【請求項5】 前記1−2シフトバルブは、前記レンジコントロール手段と連結されているポートと、前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、後進(R)レンジで反力要素として作動する第5摩擦要素と連結されているポートと、前記2−3/4−3シフトバルブと,前記4−2シフトバルブと,前記コントロールスイッチバルブと同時に連結されているポートを含んでなる請求項1記載の車両用自動変速機の液圧制御システム。
【請求項6】 前記コントロールスイッチバルブは、前記レンジコントロール手段と連結されているポートと、3,4速で液圧が流れる3速管路を通じて前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、前記1−2シフトバルブを経由して前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、2,3,4速で液圧が流れる2速管路を通じて前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、走行(D)レンジ2,4速で反力要素として作動する第2摩擦要素の作動チャンバと連結されているポートと、走行(D)レンジ3,4速で入力要素として作動する第3摩擦要素と連結されているポートを含んでなる請求項1記載の車両用自動変速機の液圧制御システム。
【請求項7】 前記第3摩擦要素に供給された液圧は、排出時において、前記コントロールスイッチバルブと、前記4−2シフトバルブを経て排出することができるように構成されている請求項4記載の車両用自動変速機の液圧制御システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用自動変速機の液圧制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用自動変速機は、トルクコンバータと、このトルクコンバータに連結されている多段変速ギヤメカニズムを有しており、さらに、車両の走行状態に応じて前記変速ギヤメカニズムのギヤ段の中のある1つのギヤ段を選択するための、液圧によって作動する多数個の摩擦要素を有している。
【0003】このような車両用自動変速機には、該自動変速機を制御する液圧制御システムが提供されており、該液圧制御システムにおいて、液圧ポンプから生成された液圧は多数個の制御バルブによって各摩擦要素に選択的に供給されて摩擦要素を選択的に作動させ、これにより車両の走行状態及びスロットル開度に応じて適切な変速が自動的に行われる。
【0004】前記のような液圧制御システムは、一般に、液圧ポンプから生成された液圧をライン圧に調節するライン圧調節手段と、トルクコンバータのダンパクラッチを作動させるためのダンパクラッチコントロール手段と、ライン圧を減圧させるためのリデューシング圧コントロール手段と、各変速レンジに該当する流路にライン圧を選択的に供給するためのレンジコントロール手段と、前記レンジコントロール手段から供給された液圧を選択的に供給して変速モードを形成させる変速コントロール手段と、変速時の円滑な変速モードの形成のために前記レンジコントロール手段から供給された液圧をデューティ制御して変速感及び応答性を調節する液圧コントロール手段と、前記液圧コントロール手段又は変速コントロール手段から供給された液圧を各摩擦要素に適切に分配する液圧分配手段を含んでなる。これにより、このような液圧制御システムは、トランスミッション制御ユニットによってオン/オフされるソレノイドバルブとデューティ制御されるソレノイドバルブによって、液圧分配手段の液圧分配が異なるようになり、摩擦要素の作動が選択されて変速段制御が実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような液圧制御システムにおいて、制御が行われる際に、現在の変速段から他の変速段への変速制御時に、現在作動している摩擦要素に供給されている液圧を排出したり又は新しい摩擦要素に液圧を供給するタイミングは、実質的に変速感に大きな影響を与えており、このような供給及び排出タイミングが不正確な場合には、エンジンの回転数が急上昇したり又は変速メカニズムがロッキングする現象が発生する虞がある。あるいは、自動変速機の耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。
【0006】そこで、前記タイミングを正確に調節し変速感を向上させるための手段を講ずるために変速バルブの構造を変更する方法などが提案されているが、この場合、変速バルブの構造が複雑になる問題点があり、また、制御が複雑になる問題点を包含している。
【0007】本発明は前記のような問題点を解決するために発明されたものであり、その目的は、走行中に他の変速段への変速制御が行われる際に、入力要素として作用する摩擦要素から発生する耐久性低下を防止することができる車両用自動変速機の液圧制御システムを提供することにある。また、本発明の他の目的はスキップ変速時の変速応答性を速くし、特に、3速にアップシフト又はダウンシフトが行われる際に、3速摩擦要素の作動時期を正確に制御して変速衝撃を最少にすることができる車両用自動変速機の液圧制御システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を実現するために本発明は、液圧ポンプを用いて液圧を生成させる液圧供給手段と、前記液圧供給手段から供給された液圧をライン圧に調節するライン圧調節手段と、前記ライン圧調節手段から供給された液圧を減圧させるリデューシング圧制御手段と、変速レンジを設定して前記ライン圧調節手段から供給される液圧を選択的に供給するレンジコントロール手段と、前記レンジコントロール手段から供給される液圧をトランスミッション制御ユニット(TCU)の制御によって各変速レンジに対応する管路に供給することにより変速モードを形成するシフトコントロール手段と、変速時の円滑な変速モードの形成のために前記レンジコントロール手段から供給される液圧を摩擦要素を作動させるコントロール圧に変換させる液圧コントロール手段と、各変速段で入力及び反力要素として作用する各摩擦要素に各変速モードに応じて適切に液圧を供給分配する液圧分配手段を含んでなる車両用自動変速機の液圧制御システムにおいて、前記液圧分配手段は、3−4変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する3−4シフトバルブと、2−3又は4−3変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する2−3/4−3シフトバルブと、4−2スキップ変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する4−2シフトバルブと、1−2変速過程中にポート変換して前記液圧コントロール手段から供給されるコントロール圧を選択的に前記2−3/4−3シフトバルブ及び4−2シフトバルブに供給し、また、前記レンジコントロール手段から供給される液圧を選択的に各変速段に対応する摩擦要素に供給する1−2シフトバルブと、前記シフトコントロール手段から供給される液圧と、前記液圧コントロール手段から前記1−2シフトバルブを経由して供給されるコントロール圧を各変速段に対応する摩擦要素に付加的に供給することにより、各摩擦要素が作動しはじめる作動タイミングを精密に制御するコントロールスイッチバルブと、トランスミッション制御ユニット(TCU)の制御信号に応じて前記コントロールスイッチバルブを制御するソレノイドバルブを備える構成とする。
【0009】また、前記3−4シフトバルブは、前記レンジコントロール手段と連結されているポートと、前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、前記2−3/4−3シフトバルブと連結されているポートと、走行(D)レンジ1,2,3速で入力要素として作動する第1摩擦要素と連結されているポートを備え、また、前記2−3/4−3シフトバルブは、該2−3/4−3シフトバルブの両側に形成されて前記シフトコントロール手段から該バルブのバルブスプールを作動させる制御圧を供給されるポートと、前記3−4シフトバルブと連結されているポートと、前記1−2シフトバルブを経由して前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、走行(D)レンジ3速と後進(R)レンジで入力要素として作動する第4摩擦要素と連結されており、同時に、走行2,4速で反力要素として作動する第2摩擦要素の解除チャンバと連結されているポートを備える構成とする。
【0010】また、前記4−2シフトバルブは、前記コントロールスイッチバルブと連結されているポートと、前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、前記1−2シフトバルブを経由して前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、前記3−4シフトバルブと連結されているポートと、走行(D)レンジ3,4速で入力要素として作動する第3摩擦要素と連結されているポートを備え、前記1−2シフトバルブは、前記レンジコントロール手段と連結されているポートと、前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、後進(R)レンジで反力要素として作動する第5摩擦要素と連結されているポートと、前記2−3/4−3シフトバルブと,前記4−2シフトバルブと,前記コントロールスイッチバルブと同時に連結されているポートを備える構成とする。
【0011】さらに、前記コントロールスイッチバルブは、前記レンジコントロール手段と連結されているポートと、3,4速で液圧が流れる3速管路を通じて前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、前記1−2シフトバルブを経由して前記液圧コントロール手段と連結されているポートと、2,3,4速で液圧が流れる2速管路を通じて前記シフトコントロール手段と連結されているポートと、走行(D)レンジ2,4速で反力要素として作動する第2摩擦要素の作動チャンバと連結されているポートと、走行(D)レンジ3,4速で入力要素として作動する第3摩擦要素と連結されているポートを備え、前記第3摩擦要素に供給された液圧は、排出時において、前記コントロールスイッチバルブと、前記4−2シフトバルブを経て排出することができる構成とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明による液圧制御システムの中立レンジでの液圧流れを示す図面であり、このような液圧制御システムは、液圧発生及び供給手段から生成された液圧を各変速段に対応する摩擦要素に供給することにより、これら摩擦要素を作動させて自動変速を実現するようになり、このためにエンジンから動力を伝達されて流体動力伝達を用いて変速機側に伝達するトルクコンバータ2と、前記トルクコンバータ2及び変速段制御に必要なオイルと潤滑に必要なオイルを提供する液圧ポンプ4を含む。
【0013】前記液圧ポンプ4から生成される液圧が流れるライン圧管路6には、該管路に沿って流れるオイルを一定圧力を有するように調節する圧力調節バルブ8と、前記トルクコンバータ2及び潤滑用オイルの圧を一定に調節するトルクコンバータコントロールバルブ10と、前記トルクコンバータ2の動力伝達効率を増加させるためのダンパクラッチコントロールバルブ12が連結されて、ライン圧調節手段とダンパクラッチ制御手段を構成している。
【0014】さらに、前記液圧ポンプ4から生成される液圧の一部はライン圧より常に低い圧を維持することができるようにするリデューシングバルブ14と、運転席にあるセレクタレバーの位置に応じて連動して作動しながら流路を切替えるマニュアルバルブ16とに供給することができるように流路が構成されている。
【0015】前記リデューシングバルブ14で減圧された一定の液圧は高速段でライン圧を低下させて液圧ポンプの駆動損失を最少とするハイロー圧力バルブ18の制御圧として使用され、また、他の一部の液圧は、第1圧力制御バルブ20及び第2圧力制御バルブ22などから構成されている液圧コントロール手段に供給されて変速段制御圧として使用される。
【0016】さらに、これら第1,第2圧力制御バルブ20,22に供給される液圧の一部は、中立レンジから後進レンジへのモード変更時の変速衝撃を減少させるN−Rコントロールバルブ24の制御圧として使用される。
【0017】前記マニュアルバルブ16が、走行(D)レンジにある際に液圧が流れる管路26には、トランスミッション制御ユニットによってオン/オフ制御される第1ソレノイドバルブS1及び第2ソレノイドバルブS2の作用によって流路を切替えるシフトコントロールバルブ28が連通されている。前記マニュアルバルブ16はレンジコントロール手段に含まれ、前記第1,第2ソレノイドバルブS1,S2及びシフトコントロールバルブ28などが集められてシフトコントロール手段を構成している。
【0018】前記シフトコントロールバルブ28には、2速管路30,3速管路32,4速管路34が連結されて、各変速段に対応して作動する液圧分配手段を構成するスプールバルブに液圧を供給することができるように構成されている。即ち、2速管路30に沿って流れる液圧は、1−2シフトバルブ36の左側端ポートに供給されて該バルブを制御し、3速管路32に沿って流れる液圧は、2−3/4−3シフトバルブ38の左側端ポートに供給されて該バルブを制御し、4速管路34に沿って流れる液圧は、前記2−3/4−3シフトバルブ38の右側端ポートと3−4シフトバルブ40の左側端ポートに供給されてそれぞれのバルブを制御するようになる。
【0019】一方、前記第1圧力制御バルブ20は、第3ソレノイドバルブS3の制御によってポート変換し、第2圧力制御バルブ22は、第4ソレノイドバルブS4の制御によってポート変換するようになる。
【0020】前記マニュアルバルブ16から延長された管路26には1速管路27が分枝され、第1圧力制御バルブ20と第2圧力制御バルブ22に液圧が供給され、このように供給された液圧が第3,第4ソレノイドバルブS3,S4の制御によって3−4シフトバルブ40を経由して1速段の入力要素である第1摩擦要素C1に供給されるように流路が構成されている。
【0021】また、前記1速管路27にはタイミング制御管路42が連結されて、前記1速管路に沿って流れるライン圧がコントロールスイッチバルブ44と4−2シフトバルブ46に供給されるように流路が構成されている。
【0022】前記コントロールスイッチバルブ44は、3速段及び4速段の入力要素として作用する第3摩擦要素C3に作動圧を供給したり又は作動圧を解除するための機能を有し、前記第3摩擦要素C3に液圧が供給される液圧供給タイミングと2速及び4速で反力要素として作用する摩擦要素C2の作動タイミングを制御する。このようなタイミング制御はコントロールスイッチバルブ44がトランスミッション制御ユニットによってオン/オフ制御される第5ソレノイドバルブS5の作動によってポート変換することにより可能になる。
【0023】これによってコントロールスイッチバルブ44は、マニュアルバルブ16から制御圧を供給される第1ポートと、3速管路32を通じてライン圧を供給される第2ポートと、1−2シフトバルブ36を経由して第1圧力制御バルブ20から液圧を供給される第3ポートと、2速管路30を通じてライン圧を供給される第4ポートと、第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に液圧を供給する第5ポートと、前記第2ポートを通じて供給される液圧を第3摩擦要素C3に供給する第6ポートを含んでいる。前記コントロールスイッチバルブ44のバルブスプールは前記第1ポートと連結されている第5ソレノイドバルブS5によって作動して第3ポートを通じて流入された液圧を第5ポートを通じて第2摩擦要素C2の作動チャンバh2又は第6ポートを通じて第3摩擦要素C3に選択的に供給する機能を有する。
【0024】前記4−2シフトバルブ46は、前記コントロールスイッチバルブ44の第1ポートと連結されるポートと、3速管路32を通じて3速圧を供給されるポートと、1−2シフトバルブ36を経由して第1圧力制御バルブ20から液圧を供給されるポートと、第3摩擦要素に液圧を供給するポートと、前記3−4シフトバルブ40と連結されているポートを含む。
【0025】前記4−2シフトバルブ46のバルブスプールは該バルブの両側端の2つのポート、即ち、前記コントロールスイッチバルブ44の第1ポートと連結されたポート及び前記3−4シフトバルブ40と連結されたポートに供給された液圧の相互作用によって動くようになる。前記のような制御によって、前記4−2シフトバルブ46は、第3摩擦要素C3の作動タイミングをより精密に制御するようになる。
【0026】前記1−2シフトバルブ36は前記第1圧力制御バルブ20によってデューティ制御されたコントロール圧をコントロールスイッチバルブ44を経由して第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給し、同時に、前記コントロール圧を2−3/4−3シフトバルブ38を経由して第4摩擦要素C4と第2摩擦要素C2の解除チャンバh1に供給するようになる。
【0027】これにより、1−2シフトバルブ36は、前進2,3,4速変速段でシフトコントロールバルブ28から2速管路30を通じて制御圧を供給されるポートと、後進レンジで後進第1制御管路48を通じて後進圧を供給されるポートと、前記液圧コントロール手段の第1圧力制御バルブ20からデューティ制御されたコントロール圧を供給されるポートと、第5摩擦要素に前記後進圧を供給するポートと、前記第1圧力制御バルブ20から供給された液圧を2−3/4−3シフトバルブ38と4−2シフトバルブ46及びコントロールスイッチバルブ44に供給するポートを含む。
【0028】前記第2摩擦要素C2の作動チャンバh2にはキックダウンスイッチ50が設置されており、該キックダウンスイッチ50は、作動チャンバh2に液圧が供給されるか否かの可否を感知して、その信号をトランスミッション制御ユニットTCUに伝達することができるように構成される。
【0029】前記3−4シフトバルブ40は、1,2,3速で第2圧力制御バルブ22から供給されるコントロール圧が、第1摩擦要素C1に供給されるようにすることは勿論のこと、3→4変速時に第1摩擦要素C1に供給された液圧を排出する。
【0030】前記第2摩擦要素C2の解除チャンバh1に供給された液圧は、2−3/4−3シフトバルブ38又は3−4シフトバルブ40を経由して後進第2制御管路52にリターンしてマニュアルバルブ16の排出ポートExを通じて排出されるようになる。図面中の説明されていない符号S6は、ダンパクラッチコントロールバルブ12を制御してダンパクラッチを作動させたり又は作動を解除する第6ソレノイドバルブである。
【0031】前記のように構成される本発明の液圧制御システムにおいて、各変速段に対応する液圧の流れと変速過程を以下に説明する。図1に示すように、中立(N)レンジでは、液圧ポンプ4から生成されて提供される液圧が圧力調節バルブ8によって一定の液圧に調節され、リデューシングバルブ14を通じて減圧されてからそれぞれダンパクラッチコントロールバルブ12と第1及び第2圧力制御バルブ20,22に供給される。この際、トランスミッション制御ユニットによってデューティ制御される第3及び第4ソレノイドバルブS3,S4はオフ状態に制御されてこれら圧力制御バルブのスプールを図面における右側に移動させるようになる。
【0032】このような状態でセレクタレバーによって後進(R)レンジが選択されると、図2に示すように、マニュアルバルブ16に供給される液圧の一部が第3ソレノイドバルブS3のデューディ制御によって制御されるN−Rコントロールバルブ24を経由して後進第1制御管路48を通じて1−2シフトバルブ36に供給されながら該バルブのバルブスプールを右側に移動させて後進時に反力要素として作用する第5摩擦要素C5に供給される。また、他の一部の液圧はマニュアルバルブ16によって直接制御されながら後進第2制御管路52と、3−4シフトバルブ40と、2−3/4−3シフトバルブ38を通じて後進時に入力要素として作用する第4摩擦要素C4に供給されて後進制御が完了されるようになる。
【0033】さらに、前記のような中立の状態でセレクタレバーによって走行(D)レンジが選択されると、図3に示すようにマニュアルバルブ16に供給される液圧の一部が、シフトコントロールバルブ28と第1,第2圧力制御バルブ20,22に供給される。この際に、第1,第2ソレノイドバルブS1,S2はすべてオン状態に制御され、これにより前記シフトコントロールバルブ28のバルブスプールは、最初の中立状態と同様な位置を維持するようになる。
【0034】さらに、第3ソレノイドバルブS3がオン状態に制御されながら1速管路27を通じて第1圧力制御バルブ20に供給される液圧を遮断するようになるので、圧力制御手段に供給される液圧は、第2圧力制御バルブ22を通じて3−4シフトバルブ40を経由して前進1速時に入力要素として作用する第1摩擦要素C1に供給される。この際に、1速管路27から分枝したタイミング制御管路42を通じて、一部の液圧がコントロールスイッチバルブ44の右側ポートに供給されて該バルブのスプールを図面における左側に移動させるようになる。
【0035】このような1速制御状態で車速が増加し、スロットルバルブの開度率が増加すると、図4に示すように、トランスミッション制御ユニットは、オン状態に制御されていた第1ソレノイドバルブS1をオフ状態に制御して、シフトコントロールバルブ28に供給される液圧を2速管路30に供給するようになる。さらに、第3ソレノイドバルブS3がオフ状態にデューティ制御されて1速管路27に沿って流れる制御圧を1−2シフトバルブ36とコントロールスイッチバルブ44を経由して第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給するようになる。この際、1−2シフトバルブ36を通過する一部の液圧は、2−3/4−3シフトバルブ38と4−2シフトバルブ46に供給されてそこで待機し、また他の一部の液圧は2速管路30から分枝された管路を通じてコントロールスイッチバルブ44で待機するようになる。
【0036】このような状態で、図5に示すように、第3ソレノイドバルブS3と第5ソレノイドバルブS5がオフに制御されると、コントロールスイッチバルブ44のバルブスプールが左側に移動するとともに2速管路30が第2摩擦要素C2の作動チャンバh2と連通して2速制御が完了する。
【0037】前記のような2速制御状態で車速がさらに増加し、スロットルバルブの開度が増加するようになると、図6に示すように、変速制御手段の第1,第2ソレノイドバルブS1,S2をすべてオフにするようになる。このような制御によって2速管路30と3速管路32に液圧が流れ、3速管路32の液圧は2−3/4−3シフトバルブ38の左側ポートに流入されながらバルブスプールを図面における右側に移動させるようになる。
【0038】このような作用によって2速制御時に2−3/4−3シフトバルブ38で待機していた液圧が第2摩擦要素C2の解除チャンバh1に供給されて該第2摩擦要素C2の作動を中断させるとともに第4摩擦要素C4に制御圧を供給するようになる。これと同時に、前記第2摩擦要素C2の作動チャンバh2には第5ソレノイドバルブS5のオン制御によってコントロールスイッチバルブ44を経由する制御圧が供給されることは勿論のこと、第2,第3速ライン圧がコントロールスイッチバルブ44で待機するようになる。
【0039】このような状態で、図7に示すように、オン制御されていた第5ソレノイドバルブS5がオフ制御されると、コントロールスイッチバルブ44のバルブスプールが左側に移動しながら第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給された圧を制御圧から2速ライン圧に変換させるとともに3速ライン圧が第3摩擦要素C3に供給されて3速制御が完了する。
【0040】前記のような3速制御時に第3摩擦要素C3に供給される液圧の一部は、ハイロー圧力バルブ18に供給されながら圧力調節バルブ8を制御してライン圧を調節するようになる。実質的に、ライン圧調節はライン圧を低下させることであるが、これは高速段で液圧ポンプの駆動損失を減少させることにより高速段で燃費を向上させる効果を得ることができる。
【0041】さらに、前記のような3速から4速への変速時に第3摩擦要素C3の作動を第5ソレノイドバルブS5によって制御することにより、走行中変速される過程で一時的に中立となることを防止するようになる。
【0042】前記のような3速制御状態で車速がさらに増加し、スロットルバルブの開度率が増加するようになると、トランスミッション制御ユニットは、図8に示すように、第1ソレノイドバルブS1と第5ソレノイドバルブS5をオン状態に制御して2速,3速,4速管路30,32,34のすべてに液圧が流れるようにし、第3ソレノイドバルブS3をデューティ制御する。すると、第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給された液圧がコントロールスイッチバルブ44の作動によって1−2シフトバルブ36を経由して供給された制御圧に変換され、4速ライン圧の供給によって3−4シフトバルブ40のバルブスプールが図面における右側に移動し、2−3/4−3シフトバルブ38のバルブスプールが図面における左側に移動するようになる。
【0043】これによって、第1摩擦要素C1に供給された液圧は、3−4シフトバルブ40の排出ポートExを通じて迅速に排出される。さらに、第2摩擦要素C2の作動側に供給される液圧が第2摩擦要素C2の解除チャンバh1を加圧するので、該解除チャンバh1と第4摩擦要素C4から排出される液圧は、迅速に2−3/4−3シフトバルブ38,3−4シフトバルブ40,後進第2制御管路52を経てマニュアルバルブ16を通じて排出される。
【0044】前記のように制御が行われた後には、図9に示すように、第5ソレノイドバルブS5がオフ制御されると、コントロールスイッチバルブ44のバルブスプールが図面における左側に移動して3速ライン圧を供給されて4速制御が完了する。
【0045】さらに、車両の走行中に、走行状況に応じてダウンシフトが行われる際の制御過程を見ると、まず、4速から3速へのダウンシフトの際には、図10に示すように、第1ソレノイドバルブS1がオフ制御されて4速管路34に供給された液圧が排出されることにより、2−3/4−3シフトバルブ38と3−4シフトバルブ40のバルブスプールがそれぞれ図面における右側と左側に移動するようになる。
【0046】また、第3,第4ソレノイドバルブS3,S4のデューティ制御によって第1圧力制御バルブ20で制御される圧が1−2シフトバルブ36を経てコントロールスイッチバルブ44と、2−3/4−3シフトバルブ38を通じて第2摩擦要素C2の作動チャンバh2と第2摩擦要素C2の解除チャンバh1と第4摩擦要素C4に制御圧が供給され、この際、第2摩擦要素C2の解除チャンバh1と第4摩擦要素C4とに供給される液圧は、第2摩擦要素C2の作動チャンバh2内の液圧による背圧を受ける。さらに、第1摩擦要素C1に供給される液圧は第2圧力制御バルブ22の制御によってデューティ制御されながら供給が行われるようになって4−3変速が実現する。このような背圧制御及びデューティ制御によって変速衝撃が減少し、また、自動変速機が一時的な中立状態になる現象を防止することができる。
【0047】図11は3→2ダウンシフト過程を説明するための図面であり、この際には第2ソレノイドバルブS2がオフ制御され、第3摩擦要素C3に供給された液圧は3速管路32とシフトコントロールバルブ28を通じて迅速に排出されるようになる。
【0048】さらに、第3ソレノイドバルブS3のデューティ制御によってコントロールスイッチバルブ44を通じて第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給される液圧は、1−2シフトバルブ36を経由して液圧コントロール手段から供給されたコントロール圧に変換されるようになる。第2摩擦要素C2の解除チャンバh1と第4摩擦要素C4から排出される液圧は、作動チャンバh2の背圧制御を受けながら、2−3/4−3シフトバルブ38,3−4シフトバルブ40,後進第2制御管路52を経てマニュアルバルブ16を通じて排出されて変速が行われるようになる。
【0049】図12は、2→1ダウンシフト時の液圧の流れ状態を示したものであり、この際に、第1ソレノイドバルブS1がオフ状態を維持している状態で第2ソレノイドバルブS2がオン状態に制御され、第5ソレノイドバルブS5は、変速中にはオン状態に制御され、変速末期には再びオフ状態に制御される。これによって、2速管路30に供給された液圧は、シフトコントロールバルブ28の排出ポートExを通じて迅速に排出され、第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給された液圧は、第3ソレノイドバルブS3のデューティ制御によって解除されて変速が行われるようになる。
【0050】一方、前記のような本発明の液圧制御システムは、4速から2速へのキックダウンスキップシフトが可能である。もし、4速から2速への制御命令がトランスミッション制御ユニットから出ると、図13に示すように、第1ソレノイドバルブS1をオン状態からオフ状態に制御し、第2ソレノイドバルブS2をオフ状態からオン状態に制御して、第5ソレノイドバルブS5はオン状態から変速後にオフ状態に制御するようになる。さらに、第3ソレノイドバルブS3と第4ソレノイドバルブS4がデューティ制御されて第3摩擦要素C3の作動圧が解除され、第1摩擦要素C1に作動圧が供給されて2速への変速制御を完了するようになる。
【0051】
【発明の効果】以上説明のように本発明による液圧制御システムは、走行中に他の変速段への変速制御が行われる際に、第5ソレノイドバルブが、変速中にはオン状態に制御され、コントロールスイッチバルブ44が第1圧力制御バルブ20によってデューティ制御されたコントロール圧を第2摩擦要素C2の作動チャンバh2に供給し、変速完了後に再びライン圧に変換させて供給することにより、作動摩擦要素の焼損を防止することは勿論のこと、変速衝撃を最少として変速感を向上させることができるようになる。
【0052】さらに、3→4,3→2の変速時に作動解除される第1,第3摩擦要素の圧を迅速に解除することは勿論のこと、第2摩擦要素の作動圧をもって第2摩擦要素C2の解除チャンバh1と第4摩擦要素から排出される液圧を背圧制御することができるようになるので変速衝撃を最少にするとともに、走行中に一時的に中立状態となることを防止することができるようになる。また、4→2スキップ変速ができ、変速応答性が非常に向上する等の優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 栄一
【公開番号】 特開平11−230318
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−48716