| 【発明の名称】 |
ハイドロメカニカルトランスミッション |
| 【発明者】 |
【氏名】紀ノ上 憲嗣
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| 【要約】 |
【課題】損失動力を低減することのできる動力伝達機構を有するハイドロメカニカルトランスミッションを提供する。
【解決手段】第3遊星歯車機構15の複数の遊星歯車48を保持するキャリア54と筒状軸52とを直結し、中間軸46と環状軸50との接続および切り離しを行なうためのロックアップクラッチ機構30を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力軸(1)と出力軸(2)とを結ぶ動力伝達経路にメカニカルトランスミッション(3)とハイドロスタティックトランスミッション(4)とを並設したハイドロメカニカルトランスミッションであって、前記入力軸(1)側に配置される入力軸側遊星歯車機構(13)と、前記出力軸(2)側に配置される出力軸側遊星歯車機構(7,8)と、前記入力軸側遊星歯車機構(15)に接続される筒状軸(52)と、前記出力軸側遊星歯車機構(7,8)に接続される中間軸(46)および環状軸(50)と、前記環状軸(50)と非被回転部(51)との接続および切り離しを行なうための第1クラッチ機構(10)と、前記中間軸(46)と前記筒状軸(52)との接続および切り離しを行なうための第2クラッチ機構(11)と、前記環状軸(50)と前記筒状軸(52)との接続および切り離しを行なうための第3クラッチ機構(12)と、前記入力軸(1)と前記中間軸(46)との接続および切り離しを行なうための第4クラッチ機構(14)と、前記環状軸(50)と前記中間軸(46)との接続および切り離しを行なうためのロックアップクラッチ機構(30)と、を有する、ハイドロメカニカルトランスミッション。 【請求項2】 前記第2クラッチ機構(11)は、前記中間軸(46)に第2クラッチ機構用ハブ(11a)が設けられ、前記ロックアップクラッチ機構(30)は、前記中間軸(46)にロックアップクラッチ機構用ハブ(30a)が設けられ、前記第2クラッチ機構用ハブ(11a)にロックアップクラッチ機構用クラッチドラム(30b)が設けられる、請求項1に記載のハイドロメカニカルトランスミッション。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、バス、トラック、各種建設機械、各種産業機械などに用いられる無段変速機に関し、特に、ハイドロメカニカルトランスミッションと言われる無段変速機に関するものである。 【0002】 【背景の技術】ハイドロメカニカルトランスミッションは、入力軸と出力軸とを結ぶ動力伝達経路に、クラッチ機構および遊星歯車機構を備えたメカニカルトランスミッションと、液圧ポンプおよび液圧モータを備えたハイドロスタティックトランスミッションとを並設し、無段階で連続した変速を行なうようにしたものである。 【0003】図5は、本願と同一の出願人によって平成8年3月12日に出願された特願平8−54434号に開示されたハイドロメカニカルトランスミッションの模式図であり、図6は、4段階の変速モードと回転数および斜板角度の変化を示す図であり、図7は、4段階の変速モードと各クラッチ機構の接続および切り離しの関係を示す図である。 【0004】この先行出願に開示されたハイドロメカニカルトランスミッションは、従来の3段階の変速モードから4段階の変速モードに多段化し、ロックアップ作動点を増大している。図5〜図7を参照して、特願平8−54434号に開示されたハイドロメカニカルトランスミッションの概略構成および動作について以下説明する。 【0005】ハイドロメカニカルトランスミッションは、入力軸1と出力軸2とを結ぶ動力伝達経路に、メカニカルトランスミッション3とハイドロスタティックトランスミッション4とを並設している。 【0006】メカニカルトランスミッション3は、第1遊星歯車機構7と、第2遊星歯車機構8と、第3遊星歯車機構15と、第1クラッチ機構10と、第2クラッチ機構11と、第3クラッチ機構12と、ドラムクラッチ機構13と、第4クラッチ機構14とを備えている。 【0007】第1遊星歯車機構7は、太陽歯車16と、この太陽歯車16に噛み合って公転運動する遊星歯車39と、遊星歯車39に噛み合う内歯歯車40と、複数の遊星歯車39を保持するキャリア41とを備えている。 【0008】第2遊星歯車機構8は、中間軸46に固定された太陽歯車44と、この太陽歯車44に噛み合って公転運動する複数の遊星歯車43と、遊星歯車43に噛み合う内歯歯車42と、複数の遊星歯車43を保持するキャリア45とを備えている。キャリア45と、第1遊星歯車機構7の内歯歯車40とは固定されている。また、図示するように、キャリア45と出力軸2とは固定される。第1遊星歯車機構7のキャリア41と、第2遊星歯車機構8の内歯歯車42とは固定される。 【0009】第3遊星歯車機構15は、入力軸1に固定された太陽歯車47と、太陽歯車47に噛み合って公転運動する複数の遊星歯車48と、遊星歯車48に噛み合う内歯歯車49とを備えている。内歯歯車49は、非回転部53に固定される。 【0010】第1クラッチ機構10は、第1遊星歯車機構7のキャリア41および第2遊星歯車機構8の内歯歯車42に固定された環状軸50と、非回転部51との間の接続および切り離しを行なうものである。 【0011】第2クラッチ機構11は、筒状軸52と中間軸46との間の接続および切り離しを行なう。 【0012】第3クラッチ機構12は、筒状軸52と環状軸50との間の接続および切り離しを行なう。 【0013】ドラムクラッチ機構13は、第3遊星歯車機構15の複数の遊星歯車48を保持するキャリア54と、筒状軸52との間の接続および切り離しを行なう。 【0014】第4クラッチ機構14は、入力軸1と中間軸46との間の接続および切り離しを行なう。 【0015】ハイドロスタティックトランスミッション4は、液圧ポンプ5と液圧モータ6とを備えている。入力軸1の回転は、歯車35および歯車36を経由して液圧ポンプ5のポンプ軸37に伝達される。液圧ポンプの斜板5aの斜板角度は可変である。一方、液圧モータ6の斜板6aの斜板角度は、2段階に切換え可能になっている。 【0016】液圧モータ6の出力は、モータ軸38、歯車18および歯車17を介して、メカニカルトランスミッション3の第1遊星歯車機構7の太陽歯車16に伝達される。 【0017】図6および図7は、4段階の変速モードにおける各部の動作状況を説明するための図である。図6および図7を参照して、ハイドロスタティックトランスミッションの動作を説明する。 【0018】低速域の第1モードでは、第1クラッチ機構10およびドラムクラッチ機構13が接続状態にされる。第2クラッチ機構11、第3クラッチ機構12および第4クラッチ機構14はそれぞれ切り離し状態になっているので、入力軸1の回転は環状軸50および中間軸46には伝達されない。 【0019】したがって、出力軸2は、ハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力のみによって回転されることになる。なお、第1モードにおいてドラムクラッチ機構13を接続状態にしているのは、第1モードから第2モードへの切換えに備えているためであり、第1モードにおいて、必ずしもドラムクラッチ機構13を接続状態にしておく必要はない。 【0020】液圧ポンプ5の可変斜板5aの斜板角度の変化に応じて、ハイドロスタティックトランスミッション4の出力が伝達される太陽歯車16の回転数も増減する。 【0021】中低速域の第2モードでは、第2クラッチ機構11およびドラムクラッチ機構13が接続状態にされる。この接続により、入力軸1の回転は、第3遊星歯車機構15、筒状軸52および中間軸46を経由して第2遊星歯車機構8に伝達される。したがって、出力軸2は、第2遊星歯車機構8を介した中間軸46からの伝達力と、第1遊星歯車機構7を介したハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力との合成力によって回転される。 【0022】中高速域の第3モードでは、第3クラッチ機構12およびドラムクラッチ機構13が接続状態にされる。入力軸1の回転は、第3遊星歯車機構15、筒状軸52、環状軸50を経由して第1遊星歯車機構7のキャリア41に伝達される。こうして、出力軸2は、第1遊星歯車機構7の遊星歯車39を介した環状軸50からの伝達力と、第1遊星歯車機構7の太陽歯車16を介したハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力との合成力によって回転される。 【0023】高速域の第4モードでは、第4クラッチ機構14および第3クラッチ機構12が接続状態にされ、第1クラッチ機構10、第2クラッチ機構11およびドラムクラッチ機構13は切り離された状態にされる。この第4モードの中間点では、液圧モータ6の斜板6aの角度が切換えられて、液圧ポンプ5の可変斜板5aの制御量に対する液圧モータ6の出力軸38の回転数の変化量が増大する。それに応じて、出力軸2の回転数の変化量も拡大される。入力軸1からの回転入力は、第4クラッチ機構14および中間軸46を経由して第2遊星歯車機構8の太陽歯車44にそのまま伝達される。出力軸2は、第2遊星歯車機構8のキャリア45からの伝達力と、第1遊星歯車機構7の第1太陽歯車16を介したハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力との合成力によって回転される。 【0024】なお、第1モードのドラムクラッチ機構13、第4モードの第3クラッチ機構12の接続は、次の切換点における筒状軸52の回転数同調を目的としており、回転力は伝達していない。 【0025】また、図6および図7に示すように、可変斜板5aの傾斜角度が最大のときおよび0°のときに、■〜■のロックアップ作動点が存在する。 【0026】■および■のロックアップ作動点は、可変斜板5cが(−)側に最も傾斜したときであり、■および■のロックアップ作動点は、可変斜板5aが(+)側に最も傾斜したときであり、■、■および■のロックアップ作動点は、可変斜板5aが0°のときの作動点である。 【0027】 【発明が解決しようとする課題】上記、特願平8−54434号に開示されたハイドロメカニカルトランスミッションにおいて、各モードにおける各クラッチ機構に加わる伝達トルクについて、図8を参照して説明する。 【0028】まず、第1モードにおいては、第1クラッチ機構10が接続状態にされ、第2クラッチ機構11、第3クラッチ機構12および第4クラッチ機構14はそれぞれ切り離し状態になっているため、伝達トルクは、第1クラッチ機構10にのみ加わる。なお、ドラムクラッチ機構13が接続状態にされているが、これは、次の切換点における筒状軸52の回転数同調を目的としているためで、回転力は何ら伝達していない。 【0029】次に、■ロックアップ作動点においては、一時的に第1クラッチ機構10、第2クラッチ機構11およびドラムクラッチ機構13が接続された状態になり、図8に示されるような伝達トルクが各クラッチ機構に加わる。 【0030】次に、第2モードでは、第2クラッチ機構11およびドラムクラッチ機構13が接続され、図8に示すような伝達トルクが各クラッチ機構に加わる。 【0031】次に、■ロックアップ作動点においては、一時的に第2クラッチ機構11、第3クラッチ機構12およびドラムクラッチ機構13が接続状態となり、図8に示すような伝達トルクが各クラッチ機構に加わる。 【0032】次に、第3モードでは、第3クラッチ機構12およびドラムクラッチ機構13が接続状態にされるため、図8に示すように伝達トルクが各クラッチ機構に加わる。 【0033】次に、■ロックアップ作動点においては、一時的に第3クラッチ機構12、第4クラッチ機構14およびドラムクラッチ機構13が接続状態にされるため、図8に示すような伝達トルクが各クラッチ機構に加わる。 【0034】次に、第4モードでは、第4クラッチ機構14が接続状態にされるため、図8に示すような伝達トルクが第4クラッチ機構14に加わることになる。なお、第4モードにおいては、ドラムクラッチ機構13も接続状態にされているが、次の切換点における筒状軸52の回転数同調を目的としているため、伝達トルクが加わることはない。 【0035】次に、■ロックアップ作動点においては、第2クラッチ機構11、第3クラッチ機構12および第4クラッチ機構14が接続状態にされるため、図8に示すように、伝達トルクが各クラッチ機構に加わる。 【0036】ここで、上述したように、通常のモード位置においては、それぞれ2つのクラッチ機構が接続され、■、■、■および■ロックアップ作動点においては、3つのクラッチ機構を係合させておく必要がある。係合中の各クラッチ機構は、その作動油圧のシール部において、摩擦抵抗によって動力損失が発生し、伝達効率の阻害要因となる。さらに、各クラッチ機構部において、シール部のシールリングの劣化による油圧の漏れや発進時の応答性を向上させるため、補助油圧ポンプの容量を大きめに選ぶ必要があり、この点においても、総合的な効率低下の要因となる。 【0037】また、ドラムクラッチ機構13に着目した場合に、ドラムクラッチ機構13は、本来■ロックアップ作動点において、第2クラッチ機構11と第3クラッチ機構12との係合を行なうため、筒状軸52と第3遊星歯車機構15とを切り離す目的のために設けられている。しかし、第2モードおよび第3モードにおいて、第2クラッチ機構11および第3クラッチ機構12に動力を伝達する役割を負うため、第2モードおよび第3モードにおいては、ドラムクラッチ機構13には、第2クラッチ機構11および第3クラッチ機構12と同じ伝達トルクが加わる。その結果、図8で説明したように、第3モードにおいては、第3クラッチ機構12およびドラムクラッチ機構13に大きな伝達トルクが加わるため、この伝達トルクに耐えることのできる伝達力がドラムクラッチ機構13に要求される。このため、クラッチ機構の外形寸法、クラッチ板の枚数とも大きくなり、コスト、重量の増加要因となる問題が生じている。 【0038】この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、損失動力を低減することのできる動力伝達機構を有するハイドロメカニカルトランスミッションを提供することである。 【0039】 【課題を解決するための手段】この発明は、入力軸と出力軸とを結ぶ動力伝達経路にメカニカルトランスミッションとハイドロスタティックトランスミッションとを並設したハイドロメカニカルトランスミッションを前提とする。 【0040】このようなハイドロメカニカルトランスミッションにおいては、入力軸側に配置される入力軸側遊星歯車機構と、出力軸側に配置される出力軸側遊星歯車機構と、入力軸側遊星歯車機構に接続される筒状軸と、出力軸側遊星歯車機構に接続される中間軸および環状軸と、この環状軸と非回転部との接続および切り離しを行なうための第1クラッチ機構と、中間軸と筒状軸との接続および切り離しを行なうための第2クラッチ機構と、環状軸と筒状軸との接続および切り離しを行なうための第3クラッチ機構と、入力軸と中間軸との接続および切り離しを行なうための第4クラッチ機構とを有する。 【0041】請求項1に記載の発明は、環状軸と中間軸との接続および切り離しを行なうためのロックアップクラッチ機構を備えていることを特徴とする。 【0042】この請求項1に記載の発明によれば、通常運転モード時においては、1つのクラッチ機構のみを作動させることで済み、各モードの切換ポイントにおけるロックアップ作動点においては、高速側および低速側の各モードで係合するクラッチ機構を接続するだけで済み、最高速のロックアップ作動点では、第4クラッチ機構とロックアップクラッチ機構のみを係合することで、それぞれのモードおよびロックアップを実現させることが可能となる。 【0043】これにより、すべての運転領域において、作動するクラッチ機構の数を低減させることができる。その結果、作動クラッチに用いられるシール部における摩擦抵抗による動力損失は、クラッチ機構の作動中にしか発生しないので、動力損失低減つまり伝達効率の向上を図ることが可能となる。 【0044】また、発進時において、係合するクラッチ機構の数が2個から1個に減少したため、クラッチ機構の係合完了を待つ時間を短縮することが可能となる。 【0045】さらに、各クラッチ機構に用いられる中小クラッチドラムを大クラッチドラムの内径部分の部材から製作してコストダウンを行なうことが可能となるが、大クラッチドラムの数量の軽減により、この効果をより有効にして、さらなるコスト低減を図ることが可能となる。 【0046】また、請求項2は、請求項1に記載の発明をより具体的に記載したものである。すなわち請求項2に記載の発明は、第2クラッチ機構は、中間軸に第2クラッチ機構用ハブが設けられ、ロックアップクラッチ機構は、環状軸にロックアップクラッチ機構用ハブが設けられ、第2クラッチ機構用ハブにロックアップクラッチ機構用クラッチドラムが設けられている。 【0047】上記請求項2に記載の発明によれば、効果的に請求項1に係る発明を実現することが可能となる。 【0048】 【発明の実施の形態】以下、本発明のハイドロメカニカルトランスミッションの構造について、図1および図2を参照して説明する。なお、背景の技術で説明したハイドロメカニカルトランスミッションと同一の構成および機構部分には同一の符号を付し、その構成および機構に関する説明は省略する。 【0049】したがって、以下、本発明の特徴部分についてのみ詳しく説明する。本発明におけるハイドロメカニカルトランスミッションにおいては、従来第3遊星歯車機構15の複数の遊星歯車48を保持するキャリア54と、筒状軸52との間の接続および切り離しを行なうためのドラムクラッチ機構を廃止して、キャリア54と筒状部材52とを直結する。また、第2クラッチ機構11と環状軸50との接続および切り離しを行なうためのロックアップクラッチ機構30を新たに設ける。具体的には、第2クラッチ機構11のハブ11aの部分にクラッチドラム30bを設け、環状軸50に、ハブ30aを設けるようにする。 【0050】次に、上記構造よりなるハイドロメカニカルトランスミッションの動作について、図3を参照して説明する。まず、通常運転モード時の各クラッチ機構の接続状態について説明する。低速域の第1モードでは、第1クラッチ機構10のみが接続状態にされる。第2クラッチ機構11、第3クラッチ機構12および第4クラッチ機構14はそれぞれ切り離し状態になっているので、入力軸1の回転は環状軸50および中間軸46には伝達されない。したがって、出力軸2は、ハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力のみによって回転されることになる。ここで、従来第1モードから第2モードへの切換えに備えるために、キャリア54と筒状軸52とを接続するためのドラムクラッチが設けられていたが、本発明においてはこのドラムクラッチを廃止し、キャリア54と筒状軸52とは直結されているために、クラッチの切換えを行なう必要がない。 【0051】中低速域の第2モードでは、第2クラッチ機構11のみが接続状態にされる。この接続により、入力軸1の回転は、第3遊星歯車機構15、筒状軸52および中間軸46を経由して第2遊星歯車機構8に伝達される。したがって、出力軸2は、第2遊星歯車機構8を介した中間軸46からの伝達力と、第1遊星歯車機構7を介したハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力との合成力によって回転される。 【0052】中高速域の第3モードでは、第3クラッチ機構12のみが接続状態にされる。入力軸1の回転は、第3遊星歯車機構15、筒状軸52、環状軸50を経由して第1遊星歯車機構7のキャリア41に伝達される。こうして、出力軸2は、第1遊星歯車機構7の遊星歯車39を介した環状軸50からの伝達力と、第1遊星歯車機構7の太陽歯車16を介したハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力との合成力によって回転される。 【0053】高速域の第4モードでは、第4クラッチ機構14のみが接続状態にされる。この第4モードの中間点では、液圧モータ6の斜板6aの角度が切換えられて、液圧ポンプ5の可変斜板5aの制御量に対する液圧モータ6の出力軸38の回転数の変化量が増大する。それに応じて、出力軸2の回転数の変化量も拡大される。入力軸1からの回転入力は、第4クラッチ機構14および中間軸46を経由して第2遊星歯車機構8の太陽歯車44にそのまま伝達される。出力軸2は、第2遊星歯車機構8のキャリア45からの伝達力と、第1遊星歯車機構7の第1太陽歯車16を介したハイドロスタティックトランスミッション4からの伝達力との合成力によって回転される。 【0054】次に、各モードの切換ポイントのロックアップ作動点における各クラッチ機構の接続状態について説明する。 【0055】■ロックアップ作動点においては、第1クラッチ機構10および第2クラッチ機構11が接続状態にされる。 【0056】■ロックアップ作動点においては、第2クラッチ機構11および第3クラッチ機構12が接続状態にされる。 【0057】■ロックアップ作動点においては、第3クラッチ機構12および第4クラッチ機構14が接続状態にされる。 【0058】■ロックアップ作動点においては、第4クラッチ機構14およびロックアップクラッチ機構30とを接続状態にされる。 【0059】これにより、それぞれのポイントにおけるロックアップを実現させることが可能となる。 【0060】また、各クラッチ機構に加わる伝達トルクは、図4に示すようになる。ここで、従来のドラムクラッチが廃止された結果、各通常モードにおいては、それぞれ1つのクラッチ機構のみを作動させることで済み、またモードの切換えポイントにおけるロックアップ作動点においては、2つのクラッチ機構を接続するだけでよい。また、新たに設けられたロックアップクラッチ機構30については、■ロックアップ作動点においてのみ用いられるため、ここでの伝達トルクに耐え得るだけの強度を満足する構造でよいため、従来のドラムクラッチと比較した場合に、小さなクラッチ機構で済む。 【0061】また、通常モードにおいては、1つのクラッチ機構を作動させるだけで済むため、発進時において、係合するクラッチ機構の数が従来の2個から1個に減少し、クラッチ機構の係合完了を待つ時間を短縮することが可能となる。 【0062】また、すべての運転領域にわたって、作動するクラッチ機構の数を従来の2〜3個から1〜2個に、1個ずつ減少させることができるため、各クラッチ機構に用いられるシーリング部における摩擦抵抗による動力損失は、クラッチ機構の作動中にしか発生しないため、動力損失低減すなわち伝達効率の向上を図ることが可能となる。 【0063】さらに、たとえば従来ドラムクラッチに用いられていたクラッチについては、モード2やモード3での大トルク伝達に備え大クラッチ板が複数枚用いられていたが、ロックアップクラッチ機構30においては、中クラッチ板をドラムクラッチの半数枚程度用いるだけで済む。その結果、第1クラッチ機構10、第2クラッチ機構11および第3クラッチ機構12に用いられる大クラッチ板の内径部分の部材から第4クラッチ機構14およびロックアップクラッチ機構30に用いられる中クラッチ板を製作することが可能となり、さらなるコストダウンを図ることが可能となる。 【0064】以上、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。 【0065】 【発明の効果】この発明に基づいたハイドロメカニカルトランスミッションによれば、通常運転モード時においては、1つのクラッチ機構のみを作動させることで済み、各モードの切換ポイントにおけるロックアップ作動点においては、高速側および低速側のクラッチ機構を接続するだけで済み、最高速のロックアップ作動点では、第4クラッチ機構とロックアップクラッチ機構のみを係合することで、それぞれのモードおよびロックアップを実現させることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−230308 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−31073 |
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