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【発明の名称】 磁気ねじおよび該磁気ねじを用いたステージ装置
【発明者】 【氏名】西邑 直亮

【要約】 【課題】軸とナット体を同心円に微小な間隔で支持し、磁力作用により軸とナット体を非接触な状態で駆動することができるとともに容易に製作することができ耐久性の高いクリーンな搬送システムを構築できる磁気ねじを提供する。

【解決手段】軸1が挿通可能な内径を有するナット体2を磁性体で構成し、ナット体2の内筒体2bはN極とS極が交互に螺旋状の着磁されており、磁性体製の軸1には内筒体2bの螺旋状に着磁された各磁極と同ピッチ間隔、同リード角で2条のねじ山が形成され、ねじ溝を非磁性体4で埋めて軸1の外周面を平滑にし、そして、ナット体2に設けた空気供給孔3を介して軸1とナット体2の間に圧縮空気を供給して、軸1とナット体2の間に圧縮空気層を形成する。この圧縮空気層の空気圧により軸1とナット体2を微小間隔で支持し、軸1の回転運動により磁力作用によってナット体2を非接触な状態で直線駆動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸と該軸が挿通可能な内径を有するナット体を磁性体により構成し、前記軸と前記ナット体の少なくとも一方に螺旋状の磁極を設けた磁気ねじにおいて、前記軸と前記ナット体との間に圧縮空気を供給して前記軸と前記ナット体を空気圧で支持し、前記軸と前記ナット体の非接触な駆動を可能としたことを特徴とする磁気ねじ。
【請求項2】 ナット体に空気供給孔を設け、該空気供給孔を介して前記ナット体と軸との間に圧縮空気を供給することを特徴とする請求項1記載の磁気ねじ。
【請求項3】 空気供給孔を設けた空気供給部材をナット体の軸心方向の両側に少なくとも2個取り付けて、該空気供給部材の空気供給孔を介して前記ナット体と軸との間に圧縮空気を供給することを特徴とする請求項1記載の磁気ねじ。
【請求項4】 ナット体の内周を平滑にするとともに、軸の外周面には、ナット体の螺旋状に着磁された磁極に対応する螺旋状のねじ山を形成し、ねじ山とねじ山の間を非磁性体で埋めて該軸の外周を平滑にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の磁気ねじ。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項記載の磁気ねじの軸に該軸を回転駆動する駆動源を連結し、前記磁気ねじのナット体にステージを取り付けたことを特徴とするステージ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁力の作用を利用して回転運動を直線運動に変換させてナット体を駆動する磁気ねじおよび該磁気ねじを用いたステージ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来工作機械などの搬送装置において、モーターの回転運動を直線運動に変換する機構としては、滑りねじやボールねじを用いたものと磁気ねじや静圧空気送りねじを用いたものがある。ボールねじのようにねじ軸とナット体の間のボールによる転がり接触によって、ねじ軸の回転運動をナット体の直線運動に変換する機構では、その動きに金属接触が伴なうので、部材の摩耗、摩耗粉や摩擦熱、さらに騒音等の種々の問題があった。
【0003】また、ボールねじ等のような金属接触を伴なわない機構として、磁気ねじや静圧空気送りねじによる搬送が提案されている。
【0004】磁気ねじによる搬送装置の従来例としては、特開平7−280060号公報や特開平7−280061号公報等に開示されており、この種の従来の磁気ねじは、図7に図示するように、ねじ軸101とこのねじ軸101の外周に間隙をおいて套嵌されたナット体102を磁性体により構成し、ねじ軸101とナット体102の少なくともいずれか一方に螺旋状の磁極を設け、この磁極の磁力作用により、ねじ軸101の回転運動をナット体102の直線運動に変換する機構であり、そして、ナット体102の軸線方向の両側には、ねじ軸101をナット体102に対して同心状に保持して摺動自在に案内するガイドリング111を取付けねじ112等により取り付けて配設している。なお、図7において、105はねじ軸101に平行に配設されてナット体102の移動をガイドするリニアガイドである。
【0005】また、静圧空気送りねじは、通常の送りねじと同様にねじ状に加工されたナット体とねじ軸とで構成され、ねじ軸とナット体との間隙に外部から高圧の気体を供給し、そこに形成される気体膜を介してスラスト力を伝達するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術において、磁気ねじを用いた搬送装置では、ねじ軸とナット体の間の磁力の作用によりねじ軸の回転運動をナット体の直線運動に変換する機構となっており、ボールねじ等のような金属接触を伴なわないので、摩擦による部材の摩耗、摩耗粉や摩擦熱、騒音等の問題を解消することができる。
【0007】しかし、磁気ねじでは、ねじ軸とナット体の間の磁力の吸引力を利用しているために、ねじ軸とナット体が直接接触しないようにねじ軸とナット体を常に間隙を介して同心円に保つ必要があるけれども、従来の磁気ねじでは、ねじ軸とナット体の間を磁力の作用のみで保持しているので、ねじ軸とナット体の接触を完全に防ぐことは困難であった。
【0008】また、ナット体の軸線方向の両側にガイドリングを設けた磁気ねじでは、ガイドリングで支持することによりねじ軸とナット体の接触は防ぐことができるけれども、ガイドリングとねじ軸の間の接触による摩耗粉の発生による環境の汚染をなくすことはできない。
【0009】一方、静圧空気送りねじは、ねじ軸とナット体の間を空気などの気体膜で支持して、スラスト力を伝達しているので、高精度、長寿命、低摩擦等の優れた特性を持っているけれども、ねじ軸とナット体とをねじ状に高精度に加工することの困難さが問題となっている。
【0010】そこで、本発明は、上記の従来技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、軸とナット体を同心円に微小な間隔で支持し、磁力作用により軸とナット体を非接触な状態で駆動することができるとともに、容易に製作することができ、耐久性の高いクリーンな搬送システムを構築できる磁気ねじ、および該磁気ねじを用いたステージ装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の磁気ねじは、軸と該軸が挿通可能な内径を有するナット体を磁性体により構成し、前記軸と前記ナット体の少なくとも一方に螺旋状の磁極を設けた磁気ねじにおいて、前記軸と前記ナット体との間に圧縮空気を供給して前記軸と前記ナット体を空気圧で支持し、前記軸と前記ナット体の非接触な駆動を可能としたことを特徴とする。
【0012】そして、本発明の磁気ねじにおいては、ナット体に空気供給孔を設け、該空気供給孔を介して前記ナット体と軸との間に圧縮空気を供給することが好ましく、あるいは、空気供給孔を設けた空気供給部材をナット体の軸心方向の両側に少なくとも2個取り付けて、該空気供給部材の空気供給孔を介して前記ナット体と軸との間に圧縮空気を供給することが好ましい。
【0013】また、本発明の磁気ねじにおいては、ナット体の内周を平滑にするとともに、軸の外周面には、ナット体の螺旋状に着磁された磁極に対応する螺旋状のねじ山を形成し、ねじ山とねじ山の間を非磁性体で埋めて該軸の外周を平滑にすることが好ましい。
【0014】さらに、本発明のステージ装置は、請求項1ないし4のいずれか1項記載の磁気ねじの軸に該軸を回転駆動する駆動源を連結し、前記磁気ねじのナット体にステージを取り付けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の磁気ねじによれば、ねじ軸を構成する軸とナット体との間に圧縮空気を供給することにより、軸とナット体を圧縮空気層の空気圧で支持し、軸とナット体の非接触な駆動を可能とする。これにより、軸とナット体の接触による摩耗や摩耗粉、摩擦熱、騒音等の問題を解消することができ、パーチクルの発生がほとんどなく、さらに、圧縮空気を軸とナット体との間に供給しているために磁気ねじ内部へのパーチクルの進入を防ぐことができ、軸やナット体に対する鉄粉やその他の粉塵等の付着を防止し、磁気ねじの耐久性を向上させることができる。また、磁気ねじの軸とナット体を共に円筒状に平滑に加工することにより製作することができるので、従来の静圧空気送りねじに比べて容易に製作することが可能となる。
【0016】本発明の磁気ねじを用いたステージ装置は、摩擦による部材の摩耗、摩耗粉、摩擦熱等を発生することがなく、クリーンな搬送システムが要求される装置に特に有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明の磁気ねじの第1の実施例を示す断面図であり、図2は、図1のA−A線に沿った断面図であり、図3は、同じく第1の実施例の要部を拡大して示す拡大断面図である。
【0019】本発明の磁気ねじは、軸とこの軸が挿通可能な内径を有するナット体を磁性体で構成し、軸とナット体の少なくとも一方に螺旋状の磁極を設けるとともに、軸とナット体の間に圧縮空気層を形成し、この圧縮空気層の空気圧により軸とナット体を支持するように構成するものであり、本実施例の磁気ねじにおいては、軸1とこの軸1が挿通可能な内径を有するナット体2を磁性体で構成し、ナット体2に螺旋状の磁極を設け、そして、ナット体2に軸1に平行に配設されたリニアガイド5に摺動可能に係合するガイド体5aが取り付けられている。
【0020】ナット体2は、外筒体2aと内筒体2bから構成され、外筒体2aの内周面に嵌合される内筒体2bは、円筒形状の磁石材料で形成され、等ピッチ間隔で交互にN極とS極が螺旋状に着磁されている。また、外筒体2aの内周面に内筒体2bを嵌合固定することにより、ナット体2の内径は空気圧浮上に必要な平滑精度に容易に加工することができる。
【0021】ナット体2にはさらに、ナット体2と軸1の間に圧縮空気を供給するための空気供給孔3が設けられており、この空気供給孔3は、外筒体2aを貫通する貫通孔3aと、この貫通孔3aに連通して外筒体2aの内周面に設けられた環状溝孔3bと、この環状溝孔3bに連通して内筒体2bを放射状に貫通する複数の貫通孔3cとから構成されている。この空気供給孔3を介して、外部の圧縮空気供給源(図示しない)から所定のレベルに設定された圧縮空気を軸1とナット体2の間に供給することにより、軸1とナット体2の間に圧縮空気層g(図3参照)を形成することができ、この圧縮空気層gの空気圧によって、軸1とナット体2を非接触状態で保持することが可能となる。
【0022】軸1は磁性材料により形成され、軸1にはナット体2の内筒体2bの螺旋状に着磁されたN極、S極と同じピッチ間隔、同じリード角で2条のねじ山が形成され、そして、軸1のねじ山間のねじ溝を非磁性体4により埋める。これにより、軸1と非磁性体4の表面を同時に加工することができ、軸1の外径表面を空気圧浮上に必要な平滑精度に容易に加工することが可能となる。また、軸1と非磁性体4の表面を同時に加工することができるので、軸1全域において精度の高い加工を行なうことができる。
【0023】このように、本実施例における磁気ねじは、軸1の外径とナット体2の内径の両方を円形状に加工することにより製作することができるので、軸1とナット体2を全域にわたって空気浮上に必要な平滑精度に製作することが可能となる。したがって、高い加工精度で軸1やナット体2をねじ状に加工することが必要な従来の静圧空気送りねじに比べて製作が容易になっている。
【0024】次に、本実施例の磁気ねじの要部を拡大して図示する図3を参照してさらに詳細に説明する。図3において、ナット体2の内筒体2bはN極6とS極7が交互に位置するように螺旋状に着磁され、軸1には、ナット体2の内筒体2bの螺旋状の各々の磁極に合わせて2条のねじ山8および9が形成され、ねじ山8とねじ山9の間のねじ溝には非磁性体4が埋め込まられている。そして、内筒体2bのN極6にはねじ山8が、S極7にはねじ山9がそれぞれ対応しており、軸1とナット体2との間には、螺旋状の各磁極6、7の全範囲にわたって、内筒体2bのN極6から軸1のねじ山8を通り、ねじ山9を経て内筒体2bのS極7へと続く磁力線が形成され、軸1とナット体2の間に磁力の作用により吸引力が発生する。そして、空気供給孔3を介して圧縮空気が軸1とナット体2の間に供給されることにより、軸1とナット体2の間に圧縮空気層gが形成され、圧縮空気層gの空気圧により微小間隔を常に維持している。
【0025】本実施例の磁気ねじは、軸1とナット体2の間に発生した磁力による吸引力を利用して以下のように駆動を行なう。軸1が回転せずに固定されているときは、ナット体2のN極6およびS極7と軸1のねじ山8および9は吸引し合う位置関係にあり、ナット体2は圧縮空気層gを介して停止している。軸1が回転運動すると、ナット体2のN極6およびS極7と軸1のねじ山8および9に磁力作用による吸引力が働き、軸1の回転運動に伴なってナット体2はリニアガイド5に沿って直線的に駆動されることとなる。また、軸1を逆方向に回転させると、ナット体2は磁力作用により逆方向に直線駆動される。
【0026】従来の磁気ねじにおいては、磁力の作用だけで軸とナット体の間の微小間隔を確保していたり、軸とナット体のガイドリングとを接触させることにより保持しているけれども、本実施例の磁気ねじでは、軸1とナット体2との間に圧縮空気を供給し軸1とナット体2の間に圧縮空気層gを形成しており、軸1とナット体2が接触することのない磁気ねじの構成が可能となる。したがって、軸1とナット体2を非接触な状態で駆動することができるので、軸1とナット体2の摩擦による部材の摩耗、摩耗粉、摩擦熱、騒音等の問題を解消することができ、パーチクルの発生を抑えることができる。さらに、軸1とナット体2の間に常に空気供給孔3を介して圧縮空気を供給しているので、軸1とナット体2の間隔へのパーチクルの進入を阻止することができ、磁石材料への鉄粉やその他の粉塵等の付着を防止することができる。したがって、本実施例の磁気ねじは、耐久性の高いクリーンな搬送システムを構築することができる。
【0027】次に、本発明の磁気ねじの第2の実施例について図4を参照して説明する。
【0028】前述した第1の実施例における磁気ねじは、ナット体2に螺旋状に着磁した内筒体2bを構成し、軸1を磁性材料によりねじ状に製作して非磁性体4で埋めることにより軸1の外周を平滑にしているけれども、図4に図示する第2の実施例の磁気ねじにおいては、ナット体12に螺旋状に着磁した内筒体12bを構成するとともに、軸11にも、ナット体12の螺旋状の着磁体と同ピッチ間隔、同リード角の螺旋状に着磁した外軸11bを内軸11aの外周面に配設するものである。そして、ナット体12には、その外筒体12aを貫通する貫通穴13aおよび環状溝孔13b、内筒体12bを貫通する複数の貫通孔13cからなる空気供給孔13を前述した第1の実施例と同様に設けて、圧縮空気を軸11とナット体12の間に供給する。
【0029】本実施例の磁気ねじでは、軸11の磁極とナット体12の磁極の異極同士が内外に相対向しているために、軸11の磁極とナット体12の磁極との間に大きな吸引力が働くことになり、軸11の回転運動を大きな伝達トルクでナット体12の直線運動に変換することができる。さらに、空気供給孔13を介して軸11とナット体12の間に圧縮空気を供給することにより、前述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】次に、本発明の磁気ねじの第3の実施例について図5を参照して説明する。
【0031】本実施例の磁気ねじは、空気供給孔をナット体には設けずに、ナット体22の軸心方向の両側に空気供給部材26をそれぞれ取り付けて、これらの空気供給部材26に放射状に貫通した複数の空気供給孔27をそれぞれ設けた点で前述の実施例の磁気ねじと相違している。ナット体22は外筒体22aと内筒体22bとから構成され、外筒体22aの内周面に嵌合される内筒体22bは、円筒形状の磁石材料で形成され、等ピッチ間隔で交互にN極とS極が螺旋状に着磁されており、軸21は、第1の実施例と同様に、磁性材料により製作され、内筒体22bの螺旋状に着磁されたN極とS極と同じピッチ間隔、同じリード角で2条のねじ山を外周に形成し、ねじ溝に非磁性体24を埋め込んで構成する。そして、ナット体22の軸心方向の両側に軸21が挿通可能な内径を有する空気供給部材26、26を取り付け、これらの空気供給部材26に放射状に貫通する複数の空気供給孔27、27…をそれぞれ設けてあり、これらの空気供給孔27を介して外部の圧縮空気供給源(図示しない)から所定のレベルに設定された圧縮空気を軸21とナット体22の間に供給する。これにより、軸21とナット体22の間に圧縮空気層を形成する。この圧縮空気層の空気圧により、軸21とナット体22との間に微小間隔を維持することができ、前述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。また、空気供給部材26、26は図示しないねじ等の固定手段によってナット体22に着脱可能に取り付けることができる。したがって、従来の磁気ねじ機構にも後付けで空気供給部材を取り付けることが可能であり、従来のねじ機構にも簡単に本発明を適用することができる。
【0032】また、本発明の磁気ねじの第4の実施例について図6を参照して説明する。
【0033】図6に図示する第4の実施例は、ナット体32の内筒体32bに螺旋状の着磁体を構成するとともに、軸31の外軸31bにも同様にナット体32の螺旋状の着磁体と同ピッチ間隔、同リード角の螺旋状の着磁体を構成した磁気ねじにおいて、ナット体32の軸心方向の両側に軸31が挿通可能な内径を有する空気供給部材36、36を取り付け、これらの空気供給部材36、36に放射状に貫通する複数の空気供給孔37、37…をそれぞれ設けたものである。
【0034】本実施例の磁気ねじにおいては、軸31の磁極とナット体32の磁極の異極同士が内外に相対向しているために、軸31の磁極とナット体32の磁極との間に大きな吸引力が働くことになり、軸31の回転運動を大きな伝達トルクでナット体32の直線運動に変換することができ、さらに、空気供給部材36の空気供給孔37を介して外部の圧縮空気供給源(図示しない)から所定のレベルに設定された圧縮空気を軸31とナット体32の間に供給することにより、軸31とナット体32の間に圧縮空気層を形成する。したがって、本実施例の磁気ねじにおいても、前述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】前述した本発明の磁気ねじは、半導体製造工程に使用される露光装置や各種精密加工機あるいは各種精密測定器等に使用されるステージ装置に組み込むことができ、その際には、磁気ねじの軸に駆動モーター等の駆動源を連結し、ナット体にステージを取り付ける。駆動源の作動により軸を正転あるいは逆転方向に回転させることにより、ナット体はリニアガイドに案内されて軸心方向に移動し、ナット体に取り付けられているステージを軸心方向に移動させることができる。本発明の磁気ねじは、軸とナット体は非接触の状態で駆動されるために、摩擦による部材の摩耗、摩耗粉、摩擦熱等の問題を解消するとともに、パーチクルの発生がほとんどなく、本発明の磁気ねじを用いたステージ装置は、クリーンな搬送システムが要求される装置に特に有用である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、圧縮空気を軸とナット体との間に供給することにより、軸とナット体との間に圧縮空気層を形成することができ、軸の回転運動を磁力の作用によってナット体の直線運動に変換するときに軸とナット体との間を非接触の状態に維持することが可能となる。これにより、軸とナット体の接触による摩耗や摩耗粉、摩擦熱、騒音等の問題を解消することができ、パーチクルの発生がほとんどなく、耐久性の高いクリーンな搬送システムを構築することができる。さらに、圧縮空気を軸とナット体との間に供給しているために磁気ねじ内部へのパーチクルの進入を防ぐことができ、軸やナット体に対する鉄粉やその他の粉塵等の付着を防止することができ、磁気ねじの耐久性を向上させる。
【0037】また、軸とナット体の製作にあたっても、両者を円筒状に平滑に加工することにより製作することができるので、従来の静圧空気送りねじに比べて容易に製作することが可能となる。
【0038】そして、本発明の磁気ねじを用いたステージ装置は、摩擦による部材の摩耗、摩耗粉、摩擦熱等を発生することがなく、クリーンな搬送システムが要求される装置に特に有用である。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 善朗
【公開番号】 特開平11−230298
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−46211