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【発明の名称】 自動変速機の故障を制御するための方法及び装置
【発明者】 【氏名】伊 煕道

【要約】 【課題】自動変速機の損傷した変速歯車の段数を運転者に警告し、損傷した変速歯車の段数を除いた新たな変速パターンを適用するための方法及び装置を提供する。

【解決手段】異常振動感知部100は、変速歯車の振動レベルを感知して異常振動信号131を発生する。制御部200は、異常振動感知部100からの異常振動信号131に応答して変速歯車の変速動作を制御するための第1及び第2変速制御信号212,213を提供する。変速駆動部400は、制御部200からの第1及び第2変速制御信号212,213に応じて変速動作を行う。従って、特定の段数の変速歯車が損傷する際に、自動変速機は、損傷した変速歯車を使用する変速段数を選択しないので、変速歯車の損傷による交通事故を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (i)現在使用中の変速歯車から検出された振動レベルに基づいて異常振動が発生するか否かを判断する過程と、(ii)過程(i)の判断結果に基づいて現在使用中の変速歯車の段数を記憶する過程と、(iii)過程(ii)で記憶された現在使用中の変速歯車を除いた新たな変速歯車の変速パターンを適用する過程とからなることを特徴とする自動変速機の故障を制御するための方法。
【請求項2】 前記過程(i)が、(i−1)現在使用中の変速歯車の振動レベルを検出する過程と、(i−2)過程(i−1)から検出された振動レベルに基づいて現在使用中の変速歯車から異常振動が発生するか否かを判断する過程と、(i−3)現在使用中の変速歯車から異常振動が発生しないと過程(i−2)で判断された場合、過程(i−1)に戻る過程とからなることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の故障を制御するための方法。
【請求項3】前記過程(ii)が、(ii−1)現在使用中の変速歯車段数が最高段数であるか否かを判断する過程と、(ii−2)現在使用中の変速歯車の段数が最高段数でないと過程(ii−1)で判断された場合、過程(iii)に進行する過程と、(ii−3)現在使用中の変速歯車の段数が最高段数であると過程(ii−1)で判断された場合、ロックアップ動作を一時的に中断する過程と、(ii−4)現在使用中の変速歯車から異常振動が続けて発生するか否かを判断する過程と、(ii−5)現在使用中の変速歯車から異常振動が続けて発生しないと過程(ii−4)で判断された場合、過程(i)に戻る過程と、(ii−6)現在使用中の変速歯車から異常振動が続けて発生すると過程(ii−4)で判断された場合、ロックアップ動作を完全に中断する過程と、(ii−7)現在使用中の変速歯車の段数を記憶する過程とからなることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の故障を制御するための方法。
【請求項4】 現在使用中の変速歯車から異常振動が発生するのを運転者に知らせるために警告信号を発生する過程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の故障を制御するための方法。
【請求項5】 変速歯車の振動レベルを感知して異常振動信号を提供するための異常振動感知手段と、前記異常振動感知手段からの異常振動信号に応答して前記変速歯車の変速動作を制御する第1及び第2変速制御信号を提供するための制御手段と、前記制御手段からの第1及び第2変速制御信号に応じて変速動作を行うための変速駆動手段とからなることを特徴とする自動変速機の故障を制御するための装置。
【請求項6】 前記異常振動感知手段が、変速歯車の振動レベルを感知して振動信号を提供するための加速度センサと、前記加速度センサからの振動信号を増幅して増幅信号を出力するための増幅器と、前記増幅器からの増幅信号をフィルタリングして異常振動信号を提供するためのフィルタとからなることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の故障を制御するための装置。
【請求項7】 前記変速駆動手段が、前記制御手段からの第1変速制御信号に応じてロックアップ動作を中断するためのロックアップバルブと、前記制御手段からの第2変速制御信号に応じて変速歯車を変速するためのシフトバルブとからなることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の故障を制御するための装置。
【請求項8】 前記制御手段が、前記異常振動信号が最も高い段数の変速歯車から発生する際に、前記第1変速制御信号を発生することを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の故障を制御するための装置。
【請求項9】 前記制御手段が、変速歯車の誤動作を運転者に知らせるための警告制御信号を提供することを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の故障を制御するための装置。
【請求項10】 前記制御手段からの警告制御信号に応じて変速歯車の誤動作を運転者に知らせるための警告手段を更に有することを特徴とする請求項9に記載の自動変速機の故障を制御するための装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機の変速歯車が損傷する際に、自動変速機の誤動作を制御するための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】変速機は、自動車の走行速度の円滑な変速のための装置である。一般に、変速機は、自動車の走行速度の変化に応じて運転者により手動で操作される手動変速機と自動車の走行速度の変化に応じて自動的に操作される自動変速機とに分かれる。自動変速機は、油圧の調整により作動されるトルクコンバータと遊星歯車の組合からなる。自動車の各部分に装着されたセンサは、自動車の走行に関連する現在の状態を感知し、感知された状態信号を自動変速機を制御するための変速制御モジュールで提供する。
【0003】変速制御モジュールは、センサにより感知された状態信号に応答して油圧制御回路を制御し、油圧管路に設けられた複数のソレノイドバブルの動作を制御する。ソレノイドバブルの動作により油圧管路内の圧力が変わると、油圧管路内に設けられている多数のバブル機構の作動により摩擦部材への油圧作用状態が変化する。そして、摩擦部材は油圧の作用状態の変化に応じて変速歯車トレイン内に設けられた変速歯車の回転状態を調節し、エンジンと動力伝達手段から発生する回転力を所望の変速比に変速して出力する。
【0004】従って、エンジンからの動力により回転する自動変速機は、エンジンと連結されているトルクコンバータの入力軸からの回転力を出力軸に伝達して車両を移動させる。この際に、運転者が走行速度を変速するために加速ペダルを加圧すると、変速歯車トレイン内に設けられている各変速歯車が動作して車両の走行速度を変速する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動変速機の変速歯車は、自動車を長期間運行する間に摩擦により磨耗される。従って、自動変速機の特定段数の変速歯車が損傷する際に、自動車の走行速度により損傷した変速歯車が選択されると、円滑な変速動作がなされない。それにより、運転者が加速ペダルを操作する際に自動変速機の損傷した変速歯車の誤動作により交通事故が発生し得る。
【0006】本発明は以上のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の第一の目的は、自動変速機の誤動作を感知して損傷した変速歯車段数を除いた新たな変速パターンで自動変速機の動作を制御するための方法を提供することにある。
【0007】本発明の第二の目的は、自動変速機の誤動作を感知して損傷した変速歯車段数を除いた新たな変速パターンで自動変速機の動作を制御するための装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第一の目的を達成するために、本発明による自動変速機の故障を制御するための方法は、(i)現在使用中の変速歯車から検出された振動レベルに基づいて異常振動が発生するか否かを判断する過程と、(ii)過程(i)の判断結果に基づいて現在使用中の変速歯車の段数を記憶する過程と、(iii)過程(ii)で記憶された現在使用中の変速歯車を除いた新たな変速歯車の変速パターンを適用する過程とからなる。
【0009】前述した第二の目的を達成するために、本発明による自動変速機の故障を制御するための装置は、変速歯車の振動レベルを感知して異常振動動信号を提供するための異常振動感知手段と、前記異常振動感知手段からの異常振動信号に応答して前記変速歯車の変速動作を制御する第1及び第2変速制御信号を提供するための制御手段と、前記制御手段からの第1及び第2変速制御信号に応じて変速動作を行うための変速駆動手段とからなる。
【0010】本発明による自動変速機の故障を制御するための方法及び装置において、変速歯車の故障は変速歯車から発生する異常振動レベルに応じて判断される。また、変速歯車の変速パターンは自動変速機の損傷した変速歯車を除いた新たな変速パターンに決定される。従って、自動変速機の特定の段数の変速歯車が損傷する際に、自動変速機は損傷した変速歯車を使用する変速段数を選択しないために、変速歯車の損傷による交通事故を防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例をより詳細に説明する。図1は、本発明による自動変速機の故障を制御するための装置の回路構成を示すブロック図である。図1に示すように、前記故障制御装置は、異常振動感知部100、制御部200、警告部300及び変速駆動部400で構成されている。異常振動感知部100は、加速度センサ110、増幅器120、及びフィルタ130からなる。加速度センサ110は、自動変速機の変速歯車の振動レベルを感知して振動信号111を提供する。増幅器120は、加速度センサ110からの振動信号111を増幅して増幅信号121を出力する。フィルタ130は、増幅器120からの増幅信号121をフィルタリングして異常振動信号131を提供する。異常振動感知部100は、自動変速機の変速歯車の振動レベルを感知して異常振動信号131を制御部200に提供する。
【0012】制御部200は、異常振動感知部100からの異常振動信号131に応じて自動変速機の変速歯車の誤動作を運転者に知らせるための警告制御信号211を警告部300に提供する。また、制御部200は、異常振動感知部100からの異常振動信号131に応じて自動変速機の変速歯車の変速動作を制御するための第1及び第2変速制御信号212,213を変速駆動部400に提供する。さらに、制御部200は、異常振動感知部100からの異常振動信号131が自動変速機の最高段数の変速歯車段数から発生する際に、第1変速制御信号212を提供する。
【0013】警告部300は、制御部200からの警告制御信号211に応じて変速歯車の誤動作を運転者に知らせるための警告信号を発生する。変速駆動部400は、ロックアップバルブ410及びシフトバルブ420からなる。ロックアップバルブ410は、制御部200からの第1変速制御信号212に応じて変速歯車のロックアップ動作を中断する。シフトバルブ420は、制御部200からの第2変速制御信号213に応じて変速歯車を変速する。変速駆動部400は、制御部200からの第1及び第2変速制御信号212,213に応じて自動変速機の変速歯車の変速動作を行う。
【0014】図2の流れ図により図1に示す自動変速機の故障を制御するための装置により遂行される方法を次に述べる。図2は図1に示す装置を利用して自動変速機の故障を制御するための方法を説明するための流れ図である。自動変速機が装着された自動車が走行する際に、異常振動感知部100は自動変速機の現在使用中の変速歯車の振動レベルを検出する(過程(ステップ)S510)。
【0015】制御部200は、異常振動感知部100から自動変速機の現在使用中の変速歯車の誤動作による異常振動信号131が発生するか否かを判断する(過程(ステップ)S520)。
【0016】異常振動感知部100から異常振動信号131が発生しないと過程(ステップ)S520で判断される際に、制御部200は過程(ステップ)S520を繰り返し遂行する。異常振動感知部100から異常振動信号131が提供されると過程(ステップ)S520で判断される際に、制御部200は、現在使用中の変速歯車の段数が自動変速機の変速歯車の最高段数であるか否かを判断する(過程(ステップ)S530)。
【0017】現在使用されている変速歯車の段数が変速歯車の最高段数でないと過程(ステップ)S530で判断された場合、制御部200は、自動変速機の現在使用中の変速歯車の段数を記憶する(過程(ステップ)S570)。
【0018】現在使用されている変速歯車の段数が自動変速機の変速歯車の最高段数であると過程(ステップ)S530で判断された場合、制御部200は、ロックアップバルブ410に第1変速制御信号212を提供してロックアップバルブ410のロックアップ動作を一時的に中断する(過程(ステップ)S540)。
【0019】制御部200は、過程(ステップ)S530で最高段数であると判断された現在使用中の変速歯車から異常振動信号131が続けて発生するか否かを判断する(過程(ステップ)S550)。
【0020】自動変速機の現在使用中の最高段数の変速歯車から異常振動信号131が続けて発生しないと過程(ステップ)S550で判断された場合、制御部200は過程(ステップ)S550から過程S(ステップ)520に戻る。自動変速機の現在使用中の最高段数の変速歯車から異常振動信号131が続けて発生すると過程(ステップ)S550で判断された場合、制御部200は、ロックアップバルブ410に第1変速制御信号212を提供してロックアップバルブ410のロックアップ動作を完全に中断する(過程(ステップ)S560)。制御部200は現在使用中の変速歯車の段数を記憶する(過程(ステップ)S570)。
【0021】制御部200は、運転者に現在使用中の変速歯車の誤動作を知らせるための警告制御信号211を警告部300に提供して警告部300を動作させる(過程(ステップ)S580)。
【0022】また、制御部200は、シフトバルブ420に第2変速制御信号213を提供して現在使用中の変速歯車の段数を除いた変速歯車の新たな変速パターンを適用する(過程(ステップ)S590)。さらに、制御部200は、過程(ステップ)S590を異常振動感知部100から異常振動信号131が発生するか否かを判断する過程(ステップ)S520に戻す。
【0023】本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明は実施例によって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できるであろう。
【0024】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明による自動変速機の故障を制御するための方法及び装置において、変速歯車の故障は変速歯車から発生する異常振動レベルに応じて判断される。また、変速歯車の変速パターンは自動変速機の損傷した変速歯車を除いた新たな変速パターンに決定される。従って、自動変速機の特定の複数の変速歯車が損傷する際に、自動変速機は損傷した変速歯車を使用する変速段数を選択しないために、変速歯車の損傷による交通事故を防止できる。
【出願人】 【識別番号】591213405
【氏名又は名称】大宇電子株式會▲社▼
【出願日】 平成9年(1997)12月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大島 陽一
【公開番号】 特開平11−201275
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平9−345967