| 【発明の名称】 |
ハブ付き伝動回転体 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹下 陽祐
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| 【要約】 |
【課題】ハブ部等の材料に変更する場合においても、特別な耐摩耗性付与処理をする必要がないハブ付き伝動回転体を提供すること。
【解決手段】ハブ部16と該ハブ部16に内側連結部18を介して接続される外側回転部20とを備え、ハブ部16の後方突出部17がオイルシール摺接部Aとされる伝動回転体。ハブ部16のオイルシール摺接面A面が、ハブ部16の形成材料とは別材料のパイプ材32が一体化されて形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハブ部と該ハブ部に内側連結部を介して接続される外側回転部とを備え、前記ハブ部の後方突出部がオイルシール摺接部とされる伝動回転体において、前記ハブ部のオイルシール摺接面が、前記ハブ部の形成材料とは別材料のパイプ材が一体化されて形成されていることを特徴とするハブ付伝動回転体。 【請求項2】 前記パイプ材が別体成形されたものであることを特徴とする請求項1記載のハブ付伝動回転体。 【請求項3】 前記パイプ材が鉄系材料で形成されるとともに、前記パイプ材のオイルシール摺接面が、切削・研削・研摩等の機械加工により所定の表面粗さに仕上げられていることを特徴とする請求項1又は2記載のハブ付伝動回転体。 【請求項4】 前記ハブ付回転体が、クランクプーリであることを特徴とする請求項3記載のハブ付き伝動回転体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハブ部と該ハブ部に内側連結部を介して接続される外側回転部とを備え、前記ハブ部の後方突出部がオイルシール摺接面とされる伝動回転体に関する。特に、クランクプーリ(ダンパプーリ)に好適な発明である。 【0002】ここでは、エンジンのクランクシャフトからの回転力をポンプや発電機に伝えるクランクプーリを例にとり説明するがこれに限られるものではなく、同様にオイルシール嵌合部をハブが備えておれば、プーリに限らず歯車、更には、自在継手、等に適用可能である。 【0003】 【背景技術】クランクプーリ(以下単に「プーリ」と称することがある。)の従来例を図1に示す。 【0004】クランクプーリ12は、エンジンのクランク軸14からの回転力をポンプや発電機に伝えるものであり、ハブ部16と該ハブ部16に内側連結部(スポーク部)18を介して接続される外側回転部(プーリ部)20とを備えている。図例では、外側回転部20は、ダンパゴム部22を介して内側連結部18に一体化されている。該ダンパゴム部22は、クランク軸14のねじり振動の減衰させて、クランク軸14の振動疲労を促進させないようにするとともに、クランク軸14に発生する振動・騒音を減少させない作用を奏する。 【0005】クランクプーリ12のクランク軸14への組み付けは、ハブ部16をクランク軸14の先端段付き連結部15に嵌着させて、例えば、六角ボルト24等によりねじ止めして行う。 【0006】このとき、エンジンハウジング26のクランク軸突出孔28に装着されたオイルシール30が、ハブ部16の後方突出部17の外周面(A面)に嵌合する。該嵌合により、回転軸(クランク軸14)の周囲からのハウジング26内の潤滑油等の漏れ及び該部からの異物の侵入を防止する。 【0007】そして、該ハブ部16のオイルシール摺接面、即ち、オイルシール30のリップ部30aの摺接するA面は、高度の耐摩耗性・滑り性が要求される。クランク軸14が振動しながら高速回転するためである。 【0008】そして、通常、クランクプーリ12のハブ部16および内側連結部18は、鍛造、鋳造・ダイカスト等により一体形成し、耐耐摩耗性が要求されるハブ部16のオイルシール摺接面A面は切削・研削・研摩等の機械加工により所定の表面粗さに仕上げていた。このとき、鍛造、鋳造・ダイカスト材料としては、切削・研削・研摩等の機械加工により表面に耐摩耗性・滑り性が得易い鉄系材料を使用していた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成のクランクプーリの場合、下記のような問題点があった。 【0010】例えば、軽量化の見地から、鉄系材料から別の比重の小さいアルミニウム系材料等に変更しようとする場合、上記オイルシール摺動面に、焼きいれ、硬化表面処理等の特別な耐摩耗性付与処理をする必要があった。アルミニウム系材料は切削・研摩しても耐摩耗性を得難いためである。 【0011】逆に、固有振動数等の関係からハブ部及び内側連結部を、鉄系材料から別の比重の高い銅系材料等に変更しようとする場合も、同様に上記オイルシール摺動面に耐摩耗性付与処理をする必要がある。銅系材料も、アルミニウム系材料と同様、切削・研削・研摩等の機械加工をしても耐摩耗性を得難いためである。 【0012】そして、耐摩耗性付与処理は、一般に、切削・研削・研摩等の機械加工に比して耐摩耗性の度合いに、耐久性も含めてバラツキが発生し易い。 【0013】本発明は、上記にかんがみて、ハブ部等の材料に変更する場合においても、特別な耐摩耗性付与処理をする必要がないハブ付き伝動回転体を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明に係るハブ付き伝動回転体は、上記課題を、下記構成により解決するものである。 【0015】ハブ部と該ハブ部に内側連結部を介して接続される外側回転部とを備え、ハブ部の後方突出部がオイルシール摺接面とされる伝動回転体において、ハブ部のオイルシール摺接面が、ハブ部の形成材料とは別材料のパイプ材が一体化されて形成されていることを特徴とする。 【0016】前記パイプ材は、別体成形されたものであることが、生産性等の見地から望ましい。 【0017】前記パイプ材を鉄系材料とした場合は、切削・研摩で安易にオイルシール摺接面に耐摩耗性を付与することができる。 【0018】さらには、クランクプーリのような振動の振動・熱等の過酷な条件下にさらされるハブ付き回転体に適用した場合、効果がより顕著となる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明のハブ付き伝動回転体(クランクプーリ)の一実施形態について図2に基づいて説明をする。なお、既述例と同一部分については、同一図符号を付して、それらの説明の全部または一部を省略する。 【0020】本実施形態のクランクプーリは、ハブ部16と該ハブ部16に内側連結部18を介して接続される外側回転部20とを備え、ハブ部16の後方突出部17がオイルシール摺接面A面とされる構成である。クランクプーリなので、前述の如く、内側連結部18と外側回転部20との間にダンパゴム部22が一体介在されている。 【0021】本実施形態では、上記構成において、ハブ部16のオイルシール摺接面A面が、ハブ部16の形成材料とは別材料で別体のパイプ材32が一体化されて形成されている。 【0022】ここで、パイプ材32は、通常、切削・研削・研摩等の機械加工により耐摩耗性が得易く、特別な耐摩耗性付与処理をする必要がない鉄系材料とすることが望ましい。具体的には、耐摩耗性が得易い、STK系鋼管(構造用炭素鋼管)を所定長さに切断して、パイプ材32とする。該パイプ材32の肉厚は、通常、1〜3mm、望ましくは2mm前後とす。1mm未満では、切削・研削・研摩等の機械加工が困難となるそして、該パイプ材32のハブ部16への一体化の態様は、圧入、溶接、接着等があるが、圧入が望ましい。更には、別材料で鋳込み成形して、パイプ材を一体化してもよい。 【0023】また、オイルシール摺接面A面の仕上げ程度は、通常、表面粗さ 3.2μmRz 以下とする。 【0024】なお、ハブ部16及び内側連結部18更には外側回転部20は、前述の如く、軽量化のためには、アルミ系材料、クランクプーリの固有振動数調整のため重量増大させる場合は、銅系材料を使用する。 【0025】更には、ハブ部16等の本体部を、安価な鉄系材料で形成し、切削・研摩をしなくてもそれ自体十分な耐摩耗性が有する、クロムモリブデン鋼、ステンレス鋼でパイプ材を形成してもよい。 【0026】 【発明の作用・効果】本発明のハブ付き伝動回転体は、オイルシール摺接面が、ハブ部の形成材料とは別材料で別体のパイプ材が一体化されて形成されている構成により、下記のような作用・効果を奏するものである。 【0027】ハブ部の形成材料では、オイルシール摺接面に切削・研削・研摩等の機械加工により耐摩耗性が得られない場合でも、それらのの加工により耐摩耗性が得易い鉄系材料、または、それ自体耐摩耗性を有する金属材料で形成されたパイプ材でハブ部のオイルシール摺接面を形成するため、回転伝動体(クランクプーリ)のハブ部等本体部の形成材料の選択の余地が大きい。 【0028】このため、伝動回転体のハブ部等回転体本体の材料を変更する場合においても、特別な耐摩耗性付与処理をする必要がない。 【0029】従って、伝動回転体(クランクプーリ)を軽量化したいが、従動車との回転比・動力比との関係で、小さくできない場合でも、ハブ部を含む本体の形成材料を比重の小さいアルミニウム系材料を選定できる。よって、伝動回転体の軽量化の要請に容易に応えることができる。 【0030】また、伝動回転体(クランクプーリ)の重量を固有振動数変更のために増大したいとき、スペースとの関係で、外径を大きくできない場合でも、ハブ部を含む本体の形成材料を比重の大きい銅系材料を選定できる。従って、伝動回転体の固有振動数の変更の要請にも容易に応えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000113942 【氏名又は名称】マルヤス工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−141659 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−308915 |
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