| 【発明の名称】 |
自動変速機の変速制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】堀口 正伸
【氏名】湯浅 弘之
【氏名】末広 要
【氏名】森田 晋
|
| 【要約】 |
【課題】自動変速機の変速性能を改善する。
【解決手段】自動変速機の出力軸回転速度Noの単位時間当たり変化量ΔNoとその加重平均値ΔNoave との偏差の絶対値を積算し(S11〜S14) 、前記積算値xが所定値を超えたときは摩擦係合要素へのリターン圧を減少させ、所定値未満のときはリターン圧を増大させる学習を行い(S20〜S22) 、スロットル弁開度の変化量ΔTVOが所定値を以上又は走行路面勾配の変化が所定値以上のときは前記学習を禁止する(S15〜S17, S19) 。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の摩擦係合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態と判定するインターロック判定手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 【請求項2】複数の摩擦係合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出手段と前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態と判定するインターロック判定手段と、前記ΔNoの変化が大きい状態がインターロックの発生以外で発生する非インターロック条件を検出する非インターロック条件検出手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、前記非インターロック条件を検出したときは、前記予備圧力学習手段による予備圧力の学習を禁止させる学習禁止手段と、を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 【請求項3】複数の摩擦係合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態と判定するインターロック判定手段と、前記ΔNoの変化が大きい状態がインターロックの発生以外で発生する非インターロック条件を検出する非インターロック条件検出手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、前記非インターロック条件を検出したときは、前記予備圧力学習手段に該非インターロック条件に応じて予測されるΔNoに対する実際のΔNoの差に基づきΔNoの変化を求めて予備圧力の学習を行わせる学習制御手段と、を含んで構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 【請求項4】前記非インターロック条件は、自動変速機に連結するエンジンのスロットル弁開度の変化が所定値以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置。 【請求項5】前記インターロック条件は、走行路面の勾配変化が所定値以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速制御装置に関し、特に、締結を行う摩擦係合要素に予め締結方向の予備圧力をかけると共に、該予備圧力を学習する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】トルクコンバータ付自動変速機を搭載した車両にあっては、車速とスロットル弁開度等の条件に基づいて、複数の摩擦係合要素の締結を予め設定された変速パターンに従って切り換えることにより変速を行うようになっている(実開昭62−194231号公報等参照)。 【0003】かかる自動変速機の変速時に解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素は、締結から解放に切り換えられる摩擦係合要素に比較すると、リターンスプリングの解放方向の付勢力に抗して締結を行うため、作動遅れを生じやすく、変速性能が悪化する。そこで、締結すべき摩擦係合要素に予め予備圧力をかけて作動遅れを解消することにより、変速性能悪化を回避しようとする技術が提案されている(特開平5−106722号公報参照) 。また、このものでは、該予備圧力が高過ぎる場合には摩擦による引きずり(以下インターロックという) を生じてしまうので、該インターロックを抑制しつつ、ぎりぎりまで予備圧力を高くするように予備圧力の学習を行っている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記予備圧力の学習は、自動変速機の出力トルクを目標値となるように学習したり、車両の加速度が生じないように学習したりするようにしている。しかし、この学習方式では、トルクセンサや加速度が必要となり、コストアップにつくものであった。 【0005】本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、通常搭載されているセンサによって検出される値に基づいて、摩擦係合要素の予備圧力を学習できるようにした自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。また、上記の学習をより精度良く行えるようにした自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このため、請求項1に係る発明は、複数の摩擦係合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態と判定するインターロック判定手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、を含んで構成したことを特徴とする。 【0007】前記請求項1に係る発明の作用・効果を説明する。自動変速機の変速時にインターロックを生じると、出力軸回転速度の変化速度が変化する。そこで、出力軸回転速度検出手段によって出力軸回転速度に関連する値Noを検出し、回転速度変化量算出手段によって該Noの単位時間当たり変化量ΔNoを算出し、インターロック判定手段によって該ΔNoの変化が大きいときをインターロック発生状態と判定する。 【0008】そして、該インターロック判定手段によって判定されるインターロック発生の有無に応じて予備圧力学習手段が自動変速機の解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に予め付勢される予備圧力を学習し、予備圧力付勢手段によって該学習された予備圧力を前記摩擦係合要素に付勢する。このようにすれば、インターロックの発生の有無に応じた予備圧力の学習を行えるので、インターロックを回避しつつ変速の応答性を向上させることができる。 【0009】また、インターロック発生の有無を、出力軸回転速度に関連する値Noの変化量ΔNoによって判定する方式としたため、自動変速機の制御等に使用するため該Noを検出するべく自動変速機に搭載されているセンサの検出値を用いることができ、コストアップを抑制できる。また、請求項2に係る発明は、複数の摩擦係合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出手段と前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態と判定するインターロック判定手段と、前記ΔNoの変化が大きい状態がインターロックの発生以外で発生する非インターロック条件を検出する非インターロック条件検出手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、前記非インターロック条件を検出したときは、前記予備圧力学習手段による予備圧力の学習を禁止させる学習禁止手段と、を含んで構成したことを特徴とする。 【0010】前記請求項2に係る発明の作用・効果を説明する。請求項1に係る発明と同様にして出力軸回転速度検出手段によりNoを検出し、回転速度変化量算出手段により算出したΔNoの変化が大きくなる状態をインターロック判定手段によって判定するが、該ΔNoの変化が大きくなる状態は、インターロック発生以外の条件によって発生する場合がある。 【0011】そこで、非インターロック条件検出手段は、インターロック発生以外でΔNoの変化が大きくなる非インターロック条件を検出し、該非インターロック条件条件を検出したときには、学習禁止手段が学習手段によるインターロック発生の有無に応じた予備圧力の学習を禁止し、該条件を検出しないときのみ予備圧力の学習を行うようにする。 【0012】これにより、予備圧力の誤学習を防止して、予備圧力の制御精度を高めることができる。また、請求項3に係る発明は、複数の摩擦係合要素の締結を切り換えることによって変速を行う自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の出力軸回転速度Noに関連した値を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記出力軸回転速度の単位時間当たり変化量ΔNoを算出する回転速度変化量算出手段と、変速時に前記ΔNoの変化が大きい状態を、インターロック発生状態と判定するインターロック判定手段と、前記ΔNoの変化が大きい状態がインターロックの発生以外で発生する非インターロック条件を検出する非インターロック条件検出手段と、解放から締結に切り換えられる摩擦係合要素に対して、予め締結方向の予備圧力をかけておく予備圧力付勢手段と、前記予備圧力をインターロックの発生の有無に応じて学習する予備圧力学習手段と、前記非インターロック条件を検出したときは、前記予備圧力学習手段に該非インターロック条件に応じて予測されるΔNoに対する実際のΔNoの差に基づきΔNoの変化を求めて予備圧力の学習を行わせる学習制御手段と、を含んで構成したことを特徴とする。 【0013】前記請求項3に係る発明の作用・効果を説明する。請求項2に係る発明と同様に非インターロック条件検出手段によってインターロック発生以外でΔNoの変化が大きくなる非インターロック条件を検出し、該非インターロック条件を検出したときには、学習制御手段によって予備圧力学習手段に該非インターロック条件に応じて予測されるΔNoに対する実際のΔNoの差に基づきΔNoの変化を求めて予備圧力の学習を行わせる。即ち、非インターロック条件によるΔNoの変化分を除いてΔNoの変化を求め、該ΔNoの変化からインターロックの有無を判定して予備学習を行わせる。 【0014】これにより、非インターロック条件のときも、該条件に影響されることなく予備圧力の学習を進めることができる。また、請求項4に係る発明は、前記非インターロック条件は、自動変速機に連結するエンジンのスロットル弁開度の変化が所定値以上であることを特徴とする。 【0015】前記請求項4に係る発明の作用・効果を説明する。スロットル弁開度の変化が大きいと自動変速機に入力されるトルクの変化によってΔNoの変化が増大するので、該条件を非インターロック条件とする。また、請求項5に係る発明は、前記インターロック条件は、走行路面の勾配変化が所定値以上であることを特徴とする。 【0016】前記請求項5に係る発明の作用・効果を説明する。走行路面の勾配変化が大きいと自動変速機の出力軸に加わるトルクの変化によってΔNoの変化が増大するので、該条件を非インターロック条件とする。 【0017】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図4は、本発明に係る自動変速機の変速制御装置のシステム構成を示す図であり、図示しない車両に搭載されるエンジン1の出力トルクは、自動変速機2を介して駆動輪に伝達される。 【0018】前記自動変速機2は、クラッチ,ブレーキなどの摩擦係合要素に対する作動油圧の供給を、ソレノイドバルブユニット3によって制御することで変速が行われる構成のものであり、前記ソレノイドバルブユニット3はマイクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット4からの制御信号に応じて動作する。具体的には、図5に示すように、トルクコンバータT/Cを介してエンジンの出力トルクを入力する構成であって、フロント遊星歯車組83,リア遊星歯車組84を備えると共に、摩擦係合要素として、リバースクラッチR/C,ハイクラッチH/C,バンドブレーキB/B,ロー&リバースブレーキL&R/B,フォワードクラッチFWD/Cを備える。尚、図5において、81は変速機の入力軸,82は変速機の出力軸を示し、また、Neはエンジン回転速度,Ntはタービン回転速度,Noは出力軸回転速度を示す。また、図4に示すように、該出力軸回転速度No(車速に比例) を検出する出力軸回転速度検出手段としての出力軸回転速度センサ5が設けられ、該検出した出力軸回転速度Noは本発明に係るリターン圧の学習に用いられる。 【0019】上記構成において、図6に示すように、前記リバースクラッチR/C,ハイクラッチH/C,バンドブレーキB/B,ロー&リバースブレーキL&R/B,フォワードクラッチFWD/Cの締結,解放の組合せに応じて変速が行われ、例えば、3速→4速のアップシフト時には、フォワードクラッチFWD/Cの解放と、バンドブレーキB/Bの締結とが同時に行われることになる。即ち、本実施の形態における自動変速機2は、1方向クラッチを用いずに、2つの摩擦係合要素の締結と解放とを油圧制御によって同時に行わせる変速(所謂クラッチツウクラッチ変速) を実行する構成となっている(図7参照) 。 【0020】クラッチ等の摩擦係合要素の締結制御においては、図7に示すように、まず、プリチャージを行って摩擦係合要素を接触直前まで無効ストロークさせた後、作動油圧を締結力が発生するぎりぎりのリターン圧RTN(臨界圧) に保持し、その後、摩擦係合要素の締結が所定のタイミングで進行するように作動油圧を制御する。尚、前記リターン圧は、摩擦係合要素を解放方向に付勢するリターンスプリング(弾性部材) のバネ力に対応した圧力である。このリターン圧RTNを予備圧力として付勢する機能が予備圧力付勢手段に相当する。 【0021】上記構成において、前記リターン圧RTN(予備圧力) を以下のようにして学習する。図8は、本発明の第1の実施の形態(請求項1に対応) におけるリターン圧RTNの学習ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、変速制御の開始によって開始される。 【0022】図8において、ステップ(図ではSと記す) 1では、前記出力軸回転速度センサ83によって検出された自動変速機の出力軸回転速度Noを読み込む。ステップ2では、前記出力軸回転速度Noの単位時間当たりの変化量ΔNoを算出する。このステップ2の機能が回転速度変化量算出手段に相当する。ステップ3では、前記変化量ΔNoの加重平均値ΔNoave を算出する。 【0023】ステップ4では、今回算出された変化量ΔNoと前記加重平均値ΔNoave との偏差の絶対値|ΔNo−ΔNoave |を積算してxとする。ここで、加重平均値ΔNoave はΔNoが略一定に保持された場合の値を示し、これに対する今回の変化量ΔNoの偏差はΔNoの変化を表す値となる。ステップ5では、変速制御を開始してからの設定時間等に基づいてトルクフェーズが終了したか否かを判定する。 【0024】ステップ5でトルクフェーズが終了したと判定されたときはステップ6へ進み、前記積算値xが所定値を超えたか否かを判定する。そして、ステップ6で積算値xが所定値を超えたと判定されたときは、インターロックが発生したと判断してステップ7へ進み、次回制御されるリターン圧RTNを所定量ΔRTNDだけ減少する。このステップ6の機能が、インターロック判定手段に相当する。 【0025】また、ステップ6で積算値xが所定値以下と判定されたときは、インターロックが発生していないと判断してステップ8へ進み、次回制御されるリターン圧RTNを所定量ΔRTNIだけ増大する。ここで、該増大用の所定量ΔRTNIは、前記減少用の所定量ΔRTNDより小さい値に設定されている。前記ステップ7, ステップ8の機能が、予備圧力学習手段に相当する。 【0026】ステップ9では、積算値xを0にリセットする。このようにすれば、インターロックが発生していないときに、リターン圧RTNを漸増させつつ、インターロックが発生したときにリターン圧RTNを減少する構成としたため、インターロックを回避しつつリターン圧RTNが最大限に高められるので、変速の応答性が可及的に向上し、スムースな変速を行える。 【0027】次に、本発明の第2の実施の形態(請求項2に対応) について説明する。前記第1の実施の形態では、ΔNoの変化が大きい状態をインターロックが発生したと判定したが、インターロック発生以外の条件によってΔNoの変化が大きくなる場合がある。そこで、第2の実施の形態では、このような条件を伴う場合は、リターン圧RTNの学習を禁止するようにしたものである。 【0028】図9は、該第2の実施の形態に係るリターン圧の学習ルーチンを示すフローチャートである。ステップ11〜ステップ14は、図8のステップ1〜ステップ4と同様である。ステップ15では、スロットル弁開度TVOの変化ΔTVOが所定値以上あるか否かを判定する。 【0029】ステップ15でスロットル弁開度TVOの変化ΔTVOが所定値以上あると判定された場合は、図10に示すように該スロットル弁開度TVOの変化によってΔNoの変化が大きくなった可能性があると判断してステップ17へ進み、リターン圧RTNの学習を禁止するべくフラグYを1にセットした後、ステップ18へ進む。ステップ15でスロットル弁開度TVOの変化ΔTVOが所定値未満と判定された場合はステップ16へ進み、走行路面の勾配変化が所定値以上あるか否かを判定する。ここで、走行路面の勾配は、勾配センサを設けて検出する他、車両の駆動力と走行抵抗とを算出してこれらの値から勾配を算出して求めることもできる。 【0030】ステップ16で走行路面の勾配変化が所定値以上あると判定された場合は、図11に示すように該勾配変化によってΔNoの変化が大きくなった可能性があると判断して、ステップ17へ進み、リターン圧RTNの学習を禁止するべくフラグYを1にセットした後、ステップ18へ進む。前記ステップ16で走行路面の勾配変化が所定値未満と判定された場合は、ステップ18へ進む。 【0031】前記ステップ15, ステップ16の機能が非インターロック条件検出手段に相当する。ステップ18では、図8のステップ5と同様に、トルクフェーズの終了を判定し、トルクフェーズ終了前はこのフローを終了し、トルクフェーズ終了後はステップ19へ進む。 【0032】ステップ19では、前記フラグYの値を判定し、フラグYが1にセットされている場合は、既述したようにインターロック以外の条件でΔNoの変化が大きくなった可能性があると判断して、リターン圧RTNの学習を行うことなくステップ23へ進み、前記積算値x及びフラグYをリセットした後、このフローを終了する。前記ステップ17とステップ19の機能が、学習禁止手段に相当する。 【0033】一方、ステップ19でフラグYが0にリセットされている場合は、ステップ20以降へ進んで、図8のステップ6〜ステップ9と同様の制御を行う。即ち、ステップ20では、前記積算値xが所定値を超えたか否かの判定を行い、積算値が所定値を超えたと判定されたときは、ステップ21へ進んでリターン圧RTNを所定量ΔRTND減少させ、積算値xが所定値未満と判定されたときは、ステップ22へ進んでリターン圧RTNを所定量ΔRTNIだけ増大させるように学習を行い、その後ステップ23へ進んで、積算値x,フラグYをリセットする。 【0034】このようにすれば、インターロック発生以外の条件でΔNoの変化が増大した可能性がある場合には、リターン圧RTNの学習を禁止することにより、リターン圧RTNの誤学習を防止して、リターン圧RTNの制御精度を高めることができる。次に、本発明の第3の実施の形態(請求項3に対応) について説明する。 【0035】該第3の実施の形態では、前記インターロック発生以外の条件で原因でΔNoの変化が増大した可能性がある場合に、該条件によるΔNoを予測し、該予測値に基づいてリターン圧RTNの学習を行うものである。図12は、該第3の実施の形態に係るリターン圧の学習ルーチンを示すフローチャートである。 【0036】ステップ31,ステップ32では、図8のステップ1,ステップ2と同様に出力軸回転速度Noを読み込んでΔNoを算出する。ステップ33では、スロットル弁開度TVOの変化ΔTVOが所定値以上あるか否かを判定する。ステップ33でスロットル弁開度TVOの変化ΔTVOが所定値以上あると判定された場合はステップ34へ進み、該スロットル弁開度TVOの変化ΔTVOによるΔNoの予測値ΔNot を算出する。該予測値ΔNot は、例えばΔTVOと出力軸回転速度Noに基づいて算出することができる。 【0037】次いでステップ35では、今回算出された変化量ΔNoと前記予測値ΔNot との偏差の絶対値|ΔNo−ΔNot |を積算してxとする。また、ステップ33でΔTVOが所定値未満と判定された場合はステップ36へ進み、走行路面の勾配変化が所定値以上あるか否かを判定する。ステップ36で走行路面の勾配変化が所定値以上あると判定された場合はステップ37へ進み、該勾配変化によるΔNoの予測値ΔNot を算出する。該予測値ΔNot は、例えば勾配変化量と出力軸回転速度Noに基づいて算出することができる。 【0038】次いでステップ38では、今回算出された変化量ΔNoと前記予測値ΔNos との偏差の絶対値|ΔNo−ΔNos |を積算してxとする。前記ステップ34,35 及びステップ37,38 の機能が学習制御手段に相当する。また、ステップ36で走行路面の勾配変化が所定値未満と判定された場合は、ステップ39, ステップ40へ進んで、図8のステップ3, ステップ4と同様にΔNoの加重平均値ΔNoave を算出し、今回算出された変化量ΔNoと前記加重平均値ΔNoave との偏差の絶対値|ΔNo−ΔNoave |を積算してxとする。 【0039】以下、ステップ41〜ステップ45では、図8のステップ5〜ステップ9と同様に積算値xを所定値と比較して、リターン圧RTNを増減する学習を行う。このようにすれば、インターロック発生以外の条件でΔNoの変化が大きい状態となっている可能性がある場合には、該条件に応じたΔNoを予測し、該予測値と実際のΔNoとを比較して両者の差に基づいてΔNoの変化を求めてインターロックの有無に応じたリターン圧RTNの学習を行う構成としたため、該条件に影響されることなく学習を進めることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000167406 【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】笹島 富二雄
|
| 【公開番号】 |
特開平11−132324 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−299170 |
|