| 【発明の名称】 |
遊星歯車機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】堀田 高司
【氏名】近藤 忠身
【氏名】大貫 基範
【氏名】久保 和也
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| 【要約】 |
【課題】遊星歯車機構のピニオンとリングギヤとの間に発生する噛み合い振動がブレーキ手段を介してケーシングに伝達されるのを防止する。
【解決手段】リングギヤ支持部材47をインプットシャフト1の外周にボールベアリング49を介して半径方向移動不能に支持する。リングギヤ支持部材47に支持されたリバースブレーキ11のブレーキハブ66は、リングギヤ支持部材47に対して円周方向に相対移動自在であり、コイルばね69によって中央位置に付勢される。リバースブレーキ11を作動させてリングギヤ支持部材47をケーシング32に回転不能に結合したとき、ブレーキハブ66がリングギヤ支持部材47にコイルばね69を介して支持されているので、ピニオン45およびリングギヤ46の噛合部に発生した噛み合い振動がブレーキハブ66を経てケーシング32に伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸部材(1)と、軸部材(1)と一体に回転するサンギヤ(42)と、軸部材(1)に相対回転自在に支持されたプラネタリキャリヤ(431 ,432 )と、プラネタリキャリヤ(431 ,432 )に回転自在に支持されてサンギヤ(42)に噛合するピニオン(44,45)と、ピニオン(44,45)に噛合するリングギヤ(46)と、リングギヤ(46)を一体に有して軸部材(1)に相対回転自在に支持されたリングギヤ支持部材(47)と、ブレーキハブ(66)に支持した摩擦板(59,60)を介してリングギヤ支持部材(47)をケーシング(32)に回転不能に結合することによりリングギヤ(46)の回転を拘束するブレーキ手段(11)と、を備えた遊星歯車機構において、ブレーキハブ(66)をリングギヤ支持部材(47)に弾性体(69)を介して支持することにより、ブレーキハブ(66)とリングギヤ支持部材(47)との円周方向の相対振動を緩衝することを特徴とする遊星歯車機構。 【請求項2】 軸部材(1)と、軸部材(1)と一体に回転するサンギヤ(42)と、軸部材(1)に相対回転自在に支持されたプラネタリキャリヤ(431 ,432 )と、プラネタリキャリヤ(431 ,432 )に回転自在に支持されてサンギヤ(42)に噛合するピニオン(44,45)と、ピニオン(44,45)に噛合するリングギヤ(46)と、リングギヤ(46)を支持して軸部材(1)に相対回転自在に支持されたリングギヤ支持部材(47)と、リングギヤ支持部材(47)に一体に設けられたブレーキハブ(66)に支持した摩擦板(59,60)を介して該リングギヤ支持部材(47)をケーシング(32)に回転不能に結合することによりリングギヤ(46)の回転を拘束するブレーキ手段(11)と、を備えた遊星歯車機構において、リングギヤ(46)をリングギヤ支持部材(47)に弾性体(69)を介して支持することにより、リングギヤ(46)とリングギヤ支持部材(47)との円周方向の相対振動を緩衝することを特徴とする遊星歯車機構。 【請求項3】 軸部材(1)と、軸部材(1)と一体に回転するサンギヤ(42)と、軸部材(1)に相対回転自在に支持されたプラネタリキャリヤ(431 ,432 )と、プラネタリキャリヤ(431 ,432 )に回転自在に支持されてサンギヤ(42)に噛合するピニオン(81)と、ピニオン(81)に噛合するリングギヤ(46)と、ブレーキハブ(66)に支持した摩擦板(49,50)を介してプラネタリキャリヤ(431 ,432 )をケーシング(32)に回転不能に結合するブレーキ手段(11)と、を備えた遊星歯車機構において、ブレーキハブ(66)をプラネタリキャリヤ(431 ,432 )に弾性体(69)を介して支持することにより、プラネタリキャリヤ(431 ,432 )とブレーキハブ(69)との円周方向の相対振動を緩衝することを特徴とする遊星歯車機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リングギヤの回転あるいはプラネタリキャリヤの回転を拘束するブレーキ手段を備えた遊星歯車機構に関する。 【0002】 【従来の技術】図9はベルト式無段変速機の前後進切換機構に設けられた従来の遊星歯車機構を示すものである。 【0003】遊星歯車機構01は、インプットシャフト02にスプライン結合したサンギヤ03と、インプットシャフト02に相対回転自在に支持したプラネタリキャリヤ041 ,042 と、プラネタリキャリヤ041 ,042 に回転自在に支持したインナーピニオン05およびアウターピニオン06と、インプットシャフト02に相対回転自在に支持したリングギヤ支持部材07と、リングギヤ支持部材07に一体に形成されたリングギヤ08とを備えている。インナーピニオン05はサンギヤ03に噛合し、アウターピニオン06はリングギヤ08に噛合し、インナーピニオン05およびアウターピニオン06は相互に噛合する。車両の後進時にリングギヤ08を拘束すべく、リングギヤ支持部材07とケーシング09とがリバースブレーキ010により結合される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のものは、リングギヤ08がリングギヤ支持部材07と一体に形成されており、且つリバースブレーキ010がリングギヤ支持部材07を直接ケーシング09に結合するようになっているため、リバースブレーキ010を締結した状態で、アウターピニオン06およびリングギヤ08の噛合部に発生する噛み合い振動が、リングギヤ支持部材07からリバースブレーキ010を経てケーシング09に伝達されてしまい、これが騒音の原因となる問題があった。 【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、遊星歯車機構のピニオンとリングギヤとの間に発生する噛み合い振動がブレーキ手段を介してケーシングに伝達されるのを防止することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、軸部材と、軸部材と一体に回転するサンギヤと、軸部材に相対回転自在に支持されたプラネタリキャリヤと、プラネタリキャリヤに回転自在に支持されてサンギヤに噛合するピニオンと、ピニオンに噛合するリングギヤと、リングギヤを一体に有して軸部材に相対回転自在に支持されたリングギヤ支持部材と、ブレーキハブに支持した摩擦板を介してリングギヤ支持部材をケーシングに回転不能に結合することによりリングギヤの回転を拘束するブレーキ手段とを備えた遊星歯車機構において、ブレーキハブをリングギヤ支持部材に弾性体を介して支持することにより、ブレーキハブとリングギヤ支持部材との円周方向の相対振動を緩衝することを特徴とする。 【0007】上記構成によれば、ブレーキ手段を作動させてリングギヤ支持部材を摩擦板を介してケーシングに回転不能に結合したとき、ブレーキハブがリングギヤ支持部材に弾性体を介して支持されているので、ピニオンおよびリングギヤの噛合部に発生した噛み合い振動がリングギヤ支持部材からブレーキハブおよび摩擦板を経てケーシングに伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。 【0008】また請求項2に記載された発明は、軸部材と、軸部材と一体に回転するサンギヤと、軸部材に相対回転自在に支持されたプラネタリキャリヤと、プラネタリキャリヤに回転自在に支持されてサンギヤに噛合するピニオンと、ピニオンに噛合するリングギヤと、リングギヤを支持して軸部材に相対回転自在に支持されたリングギヤ支持部材と、リングギヤ支持部材に一体に設けられたブレーキハブに支持した摩擦板を介して該リングギヤ支持部材をケーシングに回転不能に結合することによりリングギヤの回転を拘束するブレーキ手段とを備えた遊星歯車機構において、リングギヤをリングギヤ支持部材に弾性体を介して支持することにより、リングギヤとリングギヤ支持部材との円周方向の相対振動を緩衝することを特徴とする。 【0009】上記構成によれば、ブレーキ手段を作動させてリングギヤ支持部材を摩擦板を介してケーシングに回転不能に結合したとき、リングギヤがリングギヤ支持部材に弾性体を介して支持されているので、ピニオンおよびリングギヤの噛合部に発生した噛み合い振動がリングギヤからリングギヤ支持部材および摩擦板を経てケーシングに伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。 【0010】また請求項3に記載された発明は、軸部材と、軸部材と一体に回転するサンギヤと、軸部材に相対回転自在に支持されたプラネタリキャリヤと、プラネタリキャリヤに回転自在に支持されてサンギヤに噛合するピニオンと、ピニオンに噛合するリングギヤと、ブレーキハブに支持した摩擦板を介してプラネタリキャリヤをケーシングに回転不能に結合するブレーキ手段とを備えた遊星歯車機構において、ブレーキハブをプラネタリキャリヤに弾性体を介して支持することにより、プラネタリキャリヤとブレーキハブとの円周方向の相対振動を緩衝することを特徴とする。 【0011】上記構成によれば、ブレーキ手段を作動させてプラネタリキャリヤをケーシングに回転不能に結合したとき、ブレーキハブがプラネタリキャリヤに弾性体を介して支持されているので、ピニオンおよびリングギヤの噛合部あるいはピニオンおよびサンギヤの噛合部に発生した噛み合い振動がプラネタリキャリヤからブレーキハブおよび摩擦板を経てケーシングに伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 【0013】図1〜図4は本発明の第1実施例を示すもので、図1はベルト式無段変速機の全体構成図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の3−3線拡大断面図、図4は本発明の効果を説明するグラフである。 【0014】図1に示すように、車両用のベルト式無段変速機Tは平行に配置されたインプットシャフト1およびアウトプットシャフト2を備えており、エンジンEのクランクシャフト3の右端は、フライホイール付きダンパー4を介してインプットシャフト1の左端に接続される。 【0015】インプットシャフト1に支持されたドライブプーリ5は、該インプットシャフト1に対して相対回転自在な固定側プーリ半体51 と、この固定側プーリ半体51 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体52 とを備える。可動側プーリ半体52 は、油室6に作用する油圧により固定側プーリ半体51 との間の溝幅が可変である。アウトプットシャフト2に支持されたドリブンプーリ7は、該アウトプットシャフト2に一体に形成された固定側プーリ半体71 と、この固定側プーリ半体71 に対して軸方向摺動自在な可動側プーリ半体72 とを備える。可動側プーリ半体72 は、油室8に作用する油圧により固定側プーリ半体71 との間の溝幅が可変である。そしてドライブプーリ5とドリブンプーリ7との間に、2条のストラップに多数の押し駒を装着した無端ベルト9が巻き掛けられる。 【0016】インプットシャフト1の右端に、前進変速段を確立する際に係合してインプットシャフト1の回転を同方向にドライブプーリ5に伝達するフォワードクラッチ10と、後進変速段を確立する際に係合してインプットシャフト1の回転を逆方向にドライブプーリ5に伝達するリバースブレーキ11とを備えた、遊星歯車機構よりなる前後進切換機構12が設けられる。 【0017】アウトプットシャフト2の左端に設けられる発進用クラッチ13は、アウトプットシャフト2に相対回転自在に支持した第1中間ギヤ14を該アウトプットシャフト2に結合する。アウトプットシャフト2と平行に配置された中間軸15に、前記第1中間ギヤ14に噛合する第2中間ギヤ16が設けられる。ディファレンシャル17のギヤボックス18に設けた入力ギヤ19に、前記中間軸15に設けた第3中間ギヤ20が噛合する。ギヤボックス18にピニオンシャフト21を介して支持した一対のピニオン22,22に、ギヤボックス18に相対回転自在に支持した左車軸23および右車軸24の先端に設けたサイドギヤ25,26が噛合する。左車軸23および右車軸24の先端にそれぞれ駆動輪W,Wが接続される。 【0018】電子制御ユニットUeにはアクセル開度センサS1 、車速センサS2 および図示せぬセレクトレバーがリバースレンジを選択したこと検出するリバーススイッチS3 からの信号が入力される。電子制御ユニットUeは前記各センサおよびスイッチからの信号に基づいて油圧制御ユニットUhに制御信号を出力し、油圧制御ユニットUhは前記ドライブプーリ5およびドリブンプーリ7の溝幅、即ちベルト式無段変速機Tの変速比と、フォワードクラッチ10の係合状態と、リバースブレーキ11の係合状態と、発進用クラッチ13の係合状態とを制御する。 【0019】次に、図2に基づいて前後進切換機構12の構造を説明する。 【0020】ベルト式無段変速機Tの右端部において、中央ケーシング31と、右ケーシング32と、右カバー33とがボルト34…で結合される。ドライブプーリ5の固定側プーリ半体51 (図1参照)と一体のスリーブ35がボールベアリング36を介して右ケーシング32に支持されており、このスリーブ35の内部にニードルベアリング37を介して前記インプットシャフト1が支持される。 【0021】インプットシャフト1の右端に設けられた遊星歯車機構41は、インプットシャフト1にスプライン結合したサンギヤ42と、インプットシャフト1に相対回転自在に支持した一対の板体よりなるプラネタリキャリヤ431 ,432 と、プラネタリキャリヤ431 ,432 に回転自在に支持されて前記サンギヤ42に噛合する3個のインナーピニオン44…と、プラネタリキャリヤ431 ,432 に回転自在に支持されて前記インナーピニオン44…に噛合する3個のアウターピニオン45…と、アウターピニオン45…に噛合するリングギヤ46を一体に備えてインプットシャフト1の外周に相対回転自在に支持されたリングギヤ支持部材47とから構成される。リングギヤ支持部材47は、その内周がボールベアリング49を介してインプットシャフト1の外周に回転自在に支持される。プラネタリキャリヤ431 は、サンギヤ42との間に配置したスラストベアリング50と、リングギヤ支持部材47との間に配置したスラストベアリング51とによって軸方向に位置決めされる。尚、本実施例ではリングギヤ46はリングギヤ支持部材47の一部を構成する。 【0022】フォワードクラッチ10は、スリーブ35およびプラネタリキャリヤ432 に結合されたクラッチアウター52と、クラッチアウター52の内周に相対回転不能且つ軸方向摺動可能に支持された複数のクラッチプレート54…と、これらクラッチプレート54…に交互に重ね合わされるとともに、クラッチインナー53の外周に相対回転不能且つ軸方向摺動可能に支持された複数のクラッチディスク55…と、クラッチアウター52の内部に軸方向摺動自在に支持されてクラッチプレート54…およびクラッチディスク55…を相互に係合させるクラッチピストン56と、クラッチアウター52との間に形成されてクラッチピストン56を係合方向に付勢するクラッチ油室57と、クラッチピストン56を非係合方向に付勢する戻しばね58とから構成される。 【0023】リバースブレーキ11は、右ケーシング32の内面に相対回転不能且つ軸方向摺動可能に支持された複数のブレーキプレート59…と、これらブレーキプレート59…に交互に重ね合わされるとともに、ブレーキハブ66の外周に相対回転不能且つ軸方向摺動可能に支持された複数のブレーキディスク60…と、右ケーシング32の内部に軸方向摺動自在に支持されてブレーキプレート59…およびブレーキディスク60…を相互に係合させるブレーキピストン61と、右ケーシング32との間に形成されてブレーキピストン61を係合方向に付勢するブレーキ油室62と、ブレーキピストン61を非係合方向に付勢する戻しばね63とから構成される。 【0024】図3を併せて参照すると明らかなように、リングギヤ支持部材47とリングギヤ46とは溶接で一体化されており、リングギヤ46の半径方向外周に支持されたリバースブレーキ11のブレーキハブ66は、スナップリング67によりリングギヤ46に対して相対回転自在且つ軸方向移動不能に係止される。リングギヤ46およびリングギヤ支持部材47は円周方向に所定間隔で配置された複数の凹部461 …,471 …を備えており、相互に対向する前記両凹部461 ,471の円周方向両端に係止したばね座68,68間にコイルばね69が縮設される。そしてブレーキハブ66は円周方向に所定間隔で配置された複数の切欠き662…を備えており、各切欠き662 の両端がコイルばね69のばね座68,68に当接する。従って、リングギヤ46およびリングギヤ支持部材47に対してブレーキハブ66が何れかの方向に相対回転すると、一対のばね座68,68のうちの一方を介してコイルばね89が圧縮される。 【0025】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。 【0026】セレクトレバーでフォワードレンジを選択すると、電子制御ユニットUeからの指令で先ずフォワードクラッチ10が係合し、クラッチインナー53とクラッチアウター52とが結合される。その結果、インプットシャフト1はサンギヤ42、クラッチインナー53、クラッチディスク55…、クラッチプレート54…、クラッチアウター52およびスリーブ35を介してドライブプーリ5に一体に結合される。続いて発進用クラッチ13が係合し、エンジンEのトルクがインプットシャフト1、ドライブプーリ5、無端ベルト9、ドリブンプーリ7、アウトプットシャフト2およびディファレンシャル17を経て駆動輪W,Wに伝達され、車両は前進発進する。 【0027】セレクトレバーでリバースレンジを選択すると、電子制御ユニットUeからの指令でリバースブレーキ11が係合し、リングギヤ支持部材47およびリングギヤ46を右ケーシング32に結合して回転不能に固定する。回転するサンギヤ42と固定されたリングギヤ46とに噛合するインナーピニオン44…およびアウターピニオン45…は、自転しながらプラネタリキャリヤ431 ,432 と共に公転する。その結果、プラネタリキャリヤ431 ,432 にクラッチアウター52およびスリーブ35を介して結合されたドライブプーリ5が、インプットシャフト1の回転方向と逆方向に駆動されるため、車両は後進発進する。 【0028】このようにして車両が発進すると、電子制御ユニットUeからの指令でドライブプーリ5の油室6に供給される油圧が増加し、ドライブプーリ5の可動側プーリ半体52 が固定側プーリ半体51 に接近して有効半径が増加するとともに、ドリブンプーリ7の油室8に供給される油圧が減少し、ドリブンプーリ7の可動側プーリ半体72 が固定側プーリ半体71 から離反して有効半径が減少することにより、ベルト式無段変速機Tの変速比がLOW側からOD側に向けて連続的に変化する。 【0029】ところで、リバースブレーキ11が係合して車両が後進走行するとき、リングギヤ46とアウターピニオン45…との噛合部に発生する円周方向の噛み合い振動はリングギヤ46からリングギヤ支持部材47に伝達される。しかしながら、リングギヤ46およびリングギヤ支持部材47とブレーキハブ66との間に介在するコイルばね69…の伸縮により、前記噛み合い振動が吸収されてブレーキハブ66への伝達が防止されるため、リバースブレーキ11が係合してブレーキハブ66が右ケーシング32に結合されていても、リングギヤ46およびリングギヤ支持部材47の振動が右ケーシング32に伝達されるのが防止されて騒音が低減する。 【0030】仮にブレーキハブ66がリングギヤ支持部材47に固定されていると、リングギヤ46とアウターピニオン45…との噛合部に発生する円周方向の噛み合い振動が、係合状態にあるリバースブレーキ11を介して右ケーシング32に伝達されてしまうが、本実施例ではリングギヤ46およびリングギヤ支持部材47に対してブレーキハブ66を弾性支持したことにより、前記噛み合い振動の伝達を防止して騒音を効果的に軽減することができる。 【0031】図4は本実施例の効果を示すもので、横軸はエンジン回転数、縦軸は後進変速段の確立時における車室内の騒音である。実線で示す本実施例のものは、破線で示す従来のもの(図9参照)に比べて騒音が減少していることが分かる。 【0032】次に、図5および図6に基づいて本発明の第2実施例を説明する。 【0033】前述した第1実施例は、一体に結合したリングギヤ46およびリングギヤ支持部材47に対してブレーキハブ66を相対回転自在に弾性支持しているが、この第2実施例は、リングギヤ支持部材47に対してブレーキハブ66を相対回転自在に弾性支持している。即ち、リングギヤ支持部材47の半径方向中間部から右方向に突出する複数の支持突起472 …にリングプレート70の内周に形成した複数の切欠き702 …を係合させ、スナップリング71で抜け止めする。リングギヤ支持部材47およびリングプレート70の対向面にはそれぞれ複数の凹部471 …,701 …が形成されており、相互に対向する前記両凹部471 ,701の円周方向両端に係止したばね座68,68間にコイルばね69が縮設される。ブレーキハブ66はリングギヤ支持部材47およびリングプレート70の対向面間に挟まれて相対回転自在に支持されるとともに、該ブレーキハブ66の内周に円周方向に所定間隔で形成された複数の切欠き662 …の両端がコイルばね69のばね座68,68に当接する。 【0034】この第2実施例によっても、リングギヤ支持部材47に対してブレーキハブ66が何れかの方向に相対回転すると、一対のばね座68,68のうちの一方を介してコイルばね69が圧縮される。これにより、リングギヤ46からリングギヤ支持部材47に伝達された振動を前記コイルばね69…で吸収し、その振動がブレーキハブ66からリバースブレーキ11を介して右ケーシング32に伝達されて騒音が発生するのを防止することができる。 【0035】次に、図7に基づいて本発明の第3実施例を説明する。 【0036】第3実施例のリングギヤ支持部材47にはブレーキハブ66が一体に成形されており、このブレーキハブ66の半径方向内周面にリングギヤ46がスナップリング67で相対回転自在且つ軸方向移動不能に係止される。ブレーキハブ66には複数の凹部661 …が形成されており、各凹部661 の円周方向両端に係止したばね座68,68間にコイルばね69が縮設される。リングギヤ支持部材47に固定したコイルばね支持ホルダー72により、コイルばね69が支持されて脱落が防止される。そしてリングギヤ46の右端に所定間隔で形成された複数の切欠き462 …の両端がコイルばね69のばね座68,68に当接する。尚、本実施例ではブレーキハブ66はリングギヤ支持部材47の一部を構成する。 【0037】この第3実施例によれば、アウターピニオン45…との噛合によりリングギヤ46に発生した振動がコイルばね69…により干渉されてブレーキハブ66に伝達されることがないため、リバースブレーキ11を係合しても前記振動が右ケーシング32に伝達されることが防止されて騒音が軽減される。 【0038】次に、図8に基づいて本発明の第4実施例を説明する。 【0039】第4実施例の遊星歯車機構41はシングルピニオン式のものであり、そのプラネタリキャリヤ431 ,432 に支持したピニオン81はサンギヤ42およびリングギヤ46に同時に噛合する。この遊星歯車機構41は前記リングギヤ支持部材47を備えておらず、リングギヤ46はフォワードクラッチ10のクラッチアウター52に支持される。右側のプラネタリキャリヤ431 に設けた突起433…に支持したリングプレート82がスナップリング83で抜け止めされており、プラネタリキャリヤ431 およびスナップリング83の対向面に形成した複数の凹部434 …,821 …に、それぞればね座68,68を介してコイルばね69の両端が支持される。そしてリバースブレーキ11のブレーキハブ66がプラネタリキャリヤ431 およびリングプレート82間に相対回転自在に挟持されるとともに、そのブレーキハブ66に形成した複数の切欠き662 …が、それぞれ前記ばね座68,68に当接する。 【0040】フォワードクラッチ10が係合してクラッチインナー53とクラッチアウター52とが結合されると、インプットシャフト1はスリーブ35に直結されて前進変速段が確立される。またリバースブレーキ11が係合すると、プラネタリキャリヤ431 ,432 が右ケーシング32に結合される。その結果、インプットシャフト1と一体のサンギヤ42の回転はピニオン81を介してリングギヤ46に逆回転として伝達され、リングギヤ46と一体のクラッチアウター52を介してスリーブ35が逆回転して後進変速段が確立される。 【0041】リバースクラッチ11が係合したとき、ピニオン81…とサンギヤ42との噛合部あるいはピニオン81…とリングギヤ46との噛合部に発生した噛み合い振動はプラネタリキャリヤ431 ,432 に伝達されるが、プラネタリキャリヤ431 とブレーキハブ66との間にコイルばね69…を介在させたことにより、前記噛み合い振動が係合状態のリバースブレーキ11を介して右ケーシング32に伝達するのが防止されて騒音が低減する。 【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。 【0043】 【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発明によれば、ブレーキ手段を作動させてリングギヤ支持部材を摩擦板を介してケーシングに回転不能に結合したとき、ブレーキハブがリングギヤ支持部材に弾性体を介して支持されているので、ピニオンおよびリングギヤの噛合部に発生した噛み合い振動がリングギヤ支持部材からブレーキハブおよび摩擦板を経てケーシングに伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。 【0044】また請求項2に記載された発明によれば、ブレーキ手段を作動させてリングギヤ支持部材を摩擦板を介してケーシングに回転不能に結合したとき、リングギヤがリングギヤ支持部材に弾性体を介して支持されているので、ピニオンおよびリングギヤの噛合部に発生した噛み合い振動がリングギヤからリングギヤ支持部材および摩擦板を経てケーシングに伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。 【0045】また請求項3に記載された発明によれば、ブレーキ手段を作動させてプラネタリキャリヤをケーシングに回転不能に結合したとき、ブレーキハブがプラネタリキャリヤに弾性体を介して支持されているので、ピニオンおよびリングギヤの噛合部あるいはピニオンおよびサンギヤの噛合部に発生した噛み合い振動がプラネタリキャリヤからブレーキハブおよび摩擦板を経てケーシングに伝達されるのが防止され、これにより騒音の軽減が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132320 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−298054 |
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