| 【発明の名称】 |
アイドラ一体型油圧式オートテンショナ |
| 【発明者】 |
【氏名】堀 田 浩 二
【氏名】寺 島 宏 仁
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| 【要約】 |
【課題】適切な張力補正を確実に行うことが可能なアイドラ一体型油圧式オートテンショナを提供すること。
【解決手段】帯状動力伝達部材に転動接触する外輪部材と外輪部材に相対回転可能に支持される内輪部材を備えるアイドラと、内輪部材に固定されてアイドラの径方向内方に延在し内部をリザーバ室とする先端が閉塞した中空状のピストンと、ピストンが軸方向へ摺動可能に嵌挿されて閉塞部にダンパ室を形成するシリンダ内孔を有しアイドラ内に収容されピストンが帯状動力伝達部材に対して進退可能なボディと、ボディのピストンと同一軸芯の位置でピストンの外周に組付けられてアイドラを帯状動力伝達部材に向けて付勢する付勢手段と、ピストンとボディの間に設けられてダンパ室とリザーバ室の間での作動油の流動を制御し帯状動力伝達部材の張力に応じてアイドラの移動を減衰させる減衰手段と、を備えるアイドラ一体型油圧式オートテンショナ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯状動力伝達部材に転動接触する外輪部材と該外輪部材に対して相対回転可能に支持される内輪部材とを備えるアイドラと、該アイドラの内輪部材に一体的に固定されて前記アイドラの径方向内方に延在し内部をリザーバ室とする先端が閉塞した中空状のピストンと、該ピストンが軸方向へ摺動可能に嵌挿されて閉塞部にダンパ室を形成するシリンダ内孔を有し前記アイドラ内に収容され前記ピストンが前記帯状動力伝達部材に対して進退可能となるようにして固定部材に固定されるボディと、該ボディの前記ピストンの外周に組付けられて前記アイドラを前記帯状動力伝達部材に向けて付勢する付勢手段と、前記ピストンと前記ボディの間に設けられて前記ダンパ室とリザーバ室の間での作動油の流動を制御し前記帯状動力伝達部材の張力が低下したときには前記付勢手段により前記アイドラの推進運動を即座に許容させまた前記帯状動力伝達部材の張力が上昇したときには前記付勢手段に抗した前記アイドラの後退運動を徐々に許容させて前記アイドラの移動を減衰させる減衰手段と、を備えるアイドラ一体型油圧式オートテンショナ。 【請求項2】 前記付勢手段は前記ピストンと同一軸心となる位置に配設されることを特徴とする請求項1のアイドラ一体型油圧式オートテンショナ。 【請求項3】 前記付勢手段は前記シリンダ内孔の外周に配設され、一端が前記ボディに、他端が前記アイドラ側に当接するコイルスプリングであることを特徴とする請求項1及び請求項2のアイドラ一体型油圧式オートテンショナ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する分野】本発明は、チェーン、ベルト等の帯状動力伝達部材に常時適正な緊張力(テンション)を与えるために用いられる油圧式オートテンショナに関するものであり、特にアイドラ内にテンショナを備えるアイドラ一体型油圧式オートテンショナに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、油圧式オートテンショナの一つとして、チェーン、ベルト等の帯状動力伝達部材の張力を動力伝達部材に転動接触するアイドラを介して常時適正に保つオートテンショナをアイドラ内に収容して、このオートテンショナにてアイドラを動力伝達部材に対して推進または後退の直線運動をさせるようにしたアイドラ一体型油圧式オートテンショナが考えられており、例えば実開平6−1891号公報に開示されている。 【0003】 【本発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公報のアイドラ一体型油圧式オートテンショナでは、固定部材に固定されたボディの外側にアイドラを遊嵌させた構造で、アイドラはボディのシリンダ内孔に軸方向へ摺動可能に組付けられたピストンの先端部に嵌合されており、アイドラの円滑な直線運動が保証されておらず、適切な張力の補正ができない可能性がある。また、ピストンの内側に同軸的に配置されたスプリングによってピストンが押されてアイドラを押す構造で、スプリングはピストンの内径よりも小径であるので、スプリングの荷重を任意に大きくすることが困難である。これによって適切な張力補正が行われないこともある。 【0004】そこで本発明は、上記問題点を解決すべく、適切な張力補正を確実に行うことが可能なアイドラ一体型油圧式オートテンショナを提供することを技術的課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1の発明は、帯状動力伝達部材に転動接触する外輪部材と外輪部材に対して相対回転可能に支持される内輪部材とを備えるアイドラと、アイドラの内輪部材に一体的に固定されてアイドラの径方向内方に延在し内部をリザーバ室とする先端が閉塞した中空状のピストンと、ピストンが軸方向へ摺動可能に嵌挿されて閉塞部にダンパ室を形成するシリンダ内孔を有しアイドラ内に収容されピストンが帯状動力伝達部材に対して進退可能となるように固定部材に固定されるボディと、ボディのピストンと同一軸芯の位置でピストンの外周に組付けられてアイドラを帯状動力伝達部材に向けて付勢する付勢手段と、ピストンとボディの間に設けられてダンパ室とリザーバ室の間での作動油の流動を制御し帯状動力伝達部材の張力が低下したときには付勢手段によりアイドラの推進運動を即座に許容させまた帯状動力伝達部材の張力が上昇したときには付勢手段に抗したアイドラの後退運動を徐々に許容させてアイドラの移動を減衰させる減衰手段と、を備えるアイドラ一体型油圧式オートテンショナとした。 【0006】請求項1によると、付勢手段はピストンの外周に組付けられるのでピストンの内径によって規制されることが無く、付勢手段の荷重設定の自由度が増して大きな荷重を設定することも可能になり、適切な張力補正を確実に行うことができる。 【0007】請求項2の発明は、請求項1において付勢手段をピストンと同一軸心となる位置に配設したことである。 【0008】請求項2によると、付勢手段の軸心とピストンの軸心が同一であるので、ボディに対してピストンが摺動する際に、ピストンに付与される付勢力の方向はピストンとボディによって形成されるピストンの摺動方向と略同じになる。したがって、請求項1の作用に加えて更にピストンが滑らかに摺動する。 【0009】更に具体的には、請求項3に示すように、付勢手段はシリンダ内孔の外周に配設され、一端がボディに、他端がアイドラ側に当接するコイルスプリングとするのが好ましい。 【0010】 【実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本実施の形態のアイドラ一体型油圧式オートテンショナを示しており、図2は図1のA−A断面図である。また、図3は本実施の形態のアイドラ一体型油圧式オートテンショナの作動を示している。オートテンショナはエンジンのクランク軸(図示省略)の動力をカム軸(図示省略)に伝達する帯状動力伝達部材であるタイミングベルトVに常時適正な緊張力を与えるために用いられており、タイミングベルトVにて外周が係合するアイドラ10と、このアイドラ10内に収容されて固定部材であるエンジンブロック21に固定されたボディ31を備えている。 【0011】アイドラ10は、タイミングベルトVに転動接触する外輪部材11と、この外輪部材11を多数のボール12を介して回転自在に支持する内輪部材13と、この内輪部材の内周に圧入により嵌合固定されるハウジング14を備えていて、ハウジング14にはピストン40が組付けられている。 【0012】ボディ31は、ピストン40がシールリング32を介してその軸方向へ摺動可能に挿嵌されて閉塞部に作動油で充たされるダンパ室R1を形成するシリンダ内孔31aを有するとともに、アイドラ10をタイミングベルトVに向けて付勢する付勢手段としてのスプリング60を収容するスペース31bを有しており、更にピストン40がタイミングベルトVに対して進退可能となるようにエンジンブロック21に固定されている。またスペース31bはシリンダ内孔31aより大径、かつシリンダ内孔31aと同一軸心に設けられており、これによってスプリング60がアイドラの軸方向にてピストン40と直列に配置され、スプリング60がシリンダ内孔31aの外周を覆うように配置される。このようにスプリング60を配置したことでスプリング60の外径をシリンダ内孔31aより大きくでき、スプリング60の荷重設定の自由度が増すので、適切な張力設定を行うことが可能になる。 【0013】ピストン40は、基端に外向環状フランジを有して先端が閉塞した中空状のピストンであり、ハウジング14の基端にてプラグ17により液密的に抜け止めされることによりハウジング14に一体的に固定されていて、内部が作動油で充たされるリザーバ室R2とされており、アイドラ10の径方向に向けて延在している。 【0014】ピストン40の先端部には、先端閉塞部に設けた連通弁孔40aに対応してボール弁41とリテーナ42が組付けられてリザーバ室R2への流れを阻止するチェック弁が構成されるとともに、ピストン40とシリンダ内孔31aの間の嵌合隙間(絞り)を通じて流れる作動油をリザーバ室R2に導く径方向の連通孔40bが設けられていて、ボール弁41とリテーナ42及び連通孔40bによってダンパ室R1とリザーバ室R2間での作動油の流動を抑制する減衰手段が構成されている。この減衰手段は、タイミングベルトVの張力が低下したときにはスプリング60によるアイドラ10の推進運動を即座に許容させ、またタイミングベルトVの張力が上昇したときにはスプリング60に抗したアイドラの後退運動を緩徐に許容させて、アイドラ10の移動を減衰させるものである。 【0015】本実施の形態ではダンパ室R1とリザーバ室R2の間で作動油を流動させているので、ダンパ室R1が気泡の影響を受けないようにピストン40の開口側が上方になるようにオートテンショナを取付けるのが好ましい。 【0016】上記の如く構成された本実施の形態においては、組付け後の使用時においてタイミングベルトVに弛みが生じてタイミングベルトVの緊張力が設定値以下になると、アイドラ10などがスプリング60によって押動されてタイミングベルトVに向けて推進しタイミングベルトVを押動する(図3の2点鎖線)。このときには、アイドラ10の移動に伴うピストン40の突出動作によってダンパ室R1が負圧になり、これによってボール弁41が連通弁孔40aを開くため、リザーバ室R2からダンパ室R1に作動油が流入する。 【0017】一方、タイミングベルトVに張りが生じてタイミングベルトVの緊張力が大きくなると、タイミングベルトVによってアイドラ10などがスプリング60に抗して押動される(図3の2点実線)。このときには、アイドラ10の移動に伴うピストン40の進入動作によってダンパ室R1が昇圧して、ボール弁41が連通弁孔40aを閉じるとともに、ダンパ室R1内の作動油がピストン40とシリンダ内孔31a間の嵌合隙間とピストン40に設けた径方向の連通孔40bを通じてリザーバ室R2に流入する。 【0018】したがって、本実施の形態においては、タイミングベルトVの弛みに対してはアイドラ10などの移動が敏速になり、またタイミングベルトVの張りに対してはアイドラ10などの移動が緩徐とされて、アイドラ10などの移動が的確に減衰され、タイミングベルトVの緊張力が的確に調整される。 【0019】 【効果】請求項1の発明によると、付勢手段はピストンの外周に組付けられるのでピストンの内径によって規制されることが無く、付勢手段の荷重設定の自由度が増して大きな荷重を設定することも可能になり、適切な張力補正を確実に行うことができる。 【0020】請求項2によると、付勢手段の軸心とピストンの軸心が同一であるので、ボディに対してピストンが摺動する際に、ピストンに付与される付勢力の方向はピストンとボディによって形成されるピストンの摺動方向と略同じになる。したがって、請求項1の効果に加えて更にピストンが滑らかに摺動する。 【0021】請求項3によると、付勢手段をコイルスプリングとしたことにより、ピストンの外周への配置及び荷重の設定自由度が大きくなり、設計上優位である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月30日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−132298 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−298782 |
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