| 【発明の名称】 |
トルクコンバータ |
| 【発明者】 |
【氏名】久保 賢明
【氏名】青木 生夫
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| 【要約】 |
【課題】トルク容量係数の増加並びに伝達効率の向上を図り、燃費の良いトルクコンバータを低価格で提供する。
【解決手段】トルクコンバータは、ポンプインペラ1とタービン2とステータ3との3要素を有する。上記タービン2は、ポンプインペラ1に流体を介して動力伝達する。ステータ3は、ケーシング14に固定されたインナーレースからワンウェイクラッチ4を介して位置する。特に、ポンプインペラ1又はタービン2の夫々のタービンシェル6又はタービンコア8の形状を、流路外側に向かって凸となるように膨らませた形状とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力側のポンプインペラと、このポンプインペラに流体を介して動力伝達するタービンと、ワンウェイクラッチを介してケーシングに固定されたステータと、で構成される3要素を有するトルクコンバータにおいて、ポンプ又はタービンの夫々のシェル又はコアの形状を、流路外側に向かって凸となるように膨出形成したことを特徴とするトルクコンバータ。 【請求項2】 前記凸となる形状を有する部分が、前記タービンの流路流れ方向に対して、中間部から出口に向かって徐々にその変位量が大きくなり、出口において最大変位となる形状を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。 【請求項3】 前記凸となる形状を有する部分が、前記ポンプの流路流れ方向に対して、入口部から中間部に向かって徐々にその変位量が小さくなり、入口部において最大変位となる形状を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等に使用されるトルクコンバータの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のトルクコンバータとしては、例えば図7に示すようなものが知られている。このトルクコンバータにおいて、流体が流れる所謂「流路」は、ポンプ1aの入口からポンプ1aの出口、タービン2aの入口、タービン2aの出口、ステータ3aの入口、ステータ3aの出口と、各要素1a、2a、3aの入口及び出口の流路面積はほぼ一定に設計されており、その面積は「呼び径」と呼ばれるトルクコンバータの外径を直径とした円の面積に対して、おおよそ23%となるように設計されている。 【0003】また、トルクコンバータは、上述したように、ポンプ1a、タービン2a、ステータ3aの3つの要素で構成されており、ポンプ1aはエンジンの回転と同調して回転し、タービン2aは、特に図示はしないが、歯車変速機インプットシャフトと結合されている。 【0004】そして、トルクは、内部に充填された流体を介して伝達され、その流れは、通常の運転条件ではポンプ1aからタービン2aを経てステータ3aへと流れ、その過程の中でトルクの伝達が行われる。 【0005】また、上記ステータ3aは、ワンウェイクラッチ4を介してケーシング14に固定されている。上記ステータ3aは、発進時において固定されており、ステータ3aの受けたトルク分、トルクの増幅を行う。カップリングポイントを過ぎると該ステータ3aは空転し、トルクコンバータは流体継手となる。 【0006】このように、上記トルクコンバータはトルクを吸収し増幅する機能を有するが、この吸収するトルクは、内部のポンプ1aを流れる流体が行う仕事と釣り合う。この吸収できるトルクの指標はトルク容量係数と呼ばれている。このトルク容量係数が、釣り合うべきエンジントルクよりも小さければエンジンは高回転となり燃費が大幅に悪化する。また、トルク容量係数が、釣り合うべきエンジントルクよりも大きすぎるとエンジンの負荷が大きくなり、エンジンストップを起こしてしまうため、トルク容量係数の適正化が必要となる。尚、図中、符号5aはポンプシェル、符号6aはタービンシェル、符号7aはポンプコア、符号8aはタービンコアである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような従来のトルクコンバータにおいては、上述のように流路面積比がおおよそ23%と一定であるため、トルク容量係数の増大には限界があり、エンジントルクが大きなエンジンに対しては、トルクコンバータのトルク容量係数を増加することができないので、結局は、低いトルク容量係数のトルクコンバータを用いることになり燃費を大幅に悪化させてしまうか、或いは、トルク容量係数を確保するために「呼び径」を大きくしたものを使用して重量増加を招き、やはり燃費が大幅に悪化するか、若しくは、コスト上昇を招いてしまうという課題を有していた。 【0008】この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、伝達効率を低下させることなく、また、「呼び径」を大きくすることなく従来と同じ「呼び径」を保持しつつ、シェルまたはコア形状を変更することで、流路内を流れる流量を増化させ、トルク容量係数を増加させるとともに、2次流れを低減させて流路内の剥離の発生を抑制することで、トルクコンバ−タにおける伝達効率を大幅に向上させることができるトルクコンバ−タを提供しようとするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明においては、請求項1に記載したように、入力側のポンプインペラと、このポンプインペラに流体を介して動力伝達するタービンと、ワンウェイクラッチを介してケーシングに固定されたステータと、で構成される3要素を有するトルクコンバータにおいて、ポンプ又はタービンの各々のシェル又はコアの形状を、流路外側に向かって凸となるように膨出形成したことを特徴とするものである。 【0010】また、請求項2に記載した発明は、前記凸となる形状を有する部分が、タービンの流路流れ方向に対して、中間部から出口に向かって徐々にその変位量が大きくなり、出口において最大変位となる形状を有するものであることを特徴とするものである。 【0011】さらに、請求項3に記載した発明は、前記凸となる形状を有する部分が、ポンプの流路流れ方向に対して、入口部から中間部に向かって徐々にその変位量が小さくなり、入口部において最大変位となる形状を有するものであることを特徴とするものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。 【0013】図1乃至図4は、この発明の実施の第1形態例を示しており、本形態例におけるトルクコンバータは、前記従来のトルクコンバ−タ構造と同様、図1(a)に示すように、入力側のポンプインペラ1と、このポンプインペラ1に流体を介して動力伝達するタービン2と、ケーシング14に固定されインナーレースから一方向にしか回転を許さないワンウェイクラッチ4を介して位置するステータ3と、の3要素を有して構成されている。 【0014】そして、上記タービン2は、図1(b)と図2及び図3に示すように、シェル6側が流路に対して外側に凸となる形状を有する。 【0015】即ち、図1(b)に示すように、従来構造が、破線で示すシェル側の側面を有するのに対し、本形態例の場合は実線で示すシェル側の側面を有する。従って、本形態例の場合、従来構造に対して、符号13で示す距離分がタービンシェル6側の側面が変位している。 【0016】尚、本形態例では、タービン2のタービンシェル6側を図示しているが、本形態例においては、ポンプコア7のタービンコア8側も、さらには、ポンプ1に関しても同様に構成されている。また、図1(b)において、符号5はポンプシェルを、符号9はポンプ羽根圧力面を、符号10はポンプ羽根負圧面を、符号11はタービン羽根圧力面を、符号12はタービン羽根負圧面を各々示している。 【0017】次に、上記構成からなるトルクコンバ−タの作用について、タービンシェル6側の形状を流路に対して凸となる形状とした場合を例にとり説明する。 【0018】図3(b)に示す従来構造からなるトルクコンバ−タと比較して、本形態例に係るトルクコンバータは、図3(c)に示すように、凸に膨出した分だけ流れる流量は増加し、それに伴いトルク容量係数は増加する。 【0019】図4は、タービン後半部(入口から60%程度)の2次流れベクトルを示している。ここで、図4(b)に示すような凸の形状を有することにより、同図(a)に示す従来構造と比較して、2次流れがやや小さくなり流れが改善している様子が分かる。特に、従来構造では、図4(a)に示すように、矩形の角部Cにて低エネルギ流体が溜り、その部分から剥離を誘発することが多いが、本形態例の構造においては、凸の形状を有することにより、図4(a)に示す角部Dに2次流れが溜まることが少なくなり、流れの剥離に対しても強くなっている。これにより、本形態例の構造によれば、トルク容量係数の向上と伝達効率の向上を同時に達成することができる。 【0020】図5は、この発明の実施の第2形態例を示しており、この形態例においては、トルク容量係数の向上に特に効果が大きなタービン2の出口を、図5(b)に示すように、流路面積が最大となるように形成している他は、他の構成・作用は、図5(a)に示すように、前記第1形態例と同様である。 【0021】即ち、本形態例に係るトルクコンバータは、タービン2の出口とステータ3の出口とで、最も絞られた形状となっている。 【0022】ところで、タービン2の出口部の流路面積を広げることは、トルク容量係数を大きくすることができるため、感度が極めて高くなる。 【0023】それ故、本形態例では、タービン2の出口部で凸となる変位を最大とし、タービン2の増速過程に入るタービン2の中間部付近から徐々に凸となる変位を大きくするように構成している。 【0024】即ち、本形態例では、偏平化する上で最も重要な軸方向の寸法にほとんど影響を与えることなく、本効果を得ることが重要である。尚、図5(a)中、符号11はタービン羽根圧力面を、符号12はタービン羽根負圧面を各々示している。また、符号13は、前述したように、凸となる変位を表している。 【0025】図6は、この発明の実施の第3形態例を示しており、本形態例では、トルク容量係数の向上に特に効果が大きいポンプ1の入口を、図6(b)に示すように、流路面積が最大となる形状としている他は、他の構成・作用は、図6(a)に示すように、前記第1形態例に係るトルクコンバータと同様であるので、図面には前記第1形態例で用いた符号を付してその詳細な説明をここでは省略する。 【0026】ところで、ポンプ1の入口部の流路面積を広げることは、トルク容量係数を大きくすることができるため、感度が極めて高くなる。 【0027】また、本形態例では、前記第1形態例と同様、偏平化する上で最も重要な軸方向の寸法に殆ど影響することなく、本効果を得ることも重要である。 【0028】このように、上記各形態例に係るトルクコンバータによれば、シェルまたはコアのみの変更という比較的低コストな手段で、トルク容量係数の向上と伝達効率の向上を同時に達成することができる。 【0029】また、上記各形態例に係るトルクコンバータによれば、タービンシェルに対してシェル側を凸にすることで、所謂倒れに対して強度を大きくすることができるので、該倒れによるタービンシェルがポンプ側に近づく方向に弾性変形する、ポンプ要素との干渉も解決することができる。 【0030】 【発明の効果】この発明に係るトルクコンバータは、以上説明してきたように、ポンプまたはタービンのシェルまたはコアの形状を流路断面に対して流路外側に凸となるように形成したので、流路内を流れる流量が増加し、トルク容量係数が増加することができると共に、2次流れが低減されるので流路内の剥離の発生を抑制することができ、その結果、トルクの伝達効率を大幅に向上することができ、これによりエンジントルクが大きなエンジンにも適用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月16日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−118020 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−297954 |
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