トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 平行移動機構
【発明者】 【氏名】和田 敏

【要約】 【課題】小型の機器でのスペースファクターを向上するとともに、移動量の誤差の発生を防止し、ロボットの位置決め精度を向上することを目的とする。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被駆動体のガイド部をガイド丸棒に係合させて直線運動をガイドしながら、被駆動体のナット部に嵌合したネジの送りにより、被駆動体を平行に移動する平行移動機構において、前記ガイド部は前記ガイド丸棒の上にかぶった半割り部を有し、このガイド部の半割り部はガイド丸棒の両端ではみ出す構造とし、前記ナット部を半割り構造にし、且つこのナット部をネジに対する当接状態を保持する方向に常時付勢することを特徴とする平行移動機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話交換機の周辺機器である自動MDF装置の、プリント基板にピンを自動で挿入・抜去する平行移動ロボットの、ハンドを平行に移動する平行移動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】図4はこの種の平行移動機構の従来例を示す斜視図である。図において、1は動力源のモータ、2は送りのネジ、3,4はガイド丸棒、5はガイド丸棒に嵌合するガイド部とネジ2に嵌合するナット部を有する被駆動体であり、該被駆動体5にハンドを搭載する。
【0003】以上の構成により、従来は、ガイド丸棒3,4により被駆動体5の直線運動をガイドしながらネジ2により送って被駆動体の平行移動を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成の従来技術によれば、ガイドに丸棒を用いているため、被駆動体と丸棒の接触部にある程度の面積が必要であるため、大型化し、MDFのような小型の機器ではスペースに収まらないという問題があった。また、被駆動体のナットとネジ(三角ネジ)間の隙間(バックラッシュ)によってガタが発生し、移動量の誤差を引き起こすという問題があった。
【0005】本発明は、以上の問題点に鑑み、ガイドが小型となる構成を得て、小型の機器でのスペースファクターを向上することを目的とする。さらに、本発明は、バックラッシュを常時吸収する構成を得て、移動量の誤差の発生を防止し、ロボットの位置決め精度を大幅に向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、短いガイド丸棒で従来と同様の平行移動量を確保するようにする。すなわち、本発明は、被駆動体のガイド部をガイド丸棒に係合させて直線運動をガイドしながら、被駆動体のナット部に嵌合したネジの送りにより、被駆動体を平行に移動する平行移動機構において、前記ガイド部は前記ガイド丸棒の上にかぶった半割り部を有し、このガイド部の半割り部はガイド丸棒の両端ではみ出す構造としたことを特徴とする。
【0007】さらに、本発明は、ナットとネジの一定の当接状態を保持するようにする。すなわち、本発明はさらに、前記ナット部を半割り構造にし、且つこのナット部をネジに対する当接状態を保持する方向に常時付勢することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す斜視図、図2は同要部側面断面図である。図において、6はハンドを搭載する被駆動体、7は移動方向の基準となるガイド丸棒、8は被駆動体6の送りのネジである。
【0009】9は被駆動体6のナット部としての割ナットであり、半割り構造となっている。該割ナット9はガイド丸棒7とネジ8の間にバネ10によって支えられているコロ11によりネジ8の歯面に押しつけられ、常時一定の当接状態を保持する。これによって、ネジ8は送りの機能と、ガイドの回り止めの二つの機能を併せ持つこととなる。
【0010】また、割ナット9のネジピッチ円直径をネジ8のピッチ円直径より大きくして、割ナット9のネジ部とネジ8のネジ部の接触範囲を小さくし、ガイド丸棒7のガイドとの案内の重複を避ける。次に、12はガイド丸棒7に係合して直線運動をガイドするガイド部であり、該ガイド部12は前記ガイド丸棒7の上にかぶった半割り部13を有する。このガイド部12の半割り部13はガイド丸棒7の両端ではみ出す構造となっており、そのためにガイド丸棒7を保持する支持部14をガイド丸棒7の直径より細く設定しておく。
【0011】15は動力源としてのパルスモータである。本発明の構造によりバックラッシュ等が無くなるため、オープンループであっても、十分な精度を確保できる。以上の構成の本実施の形態の作用は以下の如くである。図3は本実施の形態の一作用を示す斜視図である。すなわち、パルスモータ15よりの出力は、一対の歯付ベルトを介して、ネジ8に伝達される。
【0012】ネジ8の回転は、ネジ8にかぶさっている割ナット9によって、回転運動を直線運動に変換される。ここで、前述した如く、割ナット9はネジ8のピッチ円直径より大きくなっているので、ガイド機構との重複拘束は避けられている。被駆動体6の直線運動のガイドは、ガイド丸棒7によってガイドされる。前述した如く、ガイド部12の半割り部13により接触面積を稼いでいるので、図3に示す如く、ガイド丸棒7の両端ではみ出しても安定してガイドされる。これにより、短いガイド丸棒で被駆動体6の必要移動距離を確保することができる。
【0013】なお、上述した実施の形態では、自動MDF装置に適用した例を説明したが、ガイド部とネジ送りのナットが一体となった被駆動体を用いた平行移動ロボットであれば、これに限ること無く広く適用することが可能である。
【0014】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれば、被駆動体のガイド部をガイド丸棒に係合させて直線運動をガイドしながら、被駆動体のナット部に嵌合したネジの送りにより、被駆動体を平行に移動する平行移動機構において、前記ガイド部は前記ガイド丸棒の上にかぶった半割り部を有し、このガイド部の半割り部はガイド丸棒の両端ではみ出す構造としたので、短いガイド丸棒で従来と同様の平行移動量を確保することができる。
【0015】これにより、ガイドを小型とすることが可能となり、小型の機器でのスペースファクターを向上するという効果がある。さらに、本発明によれば、前記ナット部を半割り構造にし、且つこのナット部をネジに対する当接状態を保持する方向に常時付勢するので、ナットとネジの一定の当接状態を保持することができる。
【0016】これにより、バックラッシュを常時吸収することが可能となり、移動量の誤差の発生を防止し、ロボットの位置決め精度を大幅に向上するという効果がある。また、接触部が半割り及びはみ出し構造となっているので、各部品の加工精度や組立精度を緩和することができるという効果が期待できる。また、単純形状の部品で構成されているため、スペースファクターが向上するとともに、部品加工費が低減するという効果も奏する。
【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大西 健治
【公開番号】 特開平11−118016
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−282188