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【発明の名称】 ベルトテンショナ
【発明者】 【氏名】田仲 康人

【要約】 【課題】ベルトテンショナにおいて、全体の外径寸法のコンパクト化を図る構造を、極力少ない部品でもって実現できるようにすること。

【解決手段】回転自在なテンションプーリ1をその回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能とする構成のベルトテンショナAであって、ベルト80の張力を一定に保つようにテンションプーリ1を揺動動作させる張力調整手段3と、ベルト80から伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段4とが、テンションプーリ1の側方にその揺動軸線方向に沿って並ぶ状態で設けられている。これにより、テンションプーリ1の外径寸法を小さくできるようになるとともに、張力調整手段3の張力付勢用可動部材32およびダンパ手段4の荷重伝達用可動部材48を、テンションプーリ1に設ける単一の凸部18に対してそれぞれ当接させることが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転自在なテンションプーリをその回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能とする構成のベルトテンショナであって、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる張力調整手段と、ベルトから伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを備え、これら張力調整手段とダンパ手段とが、前記テンションプーリの側方にその揺動軸線方向に沿って並ぶ状態で設けられている、ことを特徴とするベルトテンショナ。
【請求項2】 ベルトに張力を付与する回転自在なテンションプーリと、テンションプーリの回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能に支持する固定の揺動支点軸と、テンションプーリにおいてその回転中心から偏心した位置に前記揺動支点軸と平行に一体的に設けられる単一の凸部と、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる張力調整手段と、ベルトからテンションプーリに伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを備え、かつ、前記張力調整手段とダンパ手段とが、前記テンションプーリの側方にその揺動軸線方向に沿って並ぶ状態で設けられているとともに、当該張力調整手段の張力付勢用可動部材およびダンパ手段の荷重伝達用可動部材が、前記単一の凸部に対してそれぞれ当接されている、ことを特徴とするベルトテンショナ。
【請求項3】 ベルトに張力を付与する回転自在なテンションプーリと、テンションプーリの回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能に支持する固定の揺動支点軸と、テンションプーリにおいてその回転中心から偏心した位置に前記揺動支点軸と平行に一体的に設けられる単一の凸部と、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる張力調整手段と、ベルトからテンションプーリに伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを備え、かつ、前記張力調整手段とダンパ手段とが、揺動支点軸に対して固定される単一のケース内に、テンションプーリの揺動軸線方向に並ぶ状態で独立して収納されているとともに、当該張力調整手段の張力付勢用可動部材およびダンパ手段の荷重伝達用可動部材が、前記単一の凸部に対してそれぞれ当接されている、ことを特徴とするベルトテンショナ。
【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のベルトテンショナにおいて、前記張力調整手段がダンパ手段よりもテンションプーリ側に配設されているとともに、当該張力調整手段が、テンションプーリの内周側に入り込む形態とされている、ことを特徴とするベルトテンショナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車エンジンに備えるタイミングベルトや補機駆動用ベルトなどのベルトの張力を調整するベルトテンショナに関する。詳しくは、回転自在なテンションプーリをその回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能とする構成で、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる機能と、ベルトから伝わる振動や衝撃を減衰する機能とを有するベルトテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、自動車エンジンの熱膨張に伴うプーリ間の芯間距離の変化や、トルク変動が原因となってベルトの張力が変化することがある。このようなベルトの張力変化を防止して一定に保つようにしたベルトテンショナが考えられている。この従来のベルトテンショナの一例として、特公平5−2852号公報に示すようなものがある。
【0003】このベルトテンショナは、図6に示すように、回転自在なテンションプーリ90をその回転中心から偏心した位置91を支点として揺動可能としてなる構成であり、ベルト92の張力を一定に保つようにテンションプーリ90を揺動動作させる機能だけでなく、ベルト92から伝わる振動や衝撃を減衰する機能をも有する直動型アクチュエータ93を備えている。
【0004】この直動型アクチュエータ93は、図7に示すように、シリンダとなるケース94と、ケース94の内部にスライド可能に収納されて二つの液室95,96を形成するピストン97と、ピストン97に設けられて液室95,96の間の作動油の移動を制御するチェックバルブ98と、ピストン97に取り付けられるプッシュロッド99と、ケース94からの作動油の漏洩を防止するダイアフラムシール100とからなる一般的なオイルダンパ機構に対して、張力調整用の円筒形のコイルスプリング101を付加した構成になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来のベルトテンショナでは、ベルト92の張力を一定に保つようにテンションプーリ90を揺動動作させる手段と、ベルト92から伝わる振動や衝撃を減衰する手段とを一体にしてなる直動型アクチュエータ93を用いているが、この直動型アクチュエータ93が図7に示すような構成で比較的長尺になっているので、テンションプーリ90の外径寸法内に収まらずにはみ出した状態となるなど、ベルトテンショナの大型化を余儀なくされている。そのため、ベルトテンショナの設置対象において他の部材との配置レイアウトの関係より設置スペースが制約される場合などには、設置対象に備える他の部材に干渉して設置不可能となったり、あるいは他の部材との間隔が狭くなり過ぎてメインテナンスが行いにくくなったりすることが指摘される。
【0006】なお、上記直動型アクチュエータ93の長さ寸法を短縮するには、例えばコイルスプリング101を短くしたり、液室95,96を短くしたりすればよいが、それでは要求される性能を満足できなくなることがあり、このような設計変更は不可能である。
【0007】このような不具合を解消するために、本願出願人は、特願平8−290041号に示すようなものを提案している。
【0008】この発明では、上記従来例の直動型アクチュエータについて、ベルトの張力を一定に保つ張力調整手段とベルトから伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを分離し、それらをテンションプーリの側方の同一平面上に並列配設している。しかしながら、この場合、張力調整手段の張力付勢用可動部材およびダンパ手段の荷重伝達用可動部材を、テンションプーリに揺動支点軸と平行に設ける2つの凸部に対して個別に当接させる必要があり、部品点数が多くなることが指摘される。
【0009】したがって、本発明は、ベルトテンショナにおいて、全体の外径寸法のコンパクト化を図る構造を、極力少ない部品でもって実現できるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のベルトテンショナは、回転自在なテンションプーリをその回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能とする構成であって、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる張力調整手段と、ベルトから伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを備え、これら張力調整手段とダンパ手段とが、前記テンションプーリの側方にその揺動軸線方向に沿って並ぶ状態で設けられている。
【0011】本発明の請求項2のベルトテンショナは、ベルトに張力を付与する回転自在なテンションプーリと、テンションプーリの回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能に支持する固定の揺動支点軸と、テンションプーリにおいてその回転中心から偏心した位置に前記揺動支点軸と平行に一体的に設けられる単一の凸部と、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる張力調整手段と、ベルトからテンションプーリに伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを備え、かつ、前記張力調整手段とダンパ手段とが、前記テンションプーリの側方にその揺動軸線方向に沿って並ぶ状態で設けられているとともに、当該張力調整手段の張力付勢用可動部材およびダンパ手段の荷重伝達用可動部材が、前記単一の凸部に対してそれぞれ当接されている。
【0012】本発明の請求項3のベルトテンショナは、ベルトに張力を付与する回転自在なテンションプーリと、テンションプーリの回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能に支持する固定の揺動支点軸と、テンションプーリにおいてその回転中心から偏心した位置に前記揺動支点軸と平行に一体的に設けられる単一の凸部と、ベルトの張力を一定に保つようにテンションプーリを揺動動作させる張力調整手段と、ベルトからテンションプーリに伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段とを備え、かつ、前記張力調整手段とダンパ手段とが、揺動支点軸に対して固定される単一のケース内に、テンションプーリの揺動軸線方向に並ぶ状態で独立して収納されているとともに、当該張力調整手段の張力付勢用可動部材およびダンパ手段の荷重伝達用可動部材が、前記単一の凸部に対してそれぞれ当接されている。
【0013】本発明の請求項4のベルトテンショナは、上記請求項1ないし3のいずれかににおける張力調整手段をダンパ手段よりもテンションプーリ側に配設するとともに、当該張力調整手段をテンションプーリの内周側に入り込む形態としている。
【0014】要するに、上述した請求項1ないし3の発明では、別々の張力調整手段およびダンパ手段をテンションプーリの側方にその揺動軸線方向に沿って並ぶ状態で設けることにより、ベルトテンショナ全体の外径寸法を小さくできるようにしている。しかも、このような配置とすることにより、張力調整手段の張力付勢用可動部材およびダンパ手段の荷重伝達用可動部材を、テンションプーリに設ける単一の凸部に対してそれぞれ当接させることが可能になり、該凸部を従来例のように複数設けなくて済むようになる。
【0015】特に、請求項3の発明では、張力調整手段とダンパ手段とを単一のケースに独立して収納することにより、別々のケースに収納する場合よりも組立作業を簡単に行えるようにしている。
【0016】また、請求項4の発明では、テンションプーリの側方にダンパ手段だけが突出する形態となるから、ベルトテンショナ全体の軸方向幅寸法をも従来と同様に小さくできるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図1ないし図5に示す実施形態に基づいて説明する。
【0018】図1ないし図5は本発明の一実施形態にかかり、図1は、ベルトテンショナの使用状態を模式的に示す図、図2は、同ベルトテンショナを上面から見た状態の平面図、図3は、同ベルトテンショナを背面から見た状態の分解斜視図、図4は、図2の(4)−(4)線断面の矢視図、図5は、図4の(5)−(5)線断面の矢視図である。
【0019】図1において、80はベルト、81はクランク軸のプーリ、82はアイドラプーリ、83は補機プーリ、Aはベルトテンショナである。
【0020】ベルトテンショナAは、ベルト80に対して所要の張力を与えるために自動車エンジンのブロックなどの取付対象85に取り付けられるが、環境温度変化やトルク変動に伴うベルト80の張力変動を防止して一定に保つ機能や、ベルト80から伝わる振動や衝撃を減衰する機能を有している。
【0021】このベルトテンショナAは、図2ないし図5に示すように、主として、ベルト80に張力を付与する回転自在のテンションプーリ1と、取付対象85に対してテンションプーリ1をその回転中心から偏心した位置を支点として揺動可能に支持する揺動支点軸2と、ベルト80の張力を一定に保つようにテンションプーリ1を揺動動作させる張力調整手段3と、ベルト80から伝わる振動や衝撃を減衰するダンパ手段4と、揺動支点軸2の側方に固定されかつ張力調整手段3とダンパ手段4とが揺動支点軸2に沿って並ぶ状態に振り分けて収納配設される単一のケース5とから構成されている。
【0022】テンションプーリ1は、玉軸受と一体に構成されたもので、内輪11と、ベルト80が巻き掛けられるプーリ兼用の幅広の外輪12と、内・外輪11,12間に介装される複数の玉13と、玉13を保持する冠形保持器14と、内・外輪11,12間の軸方向両側に設けられるシール15,15と、内輪11の内周に圧入嵌合されるボス16とを備えている。ボス16には、その中心から偏心した位置に貫通孔17が設けられているとともに、この貫通孔17から所要間隔離れた位置にピン18が植設されている。
【0023】揺動支点軸2は、ボルトなどからなり、テンションプーリ1のボス16およびケース5を介して取付対象85に対して植設される。
【0024】張力調整手段3は、テンションプーリ1を揺動支点軸2回りに一回転方向側へ弾発付勢するもので、円筒形のコイルスプリング31およびばね座32から構成されている。コイルスプリング31のばね力は、図1の(a)や(b)に示すように、ベルト80のレイアウトなどによって、適宜に設定される。
【0025】ダンパ手段4は、ベルト80からテンションプーリ1に伝わる振動や衝撃を減衰するもので、下記するケース5の片方の長穴52に収納されて二つの液室46,47を形成するプッシュロッド付きのピストン41と、ピストン41に配設されて液室46,47間の作動油の移動を制御するチェックバルブ42と、ピストン41を上方側へ弾発付勢する円筒形のコイルスプリング43と、液室46,47内の作動油の漏洩を防止するシールリング44と、下記するケース5の片方の長穴52の開口を閉塞する閉蓋リング45とから構成されている。
【0026】ケース5には、隣り合う平行な2つの長穴51,52と、揺動支点軸2が回動可能にカラー6を介して挿通される軸挿通孔53と、取付対象85に対してボルトなどにより固定される取付片54とが設けられている。このケース5には、ダンパ手段4の上側の液室46に連通連結する大容量の作動油貯溜室55が設けられている。このような大容量の作動油貯溜室55を設けていれば、振動や衝撃の減衰動作時におけるキャビテーションの発生を防止でき、前記減衰動作の長期安定化を達成できるようになる。
【0027】このケース5の長穴51,52には、上述した張力調整手段3およびダンパ手段4が個別に収納される。このうち、張力調整手段3は、ケース5の片方の長穴51内に圧縮状態で収納されるコイルスプリング31の弾性復元力によりばね座32を、長穴51の開口側に位置するピン18に対して圧接させるようになっている。また、ダンパ手段4は、ケース5の残り片方の長穴52内に収納されるコイルスプリング43の伸張復元力によりピストン41のプッシュロッド48を、ケース5の残り片方の長穴52の開口側に位置するピン18に対して圧接させるようになっている。なお、張力調整手段3が収納される片方の長穴51は、角筒形に形成されていて、その一側壁が除去されて開放されており、ケース5において2つの長穴51,52の配列方向の寸法を少しでも短くするように設定されている。この片方の長穴51が形成される部分は、ボス16に設けた凹部19に非接触にはめ込まれており、当該片方の長穴51の開放部分がボス16の凹部19の内面により閉塞されるようになる。
【0028】ところで、上記実施形態のベルトテンショナAでは、その設置対象85への取り付けを容易とするために、設置対象85への取り付け前においてテンションプーリ1とケース5との相対回転を阻止する回り止め用ピン20が、テンションプーリ1とケース5との双方に設けられてある孔(符号省略)それぞれに取り外し可能に差し込まれている。この回り止め用ピン20は、ベルトテンショナAを設置対象に取り付けた後で取り外される。
【0029】次に、ベルトテンショナAの動作を説明する。まず、環境温度が上昇することにより取付対象85が膨張すると、ベルト80の張力が増大する傾向となるが、それにより、張力調整手段3のコイルスプリング31が収縮しつつ、かつダンパ手段4のチェックバルブ42が閉じて、徐々にオイルが液室47から液室46にピストン41とケース5との間のわずかな隙間を通じて移動しつつ、テンションプーリ1が図3の矢印Y方向に後退するように回転し、ベルト80の過大張力を低減してベルト80の張力とコイルスプリング31のばね力とが釣り合う位置でテンションプーリ1が停止する。このようにしてベルト80の張力が一定に保たれる。
【0030】一方、環境温度が低下することにより取付対象85が収縮すると、ベルト80の張力が減少する傾向となるが、それにより、張力調整手段3のコイルスプリング31が伸張しつつ、かつダンパ手段4のチェックバルブ42の開放によりオイルが液室46から液室47に移動して、テンションプーリ1が図3の矢印X方向に前進するように回転し、ベルト80の過小張力を適正張力に保つようベルト80の張力とコイルスプリング31のばね力とが釣り合う位置でテンションプーリ1が停止する。このようにしてベルト80の張力が一定に保たれる。
【0031】ここで、上記いずれの状態においても、ケース5は不動となりテンションプーリ1のみが揺動する。そして、ベルト80からテンションプーリ1に対して振動・衝撃がかかると、ダンパ手段4のチェックバルブ42により液室46,47での作動油の移動を阻止するので、作動油でもって振動・衝撃を減衰して、ベルト80の瞬間的な張力変動を抑制し、ベルト80の滑りを防止する。
【0032】以上のように、別々の張力調整手段3およびダンパ手段4をテンションプーリ1の側方に揺動支点軸2に沿って並べた状態で単一のケース5に収納することにより、テンションプーリ1の外径寸法内にほぼ収まるように配設している。このため、従来例に比べて特に径方向寸法を小さくできるようになる。特に、この実施形態では、張力調整手段3をテンションプーリ1の内周に収めるように配設して、ダンパ手段4のみをテンションプーリ1の軸方向一側に突出させた構造にしているから、オートテンショナA全体の軸方向幅寸法を従来例と同等に小さくすることができる。
【0033】また、張力調整手段3の張力付勢用可動部材としてのばね座32およびダンパ手段4の荷重伝達用可動部材としてのプッシュロッド48を、テンションプーリ1に設ける単一の凸部としてのピン18に対してそれぞれ当接させてようにしているから、前述のピン18を従来のように複数設けなくて済むなど、部品点数および組立工数を削減できて、低コスト化に貢献できる。
【0034】この他、張力調整手段3とダンパ手段4とを別体としたことにより、例えば張力調整手段3を構成するコイルスプリング31について、長さ寸法や径寸法の調整範囲を従来例に比べて拡大できるようになるから、ベルト80のレイアウトなどに基づく要求に応じて幅広い張力設定を可能にできるようになる。
【0035】さらに、ダンパ手段4をテンションプーリ1の揺動支点軸2に近い位置に配設しているから、ピストン41の作動ストロークを短くできるようになり、寸法短縮に貢献できるようになる。しかも、テンションプーリ1の揺動量に対してピストン41とピン18との当接位置のずれ量を小さくできるようになり、テンションプーリ1からの振動・衝撃荷重を効果的に減衰できるようになる。
【0036】なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0037】(1) 上記実施形態では、テンションプーリ1を玉軸受と一体にした例を挙げているが、この玉軸受を別体にしたものも本発明に含まれる。
【0038】(2) 上記実施形態では、張力調整手段3とダンパ手段4とを単一のケース5に収納した例を挙げているが、それらを別々としたものも本発明に含まれる。
【0039】(3) 上記実施形態では、張力調整手段3に円筒形のコイルバネを用いているが、これは皿バネなどの弾発付勢部材で代用することができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1ないし4の発明では、別々の張力調整手段およびダンパ手段をテンションプーリの側方に揺動軸線方向に沿って並べて配設するようにしているから、テンションプーリの径方向でのコンパクト化を実現できるようになるとともに、など、コスト低減に貢献できるようになる。
【0041】したがって、本発明のベルトテンショナでは、設置対象において他の部材との配置レイアウトの関係より径方向での設置スペースが制約される場合でも比較的問題なく設置できるようになるとともに、他の部材との間隔を比較的大きく確保できるようになるなど、設置上での自由度が増すことになる。しかも、張力調整手段やダンパ手段を分離しているから、それらの寸法変更の許容範囲を拡大できて、張力や減衰力など要求される性能に対する設計の自由度を増大できるようになる。
【0042】特に、請求項3の発明では、別々の張力調整手段およびダンパ手段を単一のケースに隣り合わせに収納することにより、分離した別体物とする場合よりも組立作業を簡単に行えるようになり、その組立コストを低減できるようになる。
【0043】また、請求項4の発明では、テンションプーリの側方にダンパ手段だけが突出する形態となるから、ベルトテンショナ全体の軸方向幅寸法をも従来と同様に小さくできるようになり、結局、ベルトテンショナ全体のコンパクト化が達成できるようになる。
【出願人】 【識別番号】000001247
【氏名又は名称】光洋精工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
【公開番号】 特開平11−118007
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−278511