| 【発明の名称】 |
ダンパ |
| 【発明者】 |
【氏名】高津佐 孝良
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| 【要約】 |
【課題】ダンパ1の近くでアーク溶接60が行なわれてスパッタ等の溶融物が飛散しても弾性体6が損傷することがなく、チューブ等の回転体56を介して熱が伝達されることにより弾性体6が劣化することがないダンパ1を提供する。
【解決手段】質量体5と、質量体5の軸方向両端面に接着された弾性体6と、質量体5および弾性体6を収容するとともに回転体56の外周に装着されるケース2とを有し、ケース2が、断面略コ字形を呈する一対のケース部材3を互いに嵌合したものであって、かつ前記嵌合により弾性体6に予圧縮を与えるものであることにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 質量体(5)と、前記質量体(5)の軸方向両端面に接着されたゴム状弾性材製の弾性体(6)と、前記質量体(5)および弾性体(6)を収容するとともに回転体(56)の外周に装着されるケース(2)とを有し、前記ケース(2)が、断面略コ字形を呈する一対のケース部材(3)を互いに嵌合したものであって、かつ前記嵌合により前記弾性体(6)に予圧縮を与えるものであることを特徴とするダンパ。 【請求項2】 請求項1のダンパにおいて、ケース(2)の内部に気密空間(4)が設けられ、前記気密空間(4)に液体(7)が質量体(5)および弾性体(6)とともに収容されていることを特徴とするダンパ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパに係り、更に詳しくは、内燃機関のプロペラシャフト等の回転体に発生する捩り振動を吸収するダイナミックダンパに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、図2に示すように、ハブ51の外周側にゴム状弾性材製の弾性体52を介して質量体53を接続してなり、カップリング(プロペラシャフトカップリング)54の外周に装着されるダイナミックダンパが知られているが、このダンパによると、その装着に当たって、インロー部55の変更が必要となり、チューブ(プロペラシャフトチューブ)56の長さも変える必要がある。 【0003】また上記問題を解決するため、図3に示すように、スリーブ57の外周側にゴム状弾性材製の弾性体58を介して質量体59を接続してなり、スリーブ57をチューブ(プロペラシャフトチューブ)56の外周に直接嵌合(圧入)固定するようにしたダンパが提案されている。 【0004】しかしながら、このダンパにおいては、カップリング(プロペラシャフトカップリング)54とチューブ56とをアーク溶接60する際に、以下の問題が発生する。 【0005】すなわち先ず、スパッタ等の溶融物が飛散することにより、弾性体58が損傷する虞がある。 【0006】またチューブ56を介して熱が伝達されることにより、弾性体58が劣化する虞がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑み、ダンパの近くでアーク溶接が行なわれてスパッタ等の溶融物が飛散しても弾性体が損傷することがなく、またチューブ等の回転体を介して熱が伝達されることにより弾性体が劣化することがないダンパを提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるダンパは、質量体と、前記質量体の軸方向両端面に接着されたゴム状弾性材製の弾性体と、前記質量体および弾性体を収容するとともに回転体の外周に装着されるケースとを有し、前記ケースが、断面略コ字形を呈する一対のケース部材を互いに嵌合したものであって、かつ前記嵌合により前記弾性体に予圧縮を与えるものであることにした。 【0009】また本発明の請求項2によるダンパは、上記した請求項1のダンパにおいて、ケースの内部に気密空間が設けられ、前記気密空間に液体が質量体および弾性体とともに収容されていることにした。 【0010】上記構成を備えた本発明の請求項1によるダンパにおいては、弾性体が質量体とともにケースの内部に収容されているために、当該ダンパの近くでアーク溶接が行なわれてスパッタ等の溶融物が飛散しても、ケースが溶融物を受け、ケース内部の弾性体を保護する結果となる。 【0011】また回転体がチューブである場合、このチューブと弾性体の間に断面略コ字形を呈する一対のケース部材が介装されることになり、しかも弾性体が質量体の内周ではなく軸方向端部に配置されているために、チューブから弾性体に至る熱の伝達経路が比較的長く設定されることなる。したがってこれにより弾性体が熱の影響を受けにくくなる。 【0012】またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項2によるダンパのように、ケースの内部に気密空間が設けられ、この気密空間に液体が質量体および弾性体とともに収容されていると、この液体による冷却作用によりケースの温度上昇を抑えることが可能となる。 【0013】 【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。 【0014】図1に示すように、当該実施形態に係るダイナミックダンパ1は、カップリング(プロペラシャフトカップリング)54の外周に装着されて、このカップリング54に発生する捩り振動または回転変位等を吸収するものであって、以下の構成を備えている。尚、図上右側のカップリング54の外周にチューブ(プロペラシャフトチューブ)56がアーク溶接60されており、このチューブ56の外周に当該ダンパ1が装着されている。 【0015】当該ダンパ1は先ず、チューブ56の外周に嵌合(圧入)固定される環状のケース2を備えており、このケース2の内部に環状の気密空間4が設けられており、この気密空間4に、質量体(振動リングとも称する)5、弾性体(ゴムとも称する)6および液体7が収容されている。 【0016】ケース2は、断面略コ字形を呈する一対のケース部材3を備えており、この一対のケース部材3が、それぞれの開口部を向かい合わせにして互いに嵌合されることにより、内部に気密空間4が設けられている。ケース部材3はそれぞれ板金等の金属によって環状に成形されており、内周側筒状部3a、径方向部3bおよび外周側筒状部3cを一体に備えている。図では、右側のケース部材3の内周側筒状部3aの外周側に左側のケース部材3の内周側筒状部3aが嵌合されるとともに、右側のケース部材3の外周側筒状部3cの外周側に左側のケース部材3の外周側筒状部3cが嵌合されているが、これらの筒状部3a,3cの径方向の配置ないし位置関係は図示のものと異なっていても良い。 【0017】質量体5は鋳鉄等の金属によって環状に成形されており、気密空間4に同心状に収容されており、弾性体6を介してケース2に支持されている。またこの質量体5がケース2に対して偏心することがないように、この質量体5とケース2の外周壁の間に樹脂材シートよりなる環状のストッパ8が摺動自在に介装されている。質量体5はケース2に対しては非接触とされている。 【0018】弾性体6は所定のゴムによって環状に加硫成形されており、また加硫成形と同時に質量体5の軸方向端面に加硫接着されている。またこの弾性体6は軸方向に一対が設けられており、それぞれが質量体5の軸方向端面に接着されている。またこの弾性体6はそれぞれ、一対のケース部材3が互いに嵌合されることによって、弾性体6の軸方向幅が所定量t減じるように圧縮されており、これによりこの弾性体6に予圧縮が付与されるとともに弾性体6がケース2に対して摺動しないようになっている。 【0019】液体7は、質量体5、弾性体6およびストッパ8を収容した気密空間4の残りの空間を満たすように、気密空間4に充填されている。 【0020】上記構成を備えたダンパ1は、以下の作用効果を奏する。 【0021】すなわち先ず第一に、ゴム状弾性材製の弾性体6が質量体5とともに剛材製のケース2の内部に収容されているために、当該ダンパ1の近くでアーク溶接60が行なわれてスパッタ等の溶融物が飛散しても、ケース2が溶融物を受け、ケース2内部の弾性体6を保護することができる。したがって溶融物が弾性体6に付着して弾性体6が損傷するのを未然に防止することができる。尚、この説明から明らかなように、カップリング54にチューブ56を固定するアーク溶接60は、チューブ56の外周にダンパ1を装着した状態で行なわれる。 【0022】またチューブ56と弾性体6の間に断面略コ字形を呈する一対のケース部材3が介装されており、しかも弾性体6が質量体5の内周ではなく軸方向端部に配置されているために、チューブ56から弾性体6に至る熱の伝達経路が比較的長く設定されている。したがってこれにより弾性体6がアーク溶接60による熱の影響を受けにくくなり、早期に熱劣化するのを未然に防止することができる。 【0023】またケース2内部の気密空間4に液体7が質量体5および弾性体6とともに収容されているために、この液体7による冷却作用によりケース2の温度上昇を抑えることができる。したがってこれによってもアーク溶接60による熱が弾性体6に影響するのを抑えることができる。尚、この液体7充填を省略すれば、この分、構造が簡単で製造が容易なダンパを提供することができる。 【0024】また一対のケース部材3が互いに嵌合されることにより弾性体6に予圧縮が与えられているために、弾性体6が圧縮状態で使用される。したがって弾性体6の耐久性を向上させることができる。 【0025】更にまた、上記構成を備えた当該ダンパ1がチューブ56の外周に溶融物が付着することなく安全に装着されるものであるために、ダンパ1の有無によってプロペラシャフトの仕様を分ける必要がなく、プロペラシャフトの共用化が可能となる。 【0026】 【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。 【0027】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の請求項1によるダンパにおいては、ゴム状弾性材製の弾性体が質量体とともにケースの内部に収容されているために、当該ダンパの近くでアーク溶接が行なわれてスパッタ等の溶融物が飛散しても、ケースが溶融物を受け、ケース内部の弾性体を保護することができる。したがって溶融物が弾性体に付着して弾性体が損傷するのを未然に防止することができる。 【0028】また当該ダンパを装着する回転体であるチューブと弾性体の間に断面略コ字形を呈する一対のケース部材が介装されており、しかも弾性体が質量体の内周ではなく軸方向端部に配置されているために、チューブから弾性体に至る熱の伝達経路が比較的長く設定されている。したがってこれにより弾性体がアーク溶接による熱の影響を受けにくくなり、早期に熱劣化するのを未然に防止することができる。 【0029】また一対のケース部材が互いに嵌合されることにより弾性体に予圧縮が与えられているために、弾性体が圧縮状態で使用される。したがって弾性体の耐久性を向上させることができる。 【0030】また当該ダンパがチューブの外周に溶融物が付着することなく安全に装着されるものであるために、ダンパの有無によってプロペラシャフトの仕様を分ける必要がなく、プロペラシャフトの共用化が可能となる。 【0031】またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項2によるダンパにおいては、ケース内部の気密空間に液体が質量体および弾性体とともに収容されているために、この液体による冷却作用によりケースの温度上昇を抑えることができる。したがってこれによってもアーク溶接による熱が弾性体に影響するのを抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102681 【氏名又は名称】エヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】野本 陽一
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| 【公開番号】 |
特開平11−294537 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−99317 |
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