| 【発明の名称】 |
免震台 |
| 【発明者】 |
【氏名】小寺 博行
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| 【要約】 |
【課題】大型化することなく中間フレームおよび上部フレームの最大移動距離を大きくすることができ、しかもそれらを円滑に移動させることができる免震台を提供する。
【解決手段】中間フレームをX方向へ移動可能に支持するX方向支持機構40を、下部フレームに設けられたガイド部材41、中間フレームに設けられたガイド部材42、およびX方向支持台車43とから構成する。ガイド部材41,42には、X方向に延び、互いに逆方向に傾斜する第1、第2の下傾斜面412,413と、第1、第2の上傾斜面422,423とをそれぞれ形成する。X方向支持台車43は、第1、第2の上下の傾斜面412,422;413,423に転がり接触する転動コロ431と、各転動コロ431を回転自在に支持するリテーナ小片436とから構成する。各リテーナ小片436を回動自在に連結する。上部フレームをY方向へ移動可能に支持するY方向支持機構も同様に構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下から上方へ向かって順次配置された下部フレーム、中間フレームおよび上部フレームと、上記下部フレームと上記中間フレームとの間に配置され、上記中間フレームを水平面内の一方向(以下、X方向という。)へ相対移動可能に支持するX方向支持機構と、上記上部フレームを水平面内において上記X方向と直交するY方向へ相対移動可能に支持するY方向支持機構とを備えた免震台において、上記X方向支持機構および上記Y方向支持機構がそれぞれ3個以上設けられており、上記X方向支持機構が、上記下部フレームの上面に上記X方向に沿って一列状に配置され、互いに逆向きに傾斜する第1、第2の下傾斜面と、上記中間フレームの下面に上記第1、第2の下傾斜面とそれぞれ対向して配置され、上記第1、第2の下傾斜面と平行な第1、第2の上傾斜面と、上記第1の下傾斜面および上記第1の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第1の台車と、上記第2の下傾斜面および上記第2の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第2の台車とを含み、上記Y方向支持機構が、上記中間フレームの上面に上記Y方向に沿って一列状に配置され、互いに逆向きに傾斜する第3、第4の下傾斜面と、上記上部フレームの下面に上記第3、第4の下傾斜面とそれぞれ対向して配置され、上記第3、第4の下傾斜面と平行な第3、第4の上傾斜面と、上記第3の下傾斜面および上記第3の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第3の台車と、上記第4の下傾斜面および上記第4の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第4の台車とを含み、上記第1、第2の台車が上記X方向へ互いに一体に移動するように互いに連結され、上記第3、第4の台車が上記Y方向へ互いに一体に移動するように互いに連結されていることを特徴とする免震台。 【請求項2】 上記第1〜第4の台車が、複数の転動体と、各転動体を回転自在に支持するリテーナとをそれぞれ有することを特徴とする請求項1に記載の免震台。 【請求項3】 上記第1,第2の台車の各リテーナが、第2、第1台車側の転動体を回転自在に支持するリテーナ小片と、このリテーナ小片と別体に形成され、他の転動体を回転自在に支持するリテーナ片とから構成され、隣接するリテーナ小片どうし、および隣接するリテーナ小片とリテーナ片とが回動自在に連結されており、上記第3、第4の台車の各リテーナが、第4、第3台車側の転動体を回転自在に支持するリテーナ小片と、このリテーナ小片と別体に形成され、他の転動体を回転自在に支持するリテーナ片とから構成され、隣接するリテーナ小片どうし、および隣接するリテーナ小片およびリテーナ片が回動自在に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の免震台。 【請求項4】 上記第1〜第4の台車の各リテーナ片が、上記転動体を回転自在に支持する複数のリテーナ小片からなり、各リテーナ小片が互いに回動自在に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の免震台。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、展示ケース等が地震によって横揺れするのを防止するための免震台に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種の免震台は、図18に示すように、下から上に向かって順次配置された下部フレーム1、中間フレーム2および上部フレーム3とを備えており、下部フレーム1が床面等に載置固定され、上部フレーム3の上に展示ケース(図示せず)等が載置される。中間フレーム2は、下部フレーム1に台車4を介してX方向へ移動可能に支持され、上部フレーム3は、中間フレーム2に台車4を介してY方向へ移動可能に支持されている。したがって、地震等によって下部フレーム1がX方向およびY方向へ振動的に変位した場合には、中間フレーム2および上部フレーム3が下部フレーム1に対して相対的に逆方向へ移動する。この結果、上部フレーム3が一定位置に位置し続け、上部フレーム3に載置された展示ケースの横揺れが防止される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の免震台においては、台車4が中間フレーム2に固定されているので、図19に示すように、中間フレーム2が下部フレーム1に対して距離Lだけ相対移動すると、台車4も下部フレーム1に対して同距離Lだけ移動する。したがって、振幅の大きな地震に対しても十分な免震効果が得られるよう、中間フレーム2の最大移動距離を大きくするためにには、下部フレーム1を大きくする必要がある。さもなければ、台車4が下部フレーム1から外れてしまうからである。これは、中間フレーム2と上部フレーム3との関係においても同様である。このため、中間フレーム2および上部フレーム3の最大移動距離を大きくしようとすると、免震台全体が大型化するという問題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は、免震台が大型化することなく、中間フレームおよび上部フレームの最大移動距離を長くすることを目的とするものであり、そのような目的を達成するために、請求項1に係る発明は、下から上方へ向かって順次配置された下部フレーム、中間フレームおよび上部フレームと、上記下部フレームと上記中間フレームとの間に配置され、上記中間フレームを水平面内の一方向(以下、X方向という。)へ相対移動可能に支持するX方向支持機構と、上記上部フレームを水平面内において上記X方向と直交するY方向へ相対移動可能に支持するY方向支持機構とを備えた免震台において、上記X方向支持機構および上記Y方向支持機構がそれぞれ3個以上設けられており、上記X方向支持機構が、上記下部フレームの上面に上記X方向に沿って一列状に配置され、互いに逆向きに傾斜する第1、第2の下傾斜面と、上記中間フレームの下面に上記第1、第2の下傾斜面とそれぞれ対向して配置され、上記第1、第2の下傾斜面と平行な第1、第2の上傾斜面と、上記第1の下傾斜面および上記第1の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第1の台車と、上記第2の下傾斜面および上記第2の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第2の台車とを含み、上記Y方向支持機構が、上記中間フレームの上面に上記Y方向に沿って一列状に配置され、互いに逆向きに傾斜する第3、第4の下傾斜面と、上記上部フレームの下面に上記第3、第4の下傾斜面とそれぞれ対向して配置され、上記第3、第4の下傾斜面と平行な第3、第4の上傾斜面と、上記第3の下傾斜面および上記第3の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第3の台車と、上記第4の下傾斜面および上記第4の上傾斜面に転がり接触する転動体を有する第4の台車とを含み、上記第1、第2の台車が上記X方向へ互いに一体に移動するように互いに連結され、上記第3、第4の台車が上記Y方向へ互いに一体に移動するように互いに連結されていることを特徴としている。 【0005】この場合、上記第1〜第4の台車が、複数の転動体と、各転動体を回転自在に支持するリテーナとをそれぞれ有することが望ましい。上記第1,第2の台車の各リテーナが、第2、第1台車側の転動体を回転自在に支持するリテーナ小片と、このリテーナ小片と別体に形成され、他の転動体を回転自在に支持するリテーナ片とから構成され、隣接するリテーナ小片どうし、および隣接するリテーナ小片とリテーナ片とが回動自在に連結されており、上記第3、第4の台車の各リテーナが、第4、第3台車側の転動体を回転自在に支持するリテーナ小片と、このリテーナ小片と別体に形成され、他の転動体を回転自在に支持するリテーナ片とから構成され、隣接するリテーナ小片どうし、および隣接するリテーナ小片およびリテーナ片が回動自在に連結されていることが望ましい。上記第1〜第4の台車の各リテーナ片が、上記転動体を回転自在に支持する複数のリテーナ小片からなり、各リテーナ小片が互いに回動自在に連結されていることが望ましい。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図1〜図17を参照して説明する。図1〜図8は、この発明の第1の実施の形態を示すものであり、図1および図2に示すように、この実施の形態の免震台Aは、下から上方へ向かって順次配置された下部フレーム10、中間フレーム20および上部フレーム30を備えている。これらのフレーム10,20,30の形状、大きさは任意であるが、この実施の形態では、同形、同大の正方形の板材が用いられている。下部フレーム10は、床面Fまたは他の台の上面等に載置固定される。上部フレーム30の上面には、地震による横揺れを防止すべき物品、例えば展示ケースCが載置される。 【0007】各フレーム10,20,30は、地震が発生していない通常時には、水平方向において同一位置に位置し、しかもそれぞれの四つの辺が上下に互いに重なっている。以下、このときの中間フレーム20および上部フレーム30の位置を初期位置という。また、水平面内において直交する二方向をX方向およびY方向としたとき、各フレーム10,20,30の二つの辺はX方向と平行であり、他の二つの辺はY方向と平行になっている。 【0008】中間フレーム20は、X方向支持機構40により下部フレーム10にX方向へ相対移動可能に支持されている。X方向支持機構40は、X方向と平行な二つの辺のうちの一方の辺の一端側と他端側とに配置された一対と、他方の辺の一端側と他端側とに配置された他の一対との合計四つ配置されている。上部フレーム30は、Y方向支持機構50により中間フレーム20にY方向へ相対移動可能に支持されている。Y方向支持機構50は、Y方向と平行な二つの辺のうちの一方の辺の一端側と他端側とに配置された一対と、他方の辺の一端側と他端側とに配置された他の一対との合計四つ配置されている。 【0009】X方向支持機構40は、図3および図4に示すように、一対のガイド部材41,42と、X方向支持台車43とを備えている。一方のガイド部材41は、下部フレーム10の上面にX方向に延びる辺に沿って配置固定されている。このガイド部材41の上面には、その長手方向の一端から他端まで延びるガイド溝411が形成されている。このガイド溝411の底面は、ガイド溝411の長手方向の一端側の第1の下傾斜面412と、他端側の第2の下傾斜面413とに区分されている。第1、第2の下傾斜面412,413は、ガイド溝411の長手方向の端部から中央に向かって下り勾配をなしている。つまり、第1、第2の下傾斜面412,413は互いに逆向きに傾斜している。ただし、第1、第2の下傾斜面412,413の傾斜角度は互いに同一であり、両者の隣接する端部どうしは、円弧面によって滑らかに連結されている。 【0010】他方のガイド部材42は、上部フレーム20の下面にその長手方向をY方向に向け、しかもガイド部材41と対向して配置固定されている。このガイド部材42の下面には、その長手方向の一端から他端まで延びるガイド溝421が形成されている。このガイド溝421の底面は、ガイド溝421の長手方向の一端側の第1の上傾斜面422と、他端側の第2の上傾斜面423との区分されている。第1、第2の上傾斜面422,423は、第1、第2の下傾斜面412,413とそれぞれ平行になっている。しかも、第1、第2の上傾斜面422,423は、中間フレーム20が初期位置に位置しているときには、第1、第2の下傾斜面412,413とXおよびY方向において同一位置に位置している。 【0011】上記X方向支持台車43は、複数の転動コロ(転動体)431と、各転動コロ431を回転自在に支持するリテーナ435とを備えている。複数の転動コロ431は、複数個、それも奇数個用いられており、軸線をY方向に向けて一定のピッチで配置されている。しかも、複数の転動コロ431は、中間フレーム20が初期位置に位置しているときには、そのうちの1個が第1、第2の下傾斜面412,413の連結部分に位置し、残りの半分が第1の下傾斜面412と第1の上傾斜面422とに転がり接触し、他の半分が第2の下傾斜面413と第2の上傾斜面423との転がり接触するように配置されている。したがって、中間フレーム20は下フレーム10に転動コロ431を介してX方向へ移動可能に支持されている。転動コロ431については、偶数個用い、そのうちの半分を第1の上下の傾斜面412,422に配置し、他の半分を第2の上下の傾斜面413,423に配置してもよい。 【0012】図4(C)に示すように、転動体431の長さは、ガイド溝411,421の溝幅とほぼ同一になっている。したがって、転動コロ431の両端面は、ガイド溝411,421のそれぞれの両側面に接触する。これにより、中間フレーム20のY方向への移動が阻止されている。 【0013】上記リテーナ435は、図5〜図7に示すように、複数のリテーナ小片436によって構成されている。各リテーナ小片436は、板材を打ち抜きプレス加工してなるものであり、その一端部には連結孔437が形成され、他端部には略半円状をなす保持部437が形成されている。X方向に隣接する2つのリテーナ小片436,436は、互いの向きを逆にし、連結孔437,437の軸線が一致するように重ねられる。そして、連結孔437,437に挿通された軸439によって回動自在に連結されている。図7および図8に示すように、各リテーナ小片436の保持部438は、転動コロ431の中央部外周面に形成された環状溝432に嵌め込まれ、環状溝432の底面に回転自在に嵌合している。これにより、転動コロ431がリテーナ小片436に回転自在に支持されている。この場合、X方向の両端部に配置された転動コロ431は、一つのリテーナ小片436によってのみ支持されているが、他の転動コロ431は、二つのリテーナ小片436によって支持されている。この結果、複数の転動コロ431がリテーナ小片436によって順次連結され、全体として一つのX方向支持台車43を構成している。 【0014】上記Y方向支持機構50は、中間フレーム20と上部フレーム30との間に配置され、しかもY方向に沿って配置されている点を除きX方向支持機構40と同様に構成されている。そこで、Y方向支持機構50についてはその説明を省略する。 【0015】上記構成の免震台Aにおいて、いま図3(A),(B)に示すように、初期位置に位置していた中間フレーム20が右方へ距離Lだけ相対移動したものとする。すると、中間フレーム20の移動に伴ってX方向支持台車43が右方へ移動する。この場合、X方向支持台車43の各転動コロ431が傾斜面412,422,413,423に転がり接触しているので、台車43の移動距離はL/2であり、中間フレーム20の移動距離の半分である。したがって、中間フレーム20の最大移動距離を大きくしたとしても、下部フレーム10を大きくする必要がない。これは、中間フレーム20、上部フレーム30およびY方向支持機構50との関係においても同様である。よって、免震台Aにおいては、全体が大型化することなく、中間フレーム20および上部フレーム30の最大移動距離を大きくすることができる。 【0016】また、この免震台Aにおいては、中間フレーム20および上部フレーム30を常時円滑に相対移動させることができ。すなわち、図3および図4に示すように、中間フレーム20は右方への移動に伴って上方へ移動する。したがって、中間フレーム20が右方へ移動すると、第1の上傾斜面422が、当初第1の下傾斜面412上に接していた左側の転動コロ431から上方へ離れる。その状態において、中間フレーム20がその移動方向を左方へ転じ、初期位置に達すると、第1の上傾斜面422が左側の転動コロ431に接触する。 【0017】ここで、仮に左側の各転動コロ431が停止していると、停止状態の転動コロ431を瞬間的に中間フレーム20と同一の速度で移動させなければならないため、中間フレーム20には大きな衝撃が作用し、円滑な相対移動が阻害される。その結果、展示ケースCが振動的に横揺れするおそれがある。この場合、展示ケースCが小さな横揺れを許容するものであればそれほど問題ないが、上部フレーム30上に振動を嫌う精密な機械類が載置されているような場合には大きな問題となる。 【0018】この点、この免震台Aにおいては、X方向支持台車43全体が一体に移動するので、中間フレーム20が移動方向を左方に転じて初期位置に戻り、第1の上傾斜面422が転動コロ431に接触にするとき、左側の転動コロ431も中間フレーム20と同一の速度で回転移動している。したがって、中間フレーム20に衝撃が作用することなく、円滑に移動することができる。これは、中間フレーム20が右方へ移動して初期位置に達したときも同様であり、上部フレーム30についても同様である。 【0019】なお、X方向支持台車43が移動すると、中央の転動コロ431が第1または第2の下傾斜面412,413上を転動するようになるのみならず、X方向移動台車43の移動距離によっては、中央の転動コロ431の両側に隣接する転動コロ431,431またはそれ以上の転動コロ431が、その転動面を第1、第2の傾斜面412,413から第2,第1の下傾斜面413,412に変える。しかし、リテーナ小片436どうしが回動自在に連結されているので、転動コロ431は無理なく転動面を変えることができる。したがって、X方向支持台車43は円滑に移動することができる。 【0020】上記X方向支持台車43については、第1、第2の二つの台車に分割してもよい。その場合、第1の台車は、第1の上下の傾斜面412,422に転がり接触する複数の転動コロと、各転動コロを回転自在に支持するリテーナとから構成される。第2の台車は、第2の上下の傾斜面413,423に転がり接触する複数の転動コロと、各転動コロを回転自在に支持するリテーナとから構成される。 【0021】ただし、X方向支持台車43を第1、第2の台車に分割する場合には、それらを一体に移動させる必要がある。上記の理由によって中間フレームに衝撃が作用するのを防止するためである。したがって、X方向支持台車43を第1、第2の台車に分割する場合には、それらが一体に移動するように、連結部材によって連結する。この場合、連結部材は、その姿勢が第1、第2の台車の移動に伴って変化するので、第1、第2の台車に回動可能に連結する。 【0022】また、中間フレーム2が左方または右方へ最大移動距離だけ移動したとき、第1、第2の台車の転動コロが第2、第1の下傾斜面413,412までそれぞれ転動することがないのであれば、第1、第2の台車の各リテーナ全体を一体に形成してもよい。逆に、中間フレーム2が最大移動距離だけ移動したときに、第1の台車の転動コロのうちの第2の台車側に位置する一部の転動コロが、第2の下傾斜面413に達するのであれば、上記の実施の形態のように、リテーナを複数のリテーナ小片に分割し、各リテーナ小片を回転自在に連結してもよく、あるいはリテーナのうちの、第2の下傾斜面413に達する転動コロを回転自在に支持する部分だけをリテーナ小片とし、各リテーナ小片を互いに回動自在に連結するとともに、リテーナ小片のうちの第2の台車から最も離れて配置されたリテーナ小片をリテーナの残りの部分(リテーナ片)に回動可能に連結してもよい。これは、第2の台車のリテーナについても同様である。 【0023】X方向支持台車40についての上記変形例は、Y方向支持台車50についても同様に適用可能である。上記の内容から明らかなように、この実施の形態の免震台Aにおいては、第1、第2の台車を一体に形成してX方向支持台車40とし、第3、第4の台車を一体に形成してY方向支持台車50としているのである。 【0024】次に、図面に示すこの発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態においては、上記の実施の形態と異なる構成についてのみ説明し、上記の実施の形態と同様な構成部分については図示を省略し、あるいは同一符号を付してその説明を省略する。また、下部フレーム10、中間フレーム20およびX方向支持機構40に関する構成についてのみ説明するが、それらの構成は、中間フレーム20、上部フレーム30およびY方向支持機構50に関しても同様である。 【0025】図9はこの発明の第2の実施の形態を示すものであり、この実施の形態においては、第1,第2の下傾斜面412,413間にそれらを連結する水平な下連結面414が形成されている。下連結面414の両端部は、第1、第2の下傾斜面412,413に円弧面を介して滑らかに連結するのが望ましい。同様に、第1、第2の上傾斜面422,423間には、それらを滑らかに連結する水平な上連結面424が形成されている。 【0026】図10(A),(B)は、この発明の第3の実施の形態を示すものであり、この実施の形態においては、第1、第2の下傾斜面412,413が一つの円弧面によって形成されている。第1、第2の下傾斜面412,413は、互いに連結される側の端部で最も低く、そこから離れるにしたがって漸次高くなっている。第1、第2の上傾斜面422,423も、同様に一つの円弧面によって形成されている。勿論、第1、第2の下傾斜面412,413を形成する円弧面の曲率半径と、第1、第2の上傾斜面422,423を形成する円弧面の曲率半径とは、同一の大きさに設定されている。 【0027】この実施の形態においては、中間フレーム20がX方向へ移動したときには、最も右側または最も左側に配置された転動コロ431だけが中間フレーム20を支持することになる。ただし、地震の発生は短時間であり、中間フレーム20が初期位置に位置する通常時は、各転動コロ431が中間フレーム20をそれぞれ支持するので、強度的、あるいは耐久性の問題はない。 【0028】図11は、リテーナ小片436の変形例を示すものであり、このリテーナ小片436においては、その両端部に保持部438が形成されている。そして、各保持部438,438によって二つの転動コロ431,431がそれぞれ回転自在に支持されている。したがって、隣接する二つのリテーナ小片436,436は、両者が回転自在に支持する一つの転動コロ431を介して回動自在に連結される。 【0029】図12(A),(B)は、X方向支持台車43の変形例を示すものであり、このX方向支持台車43においては、転動コロ431の両端面中央部に、軸部433,433がそれぞれ形成されている。そして、各軸部433に、隣接する二つのリテーナ小片436,433がそれぞれ回動自在に連結されている。ただし、台車43の両端部に配置された転動コロ431の軸部433には、一つのリテーナ小片436だけが回転自在に連結されている。このように、転動コロ431の両側にリテーナ小片436,436を連結した場合には、転動コロ431の軸線を常にY方向に向けることができる。したがって、転動コロ431はガイド溝411,421内をX方向へ円滑に転動することができる。なお、転動コロ431の両側にリテーナ小片436を設ける点については、環状溝432にリテーナ小片436を嵌め込むようにした他の実施の形態でも適用可能であり、その場合には転動コロ431の外周面に環状溝432を二つ形成すれがよい。 【0030】図13は、リテーナ小片436の変形例を示し、図14はそのリテーナ片436を用いたX方向支持台車43を示している。これらの図に示すリテーナ小片436は、比較的太い金属線を曲げ加工して形成されており、そ一端部には、略2/3円弧状をなす保持部438が形成され、他端部にはほぼ円をなす挿通孔437が形成されている。保持部438には、その開放部からそこを押し広げるようにして転動コロ431の環状溝432が形成された部分が押し込まれ、それによって転動コロ431が回転可能に支持されている。 【0031】図15は、図14に示すリテーナ小片436をさらに変形したものであり、このリテーナ小片436においては、その両端部に保持部438が形成されている。 【0032】図16および図17はこの発明の第4の実施の形態を示すものであり、この実施の形態においては、一対のX方向支持機構40,40の互いに隣接する側の端部どうしがY方向において重なるように配置されている。このように配置すると、一対のX方向支持機構40,40を配置するのに必要な下部フレーム10のX方向の長さを短くし、これによって免震台を小型化することができる。ただし、重なる部分の長さ(X方向の長さ)をあまり長くすると、四つのX方向支持機構40による中間フレーム20の支持が不安定になるので、重なる部分の長さは、X方向支持機構40の長さの半分以下にするのが望ましい。この実施の形態では、重なる部分の長さがX方向支持機構の半分になっている。 【0033】なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。例えば、上記の実施の形態においては、X方向支持機構40およびY方向支持機構50をそれぞれ四つずつ設けているが、それぞれ3つずつ設けてもよい。その場合には、X方向支持機構40およびY方向支持機構を二等辺三角形、または正三角形等の三角形頂点に位置するようにそれぞれ配置するのが望ましい。また、上記の実施の形態においては、一対のX方向支持機構40,40のX方向支持台車43,43を互いに独立に移動させるようにしているが、両者は互いに同一速度で、同一距離だけ移動するので、両者を連結部材によって互いに一体に移動するように連結してもよい。そのようにすれば、X方向支持台車43,43を確実に同一速度で、同一距離だけ移動させることができるからである。また、上記の実施の形態においては、第1、第2の上下の傾斜面412,413;422,423を下部フレーム10および中間フレーム20にそれぞれ固定されたガイド部材41,42に形成しているが、下部フレーム10および中間フレーム20に直接形成してもよい。さらに、X方向支持機構40およびY方向支持機構50の転動体として転動コロ431を用いているが、球体を用いてもよい。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4に係る発明によれば、免震台を大型化することなく、中間フレームおよび上部フレームの最大移動距離を大きくすることができ、しかも中間フレームおよび上部フレームを円滑に相対移動させることができるという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】394002671 【氏名又は名称】株式会社インフニックス
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 昇
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| 【公開番号】 |
特開平11−294527 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−116128 |
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