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【発明の名称】 免震装置
【発明者】 【氏名】秋元 将男

【要約】 【課題】この発明は十分な耐荷力が得られられるようにしかつ高さが低く出来るようにした転動体を用いる免震装置を提供するものである。

【解決手段】支持体側に形成した凹面の支持面25と被支持体側に形成した被支持面26間にあって幅方向に伸びて転動可能に配置した1対の同一直径の円柱状で両端部をそれぞれ同一間隔の連結部材23で回転可能に連結した転動体22を設け、被支持体側が支持体側に対して変位すると転動体が転動するようにした免震装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体側に対して被支持体側が所定の水平方向に変位可能になっており水平方向に変位しない状態を基準状態とした場合において、支持体側に下方に向って幅方向に同一断面形状で中心鉛直面に対して対称な凹面より成り被支持体の変位可能な方向に形成した支持面と、この支持面の上方で被支持体側に変位可能な方向で上方に向って幅方向に同一断面形状で中心鉛直面に対して対称であると共に基準状態で前記支持面と対称に形成した凹面より成る被支持面と、前記支持面と被支持面間にあって幅方向に伸びて転動可能に配置した1対の同一直径の円柱状で両端部をそれぞれ同一間隔の連結部材で回転可能に連結した転動体とを包含し、一方向の免震をすることを特徴とする免震装置。
【請求項2】 支持体側に対して被支持体側が所定の水平方向に変位可能になっており水平方向に変位しない状態を基準状態とした場合において、支持体側に下方に向って幅方向に同一断面形状で中心鉛直面に対して対称な凹面より成り被支持体の変位可能な方向に形成した支持面と、この支持面の上方で被支持体側に変位可能な方向で上方に向って幅方向に同一断面形状で中心鉛直面に対して対称であると共に基準状態で前記支持面と対称に形成した凹面より成る被支持面と、前記支持面と被支持面間にあって幅方向に伸びて転動可能に配置した1対の同一直径の円柱状で両端部をそれぞれ同一間隔の連結部材で回転可能に連結した転動体と、前記各連結部材に各転動体間の中間軸線の位置でそれぞれ形成した連結部と、この各連結部に中央部を回動可能に連結し何れもこの連結部を通る一直線上で等距離の他端を連結部とした1対の第1のリンクと、この第1のリンクの両端の連結部にそれぞれ回動可能に連結し前記基準状態において前記転動体間の中間軸線を通る鉛直面内でそれぞれ中間軸線に対して上下で支持体側と被支持体側に所定距離の位置で回動可能に連結した何れも長さの等しい第2のリンクとを包含し一方向の免震をすることを特徴とする免震装置。
【請求項3】 支持体と被支持体間に中間体を設け、支持体と中間体間及び中間体と被支持体間にそれぞれ互いに直交する水平方向に免震する請求項1又は請求項2記載の免震装置を設けたことを特徴とする免震装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は免震装置に関するもので、建築物やコンピュータ等各種の重量物を支持して免震を行うものである。
【0002】
【従来の技術】この発明の発明者は特開平10−8763号公報に示される免震装置を提案した。この提案では円柱状の転動体を何れもこの転動体の周面が接触して転動可能な凹面に形成した支持体の支持面と被支持体の被支持面間に配置する免震装置の提案である。地震により被支持体側が支持体側に対して所定方向に変位して振動する場合転動体が転動して被支持体側が徐々に上昇しかつ被支持体が復帰する場合下降して振動するようになっており、地震の揺れを減少させるものである。支持体と被支持体間に中間体を設けこの中間体と支持体及び被支持体間に互いに直交する方向に免震するこのような免震装置を上下に2段に設ける提案もある。このような装置においては1箇所の装置では一方向について1個の転動体が用いてあるため、その部分に作用する荷重をその転動体のみが支持することになり大きい耐荷力が必要で転動体の高さも高くなり、かつ免震装置全体の高さも高くなるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこのような点を解決して十分な耐荷力が得られ高さが低く出来るようにした転動体を用いる免震装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は支持体側に対して被支持体側が所定の水平方向に変位可能になっており水平方向に変位しない状態を基準状態とした場合において、支持体側に下方に向って幅方向に同一断面形状で中心鉛直面に対して対称な凹面より成り被支持体の変位可能な方向に形成した支持面と、この支持面の上方で被支持体側に変位可能な方向で上方に向って幅方向に同一断面形状で中心鉛直面に対して対称であると共に基準状態で前記支持面と対称に形成した凹面より成る被支持面と、前記支持面と被支持面間にあって幅方向に伸びて転動可能に配置した1対の同一直径の円柱状で両端部をそれぞれ同一間隔の連結部材で回転可能に連結した転動体とを包含し、一方向の免震をすることを特徴とする免震装置を提供するものである。この発明はまた、支持体と被支持体間に中間体を設け、支持体と中間体の間及び中間体と被支持体の間にそれぞれ互いに直交する水平方向に免震する前記一方向の免震をする免震装置を設けたことを特徴とする免震装置も提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。図に示すこの発明の一実施例において、10は例えば基礎構造より成る支持体、12はこの支持体に対して固定した下部材、15は中間体、17は被支持体18に固着した上部材である。20は一方向の免震装置で、下部材12と中間体15の間及び中間体15と上部材17の間にそれぞれ直交する水平方向の免震をするように設置されており、次に述べるように構成してある。
【0006】下部材12と中間体15間の一方向の免震装置20は左右方向の免震を行なうものである。22は所定の同一半径の円柱状の1対の転動体で、両端部をそれぞれ同一長さの連結部材23により回転可能に連結してあり、下部材12と中間体15の間に延びている。連結部材23は相互に連結棒24により中央部で結合してあるが、連結棒は設けない場合もある。中間体15は転動体22の転動により水平方向に移動可能である。下部材12の上面には転動体22を支持する幅方向に所定断面形状の凹面より成る支持面25が形成してあり、かつ中間体15の下面には転動体22に支持される幅方向に所定断面形状の凹面より成る被支持面26が形成してある。
【0007】1対の転動体22の中間にある連結棒24の中心軸線が支持面25の最も低い中央位置を通る鉛直面内にあり、かつ中間体15が下部材12に最も接近する位置に来た場合を基準状態とする。この基準状態で1対の転動体22の中心軸線を含む水平面に対して対向する支持面25及び被支持面26は対称であり、かつ転動体22間の中心軸線である連結棒24の軸線を含む鉛直面に対してそれぞれ支持面25及び被支持面26自体が対称な形状になっている。中間体15が下部材12に対して移動する場合には転動体22が転動して中間体15が徐々に上昇するようになっており、中間体15が復帰する場合には徐々に下降することになる。支持面25及び被支持面26の曲率半径は一定でもよく或は漸変してもよいが、幅方向には所定断面形状にする必要がある。
【0008】28は各転動体22の中心軸線の位置で連結棒24から外方に突出させた連結部で、それぞれ第1のリンク30の中央部が回転可能に連結してある。この第1のリンクの連結部28から等距離の位置になりこの連結部を通る直線の両端部にそれぞれ配置する連結部31により互いに同一長さの第2のリンク32の一端が回動可能に連結してある。第2のリンク32の他端はそれぞれ一方が下部材12と他方が中間体15に前記基準状態において中央鉛直面の対称な位置にピン連結部35により回動可能に連結してある。このようにすることにより下部材12に対して中間体15が移動する場合転動体22間の中心軸線が傾斜することなく移動することになる。
【0009】中間体15と上部材17間には前後方向に免震する一方向の免震装置20が設けてあって、その構成及び符号は下部材12と中間体15間の一方向の免震装置20と全く同様になっている。このようにすることにより中間体15が昇降しても前後方向の中央両端位置では第1のリンク30と第2のリンク32により同一長さだけ昇降し左右両端は上部材12と同様に連結されているため常に水平に維持されることになる。
【0010】このように構成したものにおいて、例えば地震で左右方向の揺れがある場合には図2に示すように下部材12と中間体15間に相対的な変位が発生して転動体22が転動し被支持体18が移動しやや上昇して復元力を受け振動を繰り返すことになる。自由振動の場合の固有周期は例えば2秒程度等にしてあるが、地震の場合の振動の周期はこれより十分小さいため地震の振動の周期で小さい振幅で振動して免震できるものである。また、前後方向の揺れに対しては同様に中間体15に対して上部材17が振動するようになっている。また、地震で斜め方向に揺れがある場合には下部材12に対して中間体15が変位すると共に中間体15に対して上部材17が変位して免震することになる。
【0011】
【実施例】この発明においては免震装置20を2個設けることなく単に1個のみ設けて一方向のみの免震を行なう場合もある。
【0012】
【発明の効果】この発明は前述したように支持面25と被支持面26間に1対の円柱状の転動体22が連結した状態で配置してあるから、耐荷力が十分になりその直径を小さくて出来て全体の高さも低くなるという効果を有している。
【出願人】 【識別番号】595034709
【氏名又は名称】有限会社サンコーエンジニアリング
【出願日】 平成10年(1998)4月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】勝部 明長
【公開番号】 特開平11−294507
【公開日】 平成11年(1999)10月29日
【出願番号】 特願平10−128025