| 【発明の名称】 |
除振台装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】海沼 正邦
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| 【要約】 |
【課題】簡易かつコンパクトな構造で操作性が優れることはもちろんのこと、さらに固有振動数を小さくし(特に水平方向)、鉛直方向および水平方向のいずれにも極めて優れた除振性能を備える除振台装置(いわゆる柔らかい除振台装置)を提供する。
【解決手段】除振対象物に直接または間接的に接する天井板と、その天井板の周縁から垂下する垂下板と、これらの天井板と垂下板に被せられる基台部とを備え、前記天井板の内側面と基台部との間、および前記垂下板の内側面と基台部との間には、各々3段からなる布入りのゴム製ベローズがそれぞれ介在されているように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 除振対象物に直接または間接的に敷設され、除振対象物の除振を行う除振台装置であって、該除振台装置は、除振対象物に直接または間接的に接する天井板と、その天井板の周縁から垂下する垂下板と、これらの天井板と垂下板に被せられる基台部とを備え、前記天井板の内側面と基台部との間、および前記垂下板の内側面と基台部との間には、各々3段からなる布入りのゴム製ベローズがそれぞれ介在されていることを特徴とする除振台装置。 【請求項2】 前記天井板の内側面と基台部との間に介在される布入りのゴム製ベローズ(鉛直ベローズ)は、鉛直方向の荷重を支えるように配置され、前記垂下板の内側面と基台部との間に介在される布入りのゴム製ベローズ(水平ベローズ)は、水平方向の荷重を支えるように配置されてなる請求項1記載の除振台装置。 【請求項3】 前記天井板と前記垂下板は一体化され浮遊部としての機能を有し、前記基台部は固定部としての機能を有してなる請求項1または請求項2記載の除振台装置。 【請求項4】 前記基台部の中には、水平方向の荷重を支える布入りのゴム製ベローズの数に対応する空気室が形成されており、各空気室がそれぞれ水平方向の荷重を支える布入りのゴム製ベローズの内部の作動空間に連通されてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の除振台装置。 【請求項5】 前記基台部の下部には、空気室が形成されており、鉛直方向の荷重を支える布入りのゴム製ベローズの内部の作動空間に連通されてなる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の除振台装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、除振台装置に関し、特に、除振対象物に直接または間接的に敷設され、除振対象物の除振を行う除振台装置に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、半導体製造装置においてメモリ、ICを作る場合、ウエハ基板の上に回路を写真技術を応用した焼き付け装置を備えるステッパーが用いられる。実際のステッパーの使用に際しては、生産効率を上げるためにウエハ基板や焼き付け装置を所定位置に俊敏かつ精度よく動かして位置決めする必要がある。しかしながら、俊敏な移動および停止を行なおうとすればする程、ステッパーには振動の発生という問題が必然的に生じる。特に、ICの高い集積度が求められている今日の仕様では、たとえ微振動であっても、これを完全に除去しないと、回路の線が二重になったりショートしたりする(回路のダブリの発生)という問題が生じる。このような問題を解決するために従来よりステッパーの微振動を除去する除振台装置の提案が種々なされている。その一例として、例えば、図5に示されるような除振台装置100が挙げられる。除振台装置100は、シリンダ部110と、この中に収納されたピストン115と、シリンダ部110とピストン115との間に介在された膜状のダイヤフラム117を備えており、ピストン115の上面115aで除振対象物を直接または間接的に支える構造をとっている(符号118は軸であり、符号119は軸受けを示す)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の提案の除振台装置100は、簡易な構造で鉛直方向のバネ定数が小さく除振応答性は優れるものの、水平方向の振動に対しては応答性が極めて悪いという欠点がある。図5に示される基本構造に、さらに水平方向の除振機能を付加して改善しようとすれば、装置構造が極めて複雑になってしまうという問題が生じる。 【0004】この一方で、他の従来の除振台装置として、金属板とゴム板を交互に多層に積層したいわゆる免震用積層ゴムがある。しかしながらこのものは、鉛直方向のバネ定数が大きく除振性能が悪いといった問題がある。さらに、バネ定数の計算が困難であり、しかも装置の小型化には向かないといった問題がある。 【0005】このような問題を解決するために本願出願人は、すでに、特願平9−24399号で特定される発明として、簡易かつコンパクトな構造で、固有振動数が小さく、鉛直方向および水平方向のいずれにも極めて優れた除振性能を備えた除振台装置を提案している。 【0006】本願発明は、すでに提案している特願平9−24399号の改良発明であり、簡易かつコンパクトな構造で操作性が優れることはもちろんのこと、さらに固有振動数を小さくし(特に水平方向)、鉛直方向および水平方向のいずれにも極めて優れた除振性能を備える除振台装置(いわゆる柔らかい除振台装置)を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明は、除振対象物に直接または間接的に敷設され、除振対象物の除振を行う除振台装置であって、該除振台装置は、除振対象物に直接または間接的に接する天井板と、その天井板の周縁から垂下する垂下板と、これらの天井板と垂下板に被せられる基台部とを備え、前記天井板の内側面と基台部との間、および前記垂下板の内側面と基台部との間には、前記天井板の内側面と基台部との間、および前記垂下板の内側面と基台部との間には、各々3段からなる布入りのゴム製ベローズがそれぞれ介在されているように構成される。 【0008】また、天井板の内側面と基台部との間に介在される布入りのゴム製ベローズ(鉛直ベローズ)は、鉛直方向の荷重を支えるように配置され、垂下板の内側面と基台部との間に介在される布入りのゴム製ベローズ(水平ベローズ)は、水平方向の荷重を支えるように配置されて構成される。 【0009】また、前記天井板と前記垂下板は一体化され浮遊部としての機能を有し、前記基台部は固定部としての機能を有してなるように構成される。 【0010】また、より好ましい態様として、前記基台部の中には、水平方向の荷重を支える布入りのゴム製ベローズの数に対応する空気室が形成されており、各空気室がそれぞれ水平方向の荷重を支える布入りのゴム製ベローズの内部の作動空間に連通されてなるように構成される。 【0011】また、より好ましい態様として、前記基台部の下部には、空気室が形成されており、鉛直方向の荷重を支える布入りのゴム製ベローズの内部の作動空間に連通されてなるように構成される。 【0012】鉛直ベローズ用空気室と水平ベローズ用空気室の位置は逆でもよい。また両空気室を基台部の中に入れてもよく、また、基台部の下においてもよい。 【0013】このような本発明の除振台装置は、特に、天井板の内側面と基台部および前記垂下板の内側面と基台部との間に、各々3段からなる布入りのゴム製ベローズがそれぞれ介在されて構成されているので、簡易な構造で、極めて固有振動数が小さく、鉛直方向および水平方向のいずれにも柔らかく優れた除振性能が実現できる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の除振台装置1の好適例を説明するための図面が図1〜図3に示される。図1は、本発明の除振台装置1の正面図であって、かつ右側半片が断面の状態を示した図である。図2は上半片が図1のK−K矢視図、下半片が図1のJ−J矢視図である。図3(a)および(b)はそれぞれ、本発明の除振台装置1の使用状況を示す正面図および平面図である。 【0015】本発明の除振台装置1は、図3(a),(b)に示されるように除振対象物である例えば、ステッパー3が載置された板状のステッパー支持台4の下に直接または間接的に敷設され、ステッパー3(除振対象物)により発生された振動を除去するように、また、床からの振動をステッパー3に伝えないように用いられる。 【0016】除振台装置1は、通常、載置の安定性を考慮して3つ以上用いられ、好適な位置に適宜、配置される。 【0017】除振台装置1は、図1および図2に示されるように除振対象物に直接または間接的に接する天井板10と、その天井板10の周縁から垂下する垂下板20と、これらの天井板10と垂下板20に被せられる基台部30とを備えている。 【0018】天井板10と垂下板20は一体化されており、除振台装置1の中で浮遊状態で使用されるいわゆる振動除去のための『浮遊部』としての機能を果たしている。基台部30は除振台装置1の中で固定状態で使用されるいわゆる『固定部』としての機能を果たしている。 【0019】本発明における除振台装置1は、図1に示されるように天井板10の内側面と基台部30との間には、3段の布入りのゴム製ベローズ70(山部が3つ存在する:以下、単に『3段ベローズ70』と称す)が介在されており、この3段ベローズ70は、鉛直方向の荷重を支えるように配置されている。 【0020】本発明で用いる3段ベローズ70は、例えば、半加硫のゴム成形体にポリエステルなどで形成された布(好ましくは所定形状にプレフォーミングされた布)をゴム成形体表面に押圧・埋設し、その後、加硫することによって製造することができる。 【0021】本発明で用いられる3段ベローズ70の一実施形態が図4に示される。この図に示されるように、3段ベローズ70は、相対向する1組のリング状のゴム製の対向面部2A,2Bと、対向面部2A,2Bの各外周縁部を相互に連接するように設けられたゴム製の蛇腹状壁面部3とを備えている。対向面部2A,2Bは、それぞれリング状の平板形状をなし、中心部に開口部4を備えるとともに、内周縁部の内側ないし外側にはフランジ部(図示していない)が形成されている。蛇腹状壁面部3は3つの山部3aと、山部3aの間に位置する2つの谷部3bを有している。そして、このべローズ70は、対向面部2A,2Bおよび蛇腹状壁面部3に連続した布が埋め込まれている。なお、3段ベローズ70の形態を簡易に維持させるため、2つの谷部3bにはそれぞれ周方向に沿ってぐるりと、補強リングなどを巻つけておくことが望ましい。 【0022】このような3段ベローズ70の厚さは、0.15〜1.8mm、好ましくは0.4〜1.5mmとされる。この値が1.8mmを超えると、膜の剛性が上りヒステリシスが大きくなる。そして、繰り返し曲げにより発生する膜の内部応力が大きくなり、耐久性が低下するという不都合が生じる。また、この値が0.15mm未満となると、使用する基布(布)が薄くなるため、■耐圧性がなくなる、■膜厚に占める基布厚の割合が増加するため膜としてのシール性が低下する、■突起物に接触した時破損し易くなり耐久性に乏しくなるという問題が生じる。 【0023】このような3段ベローズ70を上記のごとく天井板10の内側面と基台部30との間に介在させることによって、鉛直方向の荷重をうけることができ(鉛直ベローズ)、主として鉛直方向の除振効果を発現させることができる。また、3段ベローズ70を用いることによって、装置全体の小型化を図ることができる。 【0024】なお、略円盤形状の3段ベローズ70は、図1に示されるように、第1の固定部材75a,75bおよび第2の固定部材76a,76bを介して、天井板10の内側面と基台部30とにそれぞれ固定される。また、布入りのゴム製ベローズ70の内部の作動空間S1は、前記基台部30の下部中央に形成された空気室79と連通孔78を介して連通されている。このような空気室79を設けることによって、内容積を大きくすることができ、バネ定数を小さくすることができ、結果として装置の固有振動数が小さくなる。なお、本発明では、3段ベローズ70を使用しているため、ベローズ70そのものによってもバネ定数を小さくすることができる。 【0025】さらに、垂下板20の内側面と基台部30との間にも、前述した布入りのゴム製ベローズ70と同様な布入りのゴム製ベローズ80が介在されており、この布入りのゴム製ベローズ80は、水平方向の荷重を支えるように配置されている(水平ベローズ)。この布入りのゴム製ベローズ80によって、水平方向の荷重をうけることができ、主として水平方向の除振効果を発現させることができる。また、装置全体の小型化にも寄与できる。このような略円盤形状の布入りのゴム製ベローズ80は、図1に示されるように、第1の固定部材85a,85bおよび第2の固定部材86a,86bを介して、垂下板20の内側面と基台部30とにそれぞれ固定される。また、布入りのゴム製ベローズ80の内部の作動空間S2は、基台部30の内部に形成される4つの空気室89(図1に1つ,図2に2つ示してある)と通気孔88(図2に1つ示してある)を介して、それぞれ個別に連通されている。このような空気室89を設けることによって、内容積を大きくすることができ、バネ定数を小さくすることができ、結果として装置の固有振動数が小さくなる。もちろん前述したように、本発明では、3段ベローズ80を使用しているため、ベローズ80そのものによってもバネ定数を小さくすることができる。 【0026】布入りのゴム製ベローズ80の厚さ、段数、製造方法は、上記布入りのゴム製ベローズ70のところで説明したのと同様にすればよい。 【0027】また、本発明の実施の形態では、図2に示されるように、垂下板20は、天井板10の周縁から4枚ほど垂下しており、各々の垂下板20の内側面と基台部30との間に布入りのゴム製ベローズ80がそれぞれ介在されている。これに合わせるように、前述のごとく基台部30の内部には4つの空気室89が形成され、ゴム製ベローズ80と連通されている。本発明の場合、図示のごとく連通させるための配管系はいたってシンプルである。 【0028】なお、除振対象物に直接または間接的に敷設される除振台装置1の個数および配置の仕方によっては、すべての除振台装置1にそれぞれゴム製ベローズ80を4つ備える必要はなく、対向する位置に2個のみ配置するようにしてもよい。 【0029】また、本発明の装置においては、好適な実施の一態様として、装置の下部に空気室79を備える(符号79aは配管孔である)構造を取るために、図1に示されるように、別途、床との間に支持枠90(二点鎖線で示される)を設けることが好ましい。 【0030】なお、上記本発明における実施形態を採択すれば、空気室79,89への圧縮気体導入のための配管方法は、極めてシンプルに行え、装置のコンパクトが図られる。 【0031】 【発明の効果】本発明の除振台装置は、除振対象物に直接または間接的に接する天井板と、その天井板の周縁から垂下する垂下板と、これらの天井板と垂下板に被せられる基台部とを備え、前記天井板の内側面と基台部との間、および前記垂下板の内側面と基台部との間には、各々3段からなる布入りのゴム製ベローズがそれぞれ介在されているように構成されているので、簡易かつコンパクトな構造で操作性が優れることはもちろんのこと、さらに固有振動数を小さくし(特に水平方向)、鉛直方向および水平方向のいずれにも極めて優れた除振性能を備える除振台装置(いわゆる柔らかい除振台装置)が実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005175 【氏名又は名称】藤倉ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】皿田 秀夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132285 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−311131 |
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