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【発明の名称】 ガススプリング
【発明者】 【氏名】鈴木 裕二

【要約】 【課題】ロックとロックの解除が確実且つスムースに行なえ、耐久性があり、強度が強い。

【解決手段】ピストンロッド1の外周に抜け方向に付勢されたストッパ3又は弾性なリング13を配設し、キャップ2でストッパ3又はリング13を締付けた時ピストンロッド1がロックされ、キャップ2を弛めた時ストッパ3又はシリンダ9が元の位置に自動的に戻すようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダの端部にベアリングを設け、シリンダ内には上記ベアリングとピストンとを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンロッドはシリンダ内のガス圧で常時伸び方向に付勢されているガススプリングにおいて、ベアリングの外端に円錐状の溝を形成し、シリンダの端部外周にカラーを固定し、このカラーの外周に断面コ字状のキャップを上下移動に結合し、上記カラーとキャップの上壁との間に上壁側に付勢されたストッパを上下移動自在に配設し、ストッパはキャップの上壁に当接するフランジとピストンロッドの外周に摺接し且つベアリングの溝に嵌合する円筒部とで構成されていることを特徴とするガススプリング。
【請求項2】 フランジとカラーとの間にスプリングが介装され、円筒部の外周に溝のテーパ状内周に摺接するテーパ面が形成されている請求項1のガススプリング。
【請求項3】 シリンダの端部にベアリングを設け、シリンダ内には上記ベアリングとピストンとを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンロッドはシリンダ内のガス圧で常時伸び方向に付勢されているガススプリングにおいて、ベアリングの外端に溝を形成し、シリンダの端部外周にカラーを固定し、このカラーの外周に断面コ字状のキャップを上下移動自在に結合し、上記溝内にキャップの上壁に対向し且つピストンロッドの外周に摺接する弾性なリングを嵌合させていることを特徴とするガススプリング。
【請求項4】 キャップとカラーを金属性の材料で成形している請求項1、2又は3のガススプリング。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車のバックドアの開閉、建物の窓の開閉等に使用されるガススプリングに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車のバックドアは、当該バックドアと車体との間に介在したガススプリングを介して開閉操作され、バックドアのロックを解除して、このバックドアを手動で若干押し上げるとガス圧でガススプリングがゆっくりと伸長し、これによりバックドアもゆっくりと上方に開く。更に、このバックドアは荷物のトランク内への出入れに必要な範囲まで開くと、この位置でロックされて停止できるようにもなっている。
【0003】このようなガススプリングとしては、例えば、実開昭49−128956号公報に開示されたものが開発されている。
【0004】このガススプリングは図3に示すように、シリンダ34の端部に設けたたベアリング33に中空なロックナット32を上下移動自在に螺合させ、更にロックナット32の上部円錐状中空部36内に弾性な楔型ストッパ31を嵌合させ、このストッパ31の内周をピストンロッド35の外周に摺接させているものである。この従来のガススプリングはバックドアを開いて任意の位置でロックして停止させたい場合にはロックナット32を回動して下降させ、これにより中空部36のテーパ面でストッパ31を半径方向内側、いいかえれば、ピストンロッド35方向に締め付けることによりストッパ31とピストンロッド35との間のフリクションを増大させ、ピストンロッド35の伸長作動を停止させて行なうものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来ののガススプリングは機能上特に問題があるわけではないが、次のような不具合が発生するおそれがある。
【0006】即ち、ロックナット32を締め付けて下降した時ロックナット32とストッパ31との間にフリクションが発生すると共に上記のようにストッパ31とピストンロッド35との間にもフリクションが発生し、この時ロックナット32とストッパ31との間のフリクションの方がストッパとピストンロッドとの間のフリクションより大きくなるとロックナット32を弛めてロックを解除するのが困難となる場合がある。
【0007】更に、ロックナット32を合成樹脂で成形したような場合には耐久性が劣り、強度が弱いという不具合もある。
【0008】そこで、本発明の目的はロックとロックの解除が確実且つスムースに行なえ、耐久性があり、強度が強いガススプリングを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の一つの手段は、シリンダの端部にベアリングを設け、シリンダ内には上記ベアリングとピストンとを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンロッドはシリンダ内のガス圧で常時伸び方向に付勢されているガススプリングにおいて、ベアリングの外端に円錐状の溝を形成し、シリンダの端部外周にカラーを固定し、このカラーの外周に断面コ字状のキャップを上下移動に結合し、上記カラーとキャップの上壁との間に上壁側に付勢されたストッパを上下移動自在に配設し、ストッパはキャップの上壁に当接するフランジとピストンロッドの外周に摺接し且つベアリングの溝に嵌合する円筒部とで構成されていることを特徴とするものである。
【0010】この場合、フランジとカラーとの間にスプリングが介装され、円筒部の外周に溝のテーパ状内周に摺接するテーパ面が形成されているのが好ましい。
【0011】更に、本発明の他の手段は、シリンダの端部にベアリングを設け、シリンダ内には、上記ベアリングとピストンとを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンロッドはシリンダ内のガス圧で常時伸び方向に付勢されているガススプリングにおいて、ベアリングの外端に溝を形成し、シリンダの端部外周にカラーを固定し、このカラーの外周に断面コ字状のキャップを上下移動自在に結合し、上記溝内にキャップの上壁に対向し且つピストンロッドの外周に摺接する弾性なリングを嵌合させていることを特徴とするものである。
【0012】上記、二つの手段において、キャップとカラーとを金属性の材料で成形するのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図にもとづいて説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施の形態に係るガススプリングAの要部を示す。ガススプリングAは公知のように、シリンダ9の端部にベアリング5を設け、シリンダ9内には、上記ベアリング5とピストンとを介してピストンロッド1が移動自在に挿入され、ピストンロッド1はシリンダ9内のガス圧で常時伸び方向に付勢されている。このガススプリングAにおいては、ベアリング5の外端に円錐状の溝10を形成し、シリンダ9の端部外周に金属性の材料からなるカラー7を溶接等で固定し、このカラー7の外周に断面コ字状で金属性の材料からなるキャップ2を上下移動にねじ11を介して結合し、上記カラー7とキャップ2の上壁2aとの間に上壁2a側に付勢されたストッパ3を上下移動自在に配設し、ストッパ3はキャップ2の上壁2aに当接するフランジ3aとピストンロッド1の外周に摺接し且つベアリング5の溝10に嵌合する円筒部3bとで構成されている。
【0015】シリンダ9内には、ピストンで区画された二つの室が区画され、この室に封入されたガスのガス圧でピストンロッド1は伸び方向に付勢され、ピストンロッド1の外端とシリンダ9の端部とがブラケットを介して、例えば、自動車のバックドアと車体とに結合されている。
【0016】シリンダの上方には、シール6とリテーナ8とが配置されている。
【0017】ベアリング5はシリンダ9の端部にカシメ等で固定され、ベアリング5の外端たる上面に形成した溝10は外方に拡径するテーパ面を備えて円錐状に形成されている。
【0018】キャップ2は円筒部2bと上壁2aと孔2cとを備えており、断面コ字状、即ち、有底筒状に形成されている。
【0019】カラー7の上端とストッパ3を構成するフランジ3aとの間はコイルスプリング4が介装されてストッパ3が常時キャップ2の上壁側に押圧されている。コイルスプリング4に代えて他の公知の弾性体を使用してもよい。
【0020】ストッパ3の円筒部3bはベアリング5の溝10内に上下移動自在に嵌合しているが、この円筒部3bの外周にテーパ面を形成し、溝10の内周テーパ面に上下移動自在に当接するのが好ましい。
【0021】次に作動について述べる。
【0022】通常ストッパ3の円筒部3bとピストンロッド1の外周との間のフリクションは小さく、これによりバックドアと車体との間のロックを解除し、バックドアを手動で若干開く方向に引き上げると、ガススプリングAのピストンロッド1がガス圧で伸び方向に付勢されているから、この引き上げ力を助成し、バックドアをゆっくりと且つ軽く開くことができる。この際、バックドアを任意の開く角度で停止させたい場合には、キャップ2を回動して下降させる。この時、コイルスプリング4に抗してストッパ3が下降し、その円筒部3bがベアリング5の溝10に深く侵入する。ベアリング5の溝10は下方が狭く円錐状となっているために、ストッパ3の円筒部3bは強制的に圧縮されてピストンロッド1の外周に圧接する。このため、上記円筒部3bとピストンロッド1との間のフリクションが増大し、ピストンロッド1は、このフリクションでロックされて停止するからバックドアも停止する。この位置から任意の角度にバックドアを大きく開く場合、又は、バックドアを閉じる時には、上記と逆にキャップ2を回動して上方に移動させる。この場合には、キャップ2によるストッパ3に対する押圧力が解除され、ストッパ3はスプリング4の復元力で上方に押し上げられ、円筒部3bが溝10の上方に移動するため、ストッパ3のピストンロッド1に対する押圧力が小さくなり、フリクションも小さくなるから再びピストンロッド1が移動可能となる。バックドアを大きく開く時は、ピストンロッド1の伸長に伴なってバックドアを引き上げれば良く、バックドアを閉じる時には、ガス圧に抗してバックドアを閉じ方向に押し込めば良い。
【0023】図2は、本発明の他の実施の形態に係るガススプリングAの要部を示す。
【0024】このガススプリングAは図1のガススプリングAと同じく、シリンダ9の端部にベアリング5を設け、シリンダ9内には上記ベアリング5とピストンとを介してピストンロッド1が移動自在に挿入され、ピストンロッド1はシリンダ9内のガス圧で常時伸び方向に付勢されている。更に、このガススプリングAではベアリング5の外端に溝12を形成し、シリンダ9の端部外周にカラー7を固定し、このカラー7の外周に断面コ字状のキャップ2を上下移動自在に結合し、上記溝12内にキャップ2の上壁2aに対向し且つピストンロッド1の外周に摺接するストッパたる弾性なリング13を嵌合させている。
【0025】リング13はゴム等からなるOリングで構成され、溝12内に遊嵌されていても良く、又はキャップ2の上壁2aと溝12の底面との間に挾持されていてもよい。又、リング13の内周面はピストンロッド1の外周に軽く当接していてもよく、あるいは任意の隙間を設けていてもよい。
【0026】その他の構造は図1のガススプリングAと同じである。
【0027】図2のガススプリングAでは図1と同じく、バックドアのロックを解除するとピストンロッド1がガス圧で伸び方向に移動可能となる。
【0028】バックドアを任意の位置で停止したい場合にはキャップ2を回動して下降させると、キャップ2の上壁2aでリング13が押圧され、この上壁2aと溝12の底面とで惜しつぶされることによりリング13は偏平となり内周方向と外周方向に延びる。この為リング13の内周がピストンロッド1の外周に圧接し、リング13とピストンロッド1との間のフリクションが増大し、このフリクションでピストンロッド1の移動がロックされるためにバックドアが停止する。この状態から、再びバックドアを更に大きく開く場合や、バックドアを閉じる場合には、上記と逆にキャップ2を弛め、リング13を元の状態に復帰させればピストンロッド1に対するリング13のフリクションが無くなったり、小さくすることができるためピストンロッド1の伸縮が可能となり、バックドアを開く方向又は閉じる方向に動かすことができる。
【0029】その他の作用,効果は、図1の場合と同じである。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0031】■請求項1、2の発明によれば、ピストンロッドの外周に配設したストッパがキャップを締め付けた時ベアリングの溝に嵌合するからピストンロッドに対するフリクションを増大し、ピストンロッドのロックをスムース且つ確実に行える。又キャップはキャップの上壁側たる抜け方向に付勢されているから、キャップを弛めた時、自動時にストッパが弛み、ピストンロッドに対するフリクションを小さくでき、ピストンロッドに対するロックの解除がスムース且つ確実に行なえる。
【0032】■請求項3の発明によれば、ピストンロッドの外周に配設した弾性なリングがストッパとして機能するから、キャップを締め付けた時、このリングが変形してピストンロッドに対するフリクションを増大させ、ピストンロッドのロックをスムース且つ確実に行なえる。又、キャップを弛めた時リングは自己復帰力で元の状態に自動的に戻り、ピストンロッドに対するフリクションを小さくしたり、フリクションを無くすることができるからピストンロッドのロック解除をスムース且つ確実に行なえる。
【0033】■請求項4の発明によれば、キャップとカラーか金属性の材料で成形されているから耐久性があり、強度アップを図れる。
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
【公開番号】 特開平11−13812
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−189049