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【発明の名称】 ブレーキパッド
【発明者】 【氏名】香川 英雄

【氏名】福田 佳修

【氏名】河原 重文

【要約】 【課題】メタリック系パッドを用いたブレーキパッドの摩擦特性を改善する。

【解決手段】ブレーキパッド5は、ディスクブレーキ1に用いられディスク2を制動するものであり、バックプレート6と摩擦材7とカーボン8とを備えている。摩擦材7はバックプレート6の一面に固定されディスク2に対向する。摩擦材7はメタリック系材料からなる。カーボン8は摩擦材7の表面に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ディスクブレーキに用いられディスクを制動するブレーキパッドであって、バックプレートと、前記バックプレートの一面に固定され前記ディスクに対向するメタリック系摩擦材と、前記メタリック系摩擦材の表面に配置されたカーボンと、を備えたブレーキパッド。
【請求項2】前記カーボンは前記メタリック系摩擦材に形成された凹部に配置されたブロック形状である、請求項1に記載のブレーキパッド。
【請求項3】前記カーボンは複数配置されている、請求項2に記載のブレーキパッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキパッド、特に、車輌のディスクブレーキに用いられるブレーキパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは、車輪と一体に回転するディスクの両面にパッドを押し付けて制動力を発生させるものである。ディスクブレーキは、キャリパーと、キャリパーに支持されたピストンと、ピストンにより駆動されディスクの両面に付勢されるブレーキパッドとから構成されている。
【0003】ディスクパッドは、バックプレートと、バックプレートに固定された摩擦材とから構成されている。摩擦材の材質には有機系(レジン・モールド),半金属(セミ・メタリック),無機系(メタリック)等が使用される。一般的にはレジン・モールドが使用されるが、他の材質と比べると摩耗が速く耐湿性に欠ける。セミ・メタリックは鋼繊維を基材としたものやガラス,カーボン等の無機繊維を基材としたものがあるが、ともに結合材はフェノール樹脂である。セミ・メタリックは熱が伝達しやすいためブレーキ・フルードが高温になり易い。なお、メタリックは粉末治金法による焼結合金で作られており、最も性能が高い。
【0004】メタリック系摩擦材の主成分は銅粉であり、添加剤は錫、鉛、グラファイト等である。メタリック材からなるメタリック系摩擦材は前述の材料を混入したものを加熱焼結するとともにバックプレートに焼結して製造する。さらにメタリック系摩擦材として、セラミックを利用したセラメタリックス・パッドも開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のメタリック系の摩擦材を用いたブレーキパッドでは、性能面での特徴として高温での効き効果,過酷条件での摩耗が少なく、ウェーターリカバリ性がよい。しかしその反面、鳴きや相手材攻撃性では劣り、びびり振動が生じやすいという問題がある。。
【0006】本発明の目的は、メタリック系摩擦材を用いたブレーキパッドの摩擦特性を改善することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のブレーキパッドは、ディスクブレーキに用いられディスクを制動するものであり、バックプレートと、メタリック系摩擦材と、カーボンとを備えている。メタリック系摩擦材はパックプレートの一面に固定されディスクに対向する。カーボンはメタリック系摩擦材の表面に配置されている。
【0008】ブレーキパッドがブディスクに圧接されると、摩擦によりメタリック系摩擦材の表面が摩耗し、このときカーボンもともに摩耗する。摩耗したカーボンはディスクに付着し、さらにブレーキパッドのメタリック系摩擦材の表面に付着する。このように摩擦面に付着したカーボンにより、たとえば高温時の摩擦係数の低下が抑えられる。また、動作時の鳴きやびびり振動といった問題が生じにくくなる。
【0009】請求項2に記載のブレーキパッドは、請求項1において、カーボンはメタリック系摩擦材に形成された凹部に配置されたブロック形状である。請求項3に記載のブレーキパッドは、請求項2において、カーボンは複数配置されている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態としてのディスクブレーキ1を示す。このディスクブレーキ1はキャリパー固定型である。ブレーキ1は、主に、ディスク2と、キャリパー3と、シリンダ13と、ブレーキパッド5とから構成されている。
【0011】ディスク2は車輌のホイールとともに一体回転する。キャリパー3は他の部材に固定されている。キャリパー3は、ディスク2の軸方向両側に配置された受け部3aを有している。受け部3a内にはそれぞれシリンダ13が配置されている。シリンダ13は、各受け部3aに形成された油圧室11と、その中に配置されたピストン4とから構成されている。油圧室11は、油路12を介して図示しないマスターシリンダに連通している。ピストン4は油圧室11内にディスク軸方向には移動可能にかつ相対回転不能に配置されている。ピストン4と油圧室11のディスク軸方向面11aとの間には、ばね9(コイルスプリング)が配置されている。また、ピストン4の外周面4aと油圧室11の周壁面11bとの間には油圧室11をシールするためのシール10が配置されている。
【0012】ディスク2とピストン4との間には、ブレーキパッド5が配置されている。ブレーキパッド5は、図2及び図3から明らかなように、一方向に長く延びた板状の部材である。ブレーキパッド5は、バックプレート6と、バックプレート6に固定された摩擦材7とから主に構成されている。バックプレート6はピストン4の先端側に配置されている。摩擦材7は、バックプレート6の主面に固定され、ディスク2側に対向している。摩擦材7は、セラミック・メタリック焼結材料からなり、焼結によりバックプレート6に固定されている。摩擦材7のディスク半径方向中央には、半径方向に延びる溝14が形成されている。
【0013】摩擦材7には複数のカーボン8が配置されている。カーボン8は、摩擦材7の表面に露出している。カーボン8は全体が円柱形状であり、露出面は円である。カーボン8は、1つの塊またはブロック形状となっており、摩擦材7に形成された孔内に嵌め込まれ、孔内でバックプレート6に当接している。さらに具体的に説明すると、カーボン8は円周方向4か所に配置されている。円周方向両側の1対のカーボン8は半径方向内側に配置されており、円周方向真ん中の1対のカーボン8は半径方向外側に配置されている。
【0014】ブレーキパッド5において、バックプレート6の両端にはディスク円周方向に突出する2つの突起あるいは切欠きからなる係合部15が形成されている。係合部15は、キャリパー3に係合しており、これによりブレーキパッド5はキャリパー3に対して一体回転するようになっている。図示しないマスターシリンダから油路12を介してシリンダ13に作動油が供給されると、キャリパー3の両側に配置された1対のピストン4が1対のブレーキパッド5を相手側に向かって付勢する。この結果、ディスク2は2つのブレーキパッド5に挟持され、ディスク2に制動力が作用する。
【0015】ブレーキパッド5の表面すなわち摩擦7はディスク2との摺動によって摩耗する。このときカーボン8は摩擦材7とともに摩耗して粉状になり、相手側部材であるディスク2に付着する。さらに、ディスク2に付着したカーボンは摩擦材7の表面に付着する。このようにカーボンが各部材の摩擦面に付着することで以下の効果が得られる。
【0016】1)潤滑性が向上することで、鳴きやジャダーが低減する。さらに相手側攻撃量が減少する。
2)高温時の摩擦係数低下が抑えられる。摩擦材の表面積に対するカーボンの表面積の割合は30〜50%程度で最もよい摩擦特性が得られる。
〔他の実施形態〕図4に示すカーボン16は露出面が三角形になっている。すなわち各カーボン16は三角柱形状である。このように、カーボンの露出形状は限定されず任意の形でよい。
【0017】図5に示すブレーキパッド5では、カーボン17は摩擦材7に形成された溝内に配置されている。具体的には、3本のカーボン17がほぼ半径方向に直線状に延びている。この場合も、各カーボン17は一方向に延びる細長いブロック形状である。なお、溝及びカーボンの形状は図5に限定されない。図6に示すブレーキパッド5では、摩擦材7に形成された孔はバックプレート6まで到達しておらず、その結果カーボン18はバックプレート6に到達していない。
【0018】本発明に係るブレーキパッドはキャリパ固定型ディスクブレーキに用いられるものに限定されない。キャリパ不動型に採用できる。
【0019】
【発明の効果】本発明に係るブレーキパッドでは、摩耗により生じたカーボンの粉末がブレーキパッドとディスクとの摩擦面に付着する。この結果、たとえば高温時の摩擦係数の低下が抑えられる。また、動作時の鳴きやびびり振動といった問題が生じにくくなる。
【出願人】 【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
【出願日】 平成9年(1997)10月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
【公開番号】 特開平11−132271
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−299162