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【発明の名称】 フック止め具
【発明者】 【氏名】和田 憲一郎

【要約】 【課題】カーペットへの取り付けが簡単で組付け作業性に優れ、しかも、フロアマットの係合リングが係合されるフックを確実に係止することができるフック止め具を提供する。

【解決手段】第1、及び第2止め具11,12から構成され、カーペット4の表面4a側からカーペット4に設けられた貫通孔4cに挿通される第1止め具11の第1筒状部11aに、カーペット4の裏面4b側から第2止め具12の第2筒状部12aが内嵌され、第1筒状部11aの他端11c側の内周面に設けられた第1係合ツメ11fと、第2筒状部12aの一端12b側の外周面に設けられる第2係合ツメ12fとが係合して組立てられ、第2筒状部12aの一端12b側の内周面に設けられたフック係合ツメ12gにフックの嵌合突起23が係止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フックを介してフロアマットをカーペットに取り付けるための、カーペットに設けられるフック止め具であって、カーペットの表面側に位置し、前記カーペットに設けられた貫通孔に挿通される第1筒状部、第1筒状部の一端側の外周縁にて外方へ延出する第1フランジ部及び第1筒状部の他端側の内周面に設けられた第1係合ツメを有する第1止め具と、カーペットの裏面側に位置し、前記貫通孔に挿通された第1筒状部に内嵌する第2筒状部、第2筒状部の一端側の外周面に設けられ前記第1係合ツメと係合する第2係合ツメ、第2筒状部の一端側の内周面に設けられ、第1止め具側から第2筒状部に挿入された前記フックの嵌合突起を係止するフック係合ツメ、及び第2筒状部の他端側の外周縁にて外方へ延出する第2フランジ部を有する第2止め具とを備えていることを特徴とするフック止め具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フック止め具に関し、より詳しくはフロアマットを係止するフックを自動車の内装として敷設されたカーペットに取り付けるフック止め具に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の床面においては、通常、フロアマット(サービスマット)が敷かれている。このフロアマットは、床面で移動することは好ましくないが、掃除等で取り外す必要がある。このため、フロアマットの裏面に凸状の滑り止めを設けフロアマットの移動を防止したり、所定の場所に取り外し可能に係止している。
【0003】フロアマットを床面の所定位置に係止する手段としては、実開平6−6090号に示すような、嵌合脚を有するフックをフロアマットにねじ止めし、前記フックの嵌合脚を内装材として床面に敷設されたカーペットの所定位置に取り付けられているはと目部に嵌合するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記はと目部は、管状の金具をカーペットに設けられた孔に挿入し、両端を専用の機械で押しつぶすことにより形成される。このように、フックの止め具としてはと目を用いる場合、管状金具の両端を専用の機械で押しつぶす別工程が必要となり、手間がかかり、組立コストも増加する不都合がある。
【0005】本発明は、フック止め具における上記問題を解決し、カーペットへの取り付けが簡単で組付け作業性に優れ、しかも、フックを確実に係止することができるフック止め具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のフック止め具は、第1筒状部の一端側の外周縁にて外方へ延出する第1フランジ部を有する第1止め具と、第2筒状部の一端側の内周面にフック係合ツメを有し、第2筒状部の他端側の外周縁にて外方へ延出する第2フランジ部を有する第2止め具とから成り、カーペットの表面側からカーペットに設けられた貫通孔に挿通される第1止め具の第1筒状部に、カーペットの裏面側から第2止め具の第2筒状部が内嵌され、第1筒状部の他端側の内周面に設けられた第1係合ツメと、第2筒状部の一端側の外周面に設けられた第2係合ツメとが係合して組み立てられる構成とした。このように、本発明のフック止め具は、第1止め具と第2止め具とを、カーペットを挟み込むようにしてカーペットの表裏両面から組み合わせるだけでカーペットへ取り付けることができる。しかも、フロアマットの係合リングが係合されるフックの嵌合突起が、カーペットの表面側から第2筒状部内に押し込まれ、第2止め具のフック係合ツメに係止されるので、フックの係合突起が引き抜かれる方向に外力が働いても、カーペットの裏面に位置する第2フランジ部が当該外力に対して抵抗となり、フック止め具がカーペットから外れることは防止されるとともに、第2止め具は第1止め具側に引き寄せられるだけであり、第1止め具と第2止め具とが分離することもない。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1乃至図5をもとに説明する。本発明のフック止め具1は、図1に示すように、カーペット4の表面4a側に位置する第1止め具11とカーペット4の裏面4b側に位置する第2止め具12とからなり、これら第1止め具11、第2止め具12がカーペット4を挟むようにして組み合わされることにより形成される。
【0008】第1止め具11は、可撓性を有する合成樹脂製の成形体であり、図2および図3に示すように、中心部に第1筒状部11aを有し、この第1筒状部11aの一端11bの周縁部において外側に延出する第1フランジ部11dが形成されている。第1筒状部11aは、一端11b側より後述するフックの嵌合突起が挿入され、他端11c側より後述する第2止め具12の第2筒状部12aがはめ込まれる部分である。第1フランジ部11dは、傘状、すなわち、断面視形状がテーパ状に形成されており、この部分がカーペットと接する。これによりカーペットを弾性力をもって押さえる。また、第1筒状部11dの他端11c側の内周縁には第1係合ツメ11fが設けられている。第1係合ツメ11fは、第1筒状部11aの他端11cの内周縁から一端11b側へ向かって内径が漸減するように所定長さの範囲にわたり形成されており、第2止め具12の第2係合ツメ12fと係合する。
【0009】第2止め具12は、可撓性を有する合成樹脂製の成形体であり、図2に示すように、第1止め具11の第1筒状部11aに内周部に適合する第2筒状部12aを有している。そして、第2筒状部12aの一端部12bの外側に第2係合ツメ12fが形成されている。第2係合ツメ12fは、第2筒状部12aの一端12bの外周縁より他端12c側へ向かって外径が漸増するように所定長さの範囲にわたり形成されており、第1筒状部11aの第1係合ツメ11fと係合する。また、第2筒状部12aの一端12b側の内側にはフック2(図1参照)の嵌合突起23を係止するフック係合ツメ12gが一体に形成されている。フック係合ツメ12gは、基端が第2筒状部12aの一端12bの内周縁に位置しており、先端が筒状部12aの内方かつ他端12c側に向かって形成されている。このフック係合ツメ12gには、図4に示すように、縦割りのスリット12hが4箇所設けられている。ここで、スリット12hは、フックの嵌合突起を挿入する際にフック係合ツメ12gを撓みやすくするためのものである。このスリット12hの数は特に限定はされないが、嵌合突起を保持する強度を維持するため、スリットは3〜4個程度設けることが好ましい。一方、第2筒状部12aの他端12c側の周縁部には外方へ延出する第2フランジ部12dが形成されている。この第2フランジ部12dは、第1止め具11の第1フランジ部11dと同様に、傘状、すなわち、断面視形状がテーパ状に形成されており、この部分がカーペットと接する。これによりカーペットを弾性力をもって押さえる。ここで、第2フランジ部12dの内側すなわち、カーペットに臨む面には先端が尖鋭な突起12iが複数個設けられており、突起12iがカーぺットにくい込むことにより、筒状部を中心にフック止め具1が回ったり、ずれたりすることを抑える。尚、第1止め具のフランジの内側にも同様な突起を設けてもよい。また、前記突起のほか、フック止め具のずれを抑えるためにフランジの内側に筒状部をとりまく突条を設けてもよい。
【0010】次に、本発明に係るフック止め具1のカーペットへの配設手順を以下に示す。すなわち、図5に示すように、カーペット4の所定位置に設けられた貫通孔4cに対し、表面4a側に第1止め具11を、裏面4b側に第2止め具12をそれぞれセットし、まず、第1止め具11の筒状部11aをカーペット4の表面側から挿入する。そして、カーペット4の裏面側より第1止め具11の第1筒状部11a内に第2止め具12の第2筒状部12aを押し込み、第1係合ツメ11fと第2係合ツメ12fとを係合させる。これにより、第1止め具11と第2止め具12とがカーペット4を挟み込む形で組み合わされて一体化され、本発明のフック止め具1が形成される。このように、本発明のフック止め具1はカーペット4への取り付けが簡便であるので、作業者がカーペット4を車体に敷設する際に、あわせて止め具1も簡単に取り付けることができる。このため、はと目のように取り付けのための別工程を設ける必要がない。
【0011】ついで、本発明に係るフック止め具を用いてフロアマットを係止する手順を以下に示す。図1に示すように、カーペット4に取り付けられたフック止め具1においては、まず、フック2が取り付けられる。ここで、フック2としては、例えば、両端が裏面2b側に折れ曲がっている板状部21と、板状部21の一方の端部の表面2a側に設けられ、他方の端部側に折曲する、係止部としての鉤部22と、他方の端部の裏面2b側に設けられた嵌合突起23とを備えたものが用いられる。嵌合突起23は、板状部21の板面から延出した脚部23aと、脚部23aの先に設けられた膨出部23bとを備えている。そして、膨出部23bの先端部には先が細くなるようにテーパが施してあり、嵌合突起23は全体としてマッシュルーム形状をなしている。以上のような構成のフック2は、図5に示すように、その嵌合突起23がカーペット4の表面4a側よりフック止め具1の筒状部に押し込まれ、膨出部23bが第2止め具12のフック係合ツメ12gと係合することにより、カーペット4の所定位置に取り付けられる。
【0012】そして、フック2の鉤部22にフロアマット3の係合リング3aがはめ込まれることによりフロアマット3は所定位置に係止され、移動ずれを起こすことが有効に防止される。ところで、ドライバの足元操作にともないフロアマットが引かれたり、あるいは、フロアマットを取り外す際に、あやまってフロアマットの係合リングとフックの鉤部とを完全に外していない状態で当該フロアマットを強く引きすぎたりすることにより、フックに対してフック止め具より抜かれる方向に力が加わわる場合がある。このような場合、仮に、カーペットの表面側の第1止め具にフックの嵌合突起が係止されるフック係合ツメが設けられていると、フックが第1止め具から外れずに第1止め具と第2止め具との間に力が加わり、第1止め具と第2止め具とが外れて分離されることがある。このように、第1止め具と第2止め具とが分離されると、第2止め具がカーペットの裏面側で移動して紛失されてしまい、再度第1止め具と組み合わせられず、フロアマットを所定の位置に固定できなくなるといった不都合が生じる。
【0013】しかしながら、フック止め具1においては、カーペットの裏面側に位置する第2止め具にフック係合ツメを設けたことを特徴としており、当該フック係合ツメにフックの嵌合突起が係合されているため、フックが引き上げられても、フック係合ツメが第2筒状部を拡径する方向へ押し広げられるので、第1筒状部と第2筒状部の嵌合力が高められ、第1止め具と第2止め具とは外れにくい。しかも、フックが引き上げられて無理やり外されたとしても、外力が直接作用するのは第2止め具12であって第1止め具11ではない。このため、フック2の嵌合突起23が引き抜かれる際に、第2止め具は、第1止め具側へ引き寄せられているので第1止め具と第2止め具とが離れることはなく、フック止め具1においては、第1止め具と第2止め具とに分解されることは抑えられ、前記不都合の発生を有効に防止することができる。また、フック止め具1においては、第2フランジ部12dが引き抜き方向の外力に抵抗する働きをするので、フック止め具1自体がカーペットから外れ、フロアマットを係止できなくなるような不都合の発生も防止することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明のフック止め具は、第1止め具と第2止め具とによりカーペットを上下から挟み、互いの筒状部をはめ合わせ、そこに設けられた係合ツメを係合させるだけでカーペットに取り付けることができ、取り付け作業性に優れている。このため、フック止め具の取り付け作業は、カーペットを敷設する際に合わせて作業者が簡単に行えるので、フック止め具を取り付けるために別工程を設ける必要が無くなる。よって、組立工程を簡素化でき組立コスト低減に寄与する。
【0015】また、本発明のフック止め具は、フックの嵌合突起と係合するフック係合ツメをカーペットの裏面側の第2止め具に設けているので、フックを強く引き上げても第2止め具は、第1止め具側に引き寄せられるだけで、これらが外れて分離されることはない。このため、止め具が分離されてフックが外れることによりフロアマットが移動ずれをおこすことは有効に防止される。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開平11−230134
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−39167