| 【発明の名称】 |
可変軸の固定機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】滝田 耕一
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| 【要約】 |
【課題】構造が簡単で、調整後の可変軸を固定する際、その位置が変動することなく確実に固定できるようにする。
【解決手段】上蓋5の中心に設けられた透孔に可変軸保持用ナット42の一部を外側から挿入し、ねじ44により固定する。可変軸保持用ナット42のねじ部43には、可変軸7が螺入される。可変軸7には、可変軸保持用ナット42の外側に所定間隔を保って固定用ナット45を螺着し、固定用ねじ46により可変軸保持用ナット42に固定する。この場合、固定用ナット45には、固定用ナットねじ部45aを中心として対称となる位置(外周近傍)に二つのねじ挿通孔47を設け、上記固定用ねじ46を挿通孔47内に挿入し、可変軸保持用ナット42に設けたねじ溝48に螺合させる。上記固定用ねじ46を緩めた状態で可変軸7を調整し、その後、固定用ねじ46を締め付けて可変軸7を固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板と、この基板に設けられた可変軸挿通孔と、前記基板の可変軸挿通孔部分に取り付けられる可変軸保持用ナットと、この可変軸保持用ナットに螺入される可変軸と、この可変軸の先端側に螺合し、前記可変軸保持用ナットと所定の間隔を保って保持される固定用ナットと、この固定用ナットの周辺部に設けられた挿通孔と、この挿通孔部分において固定用ナットを前記可変軸保持用ナットにねじ止めする固定用ねじとを具備し、前記固定用ねじにより前記固定用ナットを締め付けて前記可変軸を固定することを特徴とする可変軸の固定機構。 【請求項2】 基板と、この基板に設けられた可変軸取り付け用タップ孔と、この可変軸取り付け用タップ孔に螺入される可変軸と、この可変軸の先端側に螺合し、前記可変軸保持用ナットと所定の間隔を保って保持される固定用ナットと、この固定用ナットの周辺部に設けられた挿通孔と、この挿通孔部分において固定用ナットを前記基板にねじ止めする固定用ねじとを具備し、前記固定用ねじにより前記固定用ナットを締め付けて前記可変軸を固定することを特徴とする可変軸の固定機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えばろ波器の同調用可変円板等を調整後に固定する可変軸の固定機構に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、高周波ろ波器は、一般に同調用可変円板を備えており、この可変円板をドライバ等で回転させることによりその位置を可変して同調周波数を調整し、その後、可変円板の可変軸をナットにより固定して同調周波数が使用中にずれないようにしている。上記可変軸を固定する場合、単にスパナ等でナットを回転させて固定するようにした場合には、可変円板がナット固定の際にナットと共に回転し、調整後の同調周波数が変動してしまうため、従来では各種特殊形状のナットが用いられている。 【0003】図4は従来の可変軸の固定機構を備えた高周波ろ波器を示し、図5はその固定機構部分の詳細を示したものである。図4において、1はろ波器筐体で、その中心部に円柱状の中心導体(共振素子)2が設けられると共に、この中心導体2に所定の間隔を保って結合ループ3が設けられる。この結合ループ3は、ろ波器筐体1の一側面に設けられた入出力接栓4に接続される。また、上記ろ波器筐体1の上蓋5には、結合容量調整用可変円板6の可変軸7が固定機構8により取り付けられ、中心導体2の先端面に対して可変円板6が相対向して位置するようになっている。上記中心導体2と可変円板6との間隔は、可変軸7を回転することによって調整することができる。 【0004】上記固定機構8は、図5に示すように構成されている。図5(a)は固定機構8の一部を断面して示す正面図、同図(b)は左側面図である。図5(a)、(b)に示すように上蓋5の中心に設けられた透孔にスリ割付き基部11を内側から挿入し、その外側に基部固定用ナット13を取り付けてスリ割付き基部11を上蓋5に固定する。スリ割付き基部11には、外側にナット取り付け用のねじ溝が形成され、内側に可変軸7を螺着するためのねじ溝が形成されている。更に、スリ割付き基部11には、先端側に複数のスリ割12が軸方向に平行して設けられると共に、先端の外側周縁に沿ってテーパ14が形成されている。そして、スリ割付き基部11には、上記テーパ14を含む先端部にロックナット15が螺着される。このロックナット15の内側には、上記スリ割付き基部11のテーパ14に対応するようにテーパが形成されている。 【0005】上記可変軸7をドライバ等により回転させて可変円板6の位置を調整する場合には、ロックナット15を緩めておき、可変円板6の位置を調整した後、ロックナット15を締め付けて可変軸7を固定する。ロックナット15を締め付けると、ロックナット15のテーパ部がスリ割付き基部11のテーパ14を圧接する。このときスリ割付き基部11には、複数のスリ割12が設けられているので、ロックナット15により締め付けられると、スリ割付き基部11が内側に撓んで可変軸7に圧接し、この可変軸7が回転しないように固定する。 【0006】図6は固定機構8の他の構成例を示すもので、(a)は一部を断面して示す正面図、(b)は左側面図である。この図6(a)、(b)に示す固定機構8は、上蓋5の中心に設けた透孔内にテーパ付基部21を外側から挿入してロウ付け(ロウ付け部22)により固定している。上記テーパ付基部21には、その頭部にテーパ部23を設け、このテーパ部23に適合したテーパ部を備えたテーパ付ロックナット24を取り付ける。このテーパ付ロックナット24には、内側のねじ部に複数のスリ割25を設けている。 【0007】上記テーパ付基部21及びテーパ付ロックナット24のねじ部に上記可変軸7が螺入される。そして、この可変軸7を回転操作して可変円板6の位置を調整した後、テーパ付ロックナット24を締め付けて可変軸7を固定する。上記テーパ付ロックナット24を締め付けると、そのテーパ部がテーパ付基部21のテーパ部23に圧接し、スリ割25の作用によりテーパ付ロックナット24のねじ部の径が小さくなって可変軸7を固定する。 【0008】また、図7は固定機構8の更に他の構成例を示すもので、(a)は一部を断面して示す正面図、(b)は左側面図である。この図7(a)、(b)に示す固定機構8は、上蓋5の中心に設けた透孔内に、スリ割付きロックナット31の中心部に形成したねじ部32の先端を外側から挿入し、複数のねじ33により上蓋5に固定する。上記スリ割付きロックナット31には、側方にスリ割34を形成し、このスリ割34の開放端側を固定ねじ35により締め付けるようにしている。 【0009】上記スリ割付きロックナット31のねじ部32には、上記可変軸7が螺入される。そして、固定ねじ35を緩めた状態で、可変軸7により可変円板6の位置を調整し、その後、固定ねじ35を締め付けて可変軸7を固定する。固定ねじ35を締め付けると、スリ割34の間隔が狭くなり、ねじ部32の一端に側方に向かう力が作用し、可変軸7を固定する。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上記したように図5、図6、図7に示した固定機構8を用いることにより、可変円板6の可変軸7を調整後の位置に固定することができる。しかし、上記従来の固定機構は、何れもスリ割やテーパを設ける等、複雑な構造となっており、製作が面倒であると共に高価になるという問題があった。 【0011】また、従来のようにロックナットの回転により可変軸7を固定するようにした場合、ロックナットにより締め付けを行なった際に可変軸7に回転力が与えられてしまうので、可変軸7の頭部の溝にドライバを差し込み、可変軸7が回転しないように保持した状態でロックナットを締め付けるようにしている。このため可変軸7の固定作業が両手作業となり、その操作が非常に面倒である。また、上記のようにドライバにより可変軸7を保持していても、多少可変軸7が回転し可変円板6の位置が変動してしまうので、可変軸7の回転変動量を見込んで固定操作を行なわなければならず、調整作業には熟練を必要としていた。 【0012】本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で、調整後の可変軸を固定する際、その位置が変動することなく確実且つ容易に固定し得る可変軸の固定機構を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、基板と、この基板に設けられた可変軸挿通孔と、前記基板の可変軸挿通孔部分に取り付けられる可変軸保持用ナットと、この可変軸保持用ナットに螺入される可変軸と、この可変軸の先端側に螺合し、前記可変軸保持用ナットと所定の間隔を保って保持される固定用ナットと、この固定用ナットの周辺部に設けられた挿通孔と、この挿通孔部分において固定用ナットを前記可変軸保持用ナットにねじ止めする固定用ねじとを具備し、前記固定用ねじにより前記固定用ナットを締め付けて前記可変軸を固定することを特徴とする。 【0014】また、本発明は、基板と、この基板に設けられた可変軸取り付け用タップ孔と、この可変軸取り付け用タップ孔に螺入される可変軸と、この可変軸の先端側に螺合し、前記可変軸保持用ナットと所定の間隔を保って保持される固定用ナットと、この固定用ナットの周辺部に設けられた挿通孔と、この挿通孔部分において固定用ナットを前記基板にねじ止めする固定用ねじとを具備し、前記固定用ねじにより前記固定用ナットを締め付けて前記可変軸を固定することを特徴とする。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態に係る可変軸の固定機構を高周波ろ波器に実施した場合の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面から見た断面図、(c)は左側面図である。 【0016】図1において、1はろ波器筐体で、その中心部に円柱状の中心導体(共振素子)2が設けられると共に、この中心導体2に所定の間隔を保って結合ループ3が設けられる。この結合ループ3は、ろ波器筐体1の一側面に設けられた入力接栓4a及び出力接栓4bに金属板10を介して接続される。この場合、金属板10は、入力接栓4aと出力接栓4bの端子間を金属板10により接続し、この金属板10の中央部に上記結合ループ3の一端を接続している。 【0017】また、可変軸の固定機構を取り付けるための金属基板、例えば上記ろ波器筐体1の上蓋5には、結合容量調整用可変円板6の可変軸7が固定機構41により取り付けられ、可変円板6が上記中心導体2の先端面と相対向して位置するように、つまり、可変円板6と中心導体2の先端面とによって容量(コンデンサ)が形成されるようになっている。上記中心導体2と可変円板6との間隔は、可変軸7を回転することによって調整することができる。上記中心導体2と可変円板6との間隔によって容量の調整が行なわれる。 【0018】上記固定機構41は、図2に示すように構成されている。図2(a)は固定機構41の一部を断面して示す正面図、同図(b)は左側面図である。図2に示すように上蓋5の中心に設けられた透孔に、金属製の可変軸保持用ナット42の中心部に形成されているねじ部43の先端を外側から挿入し、複数のねじ44により内側から固定する。上記可変軸保持用ナット42のねじ部43には、可変軸7が螺入される。そして、上記可変軸7には、可変軸保持用ナット42の外側に所定間隔を保って位置するように金属製の固定用ナット45を取り付け、1本以上例えば2本の固定用ねじ46により固定する。この場合、固定用ナット45には、例えば固定用ナットねじ部45aを中心として対称となる位置(外周近傍)に二つのねじ挿通孔47を設け、上記固定用ねじ46を挿通孔47内に挿入し、可変軸保持用ナット42に設けたねじ溝48に螺入する。 【0019】上記の構成において、固定用ねじ46を緩めた状態で可変軸7をドライバ等により回転させて可変円板6の位置を調整し、その後、固定用ねじ46を締め付けて固定用ナット45により可変軸7を固定する。上記固定用ねじ46を締め付けることにより、固定用ナット45を介して可変軸7に、可変軸保持用ナット42方向への力が作用し、可変軸7の位置が固定される。この結果、可変円板6を取り付けた機器が振動した場合においても、可変円板6の位置ずれを確実に防止することができる。 【0020】また、固定用ねじ46により可変軸7を固定する際、固定用ナット45が回転しないので、可変軸7に回転力が加わる恐れは全くない。従って、調整作業者は、可変軸7を固定する際に可変軸7の回転を阻止するための操作が不要となり、可変円板6の調整後、単に片手で固定用ねじ46を締め付ければ良く、可変円板6の変動量を見込んで、可変円板6と中心導体2との間の容量を決める必要もない。このため調整作業者は、熟練を必要とせず、簡単且つ確実に可変軸7を固定することができる。 【0021】なお、上記可変軸7のねじピッチが大きいと、固定用ねじ46により可変軸7を固定した際に可変円板6の位置が変動する可能性があるので、可変軸7のねじピッチは細かく設定することが望ましい。可変軸7のねじピッチを細かく設定することにより、可変軸7を固定する際の位置変動を無くして高い精度を得ることができる。 【0022】(第2実施形態)次に本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る固定機構41を示すもので、(a)は一部を断面して示す正面図、(b)は左側面図である。この第2実施形態は、第1実施形態における可変軸保持用ナット42を省略するようにしたもので、上蓋5にバーリング加工し、直接可変軸7の取り付け用タップ孔51を形成している。この可変軸取り付け用タップ孔51に可変軸7を螺入し、その先端側に固定用ナット52を取り付ける。この固定用ナット52は、例えば第1実施形態の固定用ナット45のように板厚の厚い切削加工品とせず、プレス加工品の板厚の薄いものとし、バーリング加工により可変軸取り付け用タップ孔53を設けたものである。この場合、固定用ナット52の厚さは、可変軸7のねじピッチが3山以上掛かる厚さがあれば良い。そして、上記固定用ナット52は、固定用ねじ46により上蓋5にねじ止めする。 【0023】上記の構成とすることによって、可変軸保持用ナット42を省略して構造を簡易化でき、コストの低下を図ることができる。なお、固定用ナット45、52を固定する固定用ねじ46は1本でも良いが、機器の振動等を考慮し、可変円板6の位置ずれを防止して確実に上蓋5に固定したい場合には、複数本使用した方がよい。 【0024】 【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、可変軸を保持する可変軸保持用ナットを基板に取り付け、この可変軸保持用ナットに対して固定用ナットを固定用ねじにより取り付け、可変軸を調整した後、固定用ねじを締め付けて固定用ナットにより可変軸を固定するようにしたので、構造が簡単で安価に構成し得ると共に、調整及び固定作業を短時間で容易に且つ確実に行なうことができ、機器が振動した場合においても、可変軸の位置ずれを確実に防止することができる。 【0025】また、本発明は、基板にバーリング加工等により直接可変軸の取り付け用タップ孔を形成して可変軸を螺入し、上記固定用ナットを固定用ねじにより上蓋にねじ止めするようにしたので、可変軸保持用ナットを省略して構造を簡易化でき、プレス加工品だけで固定機構を構成することが可能となり、加工費及び材料費を大幅に低減して安価な製品を製作することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006817 【氏名又は名称】八木アンテナ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−230128 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−35926 |
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