| 【発明の名称】 |
地すべり抑止杭用ねじ継手 |
| 【発明者】 |
【氏名】津留 英司
【氏名】菱田 博俊
【氏名】佐々木 道夫
【氏名】石田 宗弘
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| 【要約】 |
【課題】地すべり抑止杭用ねじ継手において、建て込み性、嵌合性などの締め込み性を工場させることで、現場での施工性に優れた地すべり抑止杭用ねじ継手を提供すること。
【解決手段】管外面に雄ねじと肩部を有するピンと管内面に、該ピンにそれぞれ対応する雌ねじと肩部を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじ部が異なったピッチ径からなる段階状に配置された平行ねじで、肩部を管外面部にのみ配置し、継手部外径が管外径と実質上等しいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 管外面に雄ねじと肩部を有するピンと、管内面に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじと肩部を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじ部が異なったピッチ径からなる階段状に配置された平行ねじで、肩部を管外面部にのみ配置し、継手部外径が管外径と実質上等しいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【請求項2】 請求項1において、ねじ部が多条ねじであることを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【請求項3】 請求項1または2において、ピンの大径ねじ部断面係数と降伏強度との積とボックスの小径ねじ部断面係数と降伏強度との積のいずれもが管体部断面係数と管体降伏強度との積よりも大きく、かつ該ピンの小径ねじ部断面積とボックス大径ねじ部断面積との和がピン大径ねじ部断面積、またはボックス小径ねじ部断面積のいずれか一方よりも大きいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【請求項4】 請求項1〜3において、継手部を管体部に溶接、摩擦圧接、液相拡散接合することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【請求項5】 請求項1〜4において、ピン先端に円錐外面を有し、ボックスの大径ねじ部と小径ねじ部の中間に円錐内面を有するか、またはボックス先端に円錐内面を有し、該ピンの大ピッチ径ねじ部と小ピッチ径ねじ部の中間に円錐外面を有し、ねじ挿入時に円錐面同士のいずれか一方、または両方が接触した後、嵌合を開始することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【請求項6】 請求項1〜4において、ピン先端にねじなし部を有することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、締め込み容易な地すべり抑止杭用ねじ継手に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、地すべりを抑止するために地中に埋設される鋼管杭は施工時に溶接され、杭全長は50mに達するものもある。また、近年では杭のサイズが大径、厚肉化する傾向にあり、杭降下作業の大半を溶接作業に取られている。さらに溶接強度は個人差によるばらつきが大きいため、資格を有した溶接工が必要であった。この問題を解決するために全自動溶接などの自動化による省力化、高品質化が推進されてきたが、抜本的な時間短縮、高強度材への対応、非破壊検査の必要性など、解決できない問題も多く残されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような問題を抜本的に解決するための発明として、特願平5−252601号や特願平5−268426号がある。これらの発明はねじ継手を用いることで溶接作業からの開放、作業時間の短縮、高強度材への対応、非破壊検査不要という点では成果の著しいものであるが、必ずしも地すべり抑止鋼管継手に適したものではなく、次のような問題点があった。 【0004】第1の問題点は締め込みに大きなトルクが必要なことである。このトルク発生原因について、本発明者らの研究によれば、従来技術は図9に示すようなテーパねじによるグリスの昇圧によるものであることが判った。すなわち、図9は従来のテーパねじのグリス圧縮状況を示す模式図である。ねじ面には焼付き防止、ある程度の水密性、耐食性の観点からグリス、時には銅、鉛、錫、黒鉛などを含有したコンパンドグリスが塗布されているが、テーパねじであると締め込みが進行するに従い、ねじ界面でグリスが圧縮され高圧になる。この粘性抵抗により、締め込みが進むほどトルクが増大する訳である。 【0005】ねじ締め込みトルクはねじの干渉による面圧に起因して発生するため、本来、ねじが干渉するまでは発生しないものであるが、図10に示すように、ねじの干渉以前からトルクが発生する。これは高圧グリスの粘性抵抗によるものである。鋼管杭用ねじ継手の締め付けは大掛かりな機械による締め付けを行わず、工具を利用した人力による簡易な締め付けができることが必須であるため、トルクの低位安定化は是非とも具備しなければならない性能の一つである。 【0006】第2の問題点は実際の施工では締め込み終了時に肩部が衝接しないことにある。その理由の一つは前述したグリス圧力の影響で形状的には肩部が衝接する設計でも実際に人力でこれを達成することは困難を伴い、形状的な嵌合の甘さはテーパねじでは危険断面の減少を招き、継手の曲げ強度、引張強度が低下することである。さらに締め込み合否の判定をするためには肩部の間隙を測定しなければならないという手間がかかる。これらを防止、省略するためにグリスの影響を考慮し、肩部を衝接する設計もできるが、機械公差がある以上、ねじ部の干渉以前に肩部が衝接してしまうことが起こり、これも強度低下を招きかねない。 【0007】第3の問題点は継手締め込み初期の不良嵌合である。不良嵌合を防止するためには、図11に示すようなピン、ボックスの中心ずれをなくす調心機能と軸心の傾きをなくす軸心整合機能の必要なことがわかった。従来技術はテーパねじであるが故、調心機能には優れるが、軸心整合機能は持ち合わせていなかった。テーパねじの先端にねじなし部を設ける発明も公知となっているが、テーパねじではねじなし部より先にねじ部が干渉をはじめ、実質上の軸心整合機能は持ち合わせていないことが判明した。 【0008】上述した問題はテーパねじであるが故の欠点であるが、通常の平行ねじを用いた場合、次の問題点がある。平行ねじの第1の問題点は不良嵌合にある。この場合、テーパねじと異なり、調心機能がないため、心出しを極めて繊細に行わなければならず、現場での施工には必ずしも適切でない。また、中心が合った後も図12に示すように、軸心不整合の改善効果はない。すなわち、図12は平行ねじ建て込み時の軸心不整合を示す模式図である。 【0009】平行ねじの第2の問題点は嵌合開始から終了までのねじの回転量にある。テーパねじがねじ山高さ、ねじリード、テーパ量の関係から比較的少回転量で嵌合が終了するのに対し、平行ねじではねじリードと全ねじ長さの関係から回転量が決定され、ねじ長さに比例して回転量が増え、トルクは小さいが回転量が増えるという欠点がある。平行ねじの第3の問題点は継手部全肉厚が大きくなる点である。図13に同じ危険断面を有したテーパねじと平行ねじの比較を示す。この図に示すように継手部に、より厚肉の材料を使うことになり、コストが増大すると言う問題がある。 【0010】一方、従来、階段状に配した平行ねじを有する継手として、例えば、油井・パイプライン用ハンドブック1992年版第251頁に示すような油井管用のねじ継手があるが、要求性能、構造の点で本発明とは異なる。すなわち、油井管ねじ継手では継手の締め込みは例外なくパワートングと呼ばれる油圧による機械締めが行われる。その理由として、油井管ねじ継手には内流体を継手外面に漏らさない継手シール性が要求されるからであり、その圧力は1000気圧にも達する場合もある。このような高圧流体をシールするためには、ねじ部とは別の金属対金属接触部を設け、係るシール部に接触面圧を付与するためには機械締めによりトルクを負荷する必要がある。 【0011】また、地下数千メートルに及ぶ油井管では鋼管にトルクを負荷しながら降下させたり、特に傾斜、水平杭井と呼ばれる油井では油井管ねじ継手に負荷されるトルクは1000kgmを超える場合もしばしばあるため、強固な肩部が必要である。係る理由から油井管ねじ継手にはシール部や複数の肩部を有する場合が一般的である。しかしながら、前述した公知例ではシール部と継手外面以外の部位にも肩部を有し、地すべり抑止鋼管継手のような大径になった場合、手締めにより嵌合を完結することはできない。また、継手内部に肩部を有していると肩部衝接の判定を下すことの障害となり、地すべり抑止杭用ねじ継手としては極めて不適切である。さらには係る油井管ねじ継手は継手外面側に出っ張っているため、円滑で効率的な鋼管杭降下作業は期待できない。以上のように鋼管杭に要求される性能、及び形状的特徴から係る公知例は本発明とは根本的に異なる。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は上述した杭用ねじ継手に要求される特性と従来ねじ継手での性能を対比させた結果、テーパねじと平行ねじの両方の長所を持ち合わせた鋼管杭用ねじ継手を提供するものである。その発明の要旨とするところは、(1)管外面に雄ねじと肩部を有するピンと、管内面に該ピンにそれぞれ対応する雌ねじと肩部を有するボックスを嵌合するねじ継手において、ねじ部が異なったピッチ径からなる階段状に配置された平行ねじで、肩部を管外面部にのみ配置し、継手部外径が管外径と実質上等しいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【0013】(2)前記(1)において、ねじ部が多条ねじであることを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 (3)前記(1)または(2)において、ピンの大径ねじ部断面係数と降伏強度との積とボックスの小径ねじ部断面係数と降伏強度との積のいずれもが管体部断面係数と管体降伏強度との積よりも大きく、かつ該ピンの小径ねじ部断面積とボックス大径ねじ部断面積との和がピン大径ねじ部断面積、またはボックス小径ねじ部断面積のいずれか一方よりも大きいことを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 【0014】(4)前記(1)〜(3)において、継手部を管体部に溶接、摩擦圧接、液相拡散接合することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 (5)前記(1)〜(4)において、ピン先端に円錐外面を有し、ボックスの大径ねじ部と小径ねじ部の中間に円錐内面を有するか、またはボックス先端に円錐内面を有し、該ピンの大ピッチ径ねじ部と小ピッチ径ねじ部の中間に円錐外面を有し、ねじ挿入時に円錐面同士のいずれか一方、または両方が接触した後、嵌合を開始することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手。 (6)前記(1)〜(4)において、ピン先端にねじなし部を有することを特徴とする地すべり抑止杭用ねじ継手にある。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。図1は本発明に係る地すべり抑止杭用ねじ継手の構成図である。この図1に示すように、ねじ継手はピン1とボックス2とからなり、ボックス先端部にのみ肩部3を有し、ねじ部は段階状に配した径大ピッチの平行ねじ4と径小ピッチの平行ねじ5からなる。本発明のねじ要素は平行ねじであるため、先に述べたテーパねじの欠点の締め込み進行にしたがって、トルクが上昇する問題点を解決できる。すなわち、締め込みが進行してもねじ干渉代増加に伴うグリス圧力上昇がなく、結果として手締めによる低トルクにより安定的に締め込みを完了することができる。 【0016】テーパねじの第2の欠点である締め込み完了時の肩部の未衝接についても、本発明により解決できる。すなわち、ねじ部の嵌め合い代を調節し、ピンねじ径をボックスの相対するねじ径より小さくするか、ピンとボックスが干渉しても僅かな程度に抑えることで低トルクで、尚かつ肩部を手締めにより衝接させることができる。テーパねじの第3の欠点にねじの不良嵌合があった。さらには、不良嵌合を避けるために繊細な心合わせをしなくてはならないことは平行ねじの欠点であることも前述した。このテーパねじでも従来の平行ねじでも解決できない欠点も本発明のように平行ねじを階段状に配置することで解決できる。 【0017】図2に本発明に係るねじ継手建て込み時のねじ継手の断面を示す。まず、ピン小径ねじ部8がボックス大径ねじ部9に挿入させるため、はめ込みが円滑に行え、平行ねじであるが故、ねじの異常嵌合もテーパねじに比べると少なくてすむ。平行ねじの第2の欠点に嵌合開始から締め込み終了までにテーパねじに比べて多くの回転量が必要なことがあった。この欠点も本発明で軽減することができる。また、平行ねじを段階状に配置することで同じねじ長さを得るためには通常平行ねじの半分の締め込み回転量で締め込みが完了することができる。 【0018】平行ねじの第3の欠点にテーパねじと比較して同じ危険断面積を得るためには継手部肉厚が厚くなることを図13で述べた。この欠点も本発明で補うことができる。すなわち、図3に示すように階段状の平行ねじのピン、ボックスそれぞれの管端側のねじ部肉厚を管体側ねじ部肉厚よりも薄くすることで継手全体肉厚を小さくすることができる。以上が本発明のうち、ねじ部が異なったピッチ径からなる段階状に配置された平行ねじであることの長所である。本発明は平行ねじを段階状に配置することの長所について述べたものであり、その段階が3段、4段となっても同様の効果を発揮できるが、段階が増えるにしたがってねじの切削効率が低下し、地すべり抑止杭程度の管肉厚では2段に平行ねじを配置することが性能上、コスト上最も優れている。 【0019】次に、肩部を外表面側ボックス先端部にのみに設けた理由として、地すべり抑止杭では人力による締め付けを基本とするため、締め込みの完了を簡便に判定する必要がある。そのため、平行ねじと外表面肩部を組み合わせることにより、人力による締め込み、及び締め込み終了の確認の両方を達成することができる。次に、継手部外径を管体外径を実質上同一にする理由として、杭降下用に堀削された穴径をできるだけ小さくできる長所があり、継手部の出っ張りはそれだけ、大きな穴径を必要とし、堀削コスト上昇を招く。 【0020】次に本発明の請求項2に述べた多条ねじについて、その作用、効果を述べる。多条平行ねじにおける回転量とねじ推進量の関係は以下の(1)式で表される。 n=S/k・m・p …… (1) ここで、S:全ねじ長さ、k:段数、p:ねじピッチ、m:条数、n:回転数である。また、テーパねじにおける回転量とねじ推進量の関係は以下の(2)式で表される。 n=2h/T・p …… (2) ここで、h:ねじ山高さ、T:ねじテーパである。いま、鋼管外径φ406.4の継手に対して、ねじ長さ150mm、ねじ高さ3mm、ピッチ8.467mm、テーパねじのねじ列テーパ1/6の場合のねじ締め込み開始から終了までの回転量について表1に示す。本発明の意味するところは多段、多条ねじにするとで平行ねじであっても回転量を飛躍的に小さくでき、設計によってはテーパねじ以上にまで回転数を抑えることができる。 【0021】 【表1】
【0022】本発明の請求項3において、ピンの大径ねじ部断面係数と降伏強度との積とボックスの小径ねじ部断面係数と降伏強度との積のいずれもが管体部断面係数と管体降伏強度との積よりも大きく、なおかつ、ピンの小径ねじ部断面積とボックスの大径ねじ部断面積の和がピン大径ねじ部断面積、またはボックス小径ねじ部断面積のいずれか一方よりも大きいことの効果について表2に示す。ねじの曲げ強度を管体以上に設計するには、ねじ部の断面係数と降伏強度との積が管体の断面係数と降伏強度との積よりも大きいことが設計上必須であることが判った。 【0023】 【表2】
【0024】さらに言及すれば二段平行ねじピンにおいては、小径ねじ底での断面係数と降伏強度との積、二段平行ねじボックスにおいては小径ねじ底での断面係数と降伏強度との積がともに管体断面係数と管体降伏強度の積以上であることが重要である。ここで具体的には、以下の式(3)(4)の関係を満たしていることを意味する。 π/32×(D4 −d4 )/D×σo ≦π/32×(dp14 −di 4 )/dp1×σp …… (3) π/32×(D4 −d4 )/D×σo ≦π/32×(D4 −db2 4)/D×σp …… (4) 但し、D:管外径、d:管内径、dp1:ピン側大径ねじ底径、di :継手内径、db2:ボックス側小径ねじ底径、σo :管体降伏強度、σp :継手降伏強度【0025】しかしながら、二段平行ねじにおいては、以下の式(5)の条件を満たさなければ曲げ試験の究極試験と考えられる引張荷重による破断試験(以下、引張破断試験という)ではねじ部の危険断面ではなく、より脆弱なピン小径ねじ部、またはボックス大径ねじ部から破断することが判った。引張試験結果を表3に示す。 π/4×(dp12 −di 2 )またはπ/4×(D2 −db22 )≦π/4×(dp22 −di 2 )+π/4×(D2 −db12 ) …… (5) 但し、D:管外径、dp1:ピン側大径ねじ底径、dp2:ピン側小径ねじ底径、di :継手内径、db1:ボックス側大径ねじ底径、db2:ボックス側小径ねじ底径実際には継手部の剛性に起因して、ねじ部断面係数と降伏強度の積が管体断面係数と降伏強度との積よりも僅かながらに小さくても曲げ荷重に対して管体以上の継手強度を呈することもあるが、継手の安全性上、ねじ部断面係数と降伏強度の積が管体断面係数と降伏強度との積以上にあることが望ましい。 【0026】 【表3】
【0027】請求項4の効果として、請求項3で示したように継手形状、継手素材の降伏強度、管体素材の降伏強度を自由に組み合わせることにより、効率的な継手設計を行えることが判った。その方策として、継手部と管体部を溶接すること、継手部と管体部を摩擦圧接すること、継手部と管体部を液相拡散接合により接合することが最適設計を行うための手段となる。また、管体に直接ねじを切削する必要がないため、10mにも及ぶ管体に直接ねじを切削しなくともすむ長所も有する。 【0028】請求項5の発明を図4に示す。すなわち、図4は円錐部を有した本発明に係るねじ継手の構成図である。この図に示すように、ねじ継手はピン1とボックス2からなり、ボックス先端部にのみ肩部3を有し、ねじ部は階段条に配した径大ピッチの平行ねじ4と径小ピッチの平行ねじ5からなり、さらに、ピン側に円錐外面7または7´、及びボックス側に円錐内面6または6´を有している。この円錐面の効果について図5に示す。図5(a)は建て込み開始時のピンとボックスの位置関係を示すが、二段ねじになっているため、ボックスへのピンの挿入が円滑に行える。このとき、中心ずれがあっても、図5(b)に示すように、ピン円錐面7とボックス円錐面6、またはピン円錐面7´とボックス円錐面6´が接触し、ねじの嵌合直前には調心されており、現場作業でも不良嵌合を起こすことなく、正常な嵌合、図5(c),図5(d)が行える。また、軸心不整合があった場合でも、図6に示すように円錐面がガイド役を果たし、嵌合直前には調心され、正常な嵌合が施される。 【0029】請求項6の発明を図7に示す。ピン先端にはねじなし部10を付設しており、このねじなし先端部によりボックスへの調心機能が図8に示すように、より一層高まる。ピン、ボックスの円錐部もねじなし先端部も調心機能を与えるため、建て込み時にはお互い接触するが、嵌合開始時には遊離しており、締め込み完了時にもお互いが接触することはない。油井管ねじ継手においてピン先端に円錐部、あるいはねじなし先端部を有する事例はあるが、いずれも締め込み完了時点でお互いが接触しており、いわゆる内圧、外圧をシールするための金属対金属接触を形成している。地すべり抑止杭用継手ではこれらの金属接触はトルク損失を導くため、好ましくなく、設計思想として全く異なるものである。 【0030】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によるねじ継手は平行ねじを階段状に配し、継手外表面部のみに肩部を有することで建て込み性に優れ、さらに円錐調心部を付設することで、より不良嵌合を軽減することができ、多条ねじにより簡便な締め込み完了を実現でき、現場施工においても極めて優れた施工性を発揮できる地すべり抑止用杭継手を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】椎名 彊 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−13728 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−172307 |
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