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【発明の名称】 油空圧アクチュエータ用カバー
【発明者】 【氏名】鈴木 弘嗣

【要約】 【課題】配管用ポートとバルブ装着孔の位置関係が変わるのに応じてカバーを別々に成形する必要がなく、同じカバーを反転させることで共用できて、部品点数及び成形のための金型の削減が図れる油空圧アクチュエータ用カバーを提供する。

【解決手段】両外側面の配管用ポート同士5・5’が、カバー2の中空内部2cを挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔同士も、中空内部2cを挟んで同一線上で対向する対称関係とする。一方の外側面の配管用ポート5’は、中空内部2cへ貫通させて内周面に雌ネジ5aを設け、他方の外側面の配管用ポート5は、中空内部2cまでは達しない盲孔とする。一方の外側面のバルブ装着孔は、中空内部2cへ貫通させてバルブを装着し、他方の外側面のバルブ装着孔は中空内部2cまでは達しない盲孔とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】配管用ポートの内面に雌ネジを設け、バルブ装着孔にバルブを装着してから、シリンダ本体の端部に取り付ける方形ブロック状の油空圧アクチュエータ用カバーにおいて、前記配管用ポートと前記バルブ装着孔とを、いずれもカバーの中空内部までは達しない盲孔としてカバーの対向する両外側面の各面に中心線から離して形成し、しかも両外側面の配管用ポート同士が、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔同士も、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向する対称関係にしたことを特徴とする油空圧アクチュエータ用カバー。
【請求項2】配管用ポートとバルブ装着孔とを有し、シリンダ本体の端部に取り付ける方形ブロック状の油空圧アクチュエータ用カバーにおいて、前記配管用ポートと前記バルブ装着孔とを、カバーの対向する両外側面の各面に中心線から離し、しかも両外側面の配管用ポート同士が、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔同士も、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向する対称関係にして形成し、一方の外側面の配管用ポートは、カバーの中空内部へ貫通させて内周面に雌ネジを設け、他方の外側面の配管用ポートは、カバーの中空内部までは達しない盲孔とし、また一方の外側面のバルブ装着孔は、カバーの中空内部へ貫通させてバルブを装着し、他方の外側面のバルブ装着孔は、カバーの中空内部までは達しない盲孔としたことを特徴とする油空圧アクチュエータ用カバー。
【請求項3】カバーが、ピストンロッドを摺動自在に貫通させるロッドカバーである請求項1又は2に記載の油空圧アクチュエータ用カバー。
【請求項4】カバーが、シリンダ本体の一端を閉じるヘッドカバーである請求項1又は2に記載の油空圧アクチュエータ用カバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧シリンダや油圧シリンダ等の端部に取り付けられる油空圧アクチュエータ用カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】クッション式空気圧シリンダ、すなわちシリンダ本体内を摺動するピストンが、ロッド側ストロ−クエンド又はヘッド側ストロークエンドに達するときに、クッション機能を働かせる空気圧シリンダでは、そのロッドカバー又はヘッドカバーに、空気圧を入出力する配管用ポートの他に、クッションバルブを装着するバルブ装着孔を設けるが、これら配管用ポートとバルブ装着孔は、一般に、カバーの外側面の中心線から離れたところに形成する。
【0003】図1は、ピストンロッドを片側だけ突出させた従来の片ロッド形のクッション式空気圧シリンダで、(A)は側面図、(B)は端面図である。この場合、円筒形のシリンダ本体1の一端に、ロッド案内円筒突部2aを有する方形ブロック状のロッドカバー2、他端に方形ブロック状のヘッドカバー3を取り付け、ロッドカバー2からピストンロッド4を摺動自在に突出させる。ロッドカバー2及びヘッドカバー3には、それらの同じ向きの一つの外側面に、その中心線を挟んで配管用ポート5とバルブ装着孔6とを離して設けてある。これら配管用ポート5及びバルブ装着孔6は、ロッドカバー2及びヘッドカバー3のそれぞれにおいて、その中空内部へ貫通し、配管用ポート5の内周面には雌ネジが設けてあり、またバルブ装着孔6内にはクッションバルブが装着してある。
【0004】このような片ロッド形のクッション式空気圧シリンダにおいて、両カバー2・3の配管用ポート5が図1のように紙面に向かって上側、バルブ装着孔6が下側になるような使用形態から、これとは逆に、図2に示すように両カバー2・3のバルブ装着孔6が上側、配管用ポート5が下側になるような使用形態としたい場合には、図1と同じカバー2・3の向きを変えただけでは実現できないので、図1の使用形態にするカバー2・3と、図2の使用形態にするカバー2’・3’とを別々に製作する必要があった。すなわち、ロッドカバー及びヘッドカバーのそれぞれについて、図1の場合と図2の場合とではそれぞれ異なる部品となり、従って成形する金型が異なることから、製造コストが高くなるとともに、部品管理も面倒であった。
【0005】また、ピストンロッドを両側に突出させる両ロッド形のクッション式空気圧シリンダとする場合、図3の(A)・(B)・(C)に示すように、シリンダ本体1の両端に同じロッドカバー2を取り付けると、2つのロッドカバー2同士の配管用ポート5とバルブ装着孔6とが、紙面に向かって上下逆の配置関係、つまり一方のロッドカバーは、配管用ポート5が上でバルブ装着孔6が下、他方のロッドカバーはバルブ装着孔6が上で配管用ポート5が下となってしまう。
【0006】従って、両ロッド形のクッション式空気圧シリンダとするに当たり、図4の(A)・(B)・(C)に示すように、両側のロッドカバー2・2’の配管用ポート5及びバルブ装着孔6が同じ位置関係になるようにするには、両側のロッドカバー2・2’は異なる部品となり、それぞれの金型で別々に成形しなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、配管用ポートとバルブ装着孔の位置関係が変わるためにそれぞれに応じたカバーを別々に成形しなければならなかった従来の問題点を解決し、同じカバーを反転させることで共用できるようにして、部品点数及び成形のための金型を削減し、製造コストの低減と部品管理の簡素化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、配管用ポートの内面に雌ネジを設け、バルブ装着孔にバルブを装着してから、シリンダ本体の端部に取り付ける方形ブロック状の油空圧アクチュエータ用カバーにおいて、配管用ポートとバルブ装着孔とを、いずれもカバーの中空内部までは達しない盲孔としてカバーの対向する両外側面の各面に中心線から離して形成し、しかも両外側面の配管用ポート同士が、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔同士も、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向する対称関係にしたことを特徴とする。
【0009】本発明の第2の形態は、配管用ポートとバルブ装着孔とを有し、シリンダ本体の端部に取り付ける方形ブロック状の油空圧アクチュエータ用カバーにおいて、配管用ポートとバルブ装着孔とを、カバーの対向する両外側面の各面に中心線から離し、しかも両外側面の配管用ポート同士が、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔同士も、カバーの中空内部を挟んで同一線上で対向する対称関係にして形成し、一方の外側面の配管用ポートは、カバーの中空内部へ貫通させて内周面に雌ネジを設け、他方の外側面の配管用ポートは、カバーの中空内部までは達しない盲孔とし、また一方の外側面のバルブ装着孔は、カバーの中空内部へ貫通させてバルブを装着し、他方の外側面のバルブ装着孔は、カバーの中空内部までは達しない盲孔としたことを特徴とする。
【0010】上記第1の形態及び第2の形態のいずれについても、ロッドカバー及びヘッドカバーの両方に同様に適用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0012】図5は、本発明を、片ロッド形のクッション式空気圧シリンダのシリンダ本体1の両端に取り付けるロッドカバー2及びヘッドカバー3の両方に適用したもので、先ずロッドカバー2の構造から説明する。
【0013】ロッドカバー2は、図5及び図6に示すように方形ブロック状に成形され、ピストンロッド4を摺動自在に貫通案内するロッド案内円筒突部2aを正面中央から一体に突設し、また背面中央には、シリンダ本体1内に嵌合する嵌合突部2bを形成している。ロッドカバー2の四隅には、ロッドカバー2をシリンダ本体1にネジ止めするためのネジ止め孔7が、正面から背面に貫通して設けられている。
【0014】図7及び図8の断面図に示すように、ロッドカバー2の対向する両外側面の各面には、配管用ポート5とバルブ装着孔6とが、いずれもロッドカバー2の中空内部2cまでは達しないネジ無しの盲孔として、各面の中心線から互いに反対側に離して形成されている。図の例では、配管用ポート5の方がバルブ装着孔6よりも口径が大きい。両外側面の配管用ポート5・5同士は、図7に示すように、ロッドカバー2の中空内部2cを挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔6・6同士も、図8に示すように、中空内部2cを挟んで同一線上で対向する対称関係になっている。
【0015】ヘッドカバー3も、図9及び図10に示すように方形ブロック状に成形され、シリンダ本体1内に嵌合する嵌合突部3bを正面中央に形成し、また四隅にネジ止め孔8を設けているが、ピストンロッド4を貫通案内しないため、中空内部3cを背面で閉じている。
【0016】図11及び図12の断面図に示すように、ヘッドカバー3の対向する両外側面の各面には、配管用ポート5とバルブ装着孔6とが、いずれもヘッドカバー3の中空内部3cまでは達しないネジ無しの盲孔として、各面の中心線から互いに反対側に離して形成されている。両外側面の配管用ポート5・5同士は、図11に示すように、ヘッドカバー3の中空内部3cを挟んで同一線上で対向するとともに、両外側面のバルブ装着孔6・6同士も、図12に示すように、中空内部3cを挟んで同一線上で対向する対称関係になっている。
【0017】ロッドカバー2及びヘッドカバー3のいずれについても、配管用ポート5及びバルブ装着孔6は、金型によるロッドカバー2及びヘッドカバー3の成形により、上記のように両外側面ともネジ無しの盲孔として形成されるが、シリンダ本体1に取り付けるまでに、任意の片面の配管用ポート5及びバルブ装着孔6に次のような加工をする。
【0018】すなわち、ロッドカバー2及びヘッドカバー3のそれぞれにつき、図13と図15にそれぞれ示すように、一方の外側面の配管用ポート5’は、使用するため中空内部2c又は3cへ貫通させて内周面に雌ネジ5aを設けるが、他方の外側面の配管用ポート5は、実質的に使用しないためネジ無しの盲孔のままとする。また、図14と図16にそれぞれ示すように、一方の外側面のバルブ装着孔6’は、使用するため中空内部2c又は3cへ貫通させてクッションバルブ9を装着するが、他方の外側面のバルブ装着孔6は、実質的に使用しないためバルブ無しの盲孔のままとする。
【0019】ロッドカバー2及びヘッドカバー3は、上記のように、両外側面の配管用ポート5同士及びバルブ装着孔6同士がそれぞれ同一線上で対向する関係となっているため、カバーを反転させれば、配管用ポート5とバルブ装着孔6との位置関係が中心線に対し逆になる。
【0020】そこで、ロッドカバー2及びヘッドカバー3のそれぞれにつき、中心線に対して配管用ポート5が右側、バルブ装着孔6が左側になる向きをAタイプ、これを反転させて、中心線に対してバルブ装着孔6が右側、配管用ポート5が左側になる向きをBタイプとすると、Aタイプで実際に使用するときには、前者の向きとなる配管用ポート及びバルブ装着孔を上記のように加工して、後者の向きとなる配管用ポート及びバルブ装着孔は盲孔のままとし、これとは反対にBタイプで実際に使用するときには、後者の向きとなる配管用ポート及びバルブ装着孔を上記のように加工して、前者の向きとなる配管用ポート及びバルブ装着孔は盲孔のままとする。
【0021】従って、ロッドカバー2及びヘッドカバー3のいずれの場合も、AタイプとBタイプの2つのタイプを同じ金型で成形することができ、Aタイプとして提供するかBタイプとして提供するかを、ユーザの需要に応じて金型成形後に任意に選択できる。また、予め2つのタイプを用意しておくことにより、ユーザの使用状況に即応できる。すなわち、ロッドカバー2については、AタイプとBタイプの2つのタイプを用意し、それをシリンダ本体1の両端に取り付けることにより、両ロッド形のクッション式空気圧シリンダに対応でき(図4参照)、またヘッドカバー3については、AタイプとBタイプの2つのタイプを用意することにより、片ロッド形のクッション式空気圧シリンダの2つの使用形態(図1及び図2参照)に対応できる。
【0022】上記の例は、クッション式空気圧シリンダに適用した場合であるが、本発明はこれに限らず油圧シリンダ等の他のアクチュエータにも適用できる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、配管用ポートとバルブ装着孔の位置関係が変わるのに応じてカバーを別々に成形する必要がなく、同じカバーを反転させることで共用できるため、部品点数及び成形のための金型を削減し、製造コストの低減と部品管理の簡素化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000204240
【氏名又は名称】太陽鉄工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】原田 信市
【公開番号】 特開平11−230115
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−31615