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【発明の名称】 油圧駆動機械の制御装置
【発明者】 【氏名】柳樂 篤司

【氏名】鎌田 誠治

【氏名】渕上 正朗

【要約】 【課題】油圧駆動機械に既に設けられているセンサを利用することで、コスト低減を図るとともに、油圧ポンプの飽和時であっても、予めポンプ最大吐出流量を記憶することなく、各レバー操作量に応じた比率の流量を油圧ポンプから各油圧アクチュエータに分配することで、レバー操作性を向上させる。

【解決手段】実際流量検出手段8a1で検出された実際流量Qr1と目標流量検出手段8b1で検出された目標流量Qm1に基づいて、対応する操作子6の操作量(操作量に応じた開口面積A1)を補正する補正係数α1が演算され、この補正係数α1を用いて、対応する操作子6の操作量(操作量に応じた開口面積A1)がA1´(=α1・A1)と補正される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、これら実際流量検出手段で検出された実際流量と目標流量検出手段で検出された目標流量に基づいて、対応する操作子の操作量を補正する補正係数を演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【請求項2】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた操作弁の目標開口を検出する目標開口検出手段と、これら実際流量検出手段で検出された実際流量と目標開口検出手段で検出された目標開口に基づいて、対応する操作子の操作量を補正する補正係数を演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【請求項3】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、前記実際流量検出手段で検出されたすべての油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の合計値に対する個々の油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の第1の比率配分を、各油圧アクチュエータ毎に算出する第1の比率配分算出手段と、前記目標流量検出手段で検出されたすべての操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の合計値に対する個々の操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の第2の比率配分を、各操作子毎に算出する第2の比率配分算出手段と、前記第1の比率配分算出手段で算出された第1の比率配分に対する前記第2の比率配分算出手段で算出された第2の比率配分の比を、対応する操作子の操作量を補正するための補正係数として演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【請求項4】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた操作弁の目標開口を検出する目標開口検出手段と、前記実際流量検出手段で検出されたすべての油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の合計値に対する個々の油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の第1の比率配分を、各油圧アクチュエータ毎に算出する第1の比率配分算出手段と、前記目標開口検出手段で検出されたすべての操作子の操作量に対応する操作弁の目標開口の合計値に対する個々の操作子の操作量に対応する操作弁の目標開口の第2の比率配分を、各操作子毎に算出する第2の比率配分算出手段と、前記第1の比率配分算出手段で算出された第1の比率配分に対する前記第2の比率配分算出手段で算出された第2の比率配分の比を、対応する操作子の操作量を補正するための補正係数として演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【請求項5】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、前記実際流量検出手段で検出された実際流量に対する前記目標流量検出手段で検出された目標流量の比を、対応する操作子の操作量を補正するための補正係数として演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【請求項6】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、前記実際流量検出手段で検出されたすべての油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の合計値に対する個々の油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の第1の比率配分を、各油圧アクチュエータ毎に算出する第1の比率配分算出手段と、前記目標流量検出手段で検出されたすべての操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の合計値に対する個々の操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の第2の比率配分を、各操作子毎に算出する第2の比率配分算出手段と、前記第1の比率配分算出手段で算出された第1の比率配分に対する前記第2の比率配分算出手段で算出された第2の比率配分の比を、対応する操作子の操作量を補正するための第1の補正係数として演算する第1の補正係数演算手段と、前記実際流量検出手段で検出された実際流量に対する前記目標流量検出手段で検出された目標流量の比を、対応する操作子の操作量を補正するための第2の補正係数として演算する第2の補正係数演算手段と、前記第1の補正係数又は前記第2の補正係数を切換え、選択する切換選択手段と、前記切換え、選択された第1の補正係数又は第2の補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【請求項7】 前記切換選択手段は、対応する操作子の操作量の大きさに応じて前記第1の補正係数又は前記第2の補正係数を切換え、選択するものである請求項4記載の油圧駆動機械の制御装置。
【請求項8】 油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記複数の油圧アクチュエータに対応して設けられた複数の作業機と、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記作業機を駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の作業機の姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記姿勢検出手段で検出された姿勢に基づいて、前記操作子の操作量を補正する補正係数を変化させる補正係数変化手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えた油圧駆動機械の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル、クレーン等の油圧駆動機械において、操作子の操作量に応じて油圧アクチュエータを駆動制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術および解決課題】一般に、建設機械のような油圧駆動機械では、複数の操作レバーの操作量を示す駆動指令信号が、対応する複数の操作弁(流量制御弁)に加えられ、これら複数の操作弁の開口面積が上記駆動指令信号に応じて変化され、それによって、対応する複数の油圧アクチュエータが駆動されるという構成がとられる。つまり、複数の操作レバーが同時に操作されると、油圧ポンプの吐出圧油は、複数の圧油供給路上の複数の操作弁を介して複数の油圧アクチュエータに供給され、これら複数の油圧アクチュエータが同時に駆動される。
【0003】かかる構成において、複合操作時の油圧アクチュエータの駆動速度のいわゆる負荷依存性を解消する技術として、ロードセンシングシステムと呼ばれるものがある。
【0004】このシステムでは、油圧ポンプと流量制御弁との間、あるいは流量制御弁と油圧アクチュエータとの間に、圧力補償弁と呼ばれるバルブが設けられ、流量制御弁を通過する圧油の弁の前後における圧力の差圧が、いずれの駆動軸(建設機械では、ブーム、アーム等のことである)についても同一の値になるように補償するようにしている。つまり、油圧回路の一般公式である、Q=c・A・√( ΔP )
(ただし、Qは流量制御弁の絞りを通過する流量、cは流量定数、Aは絞りの開口面積、ΔPは絞りの前後差圧である)
において、差圧ΔPが、各駆動軸について同一となるようにすることで、オペレータが指令する駆動指令値(開口面積A)に比例した流量Qが得られるようにしている。
【0005】また、油圧ポンプの吐出圧が、操作中の油圧アクチュエータの負荷圧の最大値に、上記前後差圧が加算された圧力となるように、油圧ポンプの吐出圧の制御を行うようにしており、これによって複合操作時の各油圧アクチュエータの負荷圧の違いによる速度の変化(負荷圧依存性)が防止される。
【0006】一方、このシステムでは、バルブの構造が複雑となり、また油圧の安定性の悪さからハンチングを生じやすいという欠点があった。
【0007】そこで、この問題点を解決すべく、特公平6−41762号公報、特公平6−41764号公報では、上記圧力補償弁を使用しないでシステムを構成するようにしている。
【0008】すなわち、上記公報に記載されたものでは、圧力センサを装着して差圧ΔPを検出し、上記油圧回路の一般公式、Q=c・A・√( ΔP )
を用いて、差圧ΔPである場合に目標の流量Qを実現するための開口面積Aを、A=Q/(c・√( ΔP ))
なる関係式から逆算にて求めるようにしている。
【0009】また、特開平8−270019でも、同様に圧力センサを用いて開口面積を求めている。
【0010】このように各油圧アクチュエータにおいて異なる任意の差圧ΔPに対して、それぞれ目標となる流量を得るために必要な開口面積を上記一般公式から逆計算することによって、複合操作時のアクチュエータ速度の負荷依存性を解消している。
【0011】以上が従来の「圧力補償制御」の内容である。
【0012】ここに、差圧を検出することなく簡易な構成で、先願と同様な「圧力補償制御」を行えることが望まれる。
【0013】すなわち上述した従来の技術では、圧力情報を検出して圧力補償を行うため、油圧アクチュエータ毎に圧力センサを装着する必要がある。この圧力センサは「圧力補償制御」のためだけに設けなくてはならず、このためコスト高になるという問題が招来する。
【0014】また、特公平6−41764において、例えば一方のアクチュエータにQA[l/min]、他方のアクチュエータにQB[l/min]流す場合を想定し、それぞれのアクチュエータに対応する開口をA、B、流量係数をc、前後差圧をΔPとすると、QA、QBは、QA=c・A・√(ΔP)
QB=c・B・√(ΔP)
となる。
【0015】ここで、レバー操作量を考慮した場合のQA、QBは、これらQA、QBにすべてのレバー操作量の合計値に対する個々のレバー操作量の比を乗じることによって求められる。すなわち、それぞれのレバー操作量をXLA、XLBとすると、レバー操作量と開口は一対一に対応するので、すべてのレバー操作量の合計値に対する個々のレバー操作量の比と開口との関係は、XLA/(XLA+XLB)=A/(A+B)
XLB/(XLA+XLB)=B/(A+B)
となる。
【0016】従って、レバー操作量の比率配分を考慮した合計流量は上式より、(XLA/(XLA+XLB)・QA)+(XLB/(XLA+XLB)・QB)=c・√(ΔP)・(A+B)−c・√(ΔP)・2AB/(A+B)
と求められる。
【0017】しかしながら、c・√(ΔP)・2AB/(A+B)の分だけ不足したバルブ開口となるので、目標流量を得ることができないという問題が生じる。
【0018】また、特開平8−270019では、各アクチュエータの目標流量の合計が、ポンプの最大吐出流量QMAXを超えた場合に対応するため、予めQMAXの値をコントローラに記憶させ、この記憶された値を用いて、すべてのレバー操作量の合計値に対する個々のレバー操作量の比に対応するようバルブの開口を演算していた。すなわち、予めQMAXを記憶させる必要があった。
【0019】本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、油圧駆動機械に既に設けられているセンサを利用することで、コスト低減を図るとともに、油圧ポンプの飽和時であっても、予めポンプ最大吐出流量を記憶することなく、各レバー操作量に応じた比率の流量を油圧ポンプから各油圧アクチュエータに分配することで、レバー操作性を向上させることを解決課題とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、本発明の第1の発明では、油圧ポンプと、複数の操作子に対応して設けられた複数の油圧アクチュエータと、前記操作子の操作量に応じた流量の前記油圧ポンプの吐出圧油を対応する油圧アクチュエータに供給する複数の操作弁とを有し、前記操作子の操作に応じて、前記油圧アクチュエータを駆動するようにした油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、これら実際流量検出手段で検出された実際流量と目標流量検出手段で検出された目標流量に基づいて、対応する操作子の操作量を補正する補正係数を演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0021】第1発明によれば、図2に示すように、実際流量検出手段8a1で検出された実際流量Qr1と目標流量検出手段8b1で検出された目標流量Qm1に基づいて、対応する操作子6の操作量(操作量に応じた開口面積A1)を補正する補正係数α1が演算され、この補正係数α1を用いて、対応する操作子6の操作量(操作量に応じた開口面積A1)がA1´(=α1・A1)と補正される。
【0022】このように、操作量が補正されることで、従来と同様の「圧力補償制御」が、差圧ΔPを検出することなく行える。この結果、「圧力補償制御」装置の構成を簡易にできる。
【0023】すなわち、油圧駆動機械では、各油圧アクチュエータの制御用に、各油圧アクチュエータに供給される流量を検出できるセンサが既に配設されている。
【0024】例えば、コンパクトな設計の都市型油圧ショベルでは、キャビンとバケットの干渉を防止するため、作業機毎に回転角度センサが装着されており、これを利用することで油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出することが可能となる。
【0025】よって、本発明によれば、センサを「圧力補償制御」ためだけに新たに設ける必要がなく、コスト低減が図られる。
【0026】さらに、本発明では、実際流量Qriと目標流量Qmiを求め、負荷依存性による実際流量と目標流量の違いを考慮して補正を行っている。よって、たとえ、油圧ポンプの吐出量が飽和状態であったとしても、各操作レバーの操作量に応じた比率の流量を、油圧ポンプから各油圧アクチュエータに分配することができる。従って、レバー操作性が向上する。
【0027】また、本発明の第2の発明では、同様な油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた操作弁の目標開口を検出する目標開口検出手段と、これら実際流量検出手段で検出された実際流量と目標開口検出手段で検出された目標開口に基づいて、対応する操作子の操作量を補正する補正係数を演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0028】第2発明によれば、図3に示すように、実際流量検出手段8a1で検出された実際流量Qr1と目標開口検出手段8b1で検出された目標開口A1に基づいて、対応する操作子6の操作量(操作量に応じた開口面積A1)を補正する補正係数α1が演算され、この補正係数α1を用いて、対応する操作子6の操作量(操作量に応じた開口面積A1)がA1´(=α1・A1)と補正される。
【0029】このように、操作量が補正されることで、第1発明と同等の効果を得ることが可能となる。また、目標流量検出手段8b1を必要としないことから、第1発明の装置の構成よりもさらに簡易にできる。
【0030】また、本発明の第3の発明では、同様な油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、前記実際流量検出手段で検出されたすべての油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の合計値に対する個々の油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の第1の比率配分を、各油圧アクチュエータ毎に算出する第1の比率配分算出手段と、前記目標流量検出手段で検出されたすべての操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の合計値に対する個々の操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の第2の比率配分を、各操作子毎に算出する第2の比率配分算出手段と、前記第1の比率配分算出手段で算出された第1の比率配分に対する前記第2の比率配分算出手段で算出された第2の比率配分の比を、対応する操作子の操作量を補正するための補正係数として演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0031】また、本発明の第4の発明では、同様な油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた操作弁の目標開口を検出する目標開口検出手段と、前記実際流量検出手段で検出されたすべての油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の合計値に対する個々の油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の第1の比率配分を、各油圧アクチュエータ毎に算出する第1の比率配分算出手段と、前記目標開口検出手段で検出されたすべての操作子の操作量に対応する操作弁の目標開口の合計値に対する個々の操作子の操作量に対応する操作弁の目標開口の第2の比率配分を、各操作子毎に算出する第2の比率配分算出手段と、前記第1の比率配分算出手段で算出された第1の比率配分に対する前記第2の比率配分算出手段で算出された第2の比率配分の比を、対応する操作子の操作量を補正するための補正係数として演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0032】また、本発明の第5の発明では、同様な油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、前記実際流量検出手段で検出された実際流量に対する前記目標流量検出手段で検出された目標流量の比を、対応する操作子の操作量を補正するための補正係数として演算する補正係数演算手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0033】第3発明、第4発明によれば、油圧ポンプからの吐出流量が飽和しているか否かに関わらず、すべてのレバー操作量の合計値に対する個々のレバー操作量の比なりに、ポンプ吐出流量をアクチュエータに分流できる。一方、第5発明によれば、油圧ポンプからの吐出流量が飽和に達していない場合、レバー操作に忠実にアクチュエータの速度をコントロールすることができる。
【0034】また、本発明の第6の発明では、同様な油圧駆動機械において、前記複数の油圧アクチュエータ毎にそれぞれ当該油圧アクチュエータに供給される圧油の実際の流量を検出する実際流量検出手段と、前記複数の操作子毎にそれぞれ当該操作子の操作量に応じた圧油の目標流量を検出する目標流量検出手段と、前記実際流量検出手段で検出されたすべての油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の合計値に対する個々の油圧アクチュエータに供給される圧油の実際流量の第1の比率配分を、各油圧アクチュエータ毎に算出する第1の比率配分算出手段と、前記目標流量検出手段で検出されたすべての操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の合計値に対する個々の操作子の操作量に対応する圧油の目標流量の第2の比率配分を、各操作子毎に算出する第2の比率配分算出手段と、前記第1の比率配分算出手段で算出された第1の比率配分に対する前記第2の比率配分算出手段で算出された第2の比率配分の比を、対応する操作子の操作量を補正するための第1の補正係数として演算する第1の補正係数演算手段と、前記実際流量検出手段で検出された実際流量に対する前記目標流量検出手段で検出された目標流量の比を、対応する操作子の操作量を補正するための第2の補正係数として演算する第2の補正係数演算手段と、前記第1の補正係数又は前記第2の補正係数を切換え、選択する切換選択手段と、前記切換え、選択された第1の補正係数又は第2の補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0035】第7の発明では、上記第6の発明において、前記切換選択手段は、対応する操作子の操作量の大きさに応じて前記第1の補正係数又は前記第2の補正係数を切換え、選択するものであるとされる。
【0036】すなわち、第6発明、第7発明によれば、状況に応じて切り換え、選択することができるので、油圧ポンプからの吐出流量が飽和しているか否かに関わらず、すべてのレバー操作量の合計値に対する個々のレバー操作量の比なりに、ポンプ吐出流量をアクチュエータに分流でき、また、油圧ポンプからの吐出流量が飽和に達していない場合、レバー操作に忠実にアクチュエータの速度をコントロールすることもできる。従って、オペレータの要求する操作感覚に、より合致させることができ、作業効率が飛躍的に向上する。
【0037】また、本発明の第8の発明では、同様な油圧駆動機械において、前記複数の作業機の姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記姿勢検出手段で検出された姿勢に基づいて、前記操作子の操作量を補正する補正係数を変化させる補正係数変化手段と、前記補正係数を用いて、対応する前記操作子の操作量を補正する操作量補正手段とを具えるようにしている。
【0038】第8発明によれば、図8(b)に示すようにブーム11、アーム12がスキ取り作業を始める時(実線)は、θ1+θ2が小さくなり微操作性が要求されるので、同図(a)の記憶テーブル82に示すように開口補正量の大きい方(開口補正係数が小さくなる方)へ変更し、αiもしくはβiに忠実になるよう開口に補正をかけることができる。一方、同図(b)に示すようにブーム11、アーム12がスキ取り作業を終える時(点線)は、θ1+θ2が大きくなりスピードが要求されるので、同図(a)の記憶テーブル82に示すように開口補正量の小さい方(開口補正係数が大きくなる方)へ変更し、開口に補正をかけずにすむことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係る油圧駆動機械の制御装置の実施の形態について説明する。
【0040】なお、この実施の形態では、油圧駆動機械として、油圧ショベルのような建設機械を想定している。
【0041】図1は、油圧ショベルの制御装置の構成を示している。
【0042】同図に示すように、この装置は、図示せぬエンジンによって駆動され、制御部8から出力される駆動指令に応じて斜板傾転角が変化され、これによって吐出流量が変化される可変容量型の油圧ポンプ1と、2つの操作子としての操作レバー6,7にそれぞれ対応して設けられた2つの油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ2,3と、油圧ポンプ1と上記油圧シリンダ2,3との間の2つの圧油供給路31,32にそれぞれ設けられ、制御部8から出力される駆動指令信号S1,S2に応じて、その開口面積が変化され、その変化された開口面積に応じた流量の圧油を、それぞれ対応する油圧シリンダ2,3に供給する2つの操作弁としての流量制御弁4,5と、上記操作レバー6,7の操作量V1,V2を、後述するように補正する等の処理を行い、この補正された操作量に応じた駆動指令信号S1,S2を、それぞれ対応する流量制御弁4,5に対して出力し、それに応じて、それぞれ対応する油圧シリンダ2,3を駆動制御する制御部8とから構成されている。
【0043】上記操作レバー6は作業機たるブーム11(油圧シリンダ2に接続されている)を駆動させるための電気レバーであり、オペレータが操作した量に比例した電気信号を出力する。同様に操作レバー7は、作業機たるアーム12(油圧シリンダ3に接続されている)を駆動させるための電気レバーであり、オペレータが操作した量に比例した電気信号を出力するものである。
【0044】ブーム11の根元は、基台15のブラケットの所定箇所16に回動自在に配設されている。油圧シリンダ2のロッド先端はこのブーム11に固着されており、この油圧シリンダ2が伸縮駆動されることにより、ブーム11が回動支点16を回転中心に所望の回転角度θ1だけ回転されるようになっている。この回転角度θ1は、ブーム11の回動支点16に配設されたポテンショメータたる回転角度センサ13によって検出される。
【0045】一方、アーム12の根元部分は、ブーム11の先端部17に回動自在に配設されている。油圧シリンダ3のロッド先端はこのアーム12に固着されており、この油圧シリンダ3が伸縮駆動されることにより、アーム12が回動支点17を回転中心に所望の回転角度θ2だけ回転されるようになっている。この回転角度θ2は、アーム12の回動支点17に配設されたポテンショメータたる回転角度センサ14によって検出される。
【0046】上記回転角度センサ13、14の回転角θ1、θ2検出信号は、上記操作レバー6,7の操作量を示す電気信号V1,V2とともに、作業機11、12の位置・姿勢を示す情報として制御部8に入力され、図2に示される処理が実行される。
【0047】図2は、制御部8で行なわれる演算処理を説明するブロック図である。なお、この図2では、説明の便宜のため演算処理が各演算器で行われるものとして説明しているが、もちろん全てソフトウェアで処理するようにしてもよい。
【0048】いま、図2の矢印に示すように、操作レバー6がブーム用油圧シリンダ2を、操作レバー7がアーム用油圧シリンダ3をそれぞれ伸長させる方向に操作されている場合を想定する。
【0049】制御部8の流量検出手段8a1には、操作レバー6の操作量V1(操作方向の別はプラス、マイナスで表される)を示す信号とブームポテンショメータ13の検出信号θ1が入力される。そして、操作レバー6の操作方向(プラス、マイナス)に応じて、油圧シリンダ2の各油圧室のうち圧油が流入する側のシリンダロッド(ピストン)押圧面積が選択される。今、操作レバー6が伸張方向側に操作されているので、シリンダ押圧面積として、ボトム室側でシリンダロッドを押圧する面積Bが選択される。なお、操作レバー6が縮退方向側に操作されていれば、ヘッド室側でシリンダロッドを押圧する面積Hが選択される。
【0050】一方、予め制御部8内には、回転角度θ1とブームシリンダストロークCS1との対応関係が、回転角度θ1の値が大きくなるにつれてブームシリンダストロークCS1が小さくなるような関係をもって、記憶テーブルとして記憶されている。そこで、ブームポテンショメータ13の検出信号θ1によって、現在の回転角度θ1の大きさに対応するブームシリンダストロークCS1がこの記憶テーブルから読み出され、このCS1が微分されてブームシリンダ速度CS1′が求められる。次に面積Bとブームシリンダ速度CS1′が乗算されて流量Qr1が求められる。これにより、実際にブーム用油圧シリンダ2へ流入する流量Qr1を検出することができる。また、上記と同様に、流量検出手段8a2には、操作レバー7の操作量V2を示す信号とアームポテンショメータ14の検出信号θ2が入力される。そして、操作レバ−7の方向(伸長方向)に応じて、油圧シリンダ3のボトム室側でシリンダロッドを押圧する面積Bが選択される。同様に、予め制御部8内には、回転角度θ2とアームシリンダストロークCS2との対応関係が、回転角度θ2の値が大きくなるにつれてアームシリンダストロークCS2が大きくなるような関係をもって、記憶テーブルとして記憶されている。そこで、アームポテンショメータ14の検出信号θ2によって、現在の回転角度θ2の大きさに対応するブームシリンダストロークCS2がこの記憶テーブルから読み出され、このCS2が微分されてアームシリンダ速度CS2′が求められる。次に面積Bとアームシリンダ速度CS2′が乗算されて流量Qr2が求められる。これにより、実際にアーム用油圧シリンダ3へ流入する流量Qr2を検出することができる。
【0051】制御部8の流量記憶手段8b1、8b2には、操作子たる操作レバー6、7の操作量を示す信号V1,V2と目標流量Qm1、Qm2との対応関係が、操作量V1,V2が伸長方向に大きくなるにつれて流量Qm1、Qm2が大きくなるような関係をもって、また操作量V1,V2が縮退方向に大きくなるにつれて流量Qm1、Qm2が大きくなるような関係をもって、記憶テーブルとしてそれぞれ記憶されている。このように、オペレータの操作に応じた油圧アクチュエータへの目標流量が記憶されている。
【0052】制御部8の開口面積記憶手段8h1、8h2には、操作子たる操作レバー6、7の操作量を示す信号V1,V2と流量制御弁4、5の開口面積A1、A2との対応関係が、操作量V1,V2が伸長方向に大きくなるにつれて開口面積A1、A2が大きくなるような関係をもって、また操作量V1,V2が縮退方向に大きくなるにつれて開口面積A1、A2が大きくなるような関係をもって、記憶テーブルとしてそれぞれ記憶されている。
【0053】制御部8の第1の比率配分係数算出手段8cでは、上記流量検出手段8a1、8a2で検出された油圧シリンダ2、3へ流入する圧油の実際の流量の合計値に対する個々の油圧シリンダ(iで特定される)へ流入する圧油の実際の流量の比率配分が、第1の比率配分係数kriとして下記(1)式のごとく算出される。なお、下記(1)式では、n個分の油圧アクチュエータを想定した一般式となっている。本実施形態ではn=2となる。
【0054】
kri=Qri/(Qr1+…Qri+…Qrn) …(1)
すなわち、まず、流量検出手段8a1および8a2で演算された各油圧シリンダ2、3への実際の流量Qr1、Qr2が加算されて合計流量ΣQrが求められる。そして、ブーム11についての係数kr1は、流量検出手段8a1で検出された流量Qr1が上記で求められたΣQrによって除算されることにより算出される(Qr1/ΣQr)。同様に、アーム12についての係数kr2は、流量検出手段8a2で検出された流量Qr2が上記で求められたΣQrによって除算されることにより算出される(Qr2/ΣQr)。
【0055】制御部8の第2の比率配分係数算出手段8dでは、流量記憶手段8b1、8b2から読み出されたすべての目標流量の合計値に対する個々の操作レバー(iで特定される)に応じた目標流量の比率配分が、第2の比率配分係数kmiとして下記(2)式のごとく算出される。
【0056】
kmi=Qmi/(Qm1+…Qmi+…Qmn) …(2)
すなわち、まず、流量記憶手段8b1および8b2から、各操作レバーの操作量V1、V2に対応する流量Qm1、Qm2がそれぞれ読み出され、これらが加算されて合計流量ΣQmが求められる。そして、ブーム11についての係数km1は、流量記憶手段8b1から読み出された流量Qm1が、上記で求められたΣQmによって除算されることにより算出される(Qm1/ΣQm)。同様に、アーム12についての係数km2は、流量記憶手段8b2から読み出された流量Qm2が、上記で求められたΣQmによって除算されることにより算出される(Qm2/ΣQm)。
【0057】制御部8の比率配分開口補正係数算出手段8e1、8e2では、上記第2の比率配分係数算出手段8dで算出された第2の比率配分係数km1、km2を、上記第1の比率配分係数算出手段8cで算出された第1の比率配分係数kr1、kr2でそれぞれ除算することによって比率配分開口補正係数α1、α2が、下記(3)式のごとく算出される。
【0058】αi=kmi / kri …(3)
制御部8の開口補正係数制限手段8f1、8f2では、開口補正係数算出手段8e1、8e2で算出された比率配分開口補正係数α1、α2が、1より大きければ1に制限される。
【0059】制御部8の開口面積補正手段8g1、8g2では、開口面積記憶手段8h1、8h2から、操作量信号V1、V2に対応する流量制御弁4、5の開口面積A1、A2が読み出され、この開口面積A1、A2に上記開口補正係数制限手段8f1、8f2から出力された比率配分開口補正係数α1、α2が乗算されることによって、下記(4)式に示すごとく、開口面積A1がα1×A1=A1′と、開口面積A2がα2×A2=A2′となるようそれぞれ補正される。これら補正開口面積A1´、A2´に対応する駆動指令信号S1、S2が、流量制御弁4、5に対してそれぞれ出力される。
【0060】Ai´=Ai・αi …(4)
すなわち、駆動指令信号S1、S2が、ブーム用流量制御弁4のメインスプールを駆動する電磁比例パイロット弁9、アーム用流量制御弁5のメインスプールを駆動する電磁比例パイロット弁10の各ソレノイドに対してぞれぞれ加えられる。この結果、これらパイロット弁9、10から、各入力電気信号に比例するパイロット圧が、流量制御弁4、5に対してそれぞれ加えられ、流量制御弁4、5の各メインスプールが、上記補正開口面積A1′、A2′になるように駆動される。そして、これらの補正開口面積A1′、A2′に応じて補正された流量の圧油が、流量制御弁4、5からそれぞれブーム用油圧シリンダ2、およびアーム用油圧シリンダ3へ供給される。
【0061】以上の内容を具体的な数値を挙げて説明する。
【0062】いま、オペレータがブーム上げとアーム掘削に対応するレバー6、7の操作を行い、レバー6からの操作信号V1に対応するブーム流量Qm1=100 l/minが、流量記憶手段8b1から読み出され、レバー7からの操作信号V2に対応するアーム流量Qm2=120 l/minが、流量記憶手段8b2から読み出されたものとする。このとき、アームにかかる負荷はレバーの操作量相当で、実際の流量Qr2が流量検出手段8a2によって120 l/minと検出され、ブームにかかる負荷は軽かったために実際の流量Qr1が流量検出手段8a1によって150 l/minと検出されたものとする。
【0063】すると、(1)式より、ブームの第1の比率配分係数kr1=150/270=0.56が求められ、同様に、アームの第1の比率配分係数kr2=120/270=0.44が求められる。
【0064】一方、(2)式より、ブームの第2の比率配分係数km1=100/220=0.45が求められ、同様に、アームの第2の比率配分係数km2=120/220=0.55が求められる。
【0065】次に、(3)式より、ブームの比率配分開口補正係数α1=0.45/0.56=0.80が求められ、同様に、アームの比率配分開口補正係数α2=0.55/0.44=1.25が求められる。
【0066】開口補正係数設定手段8f1、8f2では、算出された上記比率配分開口補正係数α1,α2が1より大きければ1に設定されるので、開口補正係数α2は1となる。
【0067】そして、開口面積補正手段8g1、8g2では、(4)式により、ブームの補正開口面積A1′=α1×A1=0.8×A1=0.8A1が求められ、同様に、アームの補正開口面積A2′=α2×A2=1.0×A2=A2が求められ、これら補正開口面積A1´、A2´に応じた駆動指令信号S1、S2が流量制御弁4、5にそれぞれ出力される。
【0068】このため、ブーム用流量制御弁4の開口面積A1´は、上記補正開口面積0.8A1となり、操作量V1に応じた本来の開口面積A1の80%になるまで絞られ、負荷が比較的小さいブーム用油圧シリンダ2側へ供給される圧油の流量が制限される。一方、アーム用流量制御弁5の開口面積A2´は、操作量V2に応じた本来の開口面積A2のままであり、負荷が比較的大きいアーム用油圧シリンダ3側へ供給される圧油の流量は制限されない。
【0069】このようにして、従来と同様の「圧力補償制御」がなされる。
【0070】以上説明した実施の形態によれば、流量記憶手段8b1、8b2に、操作量信号V1,V2と目標流量Qm1、Qm2との対応関係を記憶テーブルとして記憶しているが、もし、操作量に対する目標流量の割合と、操作量に対する開口面積の割合が全く同一であれば、図3に示すように、開口面積から第2の比率配分係数km1、km2を直接算出してもよい。
【0071】一般に、油圧回路では、Qを流量制御弁の絞りを通過する流量、cを流量定数、Aを絞りの開口面積、ΔPを絞りの前後差圧として、次式(5)が成立する。
Q=c・A・√(ΔP) …(5)
上記(5)式からもわかるようにQとAは比例関係にあるので、目標流量の比率配分Qmi/ΣQmと開口面積の比率配分Ai/ΣAは同じ値となる。
【0072】図3の第2の比率配分係数算出手段8dでは、開口面積記憶手段8h1、8h2から読み出されたすべての開口面積の合計値に対する個々の操作レバー(iで特定される)に応じた開口面積の比率配分が、第2の比率配分係数kmiとして下記(2)′式のごとく算出される。
【0073】
kmi=Ai/(A1+…Ai+…An) …(2)′すなわち、まず、開口面積記憶手段8h1および8h2から、各操作レバーの操作量V1、V2に対応する開口面積A1、A2がそれぞれ読み出され、これらが加算されて合計開口面積ΣAが求められる。そして、ブーム11についての係数km1は、開口面積記憶手段8h1から読み出された開口面積A1が、上記で求められたΣAによって除算されることにより算出される(A1/ΣA)。同様に、アーム12についての係数km2は、開口面積記憶手段8h2から読み出された開口面積A2が、上記で求められたΣAによって除算されることにより算出される(A2/ΣA)。
【0074】よって、流量記憶手段8b1、8b2を用いなくても係数km1、km2を算出することが可能となる。
【0075】図4は、図2、図3と異なる別の実施構成図である。
【0076】図2では、比率配分開口補正係数算出手段8e1、8e2において、上記第2の比率配分係数km1、km2を、上記第1の比率配分係数kr1、kr2で除算することによって比率配分開口補正係数α1(km1/kr1)、α2(km2/kr2)を算出しているが、流量検出手段8a1、8a2で検出された実際の流量Qr1、Qr2で、流量記憶手段8b1、8b2から読み出された目標流量Qm1、Qm2を直接除算することによって、流量制御弁4、5の開口面積を補正する開口補正係数を算出してもよい。
【0077】同図4に示すように、絶対開口補正係数算出手段8e1´、8e2´では、流量記憶手段8b1、8b2から読み出された目標流量Qm1、Qm2が、流量検出手段8a1、8a2で検出された流量Qr1、Qr2で直接除算されることによって、下記(6)式のごとく、絶対開口補正係数β1、β2がそれぞれ算出される。
【0078】βi=Qmi / Qri …(6)
である。
【0079】開口面積補正手段8g1、8g2では、上記(4)式と同様に、補正開口面積Ai´が下記(7)式のごとく算出される。
【0080】Ai´=Ai・βi …(7)
以上の内容を具体的な数値を挙げて説明する。
【0081】いま、オペレータがブーム上げとアーム掘削に対応するレバー6、7の操作を行い、レバー6からの操作信号V1に対応するブーム流量Qm1=100 l/minが、流量記憶手段8b1から読み出され、レバー7からの操作信号V2に対応するアーム流量Qm2=120 l/minが、流量記憶手段8b2から読み出されたものとする。このとき、アームにかかる負荷はレバーの操作量相当で、実際の流量Qr2が流量検出手段8a2によって120 l/minと検出され、ブームにかかる負荷は軽かったために実際の流量Qr1が流量検出手段8a1によって150 l/minと検出されたものとする。
【0082】すると、(6)式より、ブームの絶対開口補正係数β1=100/150 =0.67が求められ、同様に、アームの絶対開口補正係数β2=120/120 =1.00が求められる。
【0083】そして、開口面積補正手段8g1、8g2ではそれぞれ、(7)式より、ブームの補正開口面積A1′=β1×A1=0.67×A1=0.67A1が求められ、同様に、アームの補正開口面積A2′=β2×A2=1.00×A2=A2が求められ、これら補正開口面積A1´、A2´に応じた駆動指令信号S1、S2が流量制御弁4、5にそれぞれ出力される。
【0084】このため、ブーム用流量制御弁4の開口面積A1´は、上記補正開口面積0.67A1となり、操作量V1に応じた本来の開口面積A1の67%になるまで絞られ、負荷が比較的小さいブーム用油圧シリンダ2側へ供給される圧油の流量が制限される。一方、アーム用流量制御弁5の開口面積A2´は、操作量V2に応じた本来の開口面積A2のままであり、負荷が比較的大きいアーム用油圧シリンダ3側へ供給される圧油の流量は制限されない。すなわち、圧油の流量はレバーなりに制限される。
【0085】また、図4の実施構成によれば、図2に示す実施構成と比較して構成要素を簡易にすることが可能である。
【0086】さて、図5に示すように切換選択用のスイッチ51〜54を設け、比率配分開口補正係数αか、もしくは絶対開口補正係数βかの何れかの係数を、切り換え、選択できるようにしてもよい。
【0087】同図5に示すように、スイッチ51は流量検出手段8a1と第1の比率配分係数算出手段8cとの間に設けられ、スイッチ52は流量記憶手段8b1と第2の比率配分係数算出手段8dとの間に設けられ、スイッチ53は流量検出手段8a2と第1の比率配分係数算出手段8cとの間に設けられ、スイッチ54は流量記憶手段8b2と第2の比率配分係数算出手段8dとの間に設けられている。
【0088】この図5に示す実施形態によれば、いまオペレータが、スイッチ51〜54をを手動操作して、αを選択する方向へ切り換えられると、前述した図2の実施形態と同じ構成に切り換わり、比率配分開口補正係数αを用いて流量制御弁4、5の開口面積の補正が行われる。
【0089】一方、オペレータが、スイッチ51〜54を手動操作して、βを選択する方向に切り換えられると、前述した図4の実施形態と同じ構成に切り換わり、絶対開口補正係数βを用いて流量制御弁4、5の開口面積の補正が行われる。
【0090】このようにスイッチにより、比率配分開口補正係数αを用いて流量制御弁の開口面積の補正を行うか、絶対開口補正係数βを用いて流量制御弁の開口面積の補正を行うかを、切り換え、選択できるようにしたので、状況に応じて、レバーなりの圧力補償をかけることができる。
【0091】上記スイッチ51〜54を、手動スイッチで構成するのではなく、操作レバーの操作量の大きさに応じて、自動的に切換え、選択されるスイッチとしてもよい。すなわち、図6の操作レバー6、7の操作量と流量制御弁4、5の開口面積Aiの対応関係に示されるように、しきい値Scが予め設定しておかれ、レバー操作量Viがこのしきい値Scに達したら開口補正係数がβiからαiに切り換え、選択される。
【0092】図6(a)は、しきい値Scを、操作量零(中立位置)からフルレバー位置までの中間位置に設定した場合を例示している。
【0093】図6(b)は、しきい値Scを、フルレバー位置に設定した場合を例示している。
【0094】ここに、レバー操作量が小さいうち(いわゆるファインコントロール域)にあっては、微操作性よくレバー操作量どうりにアクチュエータを動かし、レバー操作量が大きく(フルレバー位置)不飽和状態では、ある程度「負荷なり」にして、多くの流量を流してオペレータの操作感覚に合致させたいとの要請がある。
【0095】すなわち、レバー操作量が小さいうちは、前例で算出した比率配分開口補正係数α=0.8を用いて開口を本来の開口面積の80パーセントになるまで絞り、レバー操作量が大きく不飽和状態では、同じく前例で算出した絶対配分開口補正係数β=0.67を用いて開口を本来の開口面積の67パーセントになるまで絞るようにする。
【0096】図6に示す実施形態では、レバー操作量が小さいうちは、油圧ポンプの吐出量が飽和していないので、絶対開口補正係数βが選択され、この開口補正係数βを用いて流量制御弁4、5の開口面積の補正が行われので、微操作性が向上しており、またレバー操作量が大きい(フルレバー位置)ときは、比率配分開口補正係数αが選択され、この開口補正係数αを用いて流量制御弁4、5の開口面積の補正が行われるので、不飽和時におけるある程度「負荷なり」の制御がなされ、多くの流量を流したいというオペレータの操作感覚に合致しており、上記要請に応えることができる。
【0097】なお、図6において、αiとβiは入れ換えてもよい。
【0098】さて、図2〜図5に示す開口補正係数制限手段8f1、8f2では、αi、βiの大きさを1より大きくならないように、つまり、補正開口面積Ai´が、操作レバー6,7の操作量に応じた本来の開口面積Aiよりも大きくならないように制限しているが、図7に示すように、開口補正係数αi、βiの最大値が1となるように操作レバーの操作量Viと開口補正係数αi、βiとの対応関係を、記憶テーブル80に予め記憶しておき、この記憶テーブル80から読み出された開口補正係数αi、βiの大きさと、開口補正係数算出手段8e1″、8e2″で算出された開口補正係数αi、βiの大きさを、比較手段81で比較し、大きい方の開口補正係数αi、βiを、開口面積補正手段8g1、8g2に出力するようにしてもよい。このようにしても、αi、βiの大きさを1より大きくならないように、つまり、補正開口面積Ai´が、操作レバー6,7の操作量に応じた本来の開口面積Aiよりも大きくならないように制限することができる。
【0099】また、上述した実施形態ではポテンショメータ13、14で作業機11、12の姿勢を検出していることから、作業機の姿勢により開口面積の補正量を変更するようにしてもよい。
【0100】図8(a)(b)は、開口面積の補正を図2〜図5とは異なる処理で行う場合を例示したものである。
【0101】同図に示すように、開口補正係数αi、βiの最大値が1となるようブーム11、アーム12の回転角度の合計θ1+θ2と開口補正係数αi、βiとの対応関係を、記憶テーブル82に予め記憶しておき、この記憶テーブル82から読み出された開口補正係数αi、βiの大きさと、開口補正係数算出手段8e1″、8e2″で算出された開口補正係数αi、βiの大きさを、比較手段81で比較し、大きい方の開口補正係数αi、βiを、開口面積補正手段8g1、8g2に出力するようにしている。
【0102】かかる構成によれば、同図(b)に示すようにブーム11、アーム12がスキ取り作業を始める時(実線)は、θ1+θ2が小さくなり微操作性が要求されるので、同図(a)の記憶テーブル82に示すように開口補正量の大きい方(開口補正係数が小さくなる方)へ変更し、αiもしくはβiに忠実になるよう開口に補正をかけることができる。一方、同図(b)に示すようにブーム11、アーム12がスキ取り作業を終える時(点線)は、θ1+θ2が大きくなりスピードが要求されるので、同図(a)の記憶テーブル82に示すように開口補正量の小さい方(開口補正係数が大きくなる方)へ変更し、開口に補正をかけずにすむことができる。
【0103】なお、同図(a)の記憶テーブル82において、θ1+θ2の代わりにθ2のみで作業機の姿勢を判断するようにしてもよい。
【0104】また、以上説明した実施形態では、油圧ショベルのような建設機械を想定して説明したが、もちろん任意の油圧駆動機械に適用可能である。また、主に、ブーム、アームといった2つの作業機の制御に適用されることを想定したが、3以上の作業機に適用することも当然可能である。
【0105】なお、油圧アクチュエータとして、主に油圧シリンダを想定して説明したが、旋回体駆動用、走行用などに用いる油圧モータに対しても同様に本発明は適用可能である。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【出願日】 平成10年(1998)2月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久 (外1名)
【公開番号】 特開平11−230109
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−26113