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【発明の名称】 再生回路
【発明者】 【氏名】嶋田 佳幸

【要約】 【課題】再生回路に必要なアンロード弁にて最適な作動圧を設定できるようにする。

【解決手段】油圧ショベルのコントロール弁1とアームシリンダ5とを、ヘッドライン4とロッドライン8とにより接続する。これらのライン4,8間に再生弁12を設ける。この再生弁12は、コントロール弁1からヘッドライン4に作動油を供給したときのみ作動し、アームシリンダ5からロッドライン8へ流出した作動油をヘッドライン4に再生する。ロッドライン8とタンク20との間に、パイロット信号により作動するアンロード弁16を設ける。再生弁12にパイロット信号制御部21を一体的に設ける。パイロット信号制御部21は、ヘッドライン4からアンロード弁16にわたって配設したパイロット信号ライン17a ,17b を、再生弁12の作動時に連通し、再生弁12の非作動時に遮断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作動流体を方向制御するコントロール弁と、コントロール弁を経た作動流体により作動される流体圧アクチュエータと、コントロール弁と流体圧アクチュエータとを接続する一方の管路および他方の管路と、一方の管路と他方の管路との間に設けられコントロール弁から一方の管路に作動流体が供給されたときのみ作動して流体圧アクチュエータから他方の管路へ流出した作動流体を一方の管路に再生する再生弁と、他方の管路とタンクとの間に設けられアンロード用のパイロット信号により作動するアンロード弁と、一方の管路からアンロード弁にわたって配設されたアンロード用のパイロット信号ラインを再生弁の作動時に連通するとともに再生弁の非作動時に遮断するパイロット信号制御部とを具備したことを特徴とする再生回路。
【請求項2】 パイロット信号制御部は、再生弁に一体的に設けられたことを特徴とする請求項1記載の再生回路。
【請求項3】 パイロット信号制御部は、コントロール弁に一体的に設けられたことを特徴とする請求項1記載の再生回路。
【請求項4】 油圧ショベルのアームシリンダにおけるロッドラインからヘッドラインへ作動油を再生する油圧回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の再生回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械などに用いられる再生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に示されるように、油圧ショベルは、下部走行体aに旋回部bを介して上部旋回体cが旋回自在に設けられ、この上部旋回体cにフロント作業機dが設けられている。
【0003】このフロント作業機dは、上部旋回体cにブームeの基端が回動自在に軸支され、このブームeの先端にアームfが回動自在に軸支され、このアームfの先端にバケットgが回動自在に軸支されている。
【0004】ブームeはブームシリンダhにより、アームfはアームシリンダiにより、バケットgはバケットシリンダjにより、それぞれ回動される。
【0005】以下の説明にて、アーム・インという語句は、この油圧ショベルにおけるアームシリンダiを伸び方向に動作させて、アームfをキャブkの位置する方向に引寄せる動きを意味する。また、アーム・アウトという語句は、アームシリンダiを縮み方向に動作させて、アームfをキャブkから遠ざける方向に回動する動きを意味する。
【0006】図4は、従来のパイロット作動式コントロール弁にアーム・イン再生回路が設けられた油圧回路の一例を示すものである。なお、以下の説明で、ラインはアクチュエータを作動する作動油または弁を作動するパイロット油の油路を意味する。
【0007】この従来の油圧回路は、パイロット作動式コントロール弁1のアーム切換メインスプール1aにおいて、アーム伸び作動用パイロットライン2にパイロット圧が供給されると、このメインスプール1aは紙面の右方向にスライドして切換り、油圧源3より供給された圧油がシリンダヘッド側のメインライン(以下、このメインラインを「ヘッドライン」という)4を通って、アームシリンダ5のヘッド室6に流入し、ロッド室7内の油がシリンダロッド側のメインライン(以下、このメインラインを「ロッドライン」という)8を経てタンクライン9へ流出することにより、ロッド10が伸び方向(右方向)へ動く。
【0008】この時、アーム伸び作動用パイロットライン2から分岐したパイロットライン11を通ってパイロット圧がアーム再生弁12のパイロット圧作用室に供給されると、このアーム再生弁12の再生スプールが紙面の上方に切換わるので、ヘッド室6の内圧がロッド室7の内圧より低い場合、例えばアーム・イン操作でアームfを自重下降させる場合は、ロッド室7からの戻り油の一部がライン13および逆止弁14を通り、さらにアーム再生弁12を経てアームシリンダ5のヘッド室6に流入されるため、この再生回路のない場合に比べ、ヘッド室6への供給油量が多くなり、アーム伸び速度を速くすることができる。
【0009】この際、ロッド室7側からヘッド室6側への再生油をより多くし、再生効果を高めるため、通常はメインスプール1aの戻り油制御開口部15を十分に小さく絞っているが、ヘッドライン4の圧力がロッドライン8の圧力より高くなって、逆止弁14により再生油がブロックされ、再生が行われなくなると、メインスプール1aの戻り油制御開口部15における絞り部通過油量が増大して、ロッドライン8に過大なブースト圧が発生する。
【0010】この過大ブースト圧の発生を防ぐ目的で、ヘッドライン4の圧力がある一定値を越えると、ロッドライン8の油をタンクへリリーフさせるアンロード弁16を具備している。
【0011】このアンロード弁16は、ヘッドライン4から分岐されたアンロード用のパイロット信号ライン17で導かれた作動圧が、スプリング18の付勢力を調整して設定された設定圧を上回ったときに作動して、ロッドライン8の油をタンク20へ排出する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この従来の油圧回路にて、図示されないリモコン弁を手動操作してアーム縮み作動用パイロットライン2aにパイロット圧を供給して、アーム・アウト操作を行なう場合、アンロード弁16の作動圧がヘッドライン4に発生する圧力よりも低く設定されていると、アーム・アウト操作時に圧油供給ラインとなるロッドライン8が、アンロード弁16の作動によりタンクライン19へ瞬間的に導通することがある。
【0013】この場合、アームシリンダ5のロッド室7の圧力が低下し、シリンダ速度の急変が発生し、結果的にアームシリンダ5の振動などの不具合を起こしてしまうので、通常は、アンロード弁16の作動圧を、アーム・アウト操作時に発生しうるヘッドライン4の圧力よりも十分に高い圧力に設定せざるを得ない。
【0014】このため、前述のような本来のアーム・イン操作時のアンロード弁16の機能、すなわちアーム・イン操作時の非再生時のロッドライン8での過大ブースト圧の発生をアンロード弁16にて回避する機能がかなり制約を受け、メインスプール1aの戻り油制御開口部15をあまり絞れなくなる。
【0015】つまり、アーム・イン操作時に戻り油制御開口部15を経てタンクライン9に排出される油量が多くなり、再生油をより多くして再生効果を十分に高めることができない。
【0016】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、再生回路に必要なアンロード弁にて最適な作動圧を設定できるようにすることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発明は、作動流体を方向制御するコントロール弁と、コントロール弁を経た作動流体により作動される流体圧アクチュエータと、コントロール弁と流体圧アクチュエータとを接続する一方の管路および他方の管路と、一方の管路と他方の管路との間に設けられコントロール弁から一方の管路に作動流体が供給されたときのみ作動して流体圧アクチュエータから他方の管路へ流出した作動流体を一方の管路に再生する再生弁と、他方の管路とタンクとの間に設けられアンロード用のパイロット信号により作動するアンロード弁と、一方の管路からアンロード弁にわたって配設されたアンロード用のパイロット信号ラインを再生弁の作動時に連通するとともに再生弁の非作動時に遮断するパイロット信号制御部とを具備した再生回路である。
【0018】そして、コントロール弁から一方の管路に作動流体が供給されたときは、再生弁が作動して、流体圧アクチュエータから他方の管路へ流出した作動流体が再生弁を経て一方の管路に再生される。このときは、パイロット信号制御部により一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインが連通しているから、一方の管路の流体圧がアンロード弁の設定圧よりも高まるとアンロード弁が作動し、他方の管路からタンクへ作動流体が排出される。
【0019】一方、コントロール弁から他方の管路に作動流体が供給されたときは、再生弁が作動せず、他方の管路と一方の管路との間は再生弁により遮断される。このときは、パイロット信号制御部により一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインも遮断され、アンロード弁が作動しないから、コントロール弁から他方の管路に作動流体を供給するときに一方の管路に発生する圧力とは無関係に、このアンロード弁の作動圧を、再生効果を十分に高めるのに必要な値に設定できる。
【0020】請求項2に記載された発明は、請求項1記載の再生回路におけるパイロット信号制御部が、再生弁に一体的に設けられたものである。
【0021】そして、パイロット信号制御部は、再生弁と一体的に切換作動され、再生弁が作動して、流体圧アクチュエータから他方の管路へ流出した作動流体が一方の管路に再生されるときは、パイロット信号制御部により一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインが連通し、また、再生弁が作動せず、他方の管路と一方の管路との間が再生弁により遮断されたときは、一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインもパイロット信号制御部により遮断される。
【0022】請求項3に記載された発明は、請求項1記載の再生回路におけるパイロット信号制御部が、コントロール弁に一体的に設けられたものである。
【0023】そして、パイロット信号制御部は、コントロール弁と一体的に切換作動され、コントロール弁が一方の管路を経て流体圧アクチュエータに作動流体を供給する側へ作動したときは、再生弁が作動して、流体圧アクチュエータから他方の管路へ流出した作動流体が一方の管路に再生されるとともに、パイロット信号制御部により一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインが連通し、また、コントロール弁が他方の管路を経て流体圧アクチュエータに作動流体を供給する側へ作動したときは、再生弁が作動せず、他方の管路と一方の管路との間が再生弁により遮断されるとともに、一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインもパイロット信号制御部により遮断される。
【0024】請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の再生回路が、油圧ショベルのアームシリンダにおけるロッドラインからヘッドラインへ作動油を再生する油圧回路である。
【0025】そして、コントロール弁からヘッドラインに作動油が供給されたアーム・イン操作時は、再生弁が作動するとともに、パイロット信号制御部によりヘッドラインからアンロード弁へのパイロット信号ラインが連通しているから、ヘッドラインの作動油圧がアンロード弁の設定圧よりも高まるとアンロード弁が作動し、ロッドラインからタンクへ作動油が排出される。
【0026】一方、コントロール弁からロッドラインに作動油が供給されたアーム・アウト操作時は、再生弁が作動しないとともに、パイロット信号制御部によりヘッドラインからアンロード弁へのパイロット信号ラインも遮断され、アンロード弁が作動しないから、コントロール弁からロッドラインに作動油を供給するときにヘッドラインに発生する圧力とは無関係に、このアンロード弁の作動圧を、再生効果を十分に高めるのに必要な値に設定できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建設機械の油圧回路を、図1に示された実施の一形態、図2に示された実施の他の形態をそれぞれ参照しながら説明する。なお、図4に示された従来の回路と同様の部分には同一符号を付して、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明で、ラインは、アクチュエータを作動する作動油または弁を作動するパイロット油の油路を意味する。
【0028】先ず、図1に示された実施形態について説明する。
【0029】パイロット作動式アーム制御用コントロール弁(以下、コントロール弁という)1のアーム切換メインスプール1aに対する左右のパイロット圧作用室には、アーム・イン操作されたリモコンバルブ(図示せず)からパイロット圧の供給を受けるアーム伸び作動用パイロットライン2と、アーム・アウト操作されたリモコンバルブ(図示せず)からパイロット圧の供給を受けるアーム縮み作動用パイロットライン2aとがそれぞれ連通されている。
【0030】上記コントロール弁1は、その作動油供給ポートに油圧源3が連通され、一方の出力ポートに、一方のメインの管路としてのヘッドライン4を経て、流体圧アクチュエータとしてのアームシリンダ5のヘッド室6が連通され、他方の出力ポートに、アームシリンダ5のロッド室7が、他方のメインの管路としてのロッドライン8を経て連通され、排油ポートにタンクライン9が接続されている。
【0031】アームシリンダ5のロッド室7から突出されたピストンロッド10の先端には、アームf、バケットgなどの自重およびバケット内土砂などの荷重がアーム・イン方向の負荷Wとして作用する。
【0032】アーム伸び作動用パイロットライン2からパイロットライン11が分岐され、このパイロットライン11は、アーム用の再生弁(以下、アーム再生弁という)12の再生スプールの一端に対向するパイロット圧作用室に連通されている。
【0033】このアーム再生弁12は、再生スプールの摺動により切換わり、ロッドライン8から分岐されたライン13を、逆止弁14および再生弁内通路を経て、ヘッドライン4に連通する位置aと、この連通を遮断する位置bとを少なくとも有する。
【0034】メインスプール1aには、ロッドライン8からアーム再生弁12を経てヘッドライン4へ作動油を再生する再生効果を高めるため、十分に小さく絞られた戻り油制御開口部15が設けられている。
【0035】この戻り油制御開口部15での絞り抵抗があるため、ヘッドライン4の圧力上昇により逆止弁14がロックされて再生が行われなくなった非再生時に、ロッドライン8に過大なブースト圧が発生するおそれがあるため、それを防止するために、このロッドライン8には、ヘッドライン4の圧力がある一定値を越えると、ロッドライン8の油をタンクへ排出するためのアンロード弁16が接続されている。
【0036】このアンロード弁16は、次に述べるようにヘッドライン4からアンロード用のパイロット信号ライン17a ,17b により導かれる作動圧が、ねじなどにより調整可能のスプリング18により設定された設定圧を上回ると、アンロード作動して、ロッドライン8をタンクライン19に連通する。このタンクライン19はタンク20に接続されたドレン油路である。
【0037】アーム再生弁12にはアンロード用のパイロット信号制御部21が一体的に設けられている。このパイロット信号制御部21は、ヘッドライン4からアンロード弁16にわたって配設されたアンロード用のパイロット信号ライン17a ,17b をアーム再生弁12の作動時に連通するとともにアーム再生弁12の非作動時に遮断するものである。
【0038】すなわち、アンロード用のパイロット信号制御部21は、前記アーム再生弁12の再生スプールに、アンロード弁16へのパイロット信号を連通するパイロット信号連通部22a と、アンロード弁16へのパイロット信号を遮断するパイロット信号遮断部22b とを有しており、ヘッドライン4から分岐されたパイロット信号ライン17a と、アンロード弁16に接続されたパイロット信号ライン17b との間に、これらのパイロット信号連通部22a またはパイロット信号遮断部22b が介在される。
【0039】パイロット信号連通部22a によりパイロット信号ライン17a ,17b を連通し、また、パイロット信号遮断部22b で、パイロット信号ライン17a ,17b を遮断すると同時に、内部通路25により、アンロード弁16に接続されたパイロット信号ライン17b と、タンク20に連通されたドレンライン26とを連通する。
【0040】なお、アーム再生弁12の再生スプールは、パイロットライン11にパイロット圧がないときは、反対側に設けられたリターンスプリング27により図1に示された状態に復帰する。
【0041】このように、アーム・イン回路に代表される再生回路にはアンロード弁16も必要であるが、このアンロード弁16へのパイロット信号ライン17b は、アーム再生弁12の再生作動時のみ、アーム再生弁12と一体作動するパイロット信号制御部21のパイロット信号連通部22a を経てアームシリンダ5のヘッドライン4側のパイロット信号ライン17a に連通され、アーム再生弁12が図1に示されたスプリングリターン状態にあるときは、パイロット信号制御部21の内部通路25を経てドレンライン26に連通される回路構成である。
【0042】次に、この図1に示された実施形態の作用を説明する。なお、図4に示された従来例と同様の部分の作用は、既に詳細に説明してあるので、ここでは、その作用説明を省略する。
【0043】アーム伸び作動用パイロットライン2にパイロット圧が供給され、メインスプール1aの切換作動により油圧源3の圧油がヘッドライン4を通ってアームシリンダ5のヘッド室6に流入するとともに、ロッド室7内の油がロッドライン8を経てタンクライン9へ流出する時は、アーム伸び作動用パイロットライン2から分岐したパイロットライン11を通ってパイロット圧がアーム再生弁12に作用して、このアーム再生弁12の再生スプールが図1の上方に切換わる。
【0044】このとき、ヘッドライン4がロッドライン8より低圧の間は、ロッド室7からロッドライン8に流出した戻り油の一部が、ライン13および逆止弁14を通り、さらにアーム再生弁12の位置aの内部通路を経てアームシリンダ5のヘッド室6に流入する再生作用がなされる。
【0045】このアーム再生弁12の作動時に、アームシリンダ5のヘッドライン4からアンロード弁16へのパイロット信号ライン17a ,17b は、パイロット信号連通部22aを経て連通する。
【0046】一方、アーム再生弁12が図1に示された非作動状態にあるときは、ヘッドライン4からアンロード弁16へのパイロット信号ライン17a ,17b は、パイロット信号遮断部22b により遮断されるとともに、パイロット信号ライン17b が、パイロット信号制御部21の内部通路25により、ドレンライン26と連通する。
【0047】このように、アンロード弁16は、アーム再生弁12が作動するアーム・イン操作時のみ作動しうるようにし、アーム再生弁12が作動しないメインスプール1aの中立時およびアーム・アウト操作時は、アンロード弁16のパイロット信号ライン17b は、パイロット信号制御部21の内部通路25を介してドレンライン26に連通しているので、アームシリンダ5のヘッド圧如何に拘わらずアンロード弁16が作動することはない。
【0048】したがって、アンロード弁16の作動圧は、従来のようにアーム・アウト操作時に発生しうるアームシリンダ5のヘッド圧よりも十分に高く設定する必要はなく、アンロード弁16の本来の機能を十分に発揮できる。このため、メインスプール1aの戻り油制御開口部15を、再生効果を十分に高めるのに必要なだけ絞ることが可能となった。
【0049】すなわち、アーム・イン操作時に戻り油制御開口部15を経てタンクライン9に排出される油量を十分に絞り、その分、ロッドライン8からライン13、逆止弁14およびアーム再生弁12を経てアームシリンダ5のヘッド室6に再生される再生油をより多くし、十分な再生効果を得ることができる。
【0050】次に、図2に示された本発明に係る実施形態について説明する。なお、1〜20までの構成は、図1に示された実施形態と同様であるから、それらの部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0051】コントロール弁1にアンロード用のパイロット信号制御部21が一体的に設けられている。このパイロット信号制御部21は、ヘッドライン4からアンロード弁16にわたって配設されたパイロット信号ライン17a ,17b を、アーム再生弁12の作動時に連通するとともにアーム再生弁12の非作動時に遮断するものである。
【0052】すなわち、パイロット信号制御部21は、前記コントロール弁1のアーム切換メインスプール1aに、アンロード弁16へのパイロット信号を連通するパイロット信号連通部22a と、アンロード弁16へのパイロット信号を遮断するパイロット信号遮断部22b ,22c とが、それぞれ一体的に追加設置されており、ヘッドライン4から分岐されたパイロット信号ライン17a と、前記アンロード弁16に接続されたパイロット信号ライン17b との間に、これらのパイロット信号連通部22a 、パイロット信号遮断部22b または22c が介在される。
【0053】パイロット信号連通部22a は、内部通路24によりパイロット信号ライン17a ,17b を連通し、また、パイロット信号遮断部22b ,22c は、パイロット信号ライン17a ,17b を遮断すると同時に、内部通路25により、アンロード弁16に接続されたパイロット信号ライン17b を、タンク20に連通されたドレンライン26に連通する。
【0054】このように、アーム・イン回路に代表される再生回路にはアンロード弁16も必要であるが、このアンロード弁16へのパイロット信号ライン17b は、アーム再生弁12の再生作動時のみ、パイロット信号制御部21の内部通路24およびパイロット信号ライン17a を経てアームシリンダ5のヘッドライン4に連通される。
【0055】一方、アーム再生弁12が図2に示された非作動状態にある場合、すなわち、アーム縮み作動用パイロットライン2aがリモコンバルブ(図示せず)からパイロット圧の供給を受けたアーム・アウト操作時、および両方のパイロットライン2,2aにパイロット圧供給のない中立時は、パイロット信号ライン17b がパイロット信号制御部21の内部通路25を経てドレンライン26に連通される回路構成となっている。
【0056】次に、この図2に示された実施形態の作用を説明する。なお、図4に示された従来例と同様の部分の作用は、既に詳細に説明してあるので、ここでは、その作用説明を省略する。
【0057】アーム・イン操作によりアーム伸び作動用パイロットライン2にパイロット圧が供給され、コントロール弁1のメインスプール1aが図2の右方向へ切換わると、油圧源3の圧油がヘッドライン4を通ってアームシリンダ5のヘッド室6に流入するとともに、ロッド室7内の油がロッドライン8を経てタンクライン9へ流出する。
【0058】このアーム・イン操作時、アーム伸び作動用パイロットライン2から分岐したパイロットライン11を通ってパイロット圧がアーム再生弁12に作用して、このアーム再生弁12の再生スプールが紙面の上方に切換わると、ヘッドライン4がロッドライン8より低圧の間は、ロッド室7からロッドライン8へ流出した戻り油の一部が、ライン13および逆止弁14を通り、さらにアーム再生弁12の位置aにおける内部通路およびヘッドライン4を経て、アームシリンダ5のヘッド室6に流入する再生作用がなされる。
【0059】このアーム・イン操作時すなわちアーム再生弁12の作動時には、コントロール弁1のメインスプール1aと一体的に設けられたアンロード用のパイロット信号制御部21もパイロット信号連通部22a に切換わっており、アンロード弁16へのパイロット信号ライン17b は、パイロット信号連通部22a の内部通路24およびパイロット信号ライン17a を経てアームシリンダ5のヘッドライン4と連通する。
【0060】一方、パイロットライン2,2aのいずれにもパイロット圧が供給されず、コントロール弁1のメインスプール1aおよびアーム再生弁12が図2に示された中立状態または非作動状態にあるときは、アンロード弁16へのパイロット信号ライン17b は、パイロット信号制御部21のパイロット信号遮断部22b の内部通路25により、ドレンライン26と連通する。
【0061】さらに、アーム・アウト操作によりアーム縮み作動用パイロットライン2aにパイロット圧が供給され、コントロール弁1のメインスプール1aが図2の左方向に切換わると、アンロード弁16へのパイロット信号ライン17b は、パイロット信号制御部21のパイロット信号遮断部22c の内部通路25により、ドレンライン26と連通する。
【0062】このように、アーム再生弁12が作動するアーム・イン操作時のみ、アンロード弁16へのパイロット信号ライン17b がパイロット信号制御部21を介してアームシリンダ5のヘッドライン4と連通することにより、アンロード弁16が作動しうるようにし、アーム再生弁12が作動しないメインスプール1aの中立時およびアーム・アウト操作時には、パイロット信号ライン17b は、パイロット信号制御部21を介してドレンライン26に連通しているので、アームシリンダ5のヘッド圧如何に拘わらずアンロード弁16が作動することはない。
【0063】したがって、アンロード弁16の作動圧は、従来のようにアーム・アウト操作時に発生しうるアームシリンダ5のヘッド圧よりも十分に高く設定する必要はなく、アンロード弁16の本来の機能を十分に発揮できる。このため、メインスプール1aの戻り油制御開口部15を、再生効果を十分に高めるのに必要なだけ絞ることが可能となった。
【0064】すなわち、アーム・イン操作時に戻り油制御開口部15を経てタンクライン9に排出される油量を十分に絞り、その分、ロッドライン8からライン13、逆止弁14およびアーム再生弁12を経てアームシリンダ5のヘッド室6に再生される再生油をより多くし、十分な再生効果を得ることができる。
【0065】以上のように、油圧ショベルのアーム・イン回路に代表される再生回路のアンロード弁16において、本発明に係る回路を適用することにより、アーム・アウト操作時にはアンロード弁16が作動しないようにして、アンロード弁の作動圧を、再生効果を十分に高めるのに必要な値に設定できる。すなわち、アーム・イン回路の再生回路に最適なアンロード弁作動圧を設定できる。
【0066】なお、本発明は、油圧ショベルのアームシリンダ5をアーム・イン制御する油圧回路の再生回路に限定されるものではなく、それ以外の再生回路にも適用できる。
【0067】例えば、図3に示された油圧ショベルのバケットgをキャブk側へ回動するようにバケットシリンダjを制御するバケットクローズ回路にも、シリンダロッド側からシリンダヘッド側へ作動油を再生する再生回路を設けた場合は、このバケットクローズ回路の再生回路にも本発明を同様に適用すると良い。
【0068】要するに、油圧シリンダなどの油圧アクチュエータの一方油口から流出する作動油を他方油口へ再生させる再生回路を有する機械には、本発明を広く適用できる。
【0069】また、パイロット信号制御部21をコントロール弁1のメインスプールまたはアーム再生弁12の再生スプールと一体的に設けることは、パイロット信号制御部21をコントロール弁1またはアーム再生弁12とともに簡単に設置できるとともに、コントロール弁1またはアーム再生弁12を制御するパイロットライン2,11を共用できる利点もあるが、このパイロット信号制御部21は、必ずしもコントロール弁1のメインスプールまたはアーム再生弁12の再生スプールに一体的に設けなくても良い。
【0070】すなわち、このパイロット信号制御部21は、例えばアーム伸び作動用パイロットライン2またはパイロットライン11に供給されたパイロット信号により、コントロール弁1またはアーム再生弁12とともに切換作動される弁であれば、コントロール弁1またはアーム再生弁12と別体の切換弁でも良い。
【0071】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コントロール弁から一方の管路に作動流体が供給されたときは、パイロット信号制御部により一方の管路からアンロード弁へのパイロット信号ラインを連通するから、従来と同様にアンロード弁を作動させることができるとともに、コントロール弁から他方の管路に作動流体が供給されたときは、パイロット信号制御部によりアンロード弁を作動させないようにしたから、コントロール弁から他方の管路に作動流体を供給するときに一方の管路に発生する圧力に拘ることなく、アンロード弁の作動圧を、再生効果を十分に高めるのに最適な値に設定できる。
【0072】請求項2記載の発明によれば、パイロット信号制御部を再生弁とともに簡単に設置できる利点がある。
【0073】請求項3記載の発明によれば、パイロット信号制御部をコントロール弁とともに簡単に設置できる利点がある。
【0074】請求項4記載の発明によれば、油圧ショベルのアームシリンダにおけるロッドラインからヘッドラインへ作動油を再生する再生回路にて、ロッドラインへ作動油を供給するアーム・アウト操作時は、パイロット信号制御部によりアンロード弁を非作動状態としたから、ヘッドラインへ作動油を供給するアーム・イン操作時に作動するアンロード弁の作動圧を、再生効果を十分に高めるのに最適な値に設定できる。
【出願人】 【識別番号】000190297
【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開平11−230107
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−27521