| 【発明の名称】 |
アキュムレータ |
| 【発明者】 |
【氏名】坂井 静
【氏名】小松 誠一郎
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| 【要約】 |
【課題】ブラダと同様の機能をもつダイアフラムによってガス室と油室間の気密性およびオイル圧力の変化に伴う追従性とを確保しつつ、かつ、同一容量をもちながら径方向の寸法を極力小さく構成する。
【解決手段】油路用のパイプ10を長手方向に挟み込んでホルダ11とキャップ12を所定の間隔に保持し、これらホルダ11とキャップ12の外周面に筒状のダイアフラム5の両端を被せてチャンバ2の内部に納め、チャンバ2とホルダ11およびキャップ12とでダイアフラム5の両端を密封状態に挟んでチャンバ2の内部をダイアフラム5により外周のガス室3と内方の油室4とに区画すると共に、内方の油室4を油路用のパイプ10に穿った油孔15から当該パイプ10の内部を通してキャップ12に設けた出入口ポート16へと連通する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油路用のパイプを長手方向に挟み込んでホルダとキャップを所定の間隔に保ち、これらホルダとキャップの外周面に筒状のダイアフラムの両端を被せてチャンバの内部に納め、チャンバとホルダおよびキャップとでダイアフラムの両端を密封状態に挟んでチャンバの内部をダイアフラムにより外周のガス室と内方の油室とに区画すると共に、内方の油室を油路用のパイプに穿った油孔から当該パイプの内部を通してキャップに設けた出入口ポートへと連通したことを特徴とするアキュムレータ。 【請求項2】 油路用のパイプに対してダイアフラムが接する以外の部分に位置付けて内方の油室と油路用のパイプの内部を連通する油孔を設け、かつ、当該油孔から最も近い油路用のパイプとダイアフラムの接触境界部に、オイルの浸入に伴ってダイアフラムを押し広げるように作用する複数本の縦溝を設けた請求項1のアキュムレータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、圧力オイルの蓄積と放出による動力源としての使用や、オイル圧力の平滑化並びにサージ圧力の吸収要素としても使用される隔壁部材を内装した一種の蓄圧容器であるアキュムレータに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種のアキュムレータとしては、筒状のチャンバの内部をシール付きのフリーピストンでガス室と油室とに区画したピストン形アキュムレータと、球状のチャンバの内部に弾性隔膜(ブラダ)を装着してガス室と油室とに区画したブラダ形アキュムレータとが一般に広く知られている。 【0003】これら形式のアキュムレータは、何れにしても油室内へと圧力オイルを送り込むことでフリーピストンまたは弾性隔膜をガス室側に向って押し、カス室内のガス圧力を上げつつ油室内のオイル圧力をも上げて圧力オイルの蓄積と放出とを行うと共に、オイル圧力の平滑化とサージ圧力の吸収をも可能にしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したピストン形のアキュムレータでは、オイル圧力の変化に対応して移動するフリーピストンの追従性を良好に保ってアキュムレータとしての性能を上げるために、チャンバとフリーピストンとの間の気密性と摺動性とを考慮してO−リングによりシールしてやるのが一般である。 【0005】しかし、O−リングと雖も、フリーピストンに伴ってチャンバの内壁面を摺接しつつ移動することから、フリーピストンとチャンバとの間にはフリクションが発生し、その分、フリーピストンの作動性が悪化してアキュムレータとしての性能が低下する。 【0006】しかも、これに加えて、チャンバの内壁面とフリーピストンとの間の摺接部分に多少なりとも薄い油膜が生成され、ガス室内のガスが当該油膜を通して油室へと透過することから次第にガス室のガス圧力が下がり、比較的短い期間でアキュムレータの性能が低下して使用に堪えなくなるという問題点を有する。 【0007】その点、後者のブラダ形のアキュムレータによれば、ガス室と油室との間の気密性とオイル圧力の変化に伴うブラダの動きを良好に保って長期間の使用に堪え得ることになる。 【0008】しかし、そうとは言っても、ブラダの軸方向への動きに対してガス室の容積変化率を充分に大きくとろうとすると大きな径のチャンバが必要となり、アキュムレータとしての径方向の寸法が大きくなって使用対象に制限を受けるという問題点を生じる。 【0009】したがって、この発明の目的は、ガス室と油室を区画する隔壁部材としてブラダと同様の機能をもつダイアフラムを用い、当該ダイアフラムによってガス室と油室間の気密性およびオイル圧力の変化に伴う追従性とを確保しつつ、かつ、同一容量をもちながら径方向の寸法を極力小さくすることのできるアキュムレータを提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的は、油路用のパイプを長手方向に挟み込んでホルダとキャップを所定の間隔に保ち、これらホルダとキャップの外周面に筒状のダイアフラムの両端を被せてチャンバの内部に納め、チャンバとホルダおよびキャップとでダイアフラムの両端を密封状態に挟んでチャンバの内部をダイアフラムにより外周のガス室と内方の油室とに区画すると共に、内方の油室を油路用のパイプに穿った油孔から当該パイプの内部を通してキャップに設けた出入口ポートへと連通することによって達成される。 【0011】すなわち、上記のように筒状のダイアフラムを用いてチャンバの内部を外周のガス室と内方の油室とに区画することにより、オイル圧力の変化をダイアフラムの径方向への拡縮によるガス室容積の変化で吸収することができる。 【0012】これによって、ダイアフラムによるガス室と油室間の気密性およびオイル圧力の変化に伴う追従性とを確保しながら、しかも、摺動部分をなくすことでフリクション成分を除去しつつ油膜からのガスの漏洩をも除去してアキュムレータとしての耐久性を向上させることが可能になる。 【0013】さらに、これらに加えて、筒形状のダイアフラムにより径方向の変化に対するガス室の容積変化率を大きとり、同一容量のアキュムレータでありながら全体としての形態の小径化を図ることでアキュムレータとしての使用対象を広げることができる。 【0014】また、チャンバに対してダイアフラムの両端部分を密封して固定するホルダとキャップの軸方向へのガタをなくすための固定部材として油路用のパイプを用いたことにより、当該固定部材を油路として利用しながら軽量化を図ることもできるのである。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基いてこの発明を適用したアキュムレータの実施の形態を説明する。 【0016】図1において、この発明の実施の形態であるアキュムレータ1は、外郭部分を形作るチャンバ2と当該チャンバ2の内部をガス室3と油室4の二つに区画するダイアフラム5とからなっている。 【0017】上記外郭部分を形作るチャンバ2は、一端を開口した有底の筒状体として構成してあり、このチャンバ2内へと後記するダイアフラム5付のホルダ11を挿入するときの空気抜きのために、底の部分に空気抜き穴6を施して外部から栓7で塞ぐことができるようにしてある。 【0018】それに対して、チャンバ2の内部をガス室3と油室4とに区画するダイアフラム5は、合成ゴム等の弾性部材によりチャンバ2の内部形状に合わせて両端を開口した筒形状に形成し、かつ、両端の内壁面から内側へと固定用の鍔8,9を突出して形成し、これら固定用の鍔8,9を用いてダイアフラム5をチャンバ2の内部に装着している。 【0019】その際に、油路用のパイプ10を長手方向に挟み込んでホルダ11とキャップ12を所定の間隔に保ち、これらホルダ11とキャップ12の外周面に筒状のダイアフラム5の両端を被せ、固定用の鍔8,9をホルダ11とキャップ12の外周面に設けた環状溝13,14に嵌めて固定する。 【0020】そして、ダイアフラム5をホルダ11とキャップ12と共にホルダ11を先しながらチャンバ2の内部に納め、ダイアフラム5の両端をチャンバ2の内壁とホルダ11およびキャップ12の外周面とで密封状態に挟んで固定する。 【0021】なお、上記したチャンバ2内へのダイアフラム5とホルダ11およびキャップ12の挿入に際し、チャンバ2内にある空気をホルダ11のピストン作用で空気抜き穴6から押し出すことによりこれらの組み付けを容易にしている。 【0022】しかる後に、上記のようにして組み立てたアキュムレータ1のキャップ12をチャンバ2で加締め止めすると共に空気抜き穴6に栓7を施して塞ぐ。 【0023】その後に、図1では省略してあるが、例えば、チャンバ2の側壁に栓付きのガス封入口を設けるなり或いはガス封入バルブを装着するなりして、ここからガス室3内へと圧力ガスを封入してやる。 【0024】このようにして、チャンバ2の内部をダイアフラム5により外周のガス室3と内方の油室4とに区画すると共に、内方の油室4を油路用のパイプ10に穿った油孔15から当該パイプ10の内部を通してキャップ12に設けた出入口ポート16へと連通するようにしてアキュムレータ1を構成したのである。 【0025】これにより、アキュムレータ1の出入口ポート16の部分におけるオイル圧力の変化は、油路用のパイプ10の内部から油孔15を通してダイアフラム5と油路用のパイプ10の間の油室4に伝えられ、出入口ポート16の部分のオイル圧力の変化に伴いダイアフラム5を径方向へと拡縮し、ガス室3の容積を変化させることで吸収することになる。 【0026】しかも、この場合において、ダイアフラム5によりガス室3と油室4との間の気密性およびオイル圧力の変化に伴う追従性とを確保しながら、かつ、摺動部分をなくすことでフリクション成分を除去しつつ油膜からのガスの漏洩をも除去してアキュムレータ1としての耐久性を向上させることになる。 【0027】さらに、上記に加えて、筒形状のダイアフラム5により径方向の変化に対するガス室3の容積変化率を大きとり、同一容量のアキュムレータ1でありながら全体としての形態の小径化を図ることでアキュムレータ1としての使用対象を広げることができる。 【0028】また、チャンバ2に対してダイアフラム5の両端部分を密封して固定するホルダ11とキャップ12の軸方向へのガタをなくすための固定部材として油路用のパイプ10を用いたことにより、当該固定部材の内部を油路として利用しながら軽量化を図ることもできる。 【0029】ただし、これまで述べてきた構成では、ガス室3のガス圧力に比べて油室4内のオイル圧力が著しく低下すると、ダイアフラム5がガス圧力により押されて油路用のパイプ10にぴったりと強く押し付けられてしまう。 【0030】そのために、それ以後において、オイル圧力がガス圧力を越えて上昇したとしても、当該オイル圧力で直ちにダイアフラム5が油路用のパイプ10から剥れて膨張を始めるとは限らず、しばしば張り付いた状態を保ってアキュムレータ1としての本来の機能に遅れを生じる恐れをもつ。 【0031】そこで、当該図1の実施の形態にあっては、このような事態の発生を除去するために、ダイアフラム5が油路用のパイプ10に接する境界部分に油孔15へと通じる複数の縦溝17を形成している。 【0032】これにより、出入口ポート16から油路用のパイプ10の油孔15を通して油室4へと加えられたオイル圧力は、先づダイアフラム5と油路用のパイプ10の間の縦溝17に入ってダイアフラム5の接触端部を剥離し、次いで、この剥離部分を順次に拡大してダイアフラム5の全面に及ぼす。 【0033】このようにして、ダイアフラム5を油路用のパイプ10から確実にかつ速やかに離すことで、アキュムレータ1としての本来の機能に遅れが生じるのを防止する。 【0034】なお、図1の実施の形態では、油路用のパイプ10の上下部分にそれぞれ油孔15を設け、下方の油孔15の近くにおけるダイアフラム5の境界部内面を肉厚にして縦溝17を作っているが、逆に、油路用のパイプ10の表面の該当部分を肉厚にして縦溝17を作ってもよく、または、これら縦溝17を上方或いは上下両方の油孔15に対して設けてもよい。 【0035】さらに、容易に理解できることであるので特に図示はしないが、油路用のパイプ10の中央部分にも或いは中央部分にだけ油孔15を設け、これら油孔15に対して同様に縦溝17を設けるようにしてもよいことは勿論である。 【0036】 【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、ダイアフラムによってガス室と油室間の気密性およびオイル圧力の変化に伴う追従性とを確保しながら、しかも、摺動部分をなくすことでフリクション成分を除去しつつ油膜からのガスの漏洩をも除去してアキュムレータとしての耐久性を向上させることができる。 【0037】しかも、上記に加えて、筒形状のダイアフラムにより径方向の変化に対するガス室の容積変化率を大きとることにより、同一容量のアキュムレータでありながら全体としての形態の小径化を図ることでアキュムレータとしての使用対象を広げることができる。 【0038】さらに、チャンバに対してダイアフラムの両端部分を密封して固定するホルダとキャップの軸方向へのガタをなくすための固定部材として油路用のパイプを用いたことにより、当該固定部材を油路として利用することで軽量化を図ることも可能となる。 【0039】また、請求項2の発明によれば、ダイアフラムと油路用のパイプとの間の境界部分に油孔へと通じる複数の縦溝を形成したことにより、当該縦溝部分に発生した油路用のパイプからのダイアフラムの剥離が速やかに拡大して全面に及び、ダイアフラムを油路用のパイプから速やかに離すことでアキュムレータとしての本来の機能に遅れが生じるのを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000929 【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】天野 泉
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| 【公開番号】 |
特開平11−230102 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−46281 |
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