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【発明の名称】 緊急装置駆動用油圧ユニット
【発明者】 【氏名】冨松 卓亮

【要約】 【課題】通常の緊急動作機能を確保しながら、プラントなどに停電が発生した場合でも、オペレータの意志とは関係ない緊急動作を確実に防いで安全性の向上を図れるようにする。

【解決手段】油圧源1から緊急装置2への油圧供給路3に、常時は緊急装置2に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、かつ、緊急操作信号が入力されたとき緊急装置2への油圧負荷を解除して緊急動作の規制を解除する方向に作動する緊急動作用の第1電磁弁5と、この第1電磁弁5よりも緊急装置2側の油圧供給路3に配置されて常時は緊急装置2に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、かつ、停電により緊急動作の規制方向とは逆方向に作動されたときも油圧源1から緊急装置2への油圧負荷を保持して緊急動作を規制する第2電磁弁6とを介在させている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧源から緊急装置への油圧供給路に介在されて、常時は上記緊急装置に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、かつ、緊急操作信号が入力されたときに上記緊急装置への油圧負荷を解除して緊急動作の規制を解除する方向に作動する緊急動作用の第1電磁弁と、この第1電磁弁よりも上記緊急装置側の油圧供給路に介在されて、常時は上記緊急装置に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、かつ、停電により上記緊急動作の規制方向とは逆方向に作動されたときも上記油圧源から緊急装置への油圧負荷を保持して緊急動作を規制する第2電磁弁とを、備えていることを特徴とする緊急装置駆動用油圧ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば石油精製プラント中に介在されている緊急遮断バルブなどの緊急装置の駆動に用いられる緊急装置駆動用油圧ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の緊急装置駆動用油圧ユニットは、図3に示すように、ポンプ等の油圧源1から緊急遮断バルブ等の緊急装置2への油圧供給路3の途中に緊急動作用の単一の電磁弁4が介在されている。この緊急動作用電磁弁4は、常時は通電励磁により上記緊急装置2に油圧を負荷して該緊急装置2の緊急動作を規制するように第1ポート4aが油圧供給路3に接続される方向に作動されており、電源(図示省略する)の切り操作に伴う緊急操作信号が入力されたときに上記緊急装置2への油圧負荷を解除して緊急動作の規制を解除するように通電解磁されて第2ポート4bが油圧供給路3に接続される方向(矢印x方向)に作動されるべく構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような構成の従来の緊急装置駆動用油圧ユニットにおいては、石油精製プラントなどに停電が発生した場合、作業員やプラント管理者などのオペレータの意志とは関係なく、上記電磁弁4への通電が解磁されて緊急操作信号と同様な信号が入力され、これによって、電磁弁4はその第2ポート4bが油圧供給路3に接続されるx方向に作動して上記緊急装置2への油圧負荷が解除され、該緊急装置2が不測に緊急動作してしまい、その結果、予想もしない事態や事故を生じる可能性があった。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、通常の緊急動作規制機能は確保しながら、プラントなどに停電が発生した場合でも、オペレータの意志とは関係ない緊急動作を確実に防いで安全性の向上を図ることができる緊急装置駆動用油圧ユニットを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る緊急装置駆動用油圧ユニットは、油圧源から緊急装置への油圧供給路に介在されて、常時は上記緊急装置に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、かつ、緊急操作信号が入力されたときに上記緊急装置への油圧負荷を解除して緊急動作の規制を解除する方向に作動する緊急動作用の第1電磁弁と、この第1電磁弁よりも上記緊急装置側の油圧供給路に介在されて、常時は上記緊急装置に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、かつ、停電により上記緊急動作の規制方向とは逆方向に作動されたときも上記油圧源から緊急装置への油圧負荷を保持して緊急動作を規制する第2電磁弁とを備えていることを特徴とするものである。
【0006】上記構成の本発明によれば、通常時には上記第1電磁弁および第2電磁弁共に緊急装置に油圧を負荷して緊急動作を規制する方向に作動され、所定の緊急動作待機状態に保持されており、この状態でオペレータが電源を切り操作して緊急操作信号を入力させると、第1電磁弁の作動により上記緊急装置への油圧負荷が解除されて所定の緊急動作機能が確実に発揮される。そして、停電が発生した時、第1電磁弁は緊急動作の規制を解除する方向に作動する一方、第2電磁弁も通常の緊急動作の規制方向とは逆方向に作動されることになるが、その逆方向への作動状態においても油圧源から緊急装置への油圧負荷を保持して緊急動作を規制することになり、オペレータの意志とは関係ない緊急動作が防止され、油圧ユニット、緊急装置を含むプラント全体の安全性が保てる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る緊急装置駆動用油圧ユニットの回路構成図であり、この緊急装置駆動用油圧ユニットは、ポンプ等の油圧源1から緊急遮断バルブ等の緊急装置2への油圧供給路3の途中に、常時は通電励磁により上記緊急装置2に油圧を負荷して該緊急装置2の緊急動作を規制するように第1ポート5aが油圧供給路3に接続される方向に作動され、かつ、電源(図示省略する)の切り操作に伴う緊急操作信号が入力されたときに上記緊急装置2への油圧負荷を解除して緊急動作の規制を解除するように通電解磁されて第2ポート5bが油圧供給路3に接続される方向(矢印x方向)に作動されるべく構成された緊急動作用の第1電磁弁5(これは、図3に示す従来の電磁弁4と全く同一である。)が介在されている。
【0008】加えて、本発明では、上記第1電磁弁5よりも上記緊急装置2側の油圧供給路3に第2電磁弁6が介在されている。この第2電磁弁6は、常時は通電励磁により上記緊急装置2に油圧を負荷して該緊急装置2の緊急動作を規制するようにその第1ポート6aが上記油圧供給路3に接続される方向に作動され、かつ、停電により上記緊急動作の規制方向とは逆方向(矢印y方向)に作動されたときはその第2ポート6bが上記油圧供給路3から分岐された油圧供給分岐路3Aに接続されて上記油圧源1から緊急装置2への油圧負荷を保持して緊急動作の規制を保持するように構成されている。
【0009】上記のような構成の緊急装置駆動用油圧ユニットにおいては、通常時には図1に示すように、上記第1電磁弁5および第2電磁弁6共にその第1ポート5a,6aが油圧供給路3に接続される方向に作動されており、これによって、油圧源1から油圧供給路3、第1電磁弁5および第2電磁弁6を経て緊急装置2に油圧が負荷されて該緊急装置2の緊急動作が規制され、所定の緊急動作待機状態に保持されている。この状態ではオペレータが電源を切り操作して緊急操作信号を入力させると、第1電磁弁5のx方向への作動に伴い上記油圧供給路3が遮断され緊急装置2への油圧負荷が解除されて所定の緊急動作機能が確実に発揮される。
【0010】そして、停電が発生し、オペレータの意志とは関係なく緊急操作信号と同様な信号が入力されると、図2に示すように、第1電磁弁5は緊急動作の規制を解除するx方向に作動しその第2ポート5bが油圧供給路3に接続されて油圧の供給が遮断される一方、第2電磁弁6も通常の緊急動作の規制方向とは逆のy方向に作動されることになるが、この逆方向への作動状態においては、第2電磁弁6の第2ポート6bが上記油圧供給路3から分岐された油圧供給分岐路3Aに接続されることになるため、油圧源1から油圧供給路3、油圧供給分岐路3A、第2電磁弁6を経て緊急装置2への油圧負荷が保持されて緊急動作の規制が保たれることになり、したがって、停電時においても、オペレータの意志とは関係ない緊急動作が防止され、油圧ユニット、緊急装置2を含むプラント全体の安全性が保たれる。
【0011】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、既存の油圧ユニットにおける油圧供給路にもう1つの電磁弁(第2電磁弁)を付加するという簡単な構成改良を施すだけで、通常の緊急動作機能は確保しながら、プラントなどに停電が発生した場合でも、オペレータの意志とは関係ない強制的な緊急動作を確実に防止することができ、緊急装置を備えたプラント全体の安全性の向上を達成することができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−13715
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−167797