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【発明の名称】 ワークの位置調整用シリンダ
【発明者】 【氏名】巣山 佳紀

【氏名】高橋 英仁

【氏名】工藤 政行

【要約】 【課題】ロック機構を設けても、位置調整用シリンダのシリンダ長を従来のようにロック機構の長さ分だけ長くしなくても良くし、極力低い位置からのワークの位置決めを可能にする。

【解決手段】本発明に係るワークwの位置調整用シリンダは、気体の圧力によりワークwを移動させ、そのワークwを所定位置に保持するワークの位置調整用シリンダ30において、シリンダ部40と、シリンダ部40の内側軸線方向に位置決めされており、片側がそのシリンダ部の壁部に固定されているガイドロッド46と、ガイドロッド46が収納されるガイド穴51を軸方向に備えており、気体の圧力を受けてシリンダ部内を移動するピストン部50と、ピストン部50に装着されており、そのピストン部50をガイドロッド46に対して相対移動不能な状態に保持するロック機構60とを有している。このため、ピストン部50が移動するときにロック機構60がピストン部50の動きを妨げることがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気体の圧力によりワークを移動させ、そのワークを所定位置に保持するワークの位置調整用シリンダにおいて、シリンダ部と、前記シリンダ部の内側軸線方向に位置決めされており、片側がそのシリンダ部の壁部に固定されているガイドロッドと、前記ガイドロッドが収納されるガイド穴を軸方向に備えており、気体の圧力を受けて前記シリンダ部内を移動するピストン部と、前記ピストン部に装着されており、そのピストン部をガイドロッドに対して相対移動不能な状態に保持するロック機構と、を有することを特徴とするワークの位置調整用シリンダ。
【請求項2】 請求項1に記載されたワークの位置調整用シリンダにおいて、前記ロック機構に設けられており、所定圧力が加えられることによりそのロック機構のロック状態を解除する受圧部材と、前記ガイドロッドの軸方向に形成されており、シリンダ部の外部と連通する貫通孔と、前記ガイドロッドとガイド穴との摺動部に形成された隙間と、前記ピストン部内に形成されており、ガイドロッドの貫通孔、ガイド穴及び隙間を通って導かれた気体を前記ロック機構の受圧部材にまで導く気体通路と、を有することを特徴とするワークの位置調整用シリンダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体の圧力によりワークを移動させ、そのワークを所定位置に保持するワークの位置調整用シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】ワークを移動させて所定位置に保持する機構として空気シリンダや油圧シリンダ及び両シリンダを組み合わせたものが一般的に使用される。油圧シリンダは、圧縮性のない油圧を駆動源としているため、応答性が良く、重量の大きなワークを精度良く所定の位置に保持することが可能である。しかしながら、油圧発生装置(油圧ポンプや油圧タンク等)を設備毎に持つ必要があるため設備が大がかりになり、設備費も高くなる。また、環境保護にために油漏れ対策も必要である。
【0003】一方、空気シリンダは、空気源を設備毎に持つ必要がないため、設備が大がかりにならず、設備費も安価である。また、環境保護上も有利である。しかしながら空気には圧縮性があるため、重量の大きなワークを昇降させる場合等、急に空気シリンダを停止させるとバウンドしてそのワークの位置決め精度が低下する。また、空気の自然リークによるワークの下降を防止する必要もある。この問題を解決するため、空気シリンダを停止させた状態で、その空気シリンダのピストン部分をその位置にロックするロック機構が好適に使用される。
【0004】前記ロック機構を備える空気シリンダの代表例が図7に示されている。前記空気シリンダ2はシリンダ部6を有しており、そのシリンダ部6にピストン4pが昇降可能な状態で収納されている。前記ピストン4pの上面には同軸にピストンロッド4rが固定されており、そのピストンロッド4rの上端にワークwを載置するための昇降テーブル4tが固定されている。また、前記シリンダ部6の上部にはピストンロッド4rをシリンダ部6に対して相対移動不能に保持するためのロック機構8が装着されている。このため、シリンダ部6の受圧室6sに圧縮空気を供給し、ピストン部4pを予め決められた高さまで昇降させた後、ロック機構8を動作させることにより、ワークを所定位置に位置決めすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記空気シリンダ2によると、ピストン4pの昇降動作を妨げない位置に前記ロック機構8を装着しなければならないため、空気シリンダ2の長さはその空気シリンダ2のストロークLにロック機構8の長さKを加えた値になる。このため、ワークwを載置する昇降テーブル4tの下限位置もロック機構8の長さK分だけ高くなる。したがって、ワークwに対して例えば作業員が組付け作業を行う際に下限位置が高い分だけ作業性が悪くなるという問題がある。また、前記空気シリンダ2を横向きに使用する場合でも、空気シリンダ2の長さがロック機構8の分だけ長くなるため、それだけ広い設置スペースが必要となる。
【0006】そこで、本発明のうち請求項1に記載の発明は、ロック機構を装着した状態でも位置調整用シリンダの全長が長くならない構造にすることにより、縦に設置した場合に極力低い位置からのワークの位置決めを可能にするとともに、横に設置した場合でも設置スペースを広くとらない位置調整用シリンダを提供することをその目的とするものである。また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された発明の目的に加えて、ロック機構を気体で作動する方式にした場合に、そのロック機構に気体を供給する可動配管等を不要にし、気体供給機構を簡素化することをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の特徴を有するワークの位置調整用シリンダによって解決される。即ち、請求項1に記載のワークの位置調整用シリンダは、気体の圧力によりワークを移動させ、そのワークを所定位置に保持するワークの位置調整用シリンダにおいて、シリンダ部と、前記シリンダ部の内側軸線方向に位置決めされており、片側がそのシリンダ部の壁部に固定されているガイドロッドと、前記ガイドロッドが収納されるガイド穴を軸方向に備えており、気体の圧力を受けて前記シリンダ部内を移動するピストン部と、前記ピストン部に装着されており、そのピストン部をガイドロッドに対して相対移動不能な状態に保持するロック機構と、を有している。
【0008】本発明によると、シリンダ部に固定されているガイドロッドはピストン部のガイド穴に収納されているため、ピストン部がシリンダ部内を移動する際にガイドロッドはガイド穴内を摺動する。そして、ピストン部が停止してロック機構が動作すると、ピストン部はガイドロッドに対して相対移動不能な状態に保持されるため、そのピストン部はシリンダ部内で停止位置に保持される。このため、重量の大きなワークを昇降させる場合等、シリンダを急に停止させてもバウンド等が生じることはない。また、気体の自然リークによるワークの下降を防止することができる。さらに、ロック機構はピストン部に装着されているため、そのピストン部が移動するときにロック機構がピストン部の動きを妨げることがない。このため、ロック機構を設けても、位置調整用シリンダのシリンダ長を従来のようにロック機構の長さ分だけ長くする必要がなくなる。したがって、ワークの位置調整用シリンダを縦に設置した場合に極力低い位置からのワークの位置決めが可能になるとともに、横に設置した場合でも設置スペースを広く必要としない。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたワークの位置調整用シリンダにおいて、前記ロック機構に設けられており、所定圧力が加えられることによりそのロック機構のロック状態を解除する受圧部材と、前記ガイドロッドの軸方向に形成されており、シリンダ部の外部と連通する貫通孔と、前記ガイドロッドとガイド穴との摺動部に形成された隙間と、前記ピストン部内に形成されており、ガイドロッドの貫通孔、ガイド穴及び隙間を通って導かれた気体を前記ロック機構の受圧部材にまで導く気体通路と、を有することを特徴とする。
【0010】本発明によると、位置調整用シリンダの外部からガイドロッドの貫通孔、ガイド穴、ガイドロッドとガイド穴との隙間及び気体通路を介してロック機構の受圧部材に気体圧力を加えることができる。即ち、ピストン部と共に移動するロック機構に対し、位置調整用シリンダの外部から確実に気体圧力を加えることができ、ロック機構を位置調整用シリンダの外部から確実に制御可能となる。また、ロック機構に気体圧力を加えるための可動配管等が不要となるため、気体供給機構を簡素化できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6に基づいて、本発明の一の実施の形態に係るワークの位置調整用シリンダの説明を行う。本実施の形態に係る位置調整用シリンダはエンジンの組付けラインにおいて、ワークであるエンジンの高さを作業者の体格等に応じて変更するための高さ調整用シリンダに関するものである。ここで、図1は本実施の形態に係るワークの位置調整用シリンダの配管接続図であり、図2、図3はワークの位置調整用シリンダの縦断面図、図4はワークの位置調整用シリンダのロック機構の縦断面図である。また、図5はワークの位置調整用シリンダを備える台車の斜視図、図6はエンジンの組付けラインの全体図である。
【0012】エンジンの組付けライン10は、図6に示されるように、一台のエンジンwを載置した複数の台車20を連続して送りながら所定位置で作業員がエンジンwに部品を組付けるラインであり、そのライン10に設けられた溝部12に前記台車20が収納されている。前記溝部12にはレール14が敷設されており、前記台車20はそのレール14に倣って移動できるようになっている。
【0013】前記台車20は、図5(A)に示されるように、角板状の荷台22を備えており、その台車20がレール14上に載置された状態で、荷台22の上面がエンジンの組付けライン10の床面16と等しい高さになる。また、前記荷台22の下側には中央端部に圧縮空気供給用のコネクタ24が装着されており、そのコネクタ24に外部コネクタ26(図5(B)参照)が接続される。前記コネクタ24には接続孔P1,P2が設けられており、外部コネクタ26には前記接続孔P1,P2に挿入されるノズルN1,N2が固定されている。なお、ノズルN1,N2にはそれぞれ空気源装置(図示されていない)から空気配管が接続されている。
【0014】外部コネクタ26は、図5(B)に示されるように、連結シリンダ27の働きにより前記コネクタ24と接続できる構造であり、前記連結シリンダ27が台車20と平行に移動できる支持架台28に取付けられている。また、前記支持架台28には、その支持架台28と台車20とを連結させて同期移動させるための同期シリンダ29が取付けられている。ここで、前記支持架台28は台車20と同期して移動する際に、ロッドレスシリンダ25によって元の位置に戻る方向の力を受けている。このため、台車20と支持架台28との連結が解除されると、支持架台28はロッドレスシリンダ25の戻り力により元の位置まで戻される。
【0015】前記台車20の上面22の中央には、高さ調整用シリンダ30が縦に設置されている(図5(A)参照)。高さ調整用シリンダ30は、図2にその詳細が示されるように、ケース状のシリンダ部40を有している。なお、図2は高さ調整用シリンダ30がピストン部50を上限位置まで上昇させた状態を表している。前記シリンダ部40は、シリンダ本体42とそのシリンダ本体42の両側の配置されたガイド筒体44とから構成されており、そのシリンダ本体40にピストン部50が上下に摺動できるように収納されている。また、シリンダ本体42には内側軸線方向にガイドロッド46が位置決めされており、そのガイドロッド46の下端部がシリンダ本体42の底部に固定されている。さらに、シリンダ本体42の底部には、ガイドロッド46の横にそのシリンダ本体42内に圧縮空気を供給するための入口ポートP1が形成されている。
【0016】一方、前記ピストン部50には軸方向にガイド穴51が形成されており、そのガイド穴51に前記ガイドロッド46が摺動可能な状態で収納されている。また、前記ピストン部50の下端部には、円板状のピストン本体52が固定されており、そのピストン本体52とシリンダ本体42とによって画成される空間が圧縮空気の圧力を受ける受圧室Sとなる。さらに、前記ピストン本体52の上には、円筒状のピストンケース54が同軸に固定されており、そのピストンケース54の内側でピストン本体52の上にロック機構60が位置決めされている。
【0017】さらに、前記ピストンケース54の内側でロック機構60の上には、前記ガイド穴51を備える肉厚のガイドブロック55が固定されている。そして、そのガイドブロック55の上にエンジン搬送用のパレットwp(図5(A)参照)を載置するためのテーブル56が水平に取付けられている。また、そのテーブル56の下側端部には、前記シリンダ部40のガイド筒体44に挿入される補助ガイドロッド58が縦に固定されている。したがって、ロック機構60がロック解除状態で、シリンダ部40の入口ポートP1から受圧室Sに圧縮空気が供給されると、ピストン部50はガイドロッド46、補助ガイドロッド58の働きにより、テーブル56を水平に保持した状態で、そのシリンダ部40のシリンダ本体42内を上昇する。また、前記受圧室S内の圧力が低下するとピストン部50はシリンダ本体42内を下降する。
【0018】前記ガイドロッド46の内部には、軸方向に貫通孔46kが形成されており、その貫通孔46kの下側の開口が圧縮空気を供給するための入口ポートP2となっている。また、ガイドロッド46とガイドブロック55(ガイド穴51)との摺動部分には空気が通過できる隙間55x(図3、図4参照)が形成されており、さらに前記ガイドブロック55にはその隙間55xと連通する横貫通孔55tが半径方向に形成されている。また、ガイドブロック55とピストンケース54との間には、図4に示されるように、前記横貫通孔55tとロック機構60の受圧空間Rとを連通させる隙間55yが形成されている。このため、入口ポートP2に圧縮空気が供給されるとその空気圧が貫通孔46k、ガイド穴51の上部、隙間55x、横貫通孔55t及び隙間55yを介してロック機構60の受圧空間Rに加わるようになる。即ち、横貫通孔55t及び隙間55yが本発明の気体通路として機能する。
【0019】ロック機構60は、図4に示されるように、ガイドブロック55の下側に配置された筒状のピストンガイド62を備えており、そのピストンガイド62にガイドロッド46が挿通されている。さらに、前記ピストンガイド62はピストンケース54の内部を上下に摺動するブレーキピストン64の摺動孔64sに通されている。ここで、前記ブレーキピストン64の上面64uとピストンケース54及びガイドブロック55によって画成される空間が前述の受圧空間Rとなる。
【0020】前記ブレーキピストン64の下面64dには、そのブレーキピストン64と同軸にテーパリング66が取付けられている。前記テーパリング66は円筒形の部材であり、その内壁面には下方で内径が小さくなるようなテーパが設けられている。また、前記テーパリング66の外側面上部には外バネ受け66uが固定されており、その外バネ受け66uにテーパリング66及びブレーキピストン64を押し上げるように付勢されたブレーキバネ63の上端が支持されている。このため、受圧空間Rに圧縮空気が供給されてブレーキピストン64の下降力がブレーキバネ63の押し上げ力よりも大きくなれば、ブレーキピストン64及びテーパリング66は下方に変位する。逆に、受圧空間Rが大気開放されて、ブレーキバネ63の押し上げ力がブレーキピストン64の下降力よりも大きくなると、ブレーキピストン64及びテーパリング66は上方に変位する。
【0021】前記テーパリング66の内側には複数の鋼球67がボールリテーナ68に支持された状態で位置決めされている。前記ボールリテーナ68は、テーパリング66の内バネ受け66nに支えられた位置決めバネ68bによって下方に押されており、ピストン本体52の上面52uに当接した状態(下限位置)に保持されている。また、前記ボールリテーナ68に支持された鋼球67は常にテーパリング66の内壁面に接触しており、そのテーパリング66が鋼球67に対して上方に変位すると、鋼球67はテーパの作用によりガイドロッド46の半径方向内側に変位する。
【0022】前記ボールリテーナ68及び鋼球67の内側には、ブレーキシュー69bを保持するブレーキシューホルダ69hが前記鋼球67に接触した状態で位置決めされている。ブレーキシュー69bはガイドロッド46に対するピストン部50の移動を摩擦力を利用して止めるための部材であり、円筒を周方向の等分割した形状に成形されて、前記ガイドロッド46の周囲に密着状態で配置されている。また、ブレーキシューホルダ69hは、前記ブレーキシュー69bを支持するとともに鋼球67からの押圧力をブレーキシュー69bに均等に伝える部材であり、同じく円筒を周方向の等分割した形状に成形されている。さらに、ブレーキシューホルダ69hはピストンガイド62の下面とピストン本体52の上面52uとによって上下から規制されており、上下方向に位置ずれしない構造となっている。
【0023】上記した構造により、受圧空間Rに圧縮空気が供給されるとブレーキピストン64及びテーパリング66はブレーキバネ63の力に抗して下方に変位し、鋼球67に対するテーパリング66の押圧力は緩められる。これによって、ブレーキシュー69bがガイドロッド46を押圧する力が緩められ、ロック機構60のロック状態が解除される。逆に、受圧空間Rが大気開放されると、ブレーキピストン64及びテーパリング66はブレーキバネ63の力で押し上げられ、鋼球67はテーパリング66によって半径方向内側に押圧される。これによって、鋼球67の押圧力はブレーキシューホルダ69hを介してブレーキシュー69bに加わり、ブレーキシュー69bがガイドロッド46に押付けられる。したがって、ロック機構60がロック状態に保持される。即ち、前記ブレーキピストン64が本発明の受圧部材として機能する。
【0024】前記ロック機構60の受圧空間Rと連通する入力ポートP2は、図1に示されるように、前記台車20のコネクタ24の接続孔P2と配管72によって接続されている。また、高さ調整用シリンダ30の受圧室Sと連通する入力ポートP1は、前記コネクタ24の接続孔P1と配管71によって接続されており、その配管71の途中に切換弁75が装着されている。前記切換弁75は、その受圧部75pが配管72からの空気圧を受けると弁体がバネ75bの力に抗して図中右方向に移動し、配管71を開放する(図1参照)。また、受圧部75pが空気圧を受けない状態、即ち、配管72が大気開放されると、前記切換弁75の弁体はバネ75bの力により図中左方向に移動し、配管71が閉じられる。
【0025】ここで、接続孔P1に供給される圧縮空気は空気源装置(図示されていない)において圧力を制御できるようになっており、圧縮空気の圧力を変えることにより、ピストン部50の高さを調整できるようになっている。即ち、接続孔P2からロック機構60の受圧空間Rに圧縮空気が供給されてそのロック機構60のロック状態が解除されると、切換弁75はその圧縮空気の空気圧により配管71を開放するように切り替わり、接続孔P1と高さ調整用シリンダ30の受圧室Sとが連通する。また、接続孔P2〜受圧空間Rが大気開放されてロック機構60がロック状態に保持されると、切換弁75はバネ75bの力により配管71を閉鎖するように切り替わり、高さ調整用シリンダ30の受圧室Sが閉じられる。
【0026】次に、台車20の動きに合わせて、本実施の形態に係る高さ調整用シリンダ30の動作説明を行う。先ず、エンジンwを載置した台車20が所定位置まで移動してくると、支持架台28(図5(B)参照)に取付けられた同期シリンダ29が動作して、台車20と支持架台28とを連結する。これによって、前記支持架台28は台車20とともに移動する。次に、支持架台28の連結シリンダ27が動作し、外部コネクタ26のノズルN1,N2が台車20のコネクタ24の接続孔P1,P2に接続される。
【0027】これによって、図1に示されるように、ノズルN2、接続孔P2、配管72を介して高さ調整用シリンダ30の入口ポートP2に圧縮空気が供給される。そして、その圧縮空気の空気圧が入口ポートP2からガイドロッド46の貫通孔46k、ガイド穴51の上部、隙間55x、横貫通孔55t及び隙間55yを介してロック機構60の受圧空間Rに加わる。これによって、ロック機構60のロック状態が解除される。
【0028】また、入口ポートP2に空気圧が加わることにより、切換弁75はその空気圧により配管71を開放するように切り替わり、接続孔P1と高さ調整用シリンダ30の受圧室Sとが連通する(図1参照)。これによって、ノズルN1、接続孔P1、配管72を介して高さ調整用シリンダ30の入口ポートP1に圧縮空気が供給される。そして、その圧縮空気の空気圧が入口ポートP1から受圧室Sに加えられ、ピストン部50がその空気圧に応じた高さまで上昇する。
【0029】このようにして、ピストン部50が上昇することにより、エンジンwが所定の高さに保持されると、ノズルN2、接続孔P2、配管72からロック機構60の受圧空間Rまでの空気通路が大気開放され、そのロック機構60はロック状態に保持される。これによって、高さ調整用シリンダ30のピストン部50が停止位置に保持される。また、前記配管72内が大気開放されるため、切換弁75はバネ75bの力により配管71を閉鎖するように切り替わり、高さ調整用シリンダ30の受圧室Sが閉じられる。
【0030】このようにして、高さ調整用シリンダ30によりエンジンwが所定の高さに保持されると、台車20が予め決められた位置まで移動する過程でそのエンジンwに部品が組付けられる。そして、台車20が所定位置に到達すると、連結シリンダ27により外部コネクタ26が台車20のコネクタ24から外され、さらに同期シリンダ29により台車20と支持架台28との連結が解除されて、支持架台28はロッドレスシリンダ25によって元の位置まで戻される。
【0031】このように、本実施の形態に係る高さ調整用シリンダ30によると、ピストン部50が停止した状態でロック機構60が動作するため、そのピストン部50はシリンダ部40内で停止位置に保持される。このため、重量の大きなエンジンwを昇降させる際に、高さ調整用シリンダ30を急に停止させてもバウンド等が生じることはない。また、空気の自然リークによるエンジンwの下降を防止することができる。さらに、ロック機構60はピストン部50に装着されているため、そのピストン部50が移動するときにロック機構60がピストン部50の動きを妨げることがない。このため、ロック機構60を設けても、高さ調整用シリンダ30のシリンダ長が従来のようにロック機構60の長さ分だけ長くなることがない。したがって、極力低い位置からのエンジンwの位置決めが可能になる。
【0032】また、高さ調整用シリンダ30の外部からガイドロッド46の貫通孔46k、ガイド穴51、隙間55x及び気体通路55t,55yを介してロック機構60のブレーキピストン64に空気圧を加えることができる。即ち、ピストン部50と共に移動するロック機構60に対し、高さ調整用シリンダ30の外部から確実に空気圧を加えることができ、ロック機構60を高さ調整用シリンダ30の外部から確実に制御可能となる。また、ロック機構60に空気圧を加えるための可動配管等が不要となるため、空気供給機構を簡素化できる。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、ロック機構を設けても、位置調整用シリンダのシリンダ長が従来のようにロック機構の長さ分だけ長くなることがないため、位置調整用シリンダを縦に設置した場合に極力低い位置からのワークの位置決めが可能になるとともに、横に設置した場合でも設置スペースを広く必要としない。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−13714
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−168807