| 【発明の名称】 |
圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】只野 昌也
【氏名】江原 俊行
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| 【要約】 |
【課題】複数の圧縮部を用い、冷媒を多段圧縮する圧縮機において、ロータバランサの軽量化を図る。
【解決手段】圧縮機Cは、単一の密閉容器1内に電動機2と、この電動機2にて駆動される圧縮要素3とを設け、電動機2を、密閉容器1に固定される固定子4とこの固定子4の内側にて回転する回転子5から構成すると共に、圧縮要素3を、低段側圧縮部51と高段側圧縮部52により構成して冷媒を順次多段圧縮するものであって、回転子5に取り付けられたロータバランサW1、W2を備え、排除容積の大となる低段側圧縮部51を、ロータバランサW1、W2の近傍側に配置したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単一の密閉容器内に電動機と、この電動機にて駆動される圧縮要素とを設け、前記電動機を、前記密閉容器に固定される固定子とこの固定子の内側にて回転する回転子から構成すると共に、前記圧縮要素を、低段側圧縮部と高段側圧縮部により構成して冷媒を順次多段圧縮する圧縮機において、前記回転子に取り付けられたロータバランサを備え、排除容積の大となる前記低段側圧縮部を、前記ロータバランサの近傍側に配置したことを特徴とする圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の圧縮部を用い、冷媒を多段圧縮する圧縮機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来冷蔵庫や空気調和機などに用いられる冷凍装置には、例えば特公平7−30743号公報(F04C23/00)に示される如く、それぞれロータリー用シリンダとその内部で回転するローラなどから成る二つの圧縮部を同一の密閉容器内に収納したロータリー型の圧縮機が採用されている。そして、圧縮機の各圧縮部を低段側圧縮部と高段側圧縮部として、低段側圧縮部により一段圧縮した冷媒ガスを高段側圧縮部に吸い込ませ、それによって冷媒を多段圧縮するものである。 【0003】係る圧縮機を用いれば、一圧縮当たりのトルク変動を抑制しながら、高圧縮比を得ることができる利点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、係る圧縮機では低段側圧縮部の排除容積が高段側圧縮部の排除容積よりも大きくなるため、その偏芯重量も低段側圧縮部の方が高段側圧縮部よりも大きくなる。そして、係る各圧縮部の偏芯によって圧縮機には振動が生じるため、回転子にはロータバランサ(バランスウエイト)が取り付けられるが、偏芯重量の大きい低段側圧縮部をロータバランサから遠い位置に配置すると、これによるモーメントを打ち消すために比較的大成るロータバランサを取り付けなければならなくなる問題があった。 【0005】本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、複数の圧縮部を用い、冷媒を多段圧縮する圧縮機において、ロータバランサの軽量化を図ることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の圧縮機は、単一の密閉容器内に電動機と、この電動機にて駆動される圧縮要素とを設け、電動機を、密閉容器に固定される固定子とこの固定子の内側にて回転する回転子から構成すると共に、圧縮要素を、低段側圧縮部と高段側圧縮部により構成して冷媒を順次多段圧縮するものであって、回転子に取り付けられたロータバランサを備え、排除容積の大となる低段側圧縮部を、ロータバランサの近傍側に配置したものである。 【0007】本発明によれば、単一の密閉容器内に電動機と、この電動機にて駆動される圧縮要素とを設け、電動機を、密閉容器に固定される固定子とこの固定子の内側にて回転する回転子から構成すると共に、圧縮要素を、低段側圧縮部と高段側圧縮部により構成して冷媒を順次多段圧縮する圧縮機において、回転子に取り付けられたロータバランサを設け、排除容積の大となる低段側圧縮部を、ロータバランサの近傍側に配置したので、比較的軽いロータバランサにて各圧縮部の偏芯による振動を低減することが可能となる。 【0008】これにより、ロータバランサの軽量化を図り、コストの削減と信頼性の向上を実現することができるようになるものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明に係るロータリー式の圧縮機Cを適用した多段圧縮冷凍装置Rの冷媒回路図、図2は本発明の圧縮機Cの縦断側面図である。先ず図2において、1は密閉容器であり、内部の上側に電動機(ブラシレスDCモータ)2、下側にこの電動機2で回転駆動される圧縮要素3が収納されている。密閉容器1は予め2分割されたものに電動機2、圧縮要素3を収納した後、高周波溶着などによって密閉されたものである。 【0010】電動機2は、密閉容器1の内壁に固定された固定子4と、この固定子4の内側に回転軸6を中心にして回転自在に支持された回転子5とから構成されている。そして、固定子4は回転子5に回転磁界を与える固定子巻線7を備えている。また、W1、W2はそれぞれ回転子5の上面と下面に取り付けられたロータバランサ(バランスウエイト)である。このロータバランサW1、W2に関しては後に詳述する。 【0011】前記圧縮要素3は中間仕切板8で仕切られた第1のロータリー用シリンダ9及び第2のロータリー用シリンダ10を備えている。各のシリンダ9、10には回転軸6で回転駆動される偏芯部11、12が取り付けられており、これら偏芯部11、12は偏芯位置がお互いに180度位相がずれている。 【0012】13、14はそれぞれシリンダ9、10内を回転する第1のローラ、第2のローラであり、それぞれ偏芯部11、12の回転でシリンダ内を回る。15、16はそれぞれ第1の枠体、第2の枠体であり、第1の枠体15は中間仕切板8との間にシリンダ9の閉じた圧縮空間を形成させ、第2の枠体16は同様に中間仕切板8との間にシリンダ10の閉じた圧縮空間を形成させている。また、第1の枠体15、第2の枠体16はそれぞれ回転軸6の下部を回転自在に軸支する軸受部17、18を備えている。 【0013】上記上側のシリンダ9、偏芯部11、ローラ13と、シリンダ9内を高圧室及び低圧室に区画するベーン(図示せず)などによって低段側圧縮部51が構成され、下側のシリンダ10、偏芯部12、ローラ14と、シリンダ10内を高圧室及び低圧室に区画するベーン(図示せず)などによって高段側圧縮部52が構成される。 【0014】また、後述する如く高段側圧縮部51に冷媒を圧縮して吐出する低段側低段側圧縮部51の排除容積は、高段側圧縮部52よりも大きく設定されるため、低段側圧縮部51の前記偏芯部11の偏芯重量は高段側圧縮部52の前記偏芯部12よりも大きくなる。また、上側のロータバランサW1は回転軸6に対して下側の偏芯部12の偏芯位置と同じ側に、また、下側のロータバランサW2は回転軸6に対して上側の偏芯部11の偏芯位置と同じ側に取り付けられる。 【0015】更に、低段側圧縮部51の排除容積をD1、高段側圧縮部52の排除容積をD2とすると、これらの排除容積比D2/D1は、0.35±0.1の範囲に設定される。 【0016】23はシリンダ9へつながる吸入管であり、シリンダ9の吐出側とシリンダ10の吸込側とは中間仕切板8を貫通する図示しない吐出孔にて連通されている。 【0017】一方、第2の枠体16には凹所21が設けられ、この凹所21を蓋体26にて閉塞してボルト27にて第2の枠体16と一体にシリンダ10に固定することにより、内部に膨張型消音器28を構成している。そして、第2の枠体16にはシリンダ10内と凹所21内とを連通する吐出ポート29が設けられている。 【0018】尚、この第2の枠体16は密閉容器1内の最下部に位置しており、その周囲は潤滑油が貯留されるオイル溜まり30とされている。これにより、第2の枠体16周囲には潤滑油が満たされるかたちとなるので、密閉容器1内の高圧ガスが膨張型消音器28内に漏れる危険性が無くなり、冷媒循環量の減少による性能の低下を防止できる。 【0019】19は吐出マフラーであり、第1の枠体15を覆うように取り付けられている。そして、前記吐出ポート29は、凹所21内と、シリンダ10、中間仕切板8、シリンダ9及び第1の枠体15内を通過し、この第1の枠体15に設けられた図示しない吐出孔にて吐出マフラー19に連通されている。 【0020】24はシリンダ10へつながる吸入管であり、この吸入管24には後述する分岐管44が接続される。他方、22は密閉容器1の上に設けられた吐出管である。また、25は密閉ターミナルであり、密閉容器1の外部から固定子4の固定子巻線7へ電力を供給するものである(密閉ターミナル25と固定子巻線7とをつなぐリード線は図示せず)。 【0021】次ぎに、図1の冷媒回路において、冷凍装置Rを構成する前記圧縮機Cの吐出管22は、配管36を経て凝縮器37の入口に接続され、この凝縮器37の出口には一次膨張手段としてのキャピラリチューブ38が接続されている。このキャピラリチューブ38の出口には気液分離器39の上部が連通接続されると共に、この気液分離器39の下端には二次膨張手段としてのキャピラリチューブ41が接続されている。 【0022】そして、キャピラリチューブ41の出口に冷却器42が接続され、冷却器42の出口に接続された配管43は前記圧縮機Cの吸入管23に連通されている。更に、気液分離器39の上部には分岐管44が接続され、この分岐管44は前述の如く吸入管24に連通されている。 【0023】以上によって多段圧縮冷凍装置Rの冷凍サイクルが構成される。そして、係る多段圧縮冷凍装置Rの冷媒回路内には例えばR−134aなどのHFC冷媒やHC冷媒が所定量封入され、潤滑油はエステル油、エーテル油、HAB油、鉱物油などが使用されるが、実施例ではR−134aが冷媒として用いられ、また、潤滑油としてはエステル油が使用されている。 【0024】以上の構成で次ぎに動作を説明する。電動機2が駆動されると、低段側圧縮部51は吸入管23から冷媒を吸引して圧縮(一段圧縮)し、高段側圧縮部52の吸入側に吐出する。高段側圧縮部52に吸引された一段圧縮ガス冷媒は、そこで圧縮(二段圧縮)され、この二段圧縮ガス冷媒は、吐出ポート29から膨張型消音器28、シリンダ10、中間仕切板8、シリンダ9及び第1の枠体15を経て、前記吐出孔より前記吐出マフラー19に吐出され、吐出マフラー19から密閉容器1内に吐出される。 【0025】密閉容器1内の吐出された二段圧縮ガス冷媒は、吐出管22から配管36に吐出される。そして、凝縮器37に流入し、そこで放熱して凝縮された後、キャピラリチューブ38にて減圧される。そして、気液分離器39に流入し、一部はそこで蒸発する。 【0026】これにより、気液分離器39内底部には液冷媒が貯留され、気液分離器39内上部には一段膨張した飽和ガス冷媒が溜まることになる。尚、このときの飽和ガス冷媒の温度、即ち、気液分離温度は−5℃〜+25℃の範囲となるようにキャピラリチューブ38の絞り量を選定する。 【0027】そして、気液分離器39内からは液冷媒のみがキャピラリチューブ41方向に流出し、そこで減圧される。そして、冷却器42に流入して蒸発する。このときに周囲から熱を奪うことによって冷却器42は冷却作用を発揮する。そして、冷却器42を出た低温ガス冷媒は配管43を経て圧縮機Cに帰還し、吸込管23から低段側圧縮部51に再び吸い込まれる。 【0028】一方、気液分離器39内上部の飽和ガス冷媒は、分岐管44に流出し、そこを通って吸入管24に入り、その後、低段側圧縮部52から吐出された一段圧縮ガス冷媒と合流して高段側圧縮部52に再び圧縮されることになる。 【0029】このように、圧縮機Cの低段側圧縮部51、高段側圧縮部52、凝縮器37、キャピラリチューブ38、気液分離器39、キャピラリチューブ41及び冷却器42を順次環状に接続して冷凍サイクルを構成し、気液分離器39内の飽和ガス冷媒を低段側圧縮部51から吐出された冷媒と共に高段側圧縮部52に吸い込ませるようにしたので、一段圧縮の冷凍装置に比較して、一圧縮当たりのトルク変動を抑制しながら、高圧縮比を得ることができるようになる。 【0030】また、高段側圧縮部52が吸い込むガス冷媒の温度を低下させることができるようになり、入力の低減を図ることが可能となる。また、高段側圧縮部52の吐出ガス冷媒の温度も低くなるため、潤滑油としてエステル油を用いた場合にも、POE問題の発生や潤滑特性の劣化を抑制することができるようになる。 【0031】そして、気液分離器39内の液冷媒をキャピラリチューブ41に流して冷却器42にて蒸発させるようにしているので、冷媒循環量に対する冷凍効果を増大させ、効率の向上を図ることが可能となる(図3のモリエル線図参照)。 【0032】ここで、係る圧縮機Cの振動について考察する。今、図4の如く下側となるシリンダ10の下縁から下側の偏芯部までの距離をL1、上側の偏芯部までの距離をL2、下側のロータバランサW2までの距離をL3、上側のロータバランサW1までの距離をL4とし、下側の偏芯部の遠心力をZ1、上側の偏芯部の遠心力をZ2、下側のロータバランサの遠心力をZ3、上側のロータバランサの遠心力をZ4とした場合、圧縮機Cの振動が打ち消されているときには図6の式■と式■が成立する。 【0033】式■と式■からZ4を消去するとZ3は式■で表せる。今、Z1>Z2のとき、即ち、図4の如く偏芯重量の大きい低段側圧縮部51をロータバランサから遠い側としたときのZ1、Z2、Z3をそれぞれZa、Zb、Z3lowとすると、Z3lowは式■で表せる。 【0034】一方、Z1<Z2のとき、即ち、図5(本発明)の如く偏芯重量の大きい低段側圧縮部51をロータバランサに近い側としたときのZ1、Z2、Z3をそれぞれZa、Zb、Z3upとすると、Z3upは式■で表せる。 【0035】そして、上記Z3lowとZ3upの差(Z3low−Z3up)を求めると、式■の如くZ3low−Z3up>0となり、図4のロータバランサW2の遠心力Z3lowは図5のロータバランサW2の遠心力Z3upよりも大きくなることが分かる。 【0036】また、図6の式■と式■からZ3を消去するとZ4は図7の式■で表せる。今、Z1>Z2のとき、即ち、図4の如く偏芯重量の大きい低段側圧縮部51をロータバランサから遠い側としたときのZ1、Z2、Z4をそれぞれZa、Zb、Z4lowとすると、Z4lowは式■で表せる。 【0037】一方、Z1<Z2のとき、即ち、図5(本発明)の如く偏芯重量の大きい低段側圧縮部51をロータバランサに近い側としたときのZ1、Z2、Z4をそれぞれZa、Zb、Z4upとすると、Z4upは式■で表せる。 【0038】そして、上記Z4lowとZ4upの差(Z4low−Z4up)を求めると、式■の如くZ4low−Z4up>0となり、図4のロータバランサW1の遠心力Z4lowは図5のロータバランサW1の遠心力Z4upよりも大きくなることが分かる。 【0039】即ち、本発明の如く排除容積が大で偏芯部11の偏芯重量が大となる低段側圧縮部51を、ロータバランサW1、W2の近傍側に配置すれば、比較的軽いロータバランサW1、W2にて各圧縮部51、52の偏芯部11、12の偏芯による圧縮機Cの振動を低減することが可能となる。 【0040】これにより、ロータバランサW1、W2の軽量化を図り、コストの削減と信頼性の向上を実現することができるようになる。 【0041】尚、実施例では二段圧縮式の圧縮機で説明したが、それに限らず、三段、四段と更に多段に圧縮するものに適用しても本発明は有効である。 【0042】 【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、単一の密閉容器内に電動機と、この電動機にて駆動される圧縮要素とを設け、電動機を、密閉容器に固定される固定子とこの固定子の内側にて回転する回転子から構成すると共に、圧縮要素を、低段側圧縮部と高段側圧縮部により構成して冷媒を順次多段圧縮する圧縮機において、回転子に取り付けられたロータバランサを設け、排除容積の大となる低段側圧縮部を、ロータバランサの近傍側に配置したので、比較的軽いロータバランサにて各圧縮部の偏芯による振動を低減することが可能となる。 【0043】これにより、ロータバランサの軽量化を図り、コストの削減と信頼性の向上を実現することができるようになるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】安富 耕二 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−230073 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−28717 |
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