| 【発明の名称】 |
密閉型圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯田 登
【氏名】澤井 清
|
| 【要約】 |
【課題】位相の異なる複数組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとする。
【解決手段】溝を有する回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上をピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設け、シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能なクランク部を設け、圧縮機構部のそれぞれのピストンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機であって、圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接する圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材で構成され、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転不能に連結される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溝を有する回転シリンダーと前記溝内を摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する前記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能なクランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピストンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材で構成され、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転不能に連結されていることを特徴とする密閉型圧縮機。 【請求項2】 前記回転シリンダ及び前記仕切板が夫々円板で構成されていることを特徴とする請求項1記載の密閉型圧縮機。 【請求項3】 前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通孔が形成され、この貫通孔に挿通したボルトによって前記回転シリンダと前記仕切板とが固定されており、前記貫通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置されていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。 【請求項4】 前記回転シリンダに形成された貫通孔に前記ボルトのヘッドを受け入れる大径部分が形成されていることを特徴とする請求項3記載の密閉型圧縮機。 【請求項5】 前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通孔が形成され、この貫通孔に嵌入したピンによって前記回転シリンダと前記仕切板とが固定されており、前記貫通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置されていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。 【請求項6】 前記仕切板にピン挿通孔を形成し、前記仕切板の両側に位置する前記回転シリンダのそれぞれに有底のピン受け入れ孔が形成され、前記ピン受け入れ孔および前記ピン挿通孔にピンを挿入することにより隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダの相対回転が規制されていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。 【請求項7】 前記回転シリンダと前記仕切板とが、互いに対面する面に形成された凹部および凸部によって凹凸嵌合されていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。 【請求項8】 前記回転シリンダと前記仕切板とが溶接により固定されていることを特徴とする請求項2記載の密閉型圧縮機。 【請求項9】 溝を有する回転シリンダーと前記溝内を摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する前記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能なクランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピストンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とが一体加工品で構成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は冷凍サイクル装置に用いられる密閉型圧縮機に関する。 【0002】 【従来の技術】過去において、溝を有する回転シリンダーと、この溝の中を摺動するピストンとを有し、このピストンの動きに応じて回転シリンダーが回転し、吸入・圧縮を行う圧縮機構の原理が提案されている(例えば独特許第863751号、英国特許第430830号)。 【0003】この過去において提案されている圧縮機構の原理について、図20を用いて説明する。この圧縮機構は、溝100を有する回転シリンダー101と、この溝100の中を摺動するピストン102とから構成されている。回転シリンダー101は、A点を中心に回転自在に設けられており、ピストン102は、B点を中心に回転駆動される。ここでは、ピストン102の回転半径が、回転シリンダー101の回転中心Aとピストン102の回転中心Bとの距離に等しい場合についての動きを説明する。なお、ピストン102の回転半径が、回転シリンダー101の回転中心Aとピストン102の回転中心Bとの距離より大きい場合や小さい場合には異なる動作を行うがここでは説明を省略する。図中破線Cはピストン102の軌跡を示している。同図aからiは、ピストン102をそれぞれ90度ずつ回転させた状態を示している。 【0004】まず、ピストン102の動きについて説明する。同図aは、ピストンが回転中心Bに対して真上に位置する状態を示している。同図bは、ピストン102を同図aの状態から反時計方向に90度回転させた状態を示している。同図cは、更にピストン102を同図aの状態から反時計方向に180度回転させた状態、同図dは、更にピストン102を同図aの状態から反時計方向に270度回転させた状態を示している。そして同図eは、ピストン102を同図aの状態から反時計方向に360度回転させた状態を示し、同図aの状態に戻っている。 【0005】次に回転シリンダー101の動きについて説明する。同図aの状態では、溝100が上下方向になるように回転シリンダー101は位置している。この状態からピストン102を反時計方向に90度回転させると、同図bに示すように、回転シリンダー101は、反時計方向に45度回転するために、溝100も同様に45度傾いた状態になる。ピストン102を同図aの状態から反時計方向に180度回転させると、同図cに示すように、回転シリンダー101は、反時計方向に90度回転するために、溝100も同様に90度傾いた状態になる。このようにピストン102の回転に伴って回転シリンダー101も同一方向に回転するが、ピストン102が360度回転する間に回転シリンダー101は180度回転することになる。 【0006】次に圧縮空間を形成する溝100の容積変化について説明する。同図aの状態では、溝100に対してピストン102が一端側に位置しているため空間100は一つしか存在しない。この空間100を今第一の空間100aとする。同図bの状態では、第一の空間100aは狭くなるが、ピストン102の反対側に第二の空間100bが生じる。同図cの状態では、第一の空間100aは、同図aの状態の半分の大きさになるが、ピストン102の反対側には同じ大きさの第二の空間100bが形成される。この第一の空間100aは、ピストン102が360度回転した同図eの状態で0となる。このように、溝100には、ピストン102によって2つの空間100a、100bが形成されるが、それぞれの空間100a、100bは、ピストン102が360度回転する毎に最小から最大、最大から最小の容積変化を繰り返す。従って、圧縮室を構成するそれぞれの空間は、ピストン102が720度回転することによって圧縮から吸入の行程を行うことになる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の圧縮原理を密閉型圧縮機に適用することを主たる目的とする。なお、上記の圧縮原理は、ピストン102が回転シリンダー101の回転中心Aに位置するとき、ピストン102の回転力による力の方向が溝100の方向と一致するため、回転シリンダー101を回転させる力とならない。従って、ピストン102が回転シリンダー101の回転中心Aに位置するときに、回転シリンダー101に回転力を与えなければ、現実は上記のような動作を連続的には行わないという問題を有している。上記の問題に対して、本発明は、互いに位相の異ならせて同期させた複数の組の圧縮機構部を用いることによって、連続的な動作を実現する。すなわち、典型的には、互いに位相を異ならせた2組の圧縮機構部を用いることによって、一方の回転シリンダの回転力を他方の回転シリンダに与えることができるため、たとえいずれか一方の回転シリンダがピストンから回転力を受けない状態になっても他方の回転シリンダから回転力を与えるため、回転を連続的に維持することが可能になる。しかし、位相の異なる複数組の圧縮機構部を用いる場合には、各圧縮機構部の圧縮室の圧縮行程が互いに異なるものとなるため、隣接する圧縮機構部同士を隔絶するための仕切板が必要となる。加えて、円滑な回転を確かなものとするには、複数組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとしなければならない。そこで、本発明は、位相の異なる複数組の圧縮機構部を備えた密閉型圧縮機を採用する場合に、複数組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとすることのできる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。また、本発明は、更に、工業的に生産可能な具体的な構造により上記の圧縮機構部同士の確実なる同期性を実現することのできる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の密閉型圧縮機は、溝を有する回転シリンダーと前記溝内を摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する前記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能なクランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピストンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材で構成され、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転不能に連結されていることを特徴とする。請求項2記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項1記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリンダ及び前記仕切板が夫々円板で構成されていることを特徴とする。請求項3記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通孔が形成され、この貫通孔に挿通したボルトによって前記回転シリンダと前記仕切板とが固定されており、前記貫通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置されていることを特徴とする。請求項4記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項3記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリンダに形成された貫通孔に前記ボルトのヘッドを受け入れる大径部分が形成されていることを特徴とする。請求項5記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリンダ及び前記仕切板に貫通孔が形成され、この貫通孔に嵌入したピンによって前記回転シリンダと前記仕切板とが固定されており、前記貫通孔が、前記圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置されていることを特徴とする。請求項6記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記仕切板にピン挿通孔を形成し、前記仕切板の両側に位置する前記回転シリンダのそれぞれに有底のピン受け入れ孔が形成され、前記ピン受け入れ孔および前記ピン挿通孔にピンを挿入することにより隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダの相対回転が規制されていることを特徴とする。請求項7記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリンダと前記仕切板とが、互いに対面する面に形成された凹部および凸部によって凹凸嵌合されていることを特徴とする。請求項8記載の本発明の密閉型圧縮機は、請求項2記載の密閉型圧縮機において、前記回転シリンダと前記仕切板とが溶接により固定されていることを特徴とする。請求項9記載の本発明の密閉型圧縮機は、溝を有する回転シリンダーと前記溝内を摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構部を少なくとも2組設け、隣接する前記圧縮機構部のそれぞれの回転シリンダを仕切板を介在させ、前記仕切板にシャフトを貫通させる連通孔を設け、前記シャフトにはそれぞれのピストンを装着可能なクランク部を設け、前記圧縮機構部のそれぞれのピストンを同一のシャフトによって駆動するモーター機構部を設けた密閉型圧縮機であって、前記圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とが一体加工品で構成されていることを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における密閉型圧縮機は、溝を有する回転シリンダーと、前記溝内を摺動可能なピストンとを有し、前記回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を前記ピストンが回転することによって圧縮行程を行う圧縮機構部を用いたものである。この圧縮機構部は、ピストンが回転シリンダーの中心から距離Eだけ離れた位置を回転中心として、半径Eの軌跡上を回転することによって、回転シリンダーを回転させるとともに溝内を摺動する。従って、溝内にピストンによって2つの空間が形成され、これらの空間がピストンの摺動によってその容積が変化するため圧縮、吸入を行うことができる。このようにこの圧縮機構部は、回転シリンダーとピストンの回転動作だけで圧縮、吸入を行い、例えばロータリー圧縮機に必要なベーンや、スクロール圧縮機に必要なオルダムリング等のように径方向に動作する部材を必要としないため、圧縮機構部をシェル内に固定しても振動が極めて少ない密閉型圧縮機を実現することができる。 【0010】また、本発明の実施の形態における密閉型圧縮機は、このような圧縮機構部を少なくとも2組設け、すべての回転シリンダーを連結するとともに、すべてのピストンを同一シャフトによって駆動し、圧縮機構部の少なくとも一つは、他の圧縮機構部の圧縮行程と位相を異ならせると共に、隣接する前記圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とがそれぞれ別の部材で構成され、これら回転シリンダと仕切板とが相対回転不能に連結したものである。このように複数の圧縮機構部を設けてそれぞれを連結し、少なくとも一つの圧縮機構部の圧縮行程の位相を異ならせることによって、一つの圧縮機構部において、ピストンが回転シリンダーの中心に位置したとしても、他の圧縮機構部の回転力があるために、ピストンからの駆動力が回転シリンダーの回転力とならないような場合を回避することができる。 【0011】本発明の第2の実施の形態による密閉型圧縮機は、前記回転シリンダ及び前記仕切板を夫々円板で構成したので、これらに溝などの機械加工を施す際に困難な作業を伴うことなく、簡単且つ精度良く加工することができる。本発明の第3の実施の形態による密閉型圧縮機は、第2の実施の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダ及び仕切板に貫通孔を形成し、これら貫通孔に挿通したボルトによって回転シリンダと仕切板とを固定すると共に、圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に貫通孔を配置したので、1回転毎に低圧のガスあるいは高圧のガスが貫通孔に流れ込むことはなく、したがって貫通孔を設けたことによる効率低下を防止することができる。 【0012】本発明の第4の実施の形態による密閉型圧縮機は、第3の実施の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダに形成された貫通孔にボルトのヘッドを受け入れる大径部分を形成したので、回転シリンダからボルトのヘッドが突出することがないので、これに対面する部材を加工する際に、この部材にボルトヘッドとの干渉を回避するための溝などを加工する必要がないので低コストで製造することができる。 【0013】本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダ及び仕切板に貫通孔を形成し、この貫通孔に嵌入したピンによって回転シリンダと仕切板とを固定し、また、この貫通孔を、圧縮機構部にガスを流出入させるための吸入ポート及び吐出ポートと整合しない位置に配置したので、隣接する回転シリンダ間の相対回転を規制しつつ、1回転毎に低圧のガスあるいは高圧のガスが貫通孔に流れ込むことはなく、したがって貫通孔を設けたことによる効率低下を防止することができる。 【0014】本発明の第6の実施の形態は、第2の実施の形態による密閉型圧縮機において、仕切板にピン挿通孔を形成し、仕切板の両側に位置する回転シリンダのそれぞれに有底のピン受け入れ孔を形成し、ピン受け入れ孔およびピン挿通孔にピンを挿入することにより隣接する圧縮機構部の回転シリンダの相対回転を規制するようにしたので、回転シリンダの有底のピン受け入れ孔を通じてガスが流出入することはなく、したがって吸入ポート及び吐出ポートの配置位置及び大きさに関する設計上の自由度が大きくなり、吸入損失あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択することが可能になるので圧縮機の効率を高めることができる。 【0015】本発明の第7の実施の形態は、第2の実施の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダと仕切板との互いに対面する面に形成した凹部および凸部によって凹凸嵌合させるようにしたので、仕切板との間の凹凸嵌合によって回転シリンダの相対角度を規制しながら、隣接する回転シリンダを分離することができることから、一方の回転シリンダに作用するガス力が他方の回転シリンダに伝達されず、その結果、回転中に回転シリンダが一緒になって傾くことがなくなるので回転シリンダと摺接する部材との間の片当たりを防止することができ、回転シリンダの外周部分の摺動摩耗を低減することができる。 【0016】本発明の第8の実施の形態は、第2の実施の形態による密閉型圧縮機において、回転シリンダと仕切板とを溶接により固定するようにしたので、機械加工において通常一般的に使用される加工技術を利用して隣接する回転シリンダ間の相対回転を防止することができる。本発明の第9の実施の形態は、隣接する圧縮機構部の回転シリンダとこれに挟まれた仕切板とを一体加工品で構成したので、第1ないし第8の実施の形態のように、別体の回転シリンダと仕切板とを連結するための手段を設ける必要がないと共に、第3の実施の形態のように回転シリンダに貫通孔を設ける必要がなく、したがって、圧縮機の吸入ポート及び吐出ポートの配置位置及び大きさに関する設計上の自由度が大きくなり、吸入損失あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択することが可能になるので圧縮機の効率を高めることができる。 【0017】 【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例による密閉型圧縮機の縦断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1のIII−III線断面図、図4は同実施例の圧縮機構部の動作説明図である。図1に示すように、同実施例による密閉型圧縮機は、密閉容器を構成するシェル10の内部にモーター30と圧縮機構部40とを有している。シェル10は、その上部に吐出管11を、下部側面に2つの吸入管12a、12bとを有している。モーター30は、シェル10に固定されたステータ31と、回転駆動するロータ32とからなり、ロータ32の回転は、シャフト33によって圧縮機構部40に伝達される。圧縮機構部40は、第一の回転シリンダー41aと第一のピストン42aからなる第一の圧縮機構部40aと、第二の回転シリンダー41bと第二のピストン42bからなる第二の圧縮機構部40bとを有している。ここで第一の回転シリンダー41aは長円状の溝43aを、第二の回転シリンダー41bは長円状の溝43bをそれぞれ有している。そして、第一のピストン42aは溝43a内部に、第二のピストン42bは溝43b内部に、それぞれ摺動自在に設けられている。なお、第一の圧縮機構部40aと第二の圧縮機構部40bとを構成するそれぞれの部材の大きさ及び形状は同じである。 【0018】第一の圧縮機構部40aと第二の圧縮機構部40bとの間は仕切板44によって仕切られている。ここで、後に詳しく説明するように、第一の回転シリンダー41a、第二の回転シリンダー41b、及び仕切板44は連結されており、一体的に動作する。ただし、第一の回転シリンダー41aと第二の回転シリンダー41bとは、圧縮行程の位相を180度異なるようにそれぞれの溝43a、43bを90度ずらせて連結している。一方、第一のピストン42a及び第二のピストン42bは、シャフト33に設けた第一のクランク33a及び第二のクランク33bにそれぞれはめ込まれる。ここで、第一のクランク33aと第二のクランク33bとは、それぞれの偏心方向が180度異なるように設けている。これら第一の圧縮機構部40a及び第二の圧縮機構部40bは、上軸受け50aと下軸受け50bとによって上下から挟まれるとともに、筒状のケーシング51によって周囲を囲まれている。上軸受け50aには、第一の圧縮機構部40aの吸入ポート51aと吐出ポート52aとが設けられ、下軸受け50bには、第二の圧縮機構部40bの吸入ポート51bと吐出ポート52bとが設けられている。吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bの配置位置については後に説明する。なお、吐出ポート52a、52bには、それぞれ所定圧力で解放するバルブ53a、53bと、このバルブ53a、53bの解放動作を規制するバルブストップ54a、54bが設けられている。ここで、吸入ポート51aは吸入管12aと、吸入ポート51bは吸入管12bと連通している。また、吸入管12a、12bはアキュムレータ60と接続されている。 【0019】上記構成における密閉型圧縮機の冷媒の流れを簡単に説明する。アキュムレータ60内のガス冷媒は、吸入管12a、12bを通ってシェル10内に導入され、吸入ポート51a、51bから第一の圧縮機構部40a及び第二の圧縮機構部40bに吸入される。そして第一の圧縮機構部40a及び第二の圧縮機構部40bで圧縮された冷媒は、所定圧力に達するとバルブ53a、53bを押し上げて吐出ポート52a、52bからシェル10内に吐出される。このとき、第一の圧縮機構部40aと第二の圧縮機構部40bとは、位相を180度異ならせているので吐出のタイミングは同じではない。そしてシェル10内に吐出された冷媒は、モーター20の周辺を通ってシェル10の上部に設けた吐出管11からシェル10外に吐出される。 【0020】次に図2及び図3を用いて、第一の圧縮機構部40aと第二の圧縮機構部40bにおけるシャフト33、ピストン42a、42b、及び回転シリンダー41a、42bの関係について説明する。モーター20の回転を伝えるシャフト33は、B点を中心に回転する。シャフト33に設けられたクランク33a、33bの回転中心Cは、シャフト33の回転中心Bと距離Eだけ偏心して設けられている。なおクランク33a、33bの回転中心Cは、ピストン42a、42bの回転中心でもある。すなわち、ピストン42a、42bは、クランク33a、33bの回転中心を中心にした公転運動をする。一方、回転シリンダー41a、41bは、シャフト33の回転中心Bから距離Eだけ離れた位置を回転中心としている。従って、溝43aの空間は、クランク33a又はピストン42aの回転中心Cが回転シリンダー41aの回転中心Aと最も離れるとき、図2に示すように最大及び最小の空間を形成する。また、第二の圧縮機構部40bは、第一の圧縮機構部40aと180度の位相差を持っているので、第一の圧縮機構部40aが図2の状態にあるとき、第二の圧縮機構部40bは、図3に示すように、クランク33b又はピストン42bの回転中心Cが回転シリンダー41bの回転中心Aと重なる。従って、溝43bの空間は、同図に示すように均等な2つの空間に分けられる。 【0021】次に、図4を用いて冷媒ガスの吸入圧縮行程について説明する。ここでは、第一の圧縮機構部40aについて説明するが、第二の圧縮機構部40bは、同図の位相を180度異ならせるだけで同じ行程となる。同図aからhは、それぞれシャフト33を90度ずつ回転させた状態を示している。まず、同図aに示すようにシャフト33が回転0の時には溝43a内は、空間Iが最大、空間IIが最小の容積の状態である。空間Iは、シャフト33を90度回転させた同図b、シャフト33を180度回転させた同図c、及びシャフト33を270度回転させた同図dにかけて徐々にその容積を小さくし、吐出ポート52aから圧縮冷媒を吐出する。そして、この空間Iは、シャフト33を360度回転させた同図eの状態で圧縮行程を終了する。一方、空間IIは、シャフト33を90度回転させた同図b、シャフト33を180度回転させた同図c、及びシャフト33を270度回転させた同図dにかけて徐々にその容積を大きくし、吸入ポート51aから圧縮冷媒を吸入する。そしてこの空間IIは、シャフト33を360度回転させた同図eの状態で吸入行程を終了する。同図Eの状態から同図hの状態は、逆に空間Iが吸入行程を行い、空間IIが圧縮行程を行っている。そして同図hの状態からさらに90度回転すると同図aの状態となる。このように、溝43a内に形成される二つの空間I、IIは、シャフト33が720度回転する間に、それぞれが圧縮と吸入の行程を行うことになる。 【0022】以上実施例によれば、一方の圧縮機構部において、ピストンが回転シリンダーの中心に位置したとしても、他方の圧縮機構部の回転力があるために、ピストンからの駆動力が回転シリンダーの回転力とならないような場合を回避することができる。また、2つの圧縮機構部の位相差を180度とすることによって、ピストンを対称に配置できるため製造が容易に行える。また、吸入ポートと吐出ポートとを上下軸受けにそれぞれ設けることによって、吸入ポートと吐出ポートとの位置設定の自由度が増す。従って、この吸入ポートや吐出ポートの位置によって圧縮比の調整や過圧縮の防止も可能である。さらに、第一の圧縮機構部と第二の圧縮機構部との位相を180度異ならせ、上軸受けに設けた前記吸入ポートと下軸受けに設けた前記吸入ポートとを同一軸線上に設けることによって吸入管の取り付け位置を同一の側面とすることができ、アキュムレータ等との接続のために配管を引き回すことも生じない。 【0023】図5ないし図7は第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44との第一の組立体110を示すものであり、図5は第一の回転シリンダ41a側から見た組立体110の側面図であり、図6は組立体110の縦断面図であり、図7は第二の回転シリンダ41b側から見た組立体110の側面図である。図5の一点鎖線111は、第一の回転シリンダ41aの回転に伴う溝43aの回転軌跡つまり溝43aの外接円である。第一の回転シリンダ41a及び仕切板44には、回転軌跡111の外周部分に円周方向に等間隔に離間された4つのボルト挿通孔112、113が形成されている(図6参照)。第一の回転シリンダ41aのボルト挿通孔112は、第一の回転シリンダ41aの外面側が拡径されて締結ボルト114のヘッド114aを受け入れる大径部分112aを有する。また、第二のシリンダ41bには、図7に示すように、第一の回転シリンダ41aのボルト挿通孔112に対応した位置に4つのネジ孔115が貫通して形成されている。 【0024】第一の組立体110は第一、第二の回転シリンダ41a、41bの間に仕切板44を挟み込んで配置した後、第一の回転シリンダ41a側から締結ボルト114を挿入して、このボルト114を第二の回転シリンダ41bのネジ孔115に螺合することにより組み立てられている。吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bの配置位置に関し、上軸受け50aに形成された吸入ポート51a、吐出ポート52aを代表して説明すると、これら吸入ポート51a、吐出ポート52aは、溝43aの回転軌跡111の内側であって長円状の溝43aの側方に位置するように位置決めされている。 【0025】この第一の組立体110によれば、第一、第二の回転シリンダ41a、41bの間に仕切板44を配置し、この仕切板44を挟み込んだ状態で第一、第二の回転シリンダ41a、41bを締結ボルト114で連結する構成としたことから各回転シリンダ41a、41bを製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能になる。すなわち、第一、第二の回転シリンダ41a、41bは、単に円板の中央部分に長円状の溝43a、43bを備えただけの単純な形状となり、この回転シリンダ41a、41bを形成するのに研削加工などで溝43a、43bを精度良く且つ容易に加工することができるので、回転シリンダ41a、41bを製造するに際して低コスト化を図ることができる。 【0026】また、第一の回転シリンダ41aに締結ボルト114のヘッド114aを受け入れる大径部分112aを設けたことから、第一の組立体110から締結ボルト113のヘッド113aが突出することがないので、これに対面する上軸受け50aにボルトヘッド113aとの干渉を回避するための溝などを加工する必要がなく、これにより上軸受け50aの加工に伴うコストを低減することができる。また、第一、第二の回転シリンダ41a、41bを貫通するボルト挿通孔112及びネジ孔115が、吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bと対面することのない位置に配置されているため、第一、第二の回転シリンダ41a、41bの回転に伴って、ボルト挿通孔112及びネジ孔115が吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bと一致することはなく、これにより1回転毎に低圧のガスあるいは高圧のガスがボルト挿通孔112及びネジ孔115に流入することはなく、これら孔112、115にガスが流入することに伴う効率低下を防止することができる。第二の回転シリンダ41bに形成したネジ孔115に代えて、この第二の回転シリンダ41bにボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔に締結ボルト114と螺合するナットを受け入れる大径部分を設けるようにしてもよい。 【0027】図8ないし図10は第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44との第二の組立体120を示すものであり、図8は第一の回転シリンダ41a側から見た組立体120の側面図であり、図9は組立体120の縦断面図であり、図10は弟二の回転シリンダ41b側から見た組立体120の側面図である。この第二の組立体120は、上述した第一組立体110の変形例に相当するものであり、図8から理解できるように吸入ポート51a、吐出ポート52aの配置位置は第一の組立体110と同一であるが、第一組立体110のボルト挿通孔112、113及びネジ孔115に代えて、対応する各要素41a、44、41bには、夫々、ピン挿通孔121、122、123が形成され、これらピン挿通孔121〜123にピン124を挿通することにより仕切板44を挟んで位置する第一、第二の回転シリンダ41a、41bが一体化されている。 【0028】この第二の組立体120によれば、第一の組立体110と同様に、回転シリンダ41a、41bを製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能になり、回転シリンダ1a、41bを形成するのに研削加工などで溝43a、43bを精度良く且つ容易に加工することができると共に、第一、第二の回転シリンダ41a、41bを貫通するピン挿通孔121,123が、吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bと対面することのない位置に配置されているため、第一、第二の回転シリンダ41a、41bの回転に伴って、ピン挿通孔121,123が吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bと一致することはなく、これにより、これら孔112、114にガスが流入することに伴う効率低下を防止することができる。 【0029】図11、図12は第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44との第三の組立体130を示すものであり、図11は第一の回転シリンダ41a側から見た第三の組立体130の側面図であり、図12は第三の組立体130の縦断面図である。この第三の組立体130にあっては、第一の回転シリンダ41aおよび第二の回転シリンダ41b(図9では図示を省略してある)の互いに対向する内側面であって回転軌跡111の外周部分に円周方向に等間隔に離間された4つの有底のピン受け入れ孔131a及び131bが夫々形成されている。また、仕切板44には、これに対応する部分にピン挿通孔132が形成されている。 【0030】この第三の組立体130は、第一の回転シリンダ41a又は第二の回転シリンダ41bと仕切板44を重ね合わせて各孔にピン133を挿入した後、残る第二の回転シリンダ41b又は第一の回転シリンダ41aを重ね合わせることにより組立てられる。第三の組立体130にあっては、ピン133によって、仕切板44を挟んで位置する第一の回転シリンダ41aと第二の回転シリンダ41bの相対回転が禁止される。この第三の組立体130によれば、第一、第二の組立体110、120と同様に、回転シリンダ41a、41bを製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能になり、回転シリンダ1a、41bを形成するのに研削加工などで溝43a、43bを精度良く且つ容易に加工することができると共に、第一の回転シリンダ41aおよび第二の回転シリンダ41bに設けたピン133を受け入れるための孔131a及び131bが有底であるため、このピン受け入れ孔131a及び131bを通じて吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bにガスが流出入することはなく、したがって吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bの配置位置及び大きさに関する設計上の自由度が大きくなる。その結果、吸入損失あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択することが可能になり、この観点から圧縮機の効率を高めることができる。 【0031】図13は、第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44との第四の組立体140の分解斜視図である。この第四の組立体140にあっては、第一の回転シリンダ41aと仕切板44との互いに対向する面及び第二の回転シリンダ41bと仕切板44との互いに対向する面に凹部と凸部とが形成されてこれら凹部と凸部との凹凸嵌合により要素間同士の相対回転が禁止されている。すなわち、第一の回転シリンダ41aには、外径部分に180゜間隔で2つの凹部131が形成され、これに対応する2つの凸部132が仕切板44に形成されている。また、第二の回転シリンダ41bには、外径部分に180゜間隔で二つの凹部133が形成され、これに対応する2つの凸部134が仕切板44に形成されている。変形例として第一、第二の回転シリンダ41a、41bに凹部を設け、仕切板44に凹部を設けるようにしてもよい。この第四の組立体140によれば、仕切板44との間の凹凸嵌合によって第一、第二の回転シリンダ41a、41bの相対角度を規制しながら、この2つの回転シリンダ41a、41bを分離することができる。したがって、一方の回転シリンダに作用するガス力が他方の回転シリンダに伝達されず、その結果、第四の組立体140の回転中に回転シリンダ41a、41bが一緒になって傾くことがなくなり、上下の軸受け50a、50bとの間の片当たりを防止することができ、回転シリンダ41a、41bの外周部分の摺動摩耗を低減することができる。 【0032】図14ないし図16は第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44との第五の組立体150を示すものであり、図14は第一の回転シリンダ41a側から見た組立体150の側面図であり、図15は組立体150の縦断面図であり、図16は弟二の回転シリンダ41b側から見た組立体150の側面図である。図15に示す参照符号151は溶接部分を示すものである。この図15から理解できるように、第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44とが溶接により一体化されている。この場合、仕切板44は、図15から明らかなように、第一、第二の回転シリンダ41a、41bの直径よりも相当に小さな直径を有していてもよく、また、実質的に等しい直径を有していてもよい。この第五の組立体150によれば、第一、第二の組立体110、120と同様に、回転シリンダ41a、41bを製造する際にそれぞれ別々に加工することが可能になり、回転シリンダ41a、41bを形成するのに研削加工などで溝43a、43bを精度良く且つ容易に加工することができる。また、仕切板44の直径を第一、第二の回転シリンダ41a、41bよりも相当に小さなものとしたときには、仕切板44の外周部分と第一、第二の回転シリンダ41a、41bとの溶接面積を大きくとることができので、少ない溶接箇所で強度の高い固定が可能になる。 【0033】図17ないし図19は第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44との第六の組立体160を示すものであり、図17は第一の回転シリンダ41a側から見た組立体160の側面図であり、図18は組立体160の縦断面図であり、図19は弟二の回転シリンダ41b側から見た組立体160の側面図である。図18から理解できるように、第一、第二の回転シリンダ41a、41bと仕切板44とは一体成形されている。この第六の組立体160によれば、第一、第二の2つの回転シリンダ41a、41bを機械的に締結するための手段、例えばボルト、ピンなどの部材が不用であり、また第一、第二の回転シリンダ41a、41b間の相対回転を規制するための凹凸嵌合などの手段が不用となる。また、第一、第二の組立体110、120のように回転シリンダに貫通孔を形成する必要がないので、これら貫通孔を通じたガス流出が発生することはなく、第三の組立体130と同様に、吸入ポート51a、51b及び吐出ポート52a、52bの配置位置及び大きさに関する設計上の自由度が大きくなる。その結果、吸入損失あるいは吐出損失の少ないポート形状を選択することが可能になり、この観点から圧縮機の効率を高めることができる。 【0034】以上実施例は、2つの圧縮機構部の位相差を180度としたが、これに限られるものではなく、90度や270度あるいはそれ以外の位相差であっても良い。また、実施例は、2つの圧縮機構部を設けたもので説明したが、3つ以上の圧縮機構部を設けたものでもよい。 【0035】 【発明の効果】以上のように本発明は、位相の異なる複数組の圧縮機構部を備えた密閉型圧縮機を採用する場合に、複数組の圧縮機構部同士の同期性を確実なものとすることができる。また、本発明は、更に、工業的に生産可能な具体的な構造により上記の圧縮機構部同士の確実なる同期性を実現することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】清水 善▲廣▼ (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−230069 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−49017 |
|