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【発明の名称】 脱圧弁
【発明者】 【氏名】草信 希和

【要約】 【課題】容積式給油システムにおいて、脱圧時にポンプ側の配管系と計量型分配弁側の配管系とを確実に遮断する。

【解決手段】ポンプ側からの1次配管11と計量型分配弁に至る2次配管13との間に形成された弁室21を備え、同弁室21内に1次配管11側の給油ポート211を開閉するメインバルブ25を設けるとともに、このメインバルブ25内に抵抗弁31を組み込み、抵抗弁31に異物が挟まったとしても、メインバルブ25にて1次配管11と2次配管13とを確実に遮断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オイルタンク内の潤滑油を間欠的に汲み上げて圧送するポンプから計量型分配弁に至る配管に接続され、上記ポンプの停止時にその配管内の潤滑油を上記オイルタンク内に戻して脱圧する脱圧弁において、上記ポンプ側からの1次配管に接続される給油ポート、上記計量型分配弁に至る2次配管に接続される吐出ポートおよび上記オイルタンクに連通する排油ポートを有する弁室を備え、同弁室内には、上記給油ポート内に摺動自在に嵌合する頭部、同頭部よりも大径で上記給油ポートの周縁に当接する面にパッキンを有する肩部および上記排油ポートを選択的に開閉する弁体を含むメインバルブと、常態において同メインバルブを上記給油ポート側に向けて付勢し、上記パッキンを上記給油ポートの周縁に当接させるとともに、上記弁体を上記排油ポートから離間させる第1スプリングとが設けられており、上記メインバルブには、上記頭部の先端からその軸方向に穿設された第1通路および上記パッキンの手前側位置において同第1通路に向けて半径方向に穿設された第2通路とからなる連通路と、上記第1通路と第2通路との間に設けられ、その間を開閉する抵抗弁と、同抵抗弁をその閉位置に向けて付勢する第2スプリングとが設けられていることを特徴とする脱圧弁。
【請求項2】 上記給油ポート、上記排油ポート、上記弁体および上記抵抗弁は同軸的に配置されており、上記弁体と上記抵抗弁との間に上記第2のスプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の脱圧弁。
【請求項3】 上記排油ポートにはチェックバルブが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の脱圧弁。
【請求項4】 上記排油ポートの孔面積をφcm、脱圧開始当初の上記2次配管内の圧力をPkg/cmとするとき、上記第1スプリングの設定荷重Wは、W>φcm×Pkg/cmとされていることを特徴とする請求項1,2または3に記載の脱圧弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容積式給油システムに用いられる脱圧弁に関し、さらに詳しく言えば、ポンプ停止時(脱圧時)に2次側配管から、そのポンプの1次側配管への逆流(リーク)を確実に阻止するように動作する脱圧弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】容積式給油システムにおいては、ポンプとして例えばギャポンプが用いられ、そのポンプの間欠運転により、計量型分配弁(例えば特公昭61−24600号参照)に対して潤滑油が間欠的に供給される。
【0003】すなわち、ポンプが運転されると、その圧送された潤滑油の圧力により、計量型分配弁から例えばその第1計量室内に蓄積されていた潤滑油が所定の給油ポイントに送り出されると同時に、第2計量室内に次に吐出する潤滑油が蓄積される。
【0004】そして、ポンプが停止すると、それに伴なって配管内の圧力が脱圧状態とされ、計量型分配弁内のピストンが作動し、第2計量室内に蓄積された潤滑油が次の吐出に備えるため、第1計量室内に移される。
【0005】このように、容積式給油システムによれば、ポンプの間欠運転により、計量型分配弁から所定量の潤滑油が順次送り出されるため、潤滑油の粘度変化に左右されることなく、正確な油量を給油ポイントに供給することができる。
【0006】ところで、計量型分配弁は上記のように、ポンプ停止時(脱圧時)に次回に吐出する油量をその計量室内に蓄積するのであるが、その蓄積油量を正確に計量するには、配管内の圧力を確実に脱圧する必要がある。そのため、従来では図5に示されているような脱圧弁1を使用している。
【0007】すなわち、この脱圧弁1は例えばアルミダイカストからなるブロック筐体1aを備え、このブロック筐体1a内には、図示しないギャポンプに接続される1次側配管路Aと、同じく図示しない計量型分配弁および圧力計に接続される2次側配管路Bとが穿設されている。
【0008】1次側配管路Aに関連して、そのパイプ接続口A1の近傍にはエアー抜きバルブ2と、メインバルブ3とが設けられており、また、1次側配管路Aと2次側配管路Bとの間には抵抗弁4が設けられている。エアー抜きバルブ2には、スプリング2aに付勢されたボールバルブ2bが用いられている。
【0009】メインバルブ3は弁室5内に収納されている。この弁室5の一端側には1次側配管路Aに至る連通ポート5aが穿設されており、また、弁室5の他端側には連通ポート5aと同軸的な排油ポートCを有するニップル6が螺着されている。排油ポートCにはチェックバルブ6aが設けられている。
【0010】メインバルブ3は、連通ポート5a内に液密的に嵌合し、1次側配管路A内の圧力を受ける頭部3aと、同頭部3aよりも大径で連通ポート5aの周縁に当接する面にパッキン3bを有する鍔部3cと、排油ポートCを選択的に開閉するボールバルブからなる弁体3dとを備えている。なお、メインバルブ3は弁室5内のスプリング5bにより連通ポート5a側に付勢されている。
【0011】抵抗弁4は弁室5とは別の弁室7内に収納されている。この場合、1次側配管路Aの末端が弁室7の給油ポートA2とされており、抵抗弁4はその給油ポートA2の周縁に当接する肩部4aを有し、この肩部4aにはパッキン4bが取り付けられている。
【0012】弁室7内には、抵抗弁4を給油ポートA2側に向けて付勢するスプリング7aが設けられており、常態(ポンプ停止時)において1次側配管路Aと2次側配管路Bは抵抗弁4により遮断されている。なお、2次側配管路Bは弁室7を経由してメインバルブ3の弁室5内にも連通している。
【0013】ギャポンプの運転により、図示しないオイルタンクから潤滑油が汲み上げられ1次側配管路A内に供給される。空気が混入している場合、その空気はエアー抜きバルブ2により外部に放出される。潤滑油は粘性があるため、ボールバルブ2bをスプリング2aに抗して押し上げ、エアー抜き孔2cを閉じる。
【0014】1次側配管路A内の圧力が高まると、まず、その圧力によりメインバルブ3がスプリング5bに抗して図5の左側に寄せられ、弁体3dが排油ポートCを閉鎖する。さらに圧力が上昇すると、抵抗弁4がスプリング7aに抗して図5の左側に寄せられ、図6に示されているように給油ポートA2が開放される。これにより、潤滑油が1次側配管路Aから2次側配管路Bに流れ、図示しない計量型分配弁に供給される。
【0015】ポンプが一定時間運転されその後停止されると、1次側配管路A内の圧力が低下するため、抵抗弁4およびメインバルブ3が、ともにそれらのスプリング7a,5bの付勢力にて図5の右側に戻される。
【0016】これにより、1次側配管路Aと2次側配管路Bとが遮断されるとともに、排油ポートCが開とされ、2次側配管路B内の潤滑油が弁室5およびその排油ポートCを通って図示しないオイルタンク内に戻され、脱圧が完了する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポンプ運転時に抵抗弁4を通過する流量は、計量型分配弁が計量する総量近くまでは多く流れるが、その計量終了間際になると、分配弁に供給される流量が少なくなるとともに、配管系の膨張や圧力計のブルドン管が動作するのに圧力が費やされることなどからして、配管内の圧力が急激に上昇するもその後圧力上昇曲線が緩やかになり、ポンプ停止直前時点では図示しないリリーフバルブが開き、潤滑油がオイルタンク内に戻されることになる。
【0018】したがって、図6に例示されているように、抵抗弁4が開いている隙間が微少となり、抵抗弁4を通過する流量もわずかとなるため、潤滑油中に含まれている異物がその隙間に挟まる確率が高くなる。
【0019】抵抗弁4に異物が挟まった状態で、ポンプが停止となり脱圧が開始されると、2次側配管路Bと1次側配管路Aとが確実に遮断されないため、2次側配管路Bから1次側配管路Aに潤滑油が逆流(リーク)することになる。また、厳密に言えば、メインバルブ3のパッキン3bの箇所における異物の挟まりによるリークも無視し得ない。
【0020】このような逆流現象が生ずると、次にポンプが運転されるときに、その運転時間内に一定圧力まで昇圧しなくなるため、計量型分配弁の吐出量にバラツキが生じたり、計量不良を起こすことになる。
【0021】特に、近年の精密工作機械などにおいては、計量型分配弁からの1回の吐出量が0.015ccというように微少量の給油が要求されており、ごくわずかなリークでも問題となってしまう。
【0022】通常、ポンプ側のサクションフィルタは200μm以上の異物を除去しているが、それよりも小さな異物は潤滑油中に含まれて脱圧弁を通過する。脱圧弁のトラブルの50%程度はこのような異物に起因しており、その内の20%程度は上記のような抵抗弁4における異物の挟まりから発生している。
【0023】一方、2次側配管路B内の脱圧は、次のサイクルタイムでポンプが運転される前までに完了していることが原則であるが、計量型分配弁がより正確に油量を計量するには、脱圧を速くしてその分配弁のピストンの作動を速やかに終了させることが好ましいとされている。
【0024】また、近年の精密工作機械などでは、その加工スピードが速くなっていることから、その機械運転前に行なう初期潤滑にしても、2〜3回潤滑ポンプを短時間で作動させるという使い方がなされている。そのためには、脱圧を速くしないと間に合わない。
【0025】このようなことからしても、脱圧速度を速めることが要求されているが、従来の脱圧弁では、ポンプを運転して例えばその圧力を15kg/cmまで上昇させた後、ポンプを停止して脱圧状態とした場合、10〜7kg/cmまでは急激に圧力が低下するが、それ以後は圧力低下がなだらかで、長時間を要しているのが実状である。
【0026】その原因は、従来においては、ポンプ停止直後の一次圧と二次圧との間に発生する差圧によりメインバルブ3を作動させているため、メインバルブ3の作動が不安定となり、急速に排油ポートCを開放し得ないことに起因している。
【0027】本発明は、上記した種々の課題を解決するためになされたもので、その第1の目的は、ポンプ停止時の脱圧時にポンプ側の配管系と計量型分配弁側の配管系とを確実に遮断し、計量型分配弁を正確に作動させることができるようにした脱圧弁を提供することにある。
【0028】また、本発明の第2の目的は、脱圧を短時間の内に速やかに行なうことができるようにした脱圧弁を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するため、本発明は、オイルタンク内の潤滑油を間欠的に汲み上げて圧送するポンプから計量型分配弁に至る配管に接続され、上記ポンプの停止時にその配管内の潤滑油を上記オイルタンク内に戻して脱圧する脱圧弁において、上記ポンプ側からの1次配管に接続される給油ポート、上記計量型分配弁に至る2次配管に接続される吐出ポートおよび上記オイルタンクに連通する排油ポートを有する弁室を備え、同弁室内には、上記給油ポート内に摺動自在に嵌合する頭部、同頭部よりも大径で上記給油ポートの周縁に当接する面にパッキンを有する肩部および上記排油ポートを選択的に開閉する弁体を含むメインバルブと、常態において同メインバルブを上記給油ポート側に向けて付勢し、上記パッキンを上記給油ポートの周縁に当接させるとともに、上記弁体を上記排油ポートから離間させる第1スプリングとが設けられており、上記メインバルブには、上記頭部の先端からその軸方向に穿設された第1通路および上記パッキンの手前側位置において同第1通路に向けて半径方向に穿設された第2通路とからなる連通路と、上記第1通路と第2通路との間に設けられ、その間を開閉する抵抗弁と、同抵抗弁をその閉位置に向けて付勢する第2スプリングとが設けられていることを特徴としている。
【0030】上記の構成において、ポンプの運転により1次配管内の圧力が上昇すると、まず、メインバルブが第1スプリングに抗して開くとともに、排油ポートがメインバルブの弁体にて閉じられる。引き続いて、1次配管内の圧力が上昇すると、抵抗弁が第2スプリングに抗して開く。これにより、潤滑油が1次配管からメインバルブ内の第1通路と第2通路を通って2次配管に流れ込み計量型分配弁に供給される。
【0031】ポンプの停止による脱圧時には、メインバルブが2次配管内の圧力と第1スプリングとにより初期位置に復帰し、そのパッキンにより給油ポートが塞がれ、1次配管と2次配管とが遮断される。また、抵抗弁も第2スプリングにて初期の閉位置に復帰する。
【0032】上記の動作において、計量型分配弁が計量終了間際になると、従来と同じく1次配管から2次配管へ流れる油量はわずかとなり、したがって、抵抗弁が開いている隙間が微少となり、ポンプ停止直前ではリリーフバルブが開いて潤滑油がオイルタンク内に戻されるため、流量がなくなり抵抗弁が閉じられる。
【0033】一方、メインバルブのパッキンと給油ポート周縁との間は大きく開いており、しかも脱圧時にはメインバルブはポンプからの流量がない状態で急速に閉じられるため、そのパッキンに異物が挟まるおそれはほとんどない。
【0034】したがって、抵抗弁に異物が挟まったとしても、2次配管側から1次配管に向けてのリークは生じない。また、本発明においては、メインバルブ内に抵抗弁を組み込んだ構成であるため、従来ではパッキンが2箇所であったものを1箇所にすることができ、この意味においても、異物の挟まりによるリーク現象をより確実に防止することができる。
【0035】なお、本発明では、抵抗弁はメインバルブ内に組み込まれる関係上、抵抗弁および同抵抗弁と接する第1通路の径は必要最小限の大きさとされる。これにより、吐出時の抵抗弁の抵抗が大きくなることから、その開度も大きくとることができ、したがって、異物が挟まるおそれが少なくなるとともに、仮に異物が挟まったとしても次回のポンプ作動でその異物が排出され易くなる。
【0036】本発明において、上記給油ポート、上記排油ポート、上記弁体および上記抵抗弁は同軸的に配置されており、上記弁体と上記抵抗弁との間に上記第2のスプリングが設けられていることが好ましく、これによれば、メインバルブをより簡潔に設計することができる。
【0037】また、上記排油ポートにはチェックバルブを設けることにより、脱圧後における2次配管内の圧力を必要以上に低下させることなく、また、逆流が防止されるため、次回のポンプ運転に備えて適正な圧力に保持することができる。
【0038】また、上記第2の目的を達成するため、本発明は、上記排油ポートの孔面積をφcm、脱圧開始当初の上記2次配管内の圧力をPkg/cmとするとき、上記第1スプリングの設定荷重Wが、W>φcm×Pkg/cmとされていることを特徴としている。
【0039】すなわち、脱圧時に排油ポートが開放されるため、そこから2次配管内の圧力Pkg/cmが逃されることになるが、本発明においては、その排油ポートより逃される圧力分(φcm×Pkg/cm)が第1スプリングにて補われるため、メインバルブが脱圧と同時に作動して給油ポートを閉鎖することになり、上記第2の目的が達成される。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の技術的思想をよりよく理解するうえで、図1ないし図5を参照しながら、その好適な実施例およびその動作について説明する。
【0041】まず、図1に基づいて、この実施例に係る脱圧弁10の全体的な構成を説明する。この脱圧弁10も、例えばアルミダイカストからなるブロック筐体10aを備えており、同ブロック筐体10a内には、1次配管路11と2次配管路13とが形成されている。
【0042】1次配管路11はブロック筐体10aの側面に開口する接続口111を有し、この接続口111に想像線で示されているポンプユニット15が接続されている。この場合、ポンプユニット15はギヤポンプ151およびそのサクションフィルタ152を備えている。
【0043】この実施例において、1次配管路11にはエアー抜きバルブ17と、リリーフバルブ19とが設けられている。エアー抜きバルブ17は、先に説明した従来例と同じく、スプリング171に付勢されたボールバルブ172であってよい。また、リリーフバルブ19も、スプリング191に付勢された圧力逃し弁192を備え、1次配管路11内の過大な圧力を逃すように動作する。
【0044】1次配管路11と2次配管路13との間に弁室21が設けられている。図2の拡大図を併せて参照すると、弁室21は所定容積の円筒状に形成されており、その軸方向の一端には、1次配管路11に連通する同弁室21よりも小径の給油ポート211が同軸的に穿設されている。弁室21の内周面の所定部位には、2次配管路13と連通する吐出ポート212が形成されている。
【0045】また、弁室21の軸方向の他端には、排油ポート231を有するニップル23が螺着されている。この場合、排油ポート231は給油ポート211と同軸関係にあり、排油ポート231には、スプリング232により付勢されたチェック弁233が取り付けられている。
【0046】弁室21内にはメインバルブ25が収納されている。このメインバルブ25は、その一端側に給油ポート211内に摺動自在に嵌合する頭部27と、給油ポート211の周縁に当接するように同頭部27よりも大径とされた肩部29とを備え、この肩部29の給油ポート211の周縁に当接する面側にはパッキン291が取り付けられている。また、メインバルブ25の他端側には、排油ポート231を選択的に開閉するボールバルブからなる弁体28が固着されている。
【0047】このメインバルブ25に関連して、弁室21内には、常態において同メインバルブ25を給油ポート211側に向けて付勢し、パッキン291を給油ポート211の周縁に当接させるとともに、弁体28を排油ポート231から離間させた位置に保持するスプリング213と、メインバルブ25を弁室21の軸線方向に沿って摺動可能に保持するガイド筒214とが設けられている。
【0048】本発明においては、メインバルブ25内に抵抗弁31が設けられている。すなわち、メインバルブ25の頭部27には、その先端から軸方向に穿設された第1通路271と、上記パッキン291の手前側位置(頭部27側寄りの位置)において同第1通路271に向けて半径方向に穿設された第2通路272とからなる連通路273が形成されており、抵抗弁31はその第1通路271と第2通路272の交差部に配置されている。
【0049】この実施例によると、抵抗弁31にはボールバルブが用いられており、メインバルブ25内には、同抵抗弁31をその閉位置、すなわち、第1通路271と第2通路272の交差部に向けて付勢するスプリング311が設けられている。
【0050】なお、この実施例において、2次配管路13には計量型分配弁に接続される第1接続口131と、圧力計(ともに図示しない)に接続される第2接続口132とが設けられている。また、弁室21に螺着されているニップル23には、潤滑油を図示しないオイルタンク内に戻すための配管234が接続されている。
【0051】次に、図2ないし図4を参照しながら、この脱圧弁10の動作について説明する。ギャポンプ151が休止状態にあるときは、図2に示されているように、メインバルブ25はスプリング213によって同図右方向に付勢されパッキン291が給油ポート211の周縁に押し付けられ、また、抵抗弁31もスプリング311にて同図右方向に付勢され連通路273を閉じた位置に保持され、これにより、1次配管路11と2次配管路13とが遮断されている。
【0052】ギャポンプ151が運転されると、図示しないオイルタンクから潤滑油が汲み上げられ、その潤滑油が1次側配管路11内に供給される。空気が混入している場合、その空気はエアー抜きバルブ17により外部に放出される。潤滑油は粘性があるため、ボールバルブ172をスプリング171に抗して移動させ、エアー抜き孔173を閉じる。
【0053】1次側配管路11内の圧力が高まると、その圧力により、まず、メインバルブ25がそのスプリング213に抗して押し開かれ、引き続いて、抵抗弁31がそのスプリング311に抗して押し開かれる。これにより、図3に示されているように、1次配管路11と2次配管路13とが連通路273を介して連通し、1次配管路11側から2次配管路13を経て図示しない計量型分配弁に潤滑油が供給されるとともに、排油ポート231が弁体28にて閉じられる。
【0054】このポンプ運転時に抵抗弁31を通過する流量は、従来例で説明したのと同じく、計量型分配弁が計量する総量近くまでは多く流れるが、その計量終了間際になると、分配弁に供給される流量が少なくなるとともに、配管系の膨張や圧力計のブルドン管が動作するのに圧力が費やされることなどからして、配管内の圧力が急激に上昇するもその後圧力上昇曲線が緩やかになり、ポンプ停止直前時点ではリリーフバルブ19が開き、潤滑油がオイルタンク内に戻されることになる。
【0055】したがって、計量型分配弁が計量終了間際になると、抵抗弁31の開き量も次第に微少となるが、メインバルブ25は1次配管路11内の圧力によって図3の左側に寄せられており、そのパッキン291と給油ポート211の周縁との間は大きく開かれた状態に維持される。
【0056】そして、ギャポンプ151が停止すると、2次配管路13内の圧力とスプリング213の荷重とにより、メインバルブ25は図4に示されているように、急速に閉位置に戻される。これにより、給油ポート211がパッキン291にて閉鎖されるとともに、排油ポート231が開かれて、2次配管路13内の潤滑油がチェックバルブ233を押し開きながら、オイルタンクへと戻される。
【0057】この脱圧時に、図4に例示されているように、抵抗弁31に潤滑油中の異物Tが挟まったとしても、給油ポート211はメインバルブ25のパッキン291にて塞がれているため、2次配管路13から1次配管路11への逆流(リーク)が生ずるおそれはない。
【0058】なお、メインバルブ25のパッキン291は、大きく開かれている状態から急速に閉じられるため、その間に潤滑油中の異物が挟まることはほとんどなく、逆流に至る危険性が少なくなる。また、仮に抵抗弁31に潤滑油中の異物Tが挟まったとしても、この抵抗弁31は吐出時の開度が大きいため、次回のポンプ作動時にそのほとんどが排出される。
【0059】ところで、先にも説明したように、ギャポンプ151を運転して例えばその圧力を15kg/cmまで上昇させた後、ポンプを停止して脱圧状態とした場合、10〜7kg/cmまでは急激に圧力が低下するが、それ以後は圧力低下がなだらかであるため脱圧完了までに長時間を要し、その結果、計量型分配弁からの吐出量にバラツキが生ずる。
【0060】この脱圧時間は、給油ポート211の開口面積φ1、排油ポート231の開口面積φ2およびスプリング213の荷重Wの関係に依存する。すなわち、ポンプ運転時における1次配管路11内の圧力をPkg/cmとすると、メインバルブ25を押し開いている力は、Pkg/cm×φ1である。
【0061】また、2次配管路13内の圧力をP1kg/cm、スプリング213の荷重をWとすると、メインバルブ25を図4において右側に押し戻そうとする力は、P1kg/cm×(φ1−φ2)+Wとなる。
【0062】ここで、ポンプの運転により一定の圧力が保持された後の脱圧時には、1次配管路11内の圧力Pkg/cmと、2次配管路13内の圧力P1kg/cmは、ともに瞬間的に10〜7kg/cm程度まで低下するため、脱圧開始時点においては、ほぼP=P1と考えてよい。
【0063】したがって、本発明では、脱圧開始時点における2次配管路13内の圧力をP1kg/cmとして、スプリング213の設定荷重Wを、W>φ2×P1kg/cm(ただし、この実施例でP1は10〜7kg/cm程度である。)として、排油ポート231の開口面積φ2の圧力分をスプリング213で補うようにしている。
【0064】これによれば、脱圧開始時点で一気にメインバルブ25が閉じられるため、脱圧を速くして計量型分配弁のピストンの作動を速やかに終了させ、同分配弁での計量をより正確なものとすることができる。また、近年の精密工作機械などに求められている加工スピードの高速化にも対応することができる。
【0065】なお、上記実施例では抵抗弁31および排油ポート231の弁体28にそれぞれボールバルブを用いているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば傘型バルブなどであってもよい。また、他の構成要素についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変形は許容される。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、メインバルブ内に抵抗弁を組み込んだことにより、抵抗弁に異物が挟まったとしても、2次配管側から1次配管に向けてのリークは生じない。また、従来ではパッキンが2箇所であったものを1箇所にすることができ、この意味においても、異物の挟まりによるリーク現象をより確実に防止することができる。
【0067】さらには、排油ポートの孔面積をφcm、脱圧開始当初の2次配管内の圧力をPkg/cmとするとき、メインバルブ用のスプリングの設定荷重Wを、W>φcm×Pkg/cmとしたことにより、脱圧時間をより短時間とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000195122
【氏名又は名称】正和油機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
【公開番号】 特開平11−230059
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−52857