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【発明の名称】 無給油式スクリュー圧縮機
【発明者】 【氏名】太田 広志

【氏名】西村 仁

【氏名】長田 義郎

【要約】 【課題】無給油式スクリュー圧縮機において、全閉形電動機の寿命の延長を図るようにした無給油式スクリュー圧縮機を提供する。

【解決手段】圧縮機1、3を全閉形電動機7で駆動するようにした無給油式スクリュー圧縮機において、防音カバー22に形成され、前記全閉形電動機7と対向する空気の吸込口24に水冷式の熱交換器18と、この熱交換器18に向けて空気を送り込むファン21と、前記空気の吸込口24に配置されたファン21と熱交換器18を覆い、全閉形電動機7に対する一次側の通風路を形成する第1のダクト23とを設け、この熱交換器18を通して冷却された空気で全閉形電動機7を冷却する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧縮機を全閉形電動機で駆動するようにした無給油式スクリュー圧縮機において、防音カバーに形成され、前記全閉形電動機と対向する空気の吸込口に水冷式の熱交換器と、この熱交換器に向けて空気を送り込むファンと、前記空気の吸込口に配置されたファンと熱交換器を覆い、全閉形電動機に対する一次側の通風路を形成する第1のダクトとを設け、この熱交換器を通して冷却された空気で全閉形電動機を冷却するようにしたことを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項2】前記圧縮機と対向する全閉形電動機の端部から防音カバーに形成された排気口を接続し、全閉電動機に対する二次側の通風路をする第2のダクトと、このダクトの排気口付近に配置されたファンとを設けたことを特徴とする請求項1に記載の無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項3】前記第1のダクトと第2のダクトにより形成された一次側の通風路と二次側の通風路とを接続する第3のダクトを設け、第3のダクトで全閉形電動機を覆うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の無給油式スクリュー圧縮機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリューロータを全閉形電動機で駆動する無給油式スクリュー圧縮機に係り、全閉形電動機を保護するのに好適な無給油式スクリュー圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無給油式スクリュー圧縮機として、たとえば特開昭62−85194号公報に開示された空冷無給油式スクリュー圧縮機が提案されている。このような無給油式スクリュー圧縮機においては、各回転機器から出る騒音を遮断するため、全ての機器が防音カバーの中に収納されている。
【0003】内部に排気ファンと防音カバーの内部は、空気の圧縮による発熱や、モータの発熱によって高温になるため、内部に排気ファンとダクトを配置するとともに、防音カバーに圧縮用空気の取り入れ口、主電動機の冷却用空気の取り入れ口、換気用空気の取り入れ口などが形成され、防音カバー内部の空気を換気して温度上昇を押さえるようにしている。
【0004】スクリュー圧縮機で空気を圧縮した場合、圧縮空気の吐出温度は200〜350℃まで上昇する。水冷無給油式スクリュー圧縮機の場合でも、圧縮機の全放熱量の約15%が防音カバー内に放熱され、前記の構成を採用していても、防音カバー内の温度が外気温に対して約20℃上昇し、主電動機の周囲温度も約20℃上昇する。
【0005】主電動機が開放形電動機の場合には、外気を直接電動機内部へ通風し、電動機の内部を強制的に冷却することにより、電動機の温度上昇を抑制することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内部が密閉された全閉形電動機においては、電動機の内部に通風できず、その外周面から冷却しなければならないため、冷却効率が低下し開放形電動機に比べ、電動機のコイルや軸受の温度がより高くなる。このため、全閉形電動機は、開放形電動機に比べ、コイル、軸受、軸受グリースなどの寿命が短くなる傾向にある。
【0007】上記の事情に鑑み、本発明の目的は、冷却効率を向上させて温度上昇を抑制して、コイル、軸受、軸受グリース等の寿命を伸ばし、全閉形電動機の寿命の延長を図るようにした無給油式スクリュー圧縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本出願の第1の発明においては、圧縮機を全閉形電動機で駆動するようにした無給油式スクリュー圧縮機において、防音カバーに形成され、前記全閉形電動機と対向する空気の吸込口に水冷式の熱交換器と、この熱交換器に向けて空気を送り込むファンと、前記空気の吸込口に配置されたファンと熱交換器を覆い、全閉形電動機に対する一次側の通風路を形成する第1のダクトとを設け、この熱交換器を通して冷却された空気で全閉形電動機を冷却するようにした。
【0009】また、第2の発明においては、前記圧縮機と対向する全閉形電動機の端部から防音カバーに形成された排気口を接続し、全閉電動機に対する二次側の通風路をする第2のダクトと、このダクトの排気口付近に配置されたファンとを設けた。
【0010】さらに、第3の発明においては、前記第1のダクトと第2のダクトにより形成された一次側の通風路と二次側の通風路とを接続する第3のダクトを設け、第3のダクトで全閉形電動機を覆うようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は、水冷無給油式スクリュー圧縮機の構成図、図2は、図1の水冷無給油式スクリュー圧縮機の斜視図、図3は、熱交換器の正面図である。
【0012】同図において、1は一段目の圧縮機で、スクリューロータ2を備えている。3は二段目の圧縮機で、スクリューロータ4を備えている。5はギヤケースで、増速ギヤ6を備え、下部に潤滑用の油を貯留している。7は全閉形電動機で、外周に放熱用のフィン8が形成され、増速ギヤ6を介してスクリューロータ2、4を所定の速度で回転させる。
【0013】9は圧縮空気の一次冷却器、10は圧縮空気の二次冷却器、11は空気吸込口、12は圧縮空気の吐出口である。13はオイルクーラ、14はオイルポンプ、15は給水口、16は水配管、17は排水口である。
【0014】18は熱交換器で、複数の配管19と、配管19に固定された複数のフィン20とを備え、配管19に水を流し、フィン20の間に空気を通過させることにより、水と空気の間の熱交換を行う構成になっている。
【0015】21はファンで、熱交換器18と対向するように配置されている。22は防音カバー。23は第1のダクトで、防音カバー22に形成された空気の吸込口24から熱交換器18もしくは全閉形電動機7の一端までを覆い全閉形電動機7に対する一次側の通風路を形成している。25は第2のダクトで、全閉形電動機7の圧縮機1、3側の端部から防音カバー22の排気口26までを接続し、全閉形電動機7に対する二次側の通風路を形成している。
【0016】このような構成で、給水口15から供給された冷却水は、配管16によってまず、熱交換器18に導かれ、全閉形電動機7を冷却するための空気を冷却する。この時、たとえば、冷却水の温度が30℃、外気の温度が40℃の場合、熱交換器18を通った空気の温度は31〜32℃程度になる。一方、冷却水の温度も31〜32℃程度になる。
【0017】熱交換器18を通過した冷却水は二つに分岐され、その一方は、オイルクーラ13を通り、オイルを冷却した後排水口17から排水される。分岐された他方の水は、一次冷却器9に流入して、1段目の圧縮機1で圧縮された空気を冷却する。一次冷却器9を通過した水は、さらに二つに分岐され、圧縮機1、3に流入して圧縮機1、3を冷却する。圧縮機1、3を通過した水は合流して二次冷却器10に流入し圧縮機3で圧縮された空気を冷却する。二次冷却器を通過した水は、オイルクーラ13からの水と合流して、排水口17から排出される。
【0018】圧縮機1、3が作動すると、吸込口11から吸い込まれた空気は、一段目の圧縮機1により圧縮され、第1の冷却器9に流入する。ここで、冷却水との熱交換により冷却された圧縮空気は、二段目の圧縮機3によりさらに圧縮され、第2の冷却器10に流入する。そして、冷却器10で冷却された圧縮空気は吐出口12から吐出される。
【0019】全閉形電動機7とともに、図示しないモータを作動させ、ファン21を回転させると、吸込口24から吸い込まれた空気は、熱交換器18を通ることにより冷却され、全閉形電動機7に吹き付けられる。そして、全閉形電動機7を冷却して温度が上昇した空気は、ダクト25に流入して排気口26から排気される。
【0020】上述のように、全閉形電動機7に吹き付ける空気の温度を低下させることにより、全閉形電動機7に対する冷却効率を向上させることができる。たとえば、全閉形電動機7の軸受の温度を10℃低下させれば、軸受を潤滑するグリースの寿命を約2倍に延長させることができる。また、冷却水の温度上昇は極めて小さいため、冷却水の給水量を増加させることなく、全閉形電動機7の冷却効率を向上させることができる。
【0021】図4は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、水冷無給油式スクリュー圧縮機の構成図である。同図において、図1と同じものは同じ符号を付けて示す。27はファンで、排気口26の近くに位置するように、ダクト25内に配置されている。
【0022】このような構成とすることにより、ダクト25を介して全閉形電動機7の二次側から強制排気することができるので、熱交換器18で冷却され一次側から全閉形電動機7に向けて吹き付けられた空気が、防音カバー22内で拡散する量を減らし、さらに全閉形電動機7の冷却効率をあげることができる。
【0023】また、図4に2点鎖線で示すように、全閉形電動機7を包むように第3のダクト28を設けることにより、防音カバー22内の雰囲気に影響されることなく、さらに全閉形電動機7の冷却効率をあげることができる。また、第3のダクトを設けた場合には、ファン21を省略してもよい。
【0024】なお、前記各実施の形態においては、熱交換器18の前にファン21を配置した例を示したが、図4に2点鎖線で示したように、熱交換器18と全閉形電動機7の間に配置してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、圧縮機を全閉形電動機で駆動するようにした無給油式スクリュー圧縮機において、防音カバーに形成され、前記全閉形電動機と対向する空気の吸込口に水冷式の熱交換器と、この熱交換器に向けて空気を送り込むファンと、前記空気の吸込口に配置されたファンと熱交換器を覆い、全閉形電動機に対する一次側の通風路を形成する第1のダクトとを設け、この熱交換器を通して冷却された空気で全閉形電動機を冷却するようにしたので、冷却水の給水量を増加させることなく、全閉形電動機の冷却効率を向上させることができ、全閉形電動機の長寿命化を図ることができる。また、運転中の全閉形電動機の温度上昇を低く押さえることができるので、全閉形電動機の構造の簡素化し小形化することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成9年(1997)6月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開平11−13674
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−162696