| 【発明の名称】 |
スクロール圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】荒木 誠
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、スクロール圧縮機に係り、詳しくは自転防止装置に関し、本体のコンパクト化、軽量化したスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】旋回スクロール5の中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔5bを形成し、同自転防止孔5bに対応する凸状部24aと、同凸状部24aと略中央で繋がる支持部24bとからなる略T字状キー24を設け、同略T字状キー24の支持部24bの幅に対応する横幅で旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで前記自転防止孔5bを形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記固定スクロール4の鏡板4aに前記自転防止孔5bと直交する軸方向に自転防止溝4bを形成し、前記自転防止孔5bに、前記略T字状キー24の凸状部24aを、同略T字状キー24の支持部24bの一端を、前記自転防止溝4bに、摺動自在に嵌入する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密封容器内に圧縮部と電動機を配置し、前記圧縮部を、渦捲状のラップを有する固定スクロールと、同固定スクロ−ルと互いに噛み合わせて渦捲状のラップを有し複数の圧縮室を形成する旋回スクロ−ルと、同旋回スクロ−ルの旋回駆動軸を支承し上端にクランク軸を形成して旋回運動する前記電動機と接続されるシャフトと、前記クランク軸を軸支する主軸受とで構成されるスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔を形成し、同自転防止孔に対応する凸状部と、同凸状部と略中央で繋がる支持部とからなる略T字状キーを設け、同略T字状キーの支持部の幅に対応する横幅で、旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで、前記自転防止孔を形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記固定スクロールの鏡板、または、前記主軸受に、前記自転防止孔と直交する軸方向に自転防止溝を形成し、前記自転防止孔に前記略T字状キーの凸状部を摺動自在に嵌入し、同略T字状キーの支持部の一端を前記自転防止溝に摺動自在に嵌入し、前記旋回スクロールの自転を防止してなることを特徴とするスクロール圧縮機。 【請求項2】 前記自転防止溝を、旋回中心方向に向けて形成してなることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。 【請求項3】 前記自転防止溝を、旋回中心方向と直交する方向に向けて形成してなることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。 【請求項4】 前記自転防止孔を、上下に開口し、前記略T字状キーの凸状部を摺動自在に前記主軸受の上面に配設してなることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はスクロール圧縮機に係り、詳しくは旋回スクロールの自転防止装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図7は、従来例のスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図、図8は、従来例の自転防止機構をもつスクロール圧縮機の主軸受の上面(A)と旋回スクロールの鏡板の背面(B)を示す平面図である。スクロール圧縮機には、密封容器1内に圧縮部2と電動機3が内蔵されている。圧縮部2は固定スクロール4、旋回スクロール5、自転防止ピン6aと自転防止溝6bによる自転防止装置、旋回駆動軸7、クランク軸8、主軸受9、メタル軸受10及びシャフト11により主に構成されている。 【0003】この構成において、電動機3の回転によってシャフト11が回転すると、旋回スクロール5は自転防止溝6bと自転防止ピン6によって自転することなく固定スクロール4に対して旋回運動を行い、固定スクロール4と旋回スクロール5の噛み合いによって形成される圧縮室12は順次外周部から中心部へ移動し、吸気管13から吸気室14に取り込まれた冷媒ガスの容積が減少して圧縮作用が生ずる。冷媒の圧縮ガスは固定スクロール4の中心部に設けられた吐出口15から連通路16を通じて電動機室17に入り、吐出管18より外部へ導かれる。 【0004】旋回スクロール5の鏡板5aには、複数の圧縮室12のガス圧により吸気室14の吸気圧力から吐出圧力までのそれぞれの圧力がかかり、一方、電動機室17内の高圧ガスが密封容器1の底部の潤滑油をシャフト11の偏心縦孔11aを介して上昇させ、主軸受9を介して旋回スクロール5の下面に吐出圧力がかかり、旋回スクロール5をスラスト方向に押し上げ圧縮室12の気密を保持している。旋回スクロール5の半径方向に、外周部から中心に向けて大きくなる圧力がかかるため、鏡板5aに変形が起こり易くなる。これに対して鏡板5aの背面と主軸受9で囲まれ、環状溝20に嵌入したチップシール21で区画された内側に背圧室19と、吸気室14から連通溝22を介して吸気圧と等しい低圧室23を形成している。これにより鏡板5aにかかる圧力差を低減するように、高圧になる中心部の圧縮室12に高圧の背圧室19を対応し、外周部の低圧の圧縮室12には吸気室14と連通した低圧室23を対応してスラスト方向の圧力バランスをとっている。 【0005】しかしながら、スクロール圧縮機の運転開始時、密封容器1内の圧力が上がり、旋回スクロール5の鏡板5aの背面、即ち背圧室19の圧力が上がるまでの段階で、鏡板5aにかかる圧力差が大きくなる。 【0006】このため、図8に示すように、旋回スクロール5の鏡板5aの背面の中心を通って直交する軸上で、所定の半径で交差する四点に円柱状の自転防止ピン6aを嵌設する。旋回スクロール5を支承する主軸受9の上面に、旋回運動をする旋回スクロールの四本の自転防止ピン6aの動作の軌跡に対向してピン6aの直径を溝巾とし、旋回半径を半径とする円形の自転防止溝6bを設ける。これにより旋回スクロール5の鏡板5aに圧接する主軸受9のスラスト面は外周部の内側まで広がり、鏡板5aの背面全てに接する。 【0007】あるいは、図には示さないが、前記自転防止装置としては、オルダムリングを用いる機構がほとんどである。 【0008】しかしながら、同オルダムリングの設置スペースあるいは、前記自転防止装置である自転防止ピン6aと自転防止溝6bのスペースが大きいため、前記主軸受9にそのためのスペースを必要とすることになり、本体の高さを高くするおそれがある問題点があった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点を解決するために、本発明は、自転防止装置のスペースを削減し、本体のコンパクト化、及び軽量化したスクロール圧縮機を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、密封容器内に圧縮部と電動機を配置し、前記圧縮部を、渦捲状のラップを有する固定スクロールと、同固定スクロ−ルと互いに噛み合わせて渦捲状のラップを有し複数の圧縮室を形成する旋回スクロ−ルと、同旋回スクロ−ルの旋回駆動軸を支承し上端にクランク軸を形成して旋回運動する前記電動機と接続されるシャフトと、前記クランク軸を軸支する主軸受とで構成されるスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔を形成し、同自転防止孔に対応する凸状部と、同凸状部と略中央で繋がる支持部とからなる略T字状キーを設け、同略T字状キーの支持部の幅に対応する横幅で、旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで、前記自転防止孔を形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記固定スクロールの鏡板、または、前記主軸受に、前記自転防止孔と直交する軸方向に自転防止溝を形成し、前記自転防止孔に前記略T字状キーの凸状部を摺動自在に嵌入し、同略T字状キーの支持部の一端を前記自転防止溝に摺動自在に嵌入し、前記旋回スクロールの自転を防止してなるようにする。 【0011】そして、前記自転防止溝を、旋回中心方向に向けて形成してなるようにする。 【0012】または、前記自転防止溝を、旋回中心方向と直交する方向に向けて形成してなるようにする。 【0013】 【発明の実施の形態】密封容器内に圧縮部と電動機を配置し、前記圧縮部を、渦捲状のラップを有する固定スクロールと、同固定スクロ−ルと互いに噛み合わせて渦捲状のラップを有し複数の圧縮室を形成する旋回スクロ−ルと、同旋回スクロ−ルの旋回駆動軸を支承し上端にクランク軸を形成して旋回運動する前記電動機と接続されるシャフトと、前記クランク軸を軸支する主軸受とで構成されるスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔を形成し、同自転防止孔に対応する凸状部と、同凸状部と略中央で繋がる支持部とからなる略T字状キーを設け、同略T字状キーの支持部の幅に対応する横幅で、旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで、前記自転防止孔を形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記固定スクロールの鏡板、または、前記主軸受に、前記自転防止孔と直交する軸方向に自転防止溝を形成し、前記自転防止孔に前記略T字状キーの凸状部を摺動自在に嵌入し、同略T字状キーの支持部の一端を前記自転防止溝に摺動自在に嵌入し、前記旋回スクロールの自転を防止してなるようにする。そして、自転防止装置のスペースを削減する。 【0014】 【実施例】以下本発明の一実施例について説明する。本実施例は旋回スクロールの鏡板の背面に対向する主軸受の上面と自転防止装置の他は図7に示した従来例と同じであるので、全体構成の説明は省略する。なお、構成品の番号は同じものについては同一の番号を使用する。 【0015】図1は、本発明のスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図、図2は、本発明の第一の実施例のスクロール圧縮機の固定スクロールの鏡板(A)と旋回スクロールの鏡板(B)を示す平面図である。 【0016】密封容器1内に上下に圧縮部2と電動機3を配置し、前記圧縮部を、渦捲状のラップを有する固定スクロール4と、同固定スクロ−ルと互いに噛み合わせて渦捲状のラップを有し複数の圧縮室12を形成する旋回スクロ−ル5と、同旋回スクロ−ルの旋回駆動軸7を支承し上端にクランク軸8を形成して旋回運動するシャフト11と、前記クランク軸を軸支する主軸受9とによりスクロール圧縮機を構成する。 【0017】ここで、前記旋回スクロール5の中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔5bを形成する。 【0018】そして、同自転防止孔5bに対応する凸状部24aと、同凸状部24aと略中央で繋がる支持部24bとからなる略T字状キー24を設ける。同略T字状キー24の支持部24bの幅に対応する横幅で、旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで、前記自転防止孔5bを形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記固定スクロール4の鏡板4aに、前記自転防止孔5bと直交する軸方向に自転防止溝4bを形成する。 【0019】しかる後、前記自転防止孔5bに前記略T字状キー24の凸状部24aを摺動自在に嵌入し、同略T字状キー24の支持部24bの一端を前記自転防止溝4bに摺動自在に嵌入し、前記旋回スクロール5の自転を防止してなるようにする。そして、前記自転防止溝4bを、旋回中心方向と直交する方向に向けて形成してなるようにする。 【0020】次いで、本発明の作用、効果について説明する。前記自転防止孔5bに前記略T字状キー24の凸状部24aを摺動自在に嵌入し、同略T字状キー24の支持部24bの一端を前記自転防止溝4bに摺動自在に嵌入し、前記自転防止孔5bと直交する軸方向に自転防止溝4bを形成しているので、前記旋回スクロール5の自転を防止することができる。一方、本発明の自転防止装置は、前記略T字状キー24と前記自転防止孔5bと前記自転防止溝4bによりなるので、スペースを削減することができ、本体のコンパクト化、及び軽量化したスクロール圧縮機を実現できる。 【0021】図3は、本発明の第二の実施例のスクロール圧縮機の固定スクロールの鏡板(A)と旋回スクロールの鏡板(B)を示す平面図である。この場合、前記自転防止溝4bを、旋回中心方向に向けて形成してなるようにする。なお、作用、効果は、上述の第一の実施例と同様である。 【0022】図4は、本発明の第三の実施例のスクロール圧縮機の主軸受の上面(A)と旋回スクロールの鏡板(B)を示す平面図である。この場合、前記旋回スクロール5の中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔5bを形成する。そして、同自転防止孔5bに対応する凸状部24aと、同凸状部24aと略中央で繋がる支持部24bとからなる略T字状キー24を設ける。 【0023】また、同略T字状キー24の支持部24bの幅に対応する横幅で、旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで、前記自転防止孔5bを形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記主軸受9の上面に、前記自転防止孔5bと直交する軸方向に自転防止溝9bを形成する。 【0024】しかる後、前記自転防止孔5bに前記略T字状キー24の凸状部24aを摺動自在に嵌入し、同略T字状キー24の支持部24bの一端を前記自転防止溝9bに摺動自在に嵌入し、前記旋回スクロール5の自転を防止してなるようにする。そして、前記自転防止溝9bを、旋回中心方向と直交する方向に向けて形成してなるようにする。なお、作用、効果は、上述の第一の実施例と同様である。 【0025】図5は、本発明の第四の実施例のスクロール圧縮機の主軸受の上面(A)と旋回スクロールの鏡板(B)を示す平面図である。この場合、前記自転防止溝9bを、旋回中心方向に向けて形成してなるようにする。なお、作用、効果は、上述の第一の実施例と同様である。図6は、本発明の第五の実施例のスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。この場合、前記自転防止孔5bを、上下に開口し、前記略T字状キー24の凸状部24aを摺動自在に前記主軸受9の上面に配設しているので、前記主軸受9の上面に、前記自転防止溝9bを形成する必要はない。なお、作用、効果は、上述の第一の実施例と同様である。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、密封容器内に圧縮部と電動機を配置し、前記圧縮部を、渦捲状のラップを有する固定スクロールと、同固定スクロ−ルと互いに噛み合わせて渦捲状のラップを有し複数の圧縮室を形成する旋回スクロ−ルと、同旋回スクロ−ルの旋回駆動軸を支承し上端にクランク軸を形成して旋回運動する前記電動機と接続されるシャフトと、前記クランク軸を軸支する主軸受とで構成されるスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの中心を通って直交する軸線上の側面に、旋回半径の2倍より大きい長さで自転防止孔を形成し、同自転防止孔に対応する凸状部と、同凸状部と略中央で繋がる支持部とからなる略T字状キーを設け、同略T字状キーの支持部の幅に対応する横幅で、旋回半径の2倍と前記支持部の長さの和より大きい長さで、前記自転防止孔を形成した二点より略旋回半径だけ外側に離れた二点を中心として前記固定スクロールの鏡板、または、前記主軸受に、前記自転防止孔と直交する軸方向に自転防止溝を形成し、前記自転防止孔に前記略T字状キーの凸状部を摺動自在に嵌入し、同略T字状キーの支持部の一端を前記自転防止溝に摺動自在に嵌入し、前記旋回スクロールの自転を防止してなるようにした。この結果、自転防止装置のスペースを削減し、本体のコンパクト化、及び軽量化したスクロール圧縮機を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006611 【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月20日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−13656 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−163814 |
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