トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F03 液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 潮力発電方法
【発明者】 【氏名】内海 滋和夫
【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発電機と水車からなる発電システム構造艇をアンカー(錨)によって静止、固定し、海峡または入江の潮流による潮力によって、水車を回転させ、この水車の回転エネルギーにより、発電機を駆動して発電することを特徴とする潮力発電方法。
【請求項2】 単数または複数の発電システム構造艇を係留艇を介してアンカーによって静止、固定し、海峡または入江の潮流による潮力によって、水車を回転させ、この水車の回転エネルギーにより、発電機を駆動して発電することを特徴とする潮力発電方法。
【請求項3】 発電システム構造艇を係留する係留艇に、絞り板を取り付けたことを特徴とする請求項2記載の潮力発電方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潮の干満により発生する海峡や入江の潮流の潮力を利用して発電する潮力発電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の潮力を利用した発電方法として、フランスのランス地方にある潮の13mにも及ぶ干満差による位置エネルギーを利用した潮力発電があるが、潮流による潮力を利用した、潮力発電方法は見当たらないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の発電方法として、水力発電があるが、その寿命は約200年位だといわれている。その理由は土砂の堆積によるもので、それを取り除くためには、これまで発電させた量のエネルギーが必要とされる。また水力電源開発による河川流域の生態系の破壊は計り知れないものがある。また、現在の主役である火力発電も化石燃料を大量に消費し、近い将来、エネルギー資源の枯渇を招くおそれがある。その他に原子力発電、核融合発電、MHD発電(電磁流体発電)、太陽光発電等の種々の発電方法があるが、その取り扱いや、その実現に相当な年月を要する等の問題がある。
【0004】そこで、本発明は、このような課題を解決するために、潮力を利用した新しい潮力発電方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明の潮力発電方法は、海峡や入江の潮流のある海上に、発電システム構造艇を直接アンカー(錨)で静止、固定するか、または単数または複数の発電システム構造艇を係留艇に係留し、係留艇を介してアンカーで静止、固定するものである。本発明のシステム構造艇は公知の発電機と動力用水車を艇の上に設置し、潮の干満によって生ずる潮流により水車を回転させ、水車の回転力で発電機を駆動させて発電を可能にするものである。発電した電力は海底送電線により陸上に送電する。
【0006】発電システム構造艇は、海峡や入江等の幅や長さに応じて、その規模(横×縦)を調整して建造される。
【0007】発電システム構造艇は、空洞部分を沢山設けて、船と同じように海上に浮くように造られる。そのため、潮の干満の潮位の高低にかかわらず、水車の回転羽根板は常に一定の水深を保つ。空洞部分の一部をバラストタンクとして利用すれば、ドラフトの調整ができる。この場合は、海水の出し入れのためのポンプ装置が必要である。
【0008】陸上の水力、火力、原子力発電等は、それぞれ定期的に保守点検が施行されている。同様に本発明の発電システム構造艇も定期的に保守点検を行う必要があるので、タグボートによって曳航し、ドック入りを可能にした。60m×360mの規模の発電システム構造艇であるならば、そのドックヤードは、丁度25万屯級のタンカーの入れるドッグヤードをそのまま利用できる。
【0009】
【作用】本発明の発電システム構造艇は、海上に浮上して、アンカーにより静止、固定されるものであるから、構築物の建立が困難な潮の流れの速い所でも、潮力を利用した発電が可能となる。そのため、海峡や入江に構築物の建立は海峡や周辺沿岸地域の生物資源を破壊する恐れがあるが、アンカーの場合、その影響は極めて少ない。
【0010】
【実施例1】以下本発明の、実施例を図面に基づいて説明する。図1の1は本発明の発電システム構造艇であり、4はアンカーである。海峡や入江の海流の利用できる位置に、海上に浮上した発電システム構造艇1をアンカー4で静止、固定し、発電システム構造艇に設置した水車を潮流により回転させ、この駆動力により発電システム構造艇に設置した発電機を回転させて発電する。発電した電力は海底送電線により陸上に送電する。発電機は、潮の流れが周期的に反対方向に変わるので、両方向回転型とする。
【0011】水車の羽根板は潮の干満に影響なく、常に一定の水深を保ち、少なくとも毎秒0.5〜1mの海流の流速があれば発電可能である。潮の流速と発電量の関係は、次の運動理論による公式で示される。
F=ρAV但し、F:力 N(ニュートン)
ρ:海水の密度 kg/mV:流速 m/sA:水車の羽根板の面積 m従って、海水の密度を1.021kg/mとし、潮の流速が毎秒1m(2ノット)で、水車の羽根板の面積が7mの場合の発電量は約7kwであり、流速が増大することにより、流速の2乗倍に発電量は増大する。潮の流速が鳴門海峡の場合、最高毎秒4mにも達し、その発電量は16倍となり、約112kwとなる。
【0012】
【実施例2】図2の1は本発明の発電システム構造艇であり、2は係留艇、3は絞り板、4はアンカーである。発電システム構造艇1は係留艇2に係留され、係留艇2を介してアンカー4により静止、固定される。係留艇2には絞り板3が設置され、発電システム構造艇に流れ込む潮の量を増大させる。その他は実施例1と同様である。
【0013】
【発明の効果】本発明の潮力発電方法は、唯一の欠点として、船舶航行の障害や景観などに影響を及ぼす恐れがあり、関係者と充分な調整を図る必要があるが、次のような優れた効果がある。1、潮流による潮力発電は月、太陽の引力によって引き起こされる潮流による潮力を利用したもので、新月、満月の大潮や上弦、下弦の小潮による流速変動で、若干の出力変動を伴うが、天気、風に左右されず、1日中約10時間前後の確実な発電が可能である。
2、発電量は化石燃料による発電に比べ遙かに及ばないが、クリーンな自然エネルギー利用による発電としては、比較的大きな発電が可能である。
3、日本は四方海に囲まれ、様々な大小の海峡や入江が多く点在し、発電可能な場所に恵まれている。
4、潮力発電は永久的、安定的で、かつ環境への影響が少ないことである。
【出願人】 【識別番号】598025120
【氏名又は名称】内海 滋和夫
【出願日】 平成10年(1998)1月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正
【公開番号】 特開平11−210612
【公開日】 平成11年(1999)8月3日
【出願番号】 特願平10−42764