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【発明の名称】 燃圧制御機能付プレッシャーレギュレータ
【発明者】 【氏名】此原 弘和

【要約】 【課題】プレッシャーレギュレータにおいて、ダイヤフラムの一方側の第1ダイヤフラム室に導入した圧力変化よりも大きな圧力変化を、ダイヤフラムの他方側の第2ダイヤフラム室内で取り出すことを課題とする。

【解決手段】開閉弁41の弁体36がダイヤフラムの他方側面に弁棒を介して連結され、開閉弁の弁座が下側ハウジングに燃料導入管を介して連結されている。燃料導入管から弁座を通って流れる燃料の燃料圧力が弁体に作用し、ダイヤフラムの一方側の受圧面積が弁体の受圧面積よりも大きくされ、ダイヤフラムの他方側の受圧面に大気圧が作用し、吸気側圧力の圧力変化よりもダイヤフラムの他方側の燃料圧力の圧力変化の方が大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダイヤフラムの一方側の上側ハウジング内にスプリングの付勢力が作用しかつ吸気側圧力が導入される第1ダイヤフラム室が形成され、ダイヤフラムの他方側の下側ハウジングの第2ダイヤフラム室内にダイヤフラムの変位に応じて開閉される開閉弁が配設され、開閉弁を通ってエンジンの燃料が排出されるプレッシャーレギュレータにおいて、開閉弁の弁体がダイヤフラムの他方側面に弁棒を介して連結され、開閉弁の弁座が前記下側ハウジングに燃料導入管を介して連結され、燃料導入管から弁座を通って流れる燃料の燃料圧力が弁体に作用し、ダイヤフラムの一方側の受圧面積が弁体の受圧面積よりも大きくされ、ダイヤフラムの他方側の受圧面に大気圧が作用し、吸気側圧力の圧力変化よりも燃料圧力の圧力変化の方が大きいことを特徴とする燃圧制御機能付プレッシャーレギュレータ。
【請求項2】 円筒状で先細の弁ハウジングの先端に燃料導入管が接続され、弁ハウジングの先細の先端が環状の弁座とされ、弁ハウジングの内部に挿通された弁棒の先端の弁体が弁座と当接可能に配置され、弁ハウジングの中間部の挿通孔に燃料排出管が接続された請求項1記載の燃圧制御機能付プレッシャーレギュレータ。
【請求項3】 弁ハウジングの開口部近傍にシール材が装着され、シール材の挿通孔に弁棒が挿通され、弁体がボール状又は弁棒と同径の円柱状とされ、燃料導入管及び燃料排出管がそれぞれ下側ハウジングを貫通し下側ハウジングの壁に固定された請求項2記載の燃圧制御機能付プレッシャーレギュレータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用の燃料供給装置に用いられる燃圧制御機能付プレッシャーレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来のプレッシャーレギュレータ(燃料圧力制御弁)(例えば特開平9−53545号公報参照)を示す。ダイヤフラム3の外周部が上側ハウジング1と下側ハウジング2とによって挟持され、下側ハウジング2の筒状部に円筒状の弁座4が挿入配置されている。ダイヤフラム3の下面中央に円板状の弁体5がダイヤフラム3と一体に形成されており、弁体5と弁座4により開閉弁6が構成されている。ダイヤフラム3の上面中央にカップ状の受座7が配設され受座7と上側ハウジング1の上部との間にスプリング8が装着されている。ダイヤフラム上室10は負圧導入管12を介してインテークマニホールドに連通され、ダイヤフラム下室11は燃料流入管13及びデリバリパイプ47を介してフューエルポンプ48に連通され(図2(b) 参照)、弁座4の内側の通路は燃料還流管14を介して燃料タンクに連通されている。
【0003】ダイヤフラム3には、ダイヤフラム上室10のインテークマニホールド圧力(負圧)による力、ダイヤフラム下室11の燃料圧力による力、スプリング8の閉弁方向への付勢力が作用し、弁体5はこれらの力が均衡する位置に変位する。燃料ポンプから燃料レール・燃料噴射装置へ燃料が供給されるとき、ダイヤフラム下室11にも燃料が導入される。燃料の圧力に応じて、開閉弁6の弁開口面積が増減して余剰燃料が燃料タンクにリターンされ、ダイヤフラム下室11の燃料圧力は一定に維持され、燃料レールの圧力も一定に維持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のプレッシャーレギュレータでは、ダイヤフラム3の上側のダイヤフラム上室10(背圧室)に導入されたインテークマニホールド圧力がダイヤフラム3の上側全面に作用し、ダイヤフラム下室11に導入された燃料圧力はダイヤフラム3の下側全面に作用するように形成されている。そのため、インテークマニホールド圧力のダイヤフラム上室10での圧力変化量分だけ燃料圧力が変化するに過ぎず、インテークマニホールド圧力の圧力変化幅と燃料圧力の圧力変化幅とが同じであり、インテークマニホールド圧力が有効に利用されているとはいい難い。しかし、プレッシャーレギュレータのダイヤフラム3の下側では、弁座4の内側を燃料が通過しており、弁座4の内側の小さな室を利用し、この小さな室をダイヤフラム上室10に対向させれば、大きな圧力変化幅が得られると考えられる。本発明は、プレッシャーレギュレータにおいて、ダイヤフラムの一方側の第1ダイヤフラム室に導入した圧力変化よりも大きな圧力変化を、ダイヤフラムの他方側の第2ダイヤフラム室内で取り出し、こうして得られた大きな圧力変化を有効に利用することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイヤフラムの一方側の上側ハウジング内にスプリングの付勢力が作用しかつ吸気側圧力が導入される第1ダイヤフラム室が形成され、ダイヤフラムの他方側の下側ハウジングの第2ダイヤフラム室内にダイヤフラムの変位に応じて開閉される開閉弁が配設され、開閉弁を通ってエンジンの燃料が排出されるプレッシャーレギュレータにおいて、開閉弁の弁体がダイヤフラムの他方側面に弁棒を介して連結され、開閉弁の弁座が前記下側ハウジングに燃料導入管を介して連結され、燃料導入管から弁座を通って流れる燃料の燃料圧力が弁体に作用し、ダイヤフラムの一方側の受圧面積が弁体の受圧面積よりも大きくされ、ダイヤフラムの他方側の受圧面に大気圧が作用し、吸気側圧力の圧力変化よりも燃料圧力の圧力変化の方が大きいことを第1の構成とする。本発明は、第1の構成において、円筒状で先細の弁ハウジングの先端に燃料導入管が接続され、弁ハウジングの先細の先端が環状の弁座とされ、弁ハウジングの内部に挿通された弁棒の先端の弁体が弁座と当接可能に配置され、弁ハウジングの中間部の挿通孔に燃料排出管が接続されたことを第2の構成とする。本発明は、第2の構成において、弁ハウジングの開口部近傍にシール材が装着され、シール材の挿通孔に弁棒が挿通され、弁体がボール状又は弁棒と同径の円柱状とされ、燃料導入管及び燃料排出管がそれぞれ下側ハウジングを貫通し下側ハウジングの壁に固定されたことを第3の構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明の実施の形態を示す。図1に示すとおり、ダイヤフラム23の外周部が上側ハウジング21と下側ハウジング22のフランジ部によって挟持され、上側ハウジング21とダイヤフラム23との間の室が第1ダイヤフラム室30となっている。下側ハウジング22には大気孔32が形成されているので、下側ハウジング22とダイヤフラム23との間の第2ダイヤフラム室31は大気圧に維持され、第2ダイヤフラム室31内に弁ハウジング28が配設されている。弁ハウジング28は大部分が円筒状で下部が先細状に形成され、先細状の下端の環状部分に燃料導入管25が接続され、弁ハウジング28の先細状の下端の環状部分が弁座34となっている。燃料導入管25は下側ハウジング22の底部を貫通し、燃料導入管25の中間部が下側ハウジング22の底壁に固定されている。弁ハウジング28の中間部の挿通孔に燃料排出管26の基部が接続され、燃料排出管26は下側ハウジング22の側部を貫通し、燃料排出管26の中間部が下側ハウジング22の側壁に固定されている。
【0007】ダイヤフラム23の中央部は上側シェル37と下側シェル38とにより挟持され、上側シェル37と上側ハウジング21の上面との間にスプリング39が装着されている。下側シェル38の下面中央には弁棒35の基部が固定され、弁棒35は下側シェル38の下面と略垂直方向に延びている。弁棒35の先端(下端)にはボール状の弁体36が固定され、弁体36は弁座34に当接可能位置に配置されている。弁体36と弁座34により開閉弁41が構成され、弁座34の内径は弁体36の外径よりごく僅かに小さい。弁ハウジング28の上端部にはガイド兼用のシール42が配設されており、弁棒35はシール42の挿通孔に挿通され、シール42により弁棒35とシール42との間、及びシール42と弁ハウジング28の内面との間が密封されている。第1ダイヤフラム室30は負圧導入管43を介して吸気側(インテークマニホールド、吸気管等)に連通され、燃料導入管25はデリバリパイプ47を介してフューエルポンプ48に連通され、燃料排出管26は燃料タンクに連通されている。
【0008】図1及び図2(a) に示すように、ダイヤフラム23の上面には、ダイヤフラム23の上側(一方側)の受圧面積Aに第1ダイヤフラム室30の吸気側圧力(負圧)による力が作用し、かつスプリング39の下方への付勢力が作用している。そして、ダイヤフラム23の下側には、弁棒35の断面積を除く部分に大気圧(一定圧力)が作用し、弁体36の受圧面積aに燃料圧力による力が作用する。ただし、弁体36が弁座34に接触しているときは、弁座34の内側の通路面積が弁体36の受圧面積(面積aより僅かに小さい)となり、弁体36が弁座34から離れたときは弁体36の下面受圧面積a全体に燃料圧力が作用する。なお、ボール状の弁体36には、弁体36の上側に下向きの力も作用するが、その場合の圧力は極めて小さいので、ここでは省略することとする。このように、ダイヤフラム23に上下方向の力が作用し、弁体36はダイヤフラム23の上下に作用する力が均衡する位置に変位する。
【0009】プレッシャーレギュレータのダイヤフラム23に作用する受圧面積は、第1ダイヤフラム室30の方(受圧面積A)が弁体36の受圧面積aに比べ相当に大きい。そのため第1ダイヤフラム室30の圧力変化(幅)よりも大きな圧力変化(幅)を開閉弁41の入口側(弁座34の内側及び燃料導入管25内)で取り出すことができる。そして、第1ダイヤフラム室30にはエンジンの吸気側圧力(インテークマニホールド圧力、吸気管圧力等)を導入し、開閉弁41の入口側には燃料圧力を導入し調整させている。従って、エンジン運転状態や負荷により燃料圧力を可変に制御することができる。なお、図2(b) に示すように、従来例ではダイヤフラム上室10の受圧面積Aとダイヤフラム下室11の受圧面積a' とが同一であり、圧力変化も同一である。
【0010】図3(a) に破線で示すように、従来のプレッシャーレギュレータでは、吸気側圧力が変化しても、燃料圧力(燃圧)Pfは一定である。ここに、燃料圧力(燃圧)Pfは、「デリバリパイプ内燃圧」−「吸気管内圧力」をいう。これに対して、本発明では、吸気側圧力(負圧)が上昇すると開閉弁41の入口側圧力Pa、従って燃圧Pfが下がり、吸気側圧力(負圧)が下降すると入口側圧力Pa・燃圧Pfが高くなる。言い換えれば、図3(b) に示すように、スロットル開度を大きくすると、吸気側圧力(正圧力)が上昇し、吸気側圧力に応じて燃圧も上昇する。燃圧の上昇の割合は、従来のものに比べ、本発明のものの方が大幅に高く、燃圧の上昇によりインジェクタから噴射される噴射燃料の微粒化が促進されるという効果がある。
【0011】
【発明の効果】本発明は、燃圧制御機能付プレッシャーレギュレータであって、開閉弁の弁体がダイヤフラムの他方側面に弁棒を介して連結され、開閉弁の弁座が前記下側ハウジングに燃料導入管を介して連結され、燃料導入管から弁座を通って流れる燃料の燃料圧力が弁体に作用し、ダイヤフラムの一方側の受圧面積が弁体の受圧面積よりも大きくされ、ダイヤフラムの他方側の受圧面に大気圧が作用している。従って、ダイヤフラムの一方側の第1ダイヤフラム室に導入した吸気側圧力の圧力変化よりもダイヤフラムの他方側の第2ダイヤフラム室内で取り出せる燃料圧力の圧力変化の方が大きい。そして、スロットル開度が大きく、吸気側圧力(正圧)が高いときに燃料圧力が従来例よりも高くなり、インジェクタから噴射される燃料の微粒化が促進される。
【出願人】 【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−280617
【公開日】 平成11年(1999)10月15日
【出願番号】 特願平10−98116