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【発明の名称】 アシストエア供給装置の診断装置
【発明者】 【氏名】大崎 正信

【氏名】藤本 道幸

【氏名】大谷 精一

【氏名】塩原 克佳

【要約】 【課題】簡単な構成で、精度良くアシストエア供給装置の機能診断を行えるようにすること。

【解決手段】診断条件が継続して成立している間に、アシストエア制御弁10を強制的に所定回数開閉させ、そのときのΔPB(吸気圧変化)を所定回数サンプリングし、所定回数サンプリングしたΔPBが全て所定値より小さい場合(S34〜S36で判断)のみアシストエア供給装置に機能異常等があると診断するようにする。これにより、従来の装置に比べて誤診断を抑制できるため、簡単な構成で、精度良くアシストエア供給装置の機能診断を行えるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】スロットル弁下流に設けられた燃料噴射弁の噴孔近傍にスロットル弁上流より吸入空気の一部を導くアシストエア通路と、前記アシストエア通路に介装されたアシストエア制御弁と、を含んで構成された内燃機関のアシストエア供給装置の診断装置であって、所定の診断条件が継続して成立している間に、前記アシストエア制御弁に対して強制的な開閉切換指令を2以上の所定回数送る強制開閉切換指令手段と、前記強制開閉切換指令手段の開閉切換指令毎の機関運転パラメータ変化量を検出する機関運転パラメータ変化量検出手段と、前記機関運転パラメータ変化量検出手段により検出される各機関運転パラメータ変化量と、所定値と、を比較し、機関運転パラメータ変化量が所定値以下となる状態が複数回検出された場合に、アシストエア供給装置に機能異常があると診断する診断手段と、を含んで構成したことを特徴とするアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項2】前記複数回が、前記所定回数に等しいことを特徴とする請求項1に記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項3】前記複数回が、連続した複数回であることを特徴とする請求項1に記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項4】前記診断手段は、機関運転パラメータ変化量が所定値より大きくなる状態が1回でも検出されたら、診断制御を中止する診断中止手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項5】前記所定の診断条件が、機関の空気の吸入状態が略一定となる条件であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項6】前記所定の診断条件が、車両の減速中であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項7】前記所定の診断条件が、燃料カット中であることを特徴とする請求項6に記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項8】前記所定の診断条件が、定常のアイドル運転中であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項9】前記所定の診断条件が、定常運転状態であり、かつ、スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項10】前記スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態を、機関負荷に基づいて検出することを特徴とする請求項9に記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【請求項11】前記機関運転パラメータが、吸入空気流量、吸気管内圧力、機関回転速度、燃料噴射量、アイドル制御弁の開度制御量の何れかであることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1つに記載のアシストエア供給装置の診断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、内燃機関において、燃料噴射弁の噴孔近傍に吸入空気の一部をアシストエアとして供給するアシストエア供給装置の診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子制御燃料噴射装置を有する内燃機関においては、吸気マニホールドのブランチ部又は吸気ポートに各気筒ごとに電磁式燃料噴射弁を設けて、燃料噴射を行っているが、噴射燃料の微粒化(霧化)の促進等のため、アシストエア供給装置を設けたものが知られている。
【0003】このものは、アシストエア通路により、スロットル弁上流より吸入空気の一部を導き、各燃料噴射弁の噴孔近傍にアシストエアとして供給するもので、噴射燃料へのアシストエアの衝突により噴射燃料を微粒化し、これにより燃焼を改善して排気性能等の向上を図るようになっている。しかしながら、アシストエア通路に目詰まりがあったり、アシストエア通路に介装されアシストエアの供給・停止を切り換えるアシストエア切換バルブ(AAI/V;アシストエア制御弁)に機能異常があったりすると、本来のアシストエア制御を行うことができなくなって、運転性、燃費、排気性能等を良好に維持できなくなる惧れがある。
【0004】このため、例えば、特開平3−217639号公報には、AAI/VのOFF→ON時における機関回転上昇のピーク値によりシステムの異常の有無を診断するようにしたアシストエア供給装置の診断装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の診断装置では、1回のみの診断結果で、異常診断を行うものであるため、診断時のエンジン状態(運転状態、経時変化など)にバラツキ等があると、誤診断を招く惧れがある。また、回転上昇のピーク値で異常診断する方法では、環境(高地、低地、吸気温度)の変化や、エンジン状態(運転状態、経時変化など)バラツキや部品バラツキやエンジン固体間バラツキ等があると、回転上昇度合いが変化するため、診断精度が低くなると言った惧れがある。
【0006】本発明は、このような従来の実情に鑑み、簡単な構成でありながら、精度良くアシストエア供給装置の機能診断を行うことができるようにしたアシストエア供給装置の診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、図1に示すように、スロットル弁下流に設けられた燃料噴射弁の噴孔近傍にスロットル弁上流より吸入空気の一部を導くアシストエア通路と、前記アシストエア通路に介装されたアシストエア制御弁と、を含んで構成された内燃機関のアシストエア供給装置の診断装置であって、所定の診断条件が継続して成立している間に、前記アシストエア制御弁に対して強制的な開閉切換指令を2以上の所定回数送る強制開閉切換指令手段と、前記強制開閉切換指令手段の開閉切換指令毎の機関運転パラメータ変化量を検出する機関運転パラメータ変化量検出手段と、前記機関運転パラメータ変化量検出手段により検出される各機関運転パラメータ変化量と、所定値と、を比較し、機関運転パラメータ変化量が所定値以下となる状態が複数回検出された場合に、アシストエア供給装置に機能異常があると診断する診断手段と、を含んで構成した。
【0008】かかる構成とすれば、診断条件が継続して成立している間に、強制開閉切換指令手段により前記アシストエア制御弁を強制的に所定回数開閉させ、そのときの機関運転パラメータ変化量(例えば吸気圧変化量等)をサンプリングし、該所定回数サンプリングされた機関運転パラメータ変化量が所定値以下である状態が複数回検出された場合に、アシストエア供給装置に機能異常等があると診断するようにしたので、従来のような誤診断を極力排除することができ、以って簡単な構成で精度良くアシストエア供給装置の機能診断を行えるようになる。
【0009】なお、運転者に精度の高い情報を提供することができるから、警告灯の点灯等による修理等の処置を適切に促すことが可能となる。請求項2に記載の発明は、前記複数回が、前記所定回数に等しいことを特徴とする。かかる構成とすれば、取得されたすべての機関運転パラメータ変化量が所定値以下であるときに異常と診断するので、最大限高い精度でアシストエア供給装置の機能診断を行えることになる。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記複数回が、連続した複数回であることを特徴とする。かかる構成とすれば、機関運転パラメータ変化量が連続して複数回、所定値以下であるときに異常と診断するので、比較的高い精度でアシストエア供給装置の機能診断を行えることになる。
【0011】請求項4に記載の発明では、前記診断手段が、機関運転パラメータ変化量が所定値より大きくなる状態が1回でも検出されたら、診断制御を中止する診断中止手段を含んで構成するようにした。このように、機関運転パラメータ変化量が所定値より大きくなる状態が1回でも検出されたら、直ちに診断制御を中止するようにすれば、診断のためのアシストエア制御弁の強制的な開閉が必要以上に行われることがないので、運転性、排気性能、燃費等への悪影響を極力回避することができる。
【0012】請求項5に記載の発明では、前記所定の診断条件を、機関の空気の吸入状態が略一定となる条件とする。請求項6に記載の発明では、前記所定の診断条件を、車両の減速中とした。このように、前記所定の診断条件を車両減速中(惰行走行中など)とすれば、診断のために強制的にアシストエア制御弁を開閉させても、運転性への影響を極力回避できると共に、排気性能等の悪化等も最小に留めることができる。
【0013】請求項7に記載の発明では、前記所定の診断条件を、燃料カット中とした。このように、燃料カット中を診断条件に含めるようにすれば、より一層、運転性や排気性能、燃費性能等への悪影響を回避することが可能となる。請求項8に記載の発明では、前記所定の診断条件を、定常のアイドル運転中とした。
【0014】かかる条件は、機関運転状態が安定した条件であり、吸入空気流量が略一定に維持されている条件であるから、診断精度を高く維持できると共に、運転性や排気性能、燃費性能等への悪影響を抑制することができる。請求項9に記載の発明では、前記所定の診断条件を、定常運転状態であり、かつ、スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態とした。
【0015】このようにすると、スロットル弁の前後差圧が大きい状態(所定の低負荷)で診断が行われることになるから、アシストエア制御弁の開閉切換に伴う機関運転パラメータ変化量を大きくできるため、診断精度を向上させることができることになる。請求項10に記載の発明では、前記スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態を、機関負荷に基づいて検出するようにした。
【0016】かかる構成とすれば、比較的簡単な構成で、スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態を検出できる。なお、前記機関運転パラメータは、吸入空気流量、吸気管内圧力、機関回転速度、燃料噴射量、アイドル制御弁の開度制御量の何れかで代替することができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。図2は本発明の一実施形態に係るアシストエア供給装置を備えた内燃機関のシステム構成図である。当該図2において、図示しないエアクリーナからの空気は、吸入空気流量Qを検出するエアフローメータ2を通過した後、アクセルペダルに連動するスロットル弁3の制御を受けて吸入されて、吸気マニホールド4、吸気ポート5を介して機関1の燃焼室内に導入される。そして、吸気ポート5には、各気筒毎に燃料噴射弁6が設けられている。
【0018】燃料噴射弁6は、電磁コイルに通電されて開弁し通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁(インジェクタ)であって、コントロールユニット50からの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプにより圧送されプレッシャレギュレータにより所定の圧力に調整された燃料を噴射するようになっている。なお、前記燃料噴射弁6は、吸気弁7を指向するように配設されている。
【0019】そして、機関1の燃焼室には、点火栓が設けられており、これにより火花点火して吸入混合気を着火燃焼させる。コントロールユニット50は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インターフェース等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種のセンサからの信号を受け、シリンダ吸入空気流量に見合った燃料噴射量(TP)を演算して燃料噴射弁6の駆動を制御する一方、機関負荷、機関回転速度などの運転状態に応じて点火時期を設定し、点火栓を駆動制御するようになっている。
【0020】前記各種のセンサとしては、前記エアフローメータ2の他、以下のようなものが設けられている。即ち、ディストリビュータ11には、クランク角センサ12が内蔵されており、該クランク角センサ12から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク基準角信号の周期を計測して機関回転速度Neを検出する。
【0021】更に、機関1の冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温センサ13が設けられている。また、吸気マニホールド4内の吸気圧(吸気管内圧力)PBを検出するための吸気圧センサ14が設けられている。そして、スロットル弁3の開度TVOを検出するスロットルセンサ15(全閉時をON信号として検出するアイドルスイッチであっても良い)が設けられると共に、車速Vを検出する車速センサ16もコントロールユニット50には入力されている。
【0022】一方、アシストエア供給装置としては、図2に示されるように、アシストエア通路8が設けられている。アシストエア通路8は、エアフローメータ2下流でかつスロットル弁3上流のアシストエア取入口9から、吸入空気の一部を導き、上流側と下流側との圧力差によりアシストエアを供給する構成(自然アシスト方式)である。なお、アシストエア通路8の途中にはアシストエア制御弁10が介装されると共に、アシストエア通路8の下流側は、各燃料噴射弁5の噴孔付近にそれぞれ接続されている。
【0023】アシストエア制御弁10は、アシストエア通路8をON・OFF的に開閉制御する常閉型の電磁弁を用いることができ、これを所定条件下で開弁させることで、アシストエアを燃料噴射弁5の噴孔付近に噴出させて噴射燃料に衝突させ、噴射燃料の微粒化を促進する。即ち、アシストエア制御弁10は、コントロールユニット50からの信号に基づいてON・OFF制御され、機関吸入混合気の一部を燃料噴射弁5の噴孔付近に噴出されるアシストエアの供給・遮断を切り換え制御することができるようになっている。
【0024】なお、前記アシストエア通路8は、アシストエア取入口9とアシストエア制御弁10との間で2股に分岐されており、分岐されたバイパス通路17は、アイドル制御弁18が介装されスロットル弁3下流側で再び吸気マニホールド4と合流するようになっている。前記アイドル制御弁18は、付設された電磁コイルへの通電がデューティ制御されることによって開度が調整される開度制御弁であって、コントロールユニット50は所定のアイドル運転時に目標回転速度に近づくように前記アイドル制御弁18の開度をフィードバック制御する。
【0025】コントロールユニット50は、上記のようにアシストエア制御弁10のON・OFF制御によってアシストエアの供給・遮断を制御すると共に、アシストエア供給装置の機能診断を行う機能を有している。ここで、図3〜図6のフローチャートに基づいて、コントロールユニット50が行う本実施形態にかかるアシストエア供給装置の機能診断制御について説明する。なお、該機能診断制御は、所定時間(例えば10msec)毎に実行されるルーチンである。ところで、以下に説明するように、本発明の強制開閉切換指令手段、機関運転パラメータ変化量検出手段、診断手段、診断中止手段としての機能は、コントロールユニット50がソフトウェア的に備えることになる。
【0026】即ち、図3のフローチャートにおけるステップ(図では、Sと記してある。以下、同様)1では、各種センサからの入力信号を取り込む。ステップ2では、車両減速中(例えば、惰行走行中など)か否かを判断する。例えば、車速Vから前回の車速Vold を減算して、その差ΔVに基づいて、或いはスロットル弁3の全閉信号等に基づいて判断することができる。なお、車両の減速中は、吸入空気流量が略一定の状態である。
【0027】YESであればステップ3へ進む。NOであればステップ29へ進み、ΔPB1=0、ΔPB2=0、ΔPB3=0、フラグF(ΔPB)=0、診断終了フラグF1=0、PBon=0、PBoff =0、サンプング回数カウンタC=0なる処理(リセット処理)を行って、リターンする。ステップ3では、燃料カット(F/C)中か否かを判断する。当該判断は、■車速Vが所定値以上であること、■機関回転速度Neが、図7に示すような冷却水温度Twで割り付けた機関回転速度以上であること、などに基づいて行うことができる。
【0028】YESであればステップ4へ進む。NOであればステップ29へ進み、前記同様の処理を行って、リターンする。即ち、ステップ2及びステップ3において、診断条件の成立の可否を判断するものである。なお、ステップ2及びステップ3を一つにして、減速時燃料カット条件(上記■、■とアイドルスイッチON)判定でも良いものである。
【0029】ステップ4では、診断中フラグF1=1とし、ステップ5へ進む。ステップ5では、C(サンプリング回数カウンタ)=所定値Cxであるか否かを判断する。即ち、吸気圧変化(ΔPB)を所定回数Cx(例えば3回)サンプリング(検出)したか否かを判断する。C≠Cxであれば、所定回数サンプリングできていないとして、ステップ6へ進む。一方、C=Cxであれば、所定回数サンプリングできたとして、ステップ32へ進む。
【0030】ステップ6では、ΔPB1回検出済みフラグF(ΔPB)=1か否かを判断する。NOであれば、ステップ7へ進み、YESであれば、ステップ21ヘ進む。ステップ7では、アシストエア制御弁10に対する開弁要求信号(AAI/VON)を生成する。なお、開弁要求信号をコントロールユニット50内で生成はするが、未だ実際には、アシストエア制御弁10に対しては開弁(ON)信号を出力しない。
【0031】ステップ8では、ディレイ時間Tdを設定し、タイマT3をスタートさせる。次のステップ9では、T3≦Tdであるか否かを判断する。YESであれば(ディレイ時間Td経過していなければ)、ステップ18ヘ進み、ステップ18では、アシストエア制御弁10に対する開弁(ON)信号を出力しない状態を維持する。
【0032】ステップ19では、アシストエア制御弁10を閉弁維持して、ステップ20において、後述する図6のフローチャートに示すPBon,PBoff 検出ルーチンを実行して、アシストエア制御弁10の閉弁時(OFF時)の吸気圧力PBoff を検出する。一方、ステップ9でNO(ディレイ時間Td経過した)と判断された場合は、ステップ10へ進むが、該ステップ10では、アシストエア制御弁10に対する開弁(ON)信号の出力を許可して、アシストエア制御弁10を開弁(ON)させる。また、ディレイ時間Txを設定し、タイマT1をスタートさせると共に、ディレイ時間TBを設定し、タイマT5をスタートさせる。
【0033】続くステップ11では、T1≦Txであるか否かを判断する。YESであれば(ディレイ時間Tx経過していなければ)、ステップ12ヘ進み、ステップ12で、タイマーをカウントアップして、ステップ11へ戻る。NO(ディレイ時間Tx経過した)と判断された場合は、ステップ13へ進み、タイマT1=0にリセットし、ステップ14へ進む。
【0034】ステップ14では、後述する図6のフローチャートに示すPBon,PBoff 検出ルーチンを実行して、アシストエア制御弁10の開弁時(ON時)の吸気圧力PBonを検出する。ステップ15では、T5>TBであるか否かを判断する。NO(ディレイ時間TB経過していない)と判断された場合は、ステップ14へ戻り、YESであれば(ディレイ時間TB経過したら)、ステップ16ヘ進む。
【0035】ステップ16では、吸気圧変化(ΔPB=|PBon−PBoff |)を求める。ステップ17では、ΔPB1回検出済みフラグF(ΔPB)=1にセットすると共に、タイマT5=0にリセットし、図5のフローチャートにおけるステップ30ヘ進む。ステップ30では、サンプング回数カウンタCをカウントアップする(C=C+1)。
【0036】つづくステップ31では、ΔPB1=ΔPB、ΔPB2=ΔPB1、ΔPB3=ΔPB2なる処理を行って、リターンする。即ち、今回取得したΔPBをΔPB1に更新記憶する一方、記憶されていた前回値ΔPB1、前々回値ΔPB2を、ΔPB2、ΔPB3として更新記憶して、リターンする。一方、図3のフローチャートにおけるステップ6で、ΔPB1回検出済みフラグF(ΔPB)=1であると判断されると、ステップ21ヘ進むが、該ステップ21では、アシストエア制御弁10に対する閉弁要求信号(AAI/V OFF)を生成する。
【0037】ステップ22では、アシストエア制御弁10を閉弁(OFF)作動させる。そして、ディレイ時間Txを設定し、タイマT2をスタートさせると共に、ディレイ時間TAを設定し、タイマT4をスタートさせる。次のステップ23では、T2≦Txであるか否かを判断する。YESであれば(ディレイ時間Tx経過していなければ)、ステップ24へ進み、ステップ24で、タイマーをカウントアップして、ステップ23へ戻る。
【0038】NO(ディレイ時間Tx経過した)と判断された場合は、ステップ25へ進むが、該ステップ25では、、タイマT2=0にリセットし、ステップ26へ進む。ステップ26では、後述する図6のフローチャートに示すPBon,PBoff 検出ルーチンを実行して、アシストエア制御弁10の閉弁時(OFF時)の吸気圧力PBoff を検出する。
【0039】ステップ27では、T4<TAであるか否かを判断する。YES(ディレイ時間TA経過していない)と判断された場合は、ステップ26へ戻り、YESであれば(ディレイ時間TA経過したら)、ステップ28ヘ進む。ステップ28では、アシストエア制御弁10に対する開弁要求信号(AAI/V ON)を生成すると共に、タイマT4=0にリセットして、ステップ10へ進み、既述したステップ10以降の処理を実行する。
【0040】即ち、本フローによれば、車両減速中で、かつ、燃料カット中という診断条件が継続して成立しており、その間に、ΔPBを所定回数(例えば、3回)サンプリングできた場合だけ、上記ステップ5で、図5のフローチャートにおけるステップ32へ進むことが許可されることになる。そして、ステップ32では、サンプング回数カウンタCを0にリセットして、ステップ33へ進む。
【0041】ステップ33では、ステップ31で更新記憶したΔPB1、ΔPB2、ΔPB3を読み込む。ステップ34では、ΔPB1<所定値Aであるか否かを判断する。NO(ΔPB1≧所定値A)であれば、ステップ41へ進み、アシストエア制御弁10の開閉動作により、正常に吸気圧が変化したと判断して、アシストエア供給装置は正常に機能している(目詰まりや作動不良等はない)と判断する。
【0042】YESであれば、ステップ35へ進む。ステップ35では、ΔPB2<所定値Aであるか否かを判断する。NO(ΔPB2≧所定値A)であれば、ステップ41へ進み、アシストエア制御弁10の開閉動作により、正常に吸気圧が変化したと判断して、アシストエア供給装置は正常に機能している(目詰まりや作動不良等はない)と判断する。
【0043】YESであれば、ステップ36へ進む。ステップ36では、ΔPB3<所定値Aであるか否かを判断する。NO(ΔPB3≧所定値A)であれば、ステップ41へ進み、アシストエア制御弁10の開閉動作により、正常に吸気圧が変化したと判断して、アシストエア供給装置は正常に機能している(目詰まりやアシストエア制御弁10に作動不良等はない)と判断する。
【0044】YESであれば、ステップ37へ進む。ステップ37では、ΔPB1、ΔPB2、ΔPB3がすべて所定値Aより小さい場合であるので、アシストエア供給装置は正常に機能できていない(目詰まりやアシストエア制御弁10に作動不良等が生じている)と判断する。そして、ステップ38で、警告灯(MIL)等を点灯させて、運転者等に認知させて、修理等の処置を促す。
【0045】続くステップ39では、診断中フラグF1を0(診断終了)にセットする。ステップ40では、ΔPB1=0、ΔPB2=0、ΔPB3=0、F(ΔPB)=0として、リターンする。なお、ここにおいて、図6のフローチャートに示すPBon,PBoff 検出ルーチンについて説明する。
【0046】まず、ステップ51では、吸気圧センサ14で検出される吸気圧PBを読み込む。ステップ52では、アシストエア制御弁10がONとなっているか否かを判断する。YESであればステップ53へ進み、NOであればステップ55へ進む。
【0047】ステップ53では、アシストエア制御弁10の開弁時(ON時)の吸気圧力PBonが、今回検出された吸気圧PBより大きいか否かを判断する。YESであればステップ54へ進み、NOであればリターンする。ステップ54では、PBon=PBなる処理を行って、吸気圧PBon(ON時の最大値)を更新して、リターンする。
【0048】一方、ステップ55では、アシストエア制御弁10の閉弁時(OFF時)の吸気圧力PBonが、今回検出された吸気圧PBより小さいか否かを判断する。YESであればステップ56へ進み、NOであればリターンする。ステップ56では、PBoff =PBなる処理を行って、吸気圧PBoff (OFF時の最小値)を更新して、リターンする。
【0049】以上説明したように、本実施形態によれば、診断条件が継続して成立している間に、ΔPB(吸気圧変化)を所定回数サンプリングし、そのうち1回でもΔPBが所定値以上となったらアシストエア供給装置に故障等の異常はないと診断し、所定回数サンプリングしたΔPBが全て所定値より小さい場合のみアシストエア供給装置に機能異常等があると診断するようにしたので、従来のような誤診断を極力排除することができ、以って簡単な構成で精度良くアシストエア供給装置の機能診断が行えるようになる。
【0050】しかも、車両減速中(惰行走行中など)に、強制的にアシストエア制御弁10を開閉させて診断するから、運転性への影響を極力抑制できると共に、排気性能等の悪化も最小に留めることができる。なお、本実施形態のように、車両減速中で、なおかつ、燃料カット中に診断を行う構成とすれば、車両減速中を条件に診断行うようにした場合に比べて、より一層、運転性や排気性能、燃費性能等への悪影響を抑制することが可能となる。
【0051】ところで、本実施形態では、3回ΔPBを検出して、3回ともΔPBが所定値A以上となったときに、正常と診断する構成としたが、やや精度は低下するものの、検出された全てのΔPBのうち、ΔPBが所定値A以上となる状態が所定回以上であったことに基づいて正常と診断することも可能である。更に、検出された全てのΔPBのうち、連続して所定回数、ΔPBが所定値A以上となったことに基づいて正常と診断することも可能である。
【0052】また、本実施形態では、1診断サイクルで3回ΔPBを検出する構成としたが、3回に限定するものではなく、2回以上の所定回数とすることができるものである。更に、本実施形態では、ΔPB(機関運転パラメータ変化量)が所定値より大きくなる状態が1回検出されたら、直ちに機能診断制御を中止するようにしているので、診断のためのアシストエア制御弁10の開閉が必要以上に行われることがないので、運転性、排気性能、燃費等への悪影響を極力回避することができると言う利点がある。
【0053】また、本実施形態では、ディレイ時間Td、Txを設定するようにして、吸気圧PBが安定しているときに、アシストエア制御弁10の閉弁時或いは開弁時における吸気圧PBoff 或いはPBonを検出するようにしたので(図9のタイミングチャート参照)、吸気圧PBoff 或いはPBonの誤検知を抑制でき、以って誤診断を一層確実に回避でき、延いては一層高精度にアシストエア供給装置の機能診断を行うことができる。
【0054】そして、本実施形態における診断条件には、機関冷却水温Twが所定範囲内にあること、機関回転速度Neが所定範囲内にあること、車速Vが所定範囲内にあること、大気圧が所定以上であること等を、診断精度向上等のために含めることができる。なお、診断条件を、定常の機関運転状態であり、かつ、スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態とすることができる。この条件は、例えばスロットル弁3の前後差圧が大きい状態(所定の低負荷)であるから、アシストエア制御弁10の開閉切換に伴う吸気圧変化(ΔPB)を大きくできるため、診断精度を向上させることができることになる。そして、スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態は、例えば、吸気圧、吸入空気流量、基本燃料噴射量の1つから検出することができる(図8参照)。
【0055】また、本実施形態では、機関運転パラメータ変化量である吸気圧PBの変化(ΔPB)に基づいて診断する構成として説明したが、本発明の機関運転パラメータ変化量は、これに限定されるものではなく、吸入空気流量Qの変化(ΔQ)、機関回転速度の変化(ΔN)、燃料噴射量変化(ΔTP)、所定のアイドル運転時に目標回転速度に近づくようにアイドル回転速度のフィードバック制御を行っている場合における前記アイドル制御弁18の開度制御量の変化等とすることも可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、従来のような誤診断を極力排除することができ、以って簡単な構成で精度良くアシストエア供給装置の機能診断を行える。このため、運転者に精度の高い情報を提供することができるから、警告灯の点灯等による修理等の処置を適切に促すことが可能となる。
【0057】請求項2に記載の発明によれば、取得されたすべての機関運転パラメータ変化量が所定値以下であるときに異常と診断するので、最大限高い精度でアシストエア供給装置の機能診断を行える。請求項3に記載の発明によれば、機関運転パラメータ変化量が連続して複数回所定値以下であるときに異常と診断するので、比較的高い精度でアシストエア供給装置の機能診断を行える。
【0058】請求項4に記載の発明によれば、機関運転パラメータ変化量が所定値より大きくなる状態が1回でも検出されたら、直ちに診断制御を中止するので、診断のためのアシストエア制御弁の強制的な開閉が必要以上に行われることがないので、運転性、排気性能、燃費等への悪影響を極力回避することができる。請求項5〜請求項9に記載の発明によれば、診断精度を高く維持しながら、運転性や排気性能、燃費性能等への悪影響を抑制することができる。
【0059】請求項10に記載の発明によれば、比較的簡単な構成で、スロットル弁を通過する吸入空気の流速が音速以上となる運転状態を検出できる。
【出願人】 【識別番号】000167406
【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
【出願日】 平成10年(1998)3月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
【公開番号】 特開平11−280615
【公開日】 平成11年(1999)10月15日
【出願番号】 特願平10−84383